フューチャー・フューチャーの日々『ゲートウォッチの誓い』編

更新日 Latest Developments on 2016年 2月 19日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

 またまたフューチャー・フューチャーの日々の時間がやってまいりました。この企画ではフューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)のスタンダードのプレイテストを再訪して、『ゲートウォッチの誓い』のカードを重点的に見ていきます。

 いつものように「フューチャー・フューチャーの日々」の記事を読む上で覚えておいてほしいことは、ご紹介するこれらのデッキの多くは調整されたものではないということです。これらのデッキには今のバージョンよりも強力なカードが満載されていたり、デベロップの後期に変更された現実世界のカードが入っていなかったりします。またこれらは現実世界が考え出したものとは少し異なったメタゲームへの反応をしているので、あなたの地元のトーナメントにこれらを持ち込んで勝てるとは思わないでください。これら全てのデッキの目標は、環境最強のデッキになることではなく、何かを試して学ぶことです。

 最強のデッキのアイデアを与えてくれるトーナメントを開くこともありますが、そこで我々がつかむのは、何が可能であるか、そして個別のカードがスタンダード環境をより良くする方法の正しい感触です。もしカードが抜けているように見えるデッキがあるなら、その通りでしょう! 多くの場合、それらのデッキ――と抜けているいくつかのパーツ――は我々にとってカードを調整したり追加したりするモチベーションになります。

 これらのデッキをご紹介することで、我々が何を考えていたかについての洞察を得る助けになるでしょう。もしかしたら、現実世界にはまだ存在しないクールなカードが見られるかもしれません。これは我々がプレイしていたデッキの完全なリストではなく、むしろ私が言いたい興味深いことがあるデッキを少しお見せするものです。私の記憶の旅をお楽しみいただければ幸いです。

ビートダウンを理解する

 アグロ。古き良きアグロ。一般的に、コントロール・デッキのような対応型のデッキとは対照的にアグロ・デッキは先行するゲーム・プランを持っているので最も早く作られるデッキの1つです。我々は常に正しくアグロ・デッキを作れているわけではありませんが、これらのデッキは始める基準として素晴らしいところにあります。現実世界でまずアグロが現れて他のデッキがそれにどう対処するかを考え出すのによく似て、我々は大抵強力なアグロ・デッキから始めて、その後の数週間で他のデッキの動きを考え出します。

アタルカ・レッド

スタンダード
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 我々はこのバージョンで現実世界と比較しても多くの部分で正解していますが、現実世界で現在注目されている《強大化》と《ティムールの激闘》のコンボをプレイしていません。その違いがあったにせよ、これはこのフォーマットの素晴らしい基準線になりました。

 我々は《アタルカの命令》型以外にも多くのアグロ・デッキを作りました。また我々は無色カードと《幽霊火の刃》に焦点を当てた様々なバージョンの赤黒アグロも作りました。

赤黒エルドラージ

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 しかしながら我々はただ火力を撃つ以外のデッキも必要としました。アグレッシブな戦略でありながらゲームを決めるために火力を使うのではなく妨害手段を使うデッキがあることを、我々は好んでいます。これらは基本的にそれよりもアグレッシブなデッキには不利ですが、コントロールやランプに対しては有利です。

 このデッキは完全には機能しませんが、通常のプレイパターンから楽しい方向転換をしていました。

妨害アグロ

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 しかしながらこれは単に昇華者が入ったデッキではありません。我々はより伝統的な感じのデッキも作っていて、この場合は無色に焦点を当てた赤青デッキです。

青赤欠色

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 《粗暴な排除》の重い呪文の妨害とブロッカー排除の組み合わせは、強力な一撃とともにこのデッキを勝利に導きます。

古典再訪

 我々がFFLの新しい時期に移るとき、最初にすることは、古いデッキを選んで新しいカードが古いデッキにどのように使われるかを見るべく、いくつかのアップデートを行うことです。

 《変位エルドラージ》は繰り返し戦場に出たときの効果を得られるデッキで強いカードで、この場合《包囲サイ》や《風番いのロック》を使っていますが、その一方で相手のトークンや《搭載歩行機械》に対処するためにも使われています。

