
そういえばメキシコに行った気がしますが、たぶん観光にでも行ってたのでしょう。
ほら私といえば観光好きというキャラですし。
たしか、メキシコ料理を食べようとレストランに行ってみたのは良いですが、メニューがスペイン語でさっぱり解らずに、とにかく廻りを見渡して「これとこれとこれ」みたいな頼み方をしてみると、「これとこれとこれとこれとこれとこれ」くらいの量が出てきて3人で撃沈した記憶がありますね。
翌日にはお腹を壊しているというオマケ付き。

スペイン語のメニューを前に長考
あ、それとマジックとかいうゲーム大会の会場に行ってみると、みんな変な帽子被っているんですよ。
中にはプロレスマスクやコンビニに行くとおまわりさんを呼ばれそうなもの、そういやケンタッキーのファミリーバレル、あのバケツみたいなやつをひっくり返して被ってる少年とかまで。
なにここ怖い、メキシコ怖い、マジックもっと怖いなんて言っていたら、「帽子被っている人割引」というものがある、という種明かしをしてもらったんですけどね。
かく言う私も被らせてもらいましたよ、帽子。

まあ、そんな荒唐無稽な話ありえませんよね。
これがいわゆる夢ってやつか、あと1勝で初日抜けから気がつけば1度も勝てないまま終わっただなんて、はははは、そうだ夢に違いない。
フィーチャーマッチで負けて落ちた後に記念撮影を求められたとか、絶対に夢に違いないんだ…
笑顔が強ばっていたかもしれませんが会場を出るまでは頑張ったとか、ほら、どう見てもゆめ……
Martinez Salvages Victory in Guadalajara(グランプリ・グアダラハラ 英語イベントカバレージ)

なんていう現実逃避は置いといて、
新シーズン一発目のグランプリは初日落ちノーポイントという結果に終わってしまいました。
今は日本に帰国して、そして再びアメリカへと向かう飛行機の中です。
おおよそ10日間の日本生活?、いや日本滞在と言ったほうが良いのかもしれせんが、それを経てアメリカに向かうのは、今週末(6/15-16)に開催されるグランプリ・プロヴィデンスから4週間、アメリカ各地で開催されるグランプリに参加するためです。
ついちょっと前にあんなに悲観的なことを、「前シーズンでグランプリを廻り続けるライフスタイルは終了」と言っていたのに何故? と思われるかもしれませんが、答えはわりかし簡単です。
『今週末のプロヴィデンスがチーム戦で、今シーズンの概要が発表される前に「行く」と言ってしまったから』
これが個人戦であれば、うーん、どうしたのでしょうね。
率直に言って、今のシステムでは練習練度を下げてでも参加するということにメリットが無いのは確かです。
とは言ってもトップ16以上という成績を年間で5回は挙げる必要があるので、グランプリに参加するということ自体にはまだ一定の意義があります。一応250ドルの参加報酬ももらえますしね。
ついでに、1回の渡米、しかも自費でのものに対してグランプリを参加しないのはもったいない…、読んで頂いている方にはおおよそ見当が付かれていると思いますが、根が貧乏性なのです。
ですが、何よりも長年の習慣的なもの。
気がつけばもう10年近く続けているこの生活に対する愛着。
やはり出来うることなら、この生活を続けていきたいという思いがあるのも否定できません。
そういえばこの連載も少し形態が変わる予定です。
それに向けての話はそこそこに、順調にいけば16人トーナメント(世界選手権)からの再開となると思いますが、とりあえず隔週で連載していた「なかしゅー世界一周」はこのアメリカ行編でいったん幕を下ろします。
それまでもうしばし、今回と次回まで、お付き合いのほどよろしくお願いします。

