週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」第7回:グランプリ・千葉2015プレイヤー編 その2

更新日 Feature on 2015年 7月 10日

By 瀬尾 亜沙子

 世界中で2千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ世界最高の戦略トレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』。この記事では、5月末開催の記念すべき「モダンマスターズ・ウィークエンド」から、8月末開催の「世界選手権2015」まで、「あなたにとってマジックとは?」というインタビューをまとめた記事を毎週連載していきます。

 『マジック・オリジン』、この夏発売の新セットでは、5人のプレインズウォーカーが何故プレインズウォーカーになったのかという理由が明かされます。プレイヤーの象徴でもあるプレインズウォーカーにも、それぞれ違った人生背景が隠されているのです。では、「マジックプレイヤーは何故マジックプレイヤーになったのか?」そこにはどんなストーリーが隠されているのでしょう……この連載記事でその謎を明らかにしてみます。

 さまざまな方に「あなたにとってマジックとは?」という質問を投げかけているこの企画。スタンダード以外の、古いカードを使うフォーマットをプレイしている方にも話を聞いてみたいということで、グランプリ・千葉2015のサイドイベントでレガシーとヴィンテージのプレイヤーにインタビューをさせていただきました。

佐々木康裕

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「日本レガシー選手権2015・春」に出場。忍者デッキを愛用し「孤高のニンジャマスター」という二つ名がついたこともある。

――あなたにとってマジックとは?

佐々木:楽しい「遊び場」です。思いつきを試すための場所ですね。

――どんな思いつきを試すんですか?

佐々木:レガシーでずっと忍者デッキを使っているんですが、忍者というデッキは、レガシーで一番強いと思っているんです。勝手に自分がそう思っているだけですけど……。どうすれば忍者の強さを引き出せるかと日々ひたすら考えて、思いついたものを全部試してますね。失敗を繰り返しているだけですけど。

――そこまで忍者が最強だと思う理由は何でしょうか?

佐々木:そうですね……理由はうまく説明できないんですが、自分にはどうしても強く見えてしまうんです。それこそ、バカの一つ覚え的なものかもしれませんね(笑)

――では、どうしてそこまで忍者が好きなんですか?

佐々木:子どものころから忍者が好きで、小学生のころに「神河物語」を買って、忍者がカッコいいと思ったのがきっかけだと思います。で、使い続けてるうちに刷り込みというか……。あと、途中であきらめるのが怖くて続けているだけかもしれないです。

――最強になる前にあきらめたら最強になれないと。夢は願い続ければいつか叶う、ということですかね。

佐々木:そんなポジティブなことはなかなか言えないです……。今日のレガシー選手権でも、さっそうとバーンデッキに焼かれてきましたし。

――どれくらい忍者を使い続けてるんですか?

佐々木:マジックを高校3年ごろに再開して、それから5年くらいですね。もともとは小学校のときに友達に誘われて始めたんですけど、年代的にみんなほかのゲームをやるようになって、マジックは全然相手してくれなくなってしまいまして。でも高校にもなると一人で大会にも出られるようになってきたので、復帰しました。

――復帰したとき、忍者を使うためにレガシーを始めたんですか?

佐々木:はい、当時はまだモダンが制定されていなかったので。今はもちろんモダンでも忍者を試してはいます。忍者はモダンだと全然強くないので、ボコボコですけど。

――それでもほかのデッキは使わないんですか?

佐々木:いろいろ試してはみるんですけど、結局勝てないし、忍者を使ってないと楽しくないんですよね(笑)

――しかし、忍者というモチーフ自体は、ほかのカードゲームにもけっこういると思うんですけど、マジックでの忍者は何か特別なんでしょうか?

佐々木:忍術というシステムが、自分はマジックで一番面白いと思っているんです。どうやってアタックを通していくかという工夫もありますし、何を忍術したら強いか、忍術でどんなメリットが生み出せるか……。忍術によって生まれるコンボもありますし。

――今までにどれくらいの数の忍者デッキを作ってきたんですか?

佐々木:えーっと、ちょっとわからないですね。5枚入れ替えたくらいのバリエーションだったら、1000どころではすまないでしょうし。もちろん、お話にならないようなのもたくさんありますが。

――デッキの定まった完成形がないから、いろいろと試せるんですね。

佐々木:そうですね。忍術という能力は、新しいカードが出れば出るほど試すことが増えるので、エキスパンションが増えるたびにやれることが増えて、完成形というのはないですね。忍者以外の固定パーツはないに等しいので、根本からまったく変わることもよくあります。

――そういう実験ができるのも、マジックのカードプールが多いからでしょうか。

佐々木:はい。レガシーは特にそれに適しているフォーマットだと思います。

――なるほど、だからこそマジックは遊び場、ということですね。どうもありがとうございました。

三代謙仁

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グランプリ・千葉2015のサイドイベント「ヴィンテージオープン」で準優勝。手にしているのは賞品のキャンバスアート。

――あなたにとってマジックとは?