アブザン・エルドラージ

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 我々のバージョンの《ナントゥーコの鞘虫》デッキは現実世界のものとは異なります。《先祖の結集》に大きな価値を見出した形よりもマナ基盤の面で大胆さに欠けていました。現実世界のものが我々のものより正しいことは間違いないと思いますが、しかし我々のバージョンは優れた基準を提供し、この種のデッキに対処するために《ゲトの裏切り者、カリタス》や《鞭打つ触手》のようなカードを印刷するべきだと我々に教えてくれました。

黒緑生け贄

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 我々のコントロール・デッキの基準は、『ゲートウォッチの誓い』から多く得るものがないと認識していたエスパー・ドラゴンでした。その大部分はいくつかのより効果的な除去を得ました。これは革命的ではないかもしれませんが、このようなデッキがあることはFFLのメタゲームを可能な限り正確に保つために重要です。

エスパー・ドラゴン・コントロール

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デカブツを信じる

 ゼンディカーとは何かという問いに1つ挙げるなら、エルドラージです――そして我々は加速してエルドラージを出すデッキをいくつか作りました。《書かれざるものの視認》と《ニッサの天啓》は単に大型エルドラージを唱えるだけでない価値を得るために選ばれた武器です。このデッキでの赤はアグロに対して《龍王アタルカ》と《コジレックの帰還》の両方で大きな力をもたらします。

赤緑ランプ

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 赤を抜いて無色マナだけを使うことによって、何枚かの《荒地》をプレイして加速のために《残された廃墟》を確実に使えるようになり、重い呪文を可能な限り早く出せるようになりました。

緑無色ランプ

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 しかしながら加速してエルドラージを出すだけが全てではありません。《炎呼び、チャンドラ》(以前の《太陽の勇者、エルズペス》によく似ています)はスタンダードで加速して出せる最強の6マナ域の1つです。彼女のアドバンテージを活かすために、我々は2ターン目にマナ・クリーチャーを出し、続いて《深海の主、キオーラ》から4ターン目に《炎呼び、チャンドラ》を出すランプ・デッキを作ってみました。4ターン目に2人のプレインズウォーカーが戦場にいることは馬鹿にならないことですが、このデッキは他のランプ・デッキよりもマナの面ではるかに大きな脆弱性を抱えています。

ティムール・ランプ

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 とうとう我々は色マナを使わないランプ・デッキを作りました。このデッキにはそれなりに大きなクリーチャーを出せると同時に強力な効果で追い打ちをかける、とても強力な無色マナを生み出す土地が大量に入っています。

無色ランプ

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イロモノ

 もちろん、我々は古い実証済み以外のものも試さなければなりません。ちょっと狂った常識外れのものも試してみました。これらのデッキはスタンダードで「現実の」デッキとして現れる可能性は低いですが、これらのデッキのうちいくらかがメタゲーム次第では機能しうるよう、十分な試みがあるようにすることを我々は好みます。

 1つめのデッキは《ニクスの星原》を使い、強力な戦場に出たときの効果を持った「誓い」などのエンチャントを戻してきます。これは青白に絞っていますが、緑を足してさらなるアドバンテージを得ることが簡単にできます。

青白星原コントロール

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 また「誓い」の存在で、待望されていたスーパーフレンズ・デッキが生まれました――スタンダードに存在する中でも強力なプレインズウォーカーを最大限に活かすために「誓い」をたくさん用いたデッキです。

スーパーフレンズ

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 最後に、怒濤(と《遺跡潜り、ジョリー・エン》)をできるだけ使うため、我々は怒濤メカニズムを試したデッキをいくつか作りました。下記のリストはいくつかのカードに変更が加えられたので、マナ・カーブが完全に同じではありません――しかしこれは1~2ターン機能すれば圧倒的な有利をもたらす能力があります。

青赤怒濤

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 今週はここまでです。来週は2ブロック制に取り組む上でのいくつかの課題と、我々が『ゲートウォッチの誓い』で学んだことについてお話しします。

 ではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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