週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」第5回:千葉出店ショップ編 その1

更新日 Feature on 2015年 6月 26日

By 瀬尾 亜沙子

 世界中で2千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ世界最高の戦略トレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』。この記事では、5月末開催の記念すべき「モダンマスターズ・ウィークエンド」から、8月末開催の「世界選手権2015」まで、「あなたにとってマジックとは?」というインタビューをまとめた記事を毎週連載していきます。

 『マジック・オリジン』、この夏発売の新セットでは、5人のプレインズウォーカーが何故プレインズウォーカーになったのかという理由が明かされます。プレイヤーの象徴でもあるプレインズウォーカーにも、それぞれ違った人生背景が隠されているのです。では、「マジックプレイヤーは何故マジックプレイヤーになったのか?」そこにはどんなストーリーが隠されているのでしょう……この連載記事でその謎を明らかにしてみます。

 さまざまな方に「あなたにとってマジックとは?」という質問を投げかけているこの企画。グランプリ・千葉2015の会場に出店していた、カードショップ店員の皆さんにも話を聞きました。マジックを遊びではなく商品として扱っている方たちにとっては、また別のとらえ方があるのでしょうか?

日下部恭平(BIG MAGIC マジック:ザ・ギャザリングマネージャー)

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――あなたにとってマジックとは?

日下部:人生の3分の2くらいマジックをやってるので、「人生そのもの」ですね。

――いつごろから始められたんですか?

日下部:さわったのは『ミラージュ』からで、『エクソダス』から大会に出始めました。まだ小学3年とかでしたかね。
 小学生のときにミニ四駆とかやってたんですけど、出入りしてたおもちゃ屋さんにデュエルスペースがあって、カードやってる大人たちがいたんです。まだ『遊戯王』とかもないころだったので、よくわからないけど楽しそうだなと思って始めました。

――大人に交じってやってたんですか?

日下部:みんな、僕がちっちゃいんでコモンとかアンコモンとかくれるから、それでデッキを組んで遊んでいました。大人相手だから勝てなかったですけど、別に気にせず、楽しかったですよ。いまだにその時の知り合いとかがたまにお店に遊びに来てくれます。

――それは長い付き合いですね。お店で働くようになったのはなぜですか?

日下部:こういう仕事しようとはまったく思ってなくて、たまたまです。知り合いがここ(BIG MAGIC)でアルバイトしてて、「なんかマジックやってたんだって?」「今でもやってるけど」「そうなんや、うちちょっと人足りんから手伝って」という流れで。アルバイトから数えたらもう9年くらいになりますかね。

――今はBIG MAGICの偉い人なんですよね。

日下部:マジックの部門で一番上にはいます。

――どういう仕事をされているんですか?

日下部:各店舗のマジック部門の値段設定とか、全体のバランスを見るみたいな……。みんな自由にやってもらうんですけど、最終決定については相談してねという感じです。こういうイベントの場合は、責任者としてブースのマネジメントもします。

――お店に入ってみて、プレイヤーのときと違うところはどこですか?

日下部:すごく情報に敏感にならないとダメだということですね。プレイヤーだったときよりもずっとマジックのことを考えてます。プレイヤーだと、たとえばスタンダードしかやってなかったらスタンダードしか見ないんですが、今は海外のコラム読んだりしてヴィンテージとかも情報を仕入れて、全部見ないといけない。でもマジック全体が好きなので、全然苦じゃないです。情報の最先端でいたいというのも自分の中でありますし。

――そうなんですね、どうもありがとうございました。

谷中靖司(イエローサブマリン 戸田イベントスペース)

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――あなたにとってマジックとは?

谷中:当初は「趣味」だったんですけど、今は趣味から「仕事」に変わりました。今はマジックをプレイヤーの方に広めていくのが仕事だと思っています。

――もとはマジックプレイヤーさんですか?

谷中:はい、『テンペスト』のころから始めたんですけど、プレイヤーだったのが縁あってイエローサブマリンに勤め出しました。

――プレイヤーとして遊ぶのとお店の中にいるのとで、どういうところが違いますか?

谷中:遊んでいたころは大会の運営なんて見ていなかったんですが、裏方になってから、「大会を運営していくのは、それはそれで難しい」ということがわかりました。

――実は大変だったんだなぁと。

谷中:そうですね。ただ、いろんな方に参加していただけるとうれしいので、参加する人のために場所作りをする立場というのも非常におもしろいですね。趣味が仕事になったわけですが、こうやってマジックを広める仕事につけているのは、やっぱりいいなあと思っています。

――「マジックを広める」といいますと、どんなことですか?

谷中:ショップなので、イベントを開催するのがメインになります。当店はアドバンス店舗になっていますので、大きなところだと、グランプリ・トライアルとかシーズンごとのプロツアー予備予選(PPTQ)とかもあります。競技性の高い試合をちゃんとできる環境を作るというやり方で、マジックに関われてよかったなと思いますね。

――そうですね。どうもありがとうございました。

佐久間正太(東京MTG 店長)

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――あなたにとってマジックとは?

佐久間:「生涯の友だち」ですかね。今持ってるコレクションも、墓まで持ってくつもりなので(笑)

――「俺が死んだら一緒に焼いてくれ!」みたいな?

佐久間:まあ焼いちゃったらもったいないので、誰かにあげてもいいんですが、死ぬまでは絶対に手放さないですね。

――年をとっても大事な友だち、ということですね。

佐久間:そうですね、かれこれ16年とかやってますから。

――いつからマジックを始めたんですか?

佐久間:中学3年くらい、ちょうど『ウェザーライト』から『テンペスト』が出る前くらいに知って、最初のころは何をやってもおもしろくて、わーっと遊びましたね。そのあとは……「カードだけ集めておくか」みたいな感じです。僕はこういうグランプリみたいな、プレミアトーナメントというものには一度も出たことがないんです。

――へえー、そうなんですか。

佐久間:どっちかというとコレクターですね。貴重なカードや珍しいカードを集めて眺めるのが好きで、部屋にカードコレクションばっかり増えていきます。

――でも、そういうふうにマジックと付き合っている方もけっこういると思いますよ。そして今では東京MTGの店長さんですよね。

佐久間:そうですね、僕は店長で、あっちにいる(指さす)外国人2人がオーナーです。コレクターとして毎日のように都内のお店を回っていたとき、秋葉原とかをずっと回ってると、必ず彼らと会うんですよ(笑) それで一緒に遊んだりしているうちに、ある日彼らが「お店を作りたいんだけど、日本人のスタッフがいないんだ」という話になって、僕はマジック詳しいし、もともと接客業だったので、「じゃあ僕がやってもいいよ」ということになって、彼らと一緒に立ち上げました。

――それまでやってたお仕事を思い切ってやめたんですか。

佐久間:そうですね。大丈夫かなーとは思いましたけど(笑)、なんとかなりました。上司が外国人なので、片言の日本語でコミュニケーションをとるのがちょっと大変なときもありますが、接客業自体は前からやっていたので、お客さんを相手にする部分は特に問題もなくやってこられたかなと思っていいます。

――それでは、これからもマジックとよき友だちでいてください。ありがとうございました。

※千葉に出店していた他のショップについては、後ほど掲載予定となっております。

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