三代:難しいですね(笑) 「原点にして頂点」……でしょうか。

――おおー、かっこいい。さすが、ヴィンテージの大会に出るほどの方は違いますね。

三代:いや、といっても、実はデッキは借り物なんですよ。

――そうなんですか。普段は特にヴィンテージをやっていないんですか?

三代:やってないわけではないんですが、やる相手はあんまりいないですね。まだカードを集めている最中で、デッキを完全に組めるほどカードが集まってなかったので、借りたデッキで出ました。

――今日の大会の結果はいかがでしたか?

三代:「ドレッジ」で出て5勝1敗です。《Bazaar of Baghdad》でカードを落として、2、3ターンで勝つみたいなデッキですね。

――ずっと使っているデッキなんですか?

三代:いえ、自分のデッキが間に合わなかったので……。普段はレガシープレイヤーなんですが、レガシーでも「ドレッジ」は使ってなかったです。でもどうしてもヴィンテージの大会に出たいと思って、友人から借りました。

――デッキを貸してくれた方は、今日の大会にはいらしていたんですか?

三代:グランプリ本戦に出てますね。

――三代さんは本戦には出なかったんですか?

三代:ヴィンテージができる機会は少ないので、今日はわりとこれに賭けて来た感じです。ヴィンテージの大会は初めてなんで、いろんなデッキを試して、けっこう練習もしてきました。

――じゃあ、練習の結果が出たんですね。

三代:それはやっぱりあると思いますね。唯一負けたデッキが、練習してなかったデッキだったので。

――ヴィンテージというとカードパワーに目がいきがちですが、やっぱり練習が大事なんですね。

三代:そうですね。ヴィンテージって、「どうせ先攻が勝つんでしょ」って思う人もいると思うんですが、そんなことはなくて。練習を積んで、相手の動きを理解してこっちもそれに対応して……みたいなところは、ほかのフォーマットと変わらないです。

――なるほど。それではヴィンテージの魅力というと、どういうところですか?

三代:普段使えないカードを使えることと、動きが派手なのが一番の魅力ですね。派手な必殺技を互いに撃ち合っていくような。

――うまくいくと1ターン、2ターンとかで勝てるんですか?

三代:「ドレッジ」は、ヴィンテージだと1ターンは無理なんですよね。レガシーだと、《ライオンの瞳のダイアモンド》が4枚使えるので、1ターン目でいけるんですけど、ヴィンテージは1枚だけなのでそっちのルートがとれないんです。でも、安定して2ターンキルとかいけちゃうので、そこは強いですね。

――そうすると、1ラウンド50分なんてかからないですね。

三代:いや、メインはすぐ終わるんですけど、サイド後に相手がちゃんと墓地対策していると、普通にクリーチャー並べて殴るゲームになったりもするので、時間かかるときはかかりますね。「ドレッジ」は、サイド後にようやくマジックし始める、みたいな感じです(笑)

――そういうものなんですね。ところで、マジックはいつから始めましたか?

三代:ちょうど『ウルザ』~『インベイジョン』・ブロックのころ、中学生のときに初めてさわりました。一回やめちゃったんですけどカードはずっと持ってて、大学に入ったくらいで友達から「昔のカード使えるからレガシーをやろう」って言われて、けっこうやるようになりました。

――持っていたウルザ・ブロックあたりのカードを使ってレガシーですか?

三代:そうですね、《実物提示教育》とかです。そのあと、「マジック」以外にもいろんなカードゲームとかを転々として、一周回って去年あたりから戻ってきた感じですかね。友達が始めたというのもあって、ヴィンテージやりたいと思うようになったので。

――ヴィンテージはやはり終着点、頂点というイメージがありますもんね。

三代:そうですね。やっぱり最初に言ったように「原点にして頂点」という感じで、マジックに戻ってきちゃうかなと。歴史もあるし、長く続けられるという安心感があるカードゲームなんですよね。

――今後もちょっとずつカードを集めてデッキを育てて、ヴィンテージをやっていきたいという感じですか?

三代:そうですね。やっぱりネックはパワーナインなのでちょっと大変ですけど、がんばりたいと思っています。

――どうもありがとうございました。

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