さて、近くてどうなるかわからない未来の話はこれくらいにしましょう。
ここからはお気楽極楽アメリカ1ヶ月、プロポイントの重圧からも開放されたばかりで羽根を伸ばしたい盛り。
今年からは前述のような理由でグランプリに出ないという選択肢を取ることもできるので、今回はリミテッド中心にゆっくりまったりいきたいなと思っています。
モダンは鉄の意思で行かない覚悟を示すために、敢えて開催2日前に帰る便を取るくらい。
一応スタンダードのカードは持ってきましたが、これ以上荷物を増やしたくもないですしね。
日本ではなかなかに睡眠時間が安定しなかったのが幸か不幸か、いつもはぐっすり5〜6時間は寝られるのに2時間ほどで目が覚めてしまい、本当に久しぶりに独創的な味付けで有名なアメリカ系航空会社の機内食をかじり、機会がなかなか無かった『ホビット 思いがけない冒険』を機内上映で鑑賞できて、
こうしてノートPCと向き合っている現在は、到着まであと6時間。
何を書こうかとちょっと困って過去の写真を開いてみたりしてたのですが、ちょうど良いネタがありました。
2週間後(6/22-23)に開催を控え、キャンセル不可のプレ登録で既に1500人を超えているグランプリ・ラスベガスです。
ただでさえ人が来そうなラスベガス。しかも世界でただ1回の『Modern Masters』リミテッドのグランプリということもあるのだと思いますが、主催者の意気込みも半端ではありません。
主催者のツイートによると、1日平均で100人ずつプレ登録が増えているとのことなので、このままいけば3000人超えも現実のラインで見えてきてしまっています。
ちなみに今シーズンからグランプリは「初日9回戦+2日目6回戦固定」となっているので、果たしてトップ8に残るには1分けor1敗のみ?
まあこれもお祭りなので考えないことにしましょう。
負けたら負けたでポーカーしに行けば良いんだし…
今回はそんなグランプリ・ラスベガス、日本からも相当数のプレイヤーが参加するだろうからというのを建前として、これまでのラスベガスの食費が取材費で落ちないかなあ、という本音を織り交ぜて、「ラスベガス・レストランガイド」をやりたいと思います。
これが通ったら取材という名目で次回はあんなことやこんなことを…
っと、妄想垂れ流しはこれくらいにしてそれでは行ってみましょう。
ラスベガスの風景と背景
ラス・ベガスとひとことで言っても観光地としてのエリアは2つあります。
1つは「ダウンタウン」。旧市街と言っても良いかもしれませんね。
もう1つが「ストリップ」。空港からすぐの場所にある新市街。
グランプリ・ラスベガスの会場はダウンタウンにあります。
ですがマジックプレイヤーには、とにかくド派手なストリップの方が人気があるようで、私が知っている、というか連れ回されて見知っているのはストリップの方。
いや、一般的にもストリップの方が有名な気がしますね。
ラスベガスを題材にした映画なり、観光ガイドなり、テレビ番組なりを見ても紹介されているのはだいたいこのストリップ地区。
実感としてもラスベガスに行くならストリップを見なけりゃもったいない。
ぜひ、立ち寄ることをおすすめします。
街を歩いている自由の女神だったり、エッフェル塔だったり、と思うとベネチアのサンマルコ広場がボナセーラ。


はたまた超豪華噴水ショーが30分おきに無料で見られたり。

隣で火山が爆発したり、海賊船同士が熱唱バトルを繰り広げていたりと、しっちゃかめっちゃかなところなのです。

もちろん無料で供されるアトラクション的なものですらそれなのですから、各ホテルが自前で持っている劇場でやる催し物ともなるとさらにグレードが上がります。
例えば「シーザーズ」だとセリーヌ・ディオンかシャナイア・トゥエイン。
シルク・ド・ソレイユが複数のホテルで公演していたり、そういえばデビッド・カッパーフィールドもここでやっていたはずです。
カジノという一大産業を前提にしていますが、そのカジノの必要経費としてのサービスから、この街でしかありえないようなものに形態が進化しています。
東京近郊にもある夢と魔法の国のようなものです。
一つ一つの要素は真似できても、全体を真似ることがおおよそ不可能に近い。そこだけが持つ一種のブランド力になっている。
まあ、いささか欲にまみれていなくもないですが…
とはいえサービスの向上という点では一切の妥協がありません、
何せ発信元は一つ一つのホテルなので、駄目なものは瞬く間に淘汰されてしまうのです。
ラスベガスの名物:バフェ
それは食に関しても例外ではありません、アメリカは疎か、ヨーロッパの有名店も数多くこの街に来ていますし、流行らなければ即座に潰れそこに新しい店が再オープン。どこかで工事中というのが、ほんの数キロの通りで繰り返されるのです。
もともとはカジノ客へのサービスとして始まったらしい『バフェ』、日本語的には食べ放題、『バイキング』も、私が定期的に訪れるようになったこの1年だけでも2〜3店が再オープンやリニューアルを遂げています。
最近の流行は高級志向ということで、主にそちらの方向へのリニューアルが多いですね。
それに伴いお値段の方も、かつては20〜30ドルくらいのレンジが、今は30〜40ドルくらい。1食分として考えるとちょっと高く感じられますが、1日1回で結構充分なので、コストパフォーマンス的にはそれでもそんなに悪くないというのが個人的な印象。
何よりも名物ですしね。
ちょっと注意が必要なのは、額面代金にプラスしてラスベガスは意外と消費税が高いことと、多人数で行った場合、飲み物を運んでくるウェイターに渡すチップのかわりに一律20%の接待費を要求されたりもすること。
その結果、週末のディナー代金となれば50〜60ドルという金額になることすらあります。
お勧めとしては料金がそこそこなランチタイムの終わり頃、昼過ぎに行って1日分食べ尽くすという動きですね。
あるいはグループ内ホテル協賛で「24時間・各ホテルのバフェ行き放題」というチケットが50ドルであるので、それを使って「夜―朝―夜」というのも良いです。胃薬必須ですが。
それでは私のお勧めホテルバフェを紹介していきましょう。
シーザーズ・パレス『バッカナル』(Caesars Palace "Bacchanal Buffet")
今年の年初あたりに再オープンと最も新しいバフェ、そして紹介する中では最も高級なバフェ。
その分、料理の質も最高レベル。
アメリカ人が大好きなカニ食べ放題から、生ガキなどのシーフード、肉、メキシカン、イタリアン、中華、日本食まで、ラスベガスのバフェ的な食材の全てが揃っています。
手巻き寿司に豚骨ラーメン、季節によってはおでんやすき焼きといった日本料理が用意されているのもポイント高し。
今、ラスベガスに来たなら連れて行きたいところNo.1です。
目安予算:昼30ドル、夜45ドル


コスモポリタン『ウィキッド・スプーン』(Cosmopolitan "Wicked Spoon Buffet")
バッカナルができるまで、ストリップでNo.1のバフェといえばここでした。
味について落ちたということはないので、ここも変わらずお勧めできます。
店の名前通り、ワンスプーンを意識した配膳が特徴的。あとカルビ肉がおいしい。
それと個人的にはアメリカ人が発明したベストデザート、フォンダンショコラにアイスクリームを載せるというプレイングをするならここがベスト。
初めて教えてもらった時はアイスクリームの天ぷらのようなキワモノ系と思ってましたが、実際はどうなのかは試していただきたいところ。騙された思ってぜひ。
昼夜で完全入れ替え制、かつ他のバフェに比べて昼の受付終了時間がかなり早いので注意が必要です。
目安予算:昼25ドル、夜35ドル


ベラージオ『バフェ』(Bellagio)
ウィーン『ザ・バフェ』(Wynn Las Vegas)
グレード的にストリップで最高峰に位置するホテル。
そのバフェは上2つほどの斬新さはありませんが、そつなく品質も高くてお勧めできます。
加えて、この2つのホテルは古き良きバフェの伝統、料金を入場した時間帯によってのみ徴収するところを受け継いでくれています。
つまり、ギリギリランチタイムに入場していれば、昼料金でディナー分を楽しめてしまうのです。
もっとも、同じことを考えている人がかなりいて、その時間帯は結構な行列になるので、ある程度時間に余裕を持って向かった方が吉。
目安予算:昼25ドル、夜40ドル


写真はともにウィーン『ザ・バフェ』
アリア『バフェ』(Aria)
最後に行った時はリニューアル工事中だったので現在はどうなっているか解りませんが、改装前はコストパフォーマンス的に良くて、落ち着いた雰囲気の良いバフェでした。
バッカナルができる前のイーフロウお勧めバフェ。
インド料理が用意されているのもラスベガスのバフェの中では珍しい。チーズナンが食べられるのもラスベガスバフェでもたぶんここだけ。
ただ近年の流れに乗ったリニューアルなら高級化しているのでその辺り次第という感あり。
グランプリ・ラスベガス前にとりあえず行こうと思ってるバフェです。
目安予算:昼20ドル、夜30ドル

バフェに食べ飽きたら
1日1食生活をするなら割と経済的(?)なバフェですが、悪化するであろう体調以外にも問題点が1つあります。
それは飽きが来やすいということ。
ホテルが隣同士というのは良くも悪くもあり、どうしてもウケの良いサービスや料理はコピーしあってしまい、気がつけば似たようなメニューばかりという事態になりやすいのです。
ということで、バフェに食べ飽きてしまった貴方用に、それ以外のお勧めレストランについてもご紹介致しましょう。
寿司『伽耶』(Sushi KAYA)
チャイナタウンにある寿司の食べ放題。
アメリカナイズされた変な巻物だけでなく、日本スタイルの握り寿司もあるレストラン。
経営者がおそらく韓国人なので、メニューにちょこっとだけ韓国料理が入っていたりします。
A・J・サッチャーとラスベガスに行った時に、ラスベガス在住の彼の友達に連れて行ってもらって知ったのですが、以来ラスベガスに来るたびに一度は必ず行ってるような気がしますね。
ちょっと薬味にポン酢を使いすぎている感がありますが、ラスベガスで寿司を食べるなら断然ここ。日本食に飢えているなら文句なし。
ストリップからはタクシーで15ドル程、帰りのタクシーはなかなか捕まらないので近くのバス停からストリップに戻るというルートがお勧めです。
間違っても歩いて帰ろうとしないように。途中の自動車専用道路で間違いなくハマります。
目安予算:昼20ドル、夜30ドル

『ロータス・オブ・サイアム』(Lotus of Siam)
ラスベガスでタイ料理といえばここ、とのこと、
ラスベガス在住の知り合いばかりか、チャネル内で美食家と知られているウェブことディビット・オチョアが好きなレストランに挙げているので、知る人ぞ知る系なのかと思いきや実はかなりの有名店らしく、この間何気なくご飯の話をしていたらタイ料理→この店の話題にと繋がって驚きました。
どうやら、何かの賞を受賞したから、と言っていたような。
スパイシービーフスープが絶品。定番のパットタイも素敵。
昼は10ドルでバフェもやっています。
目安予算:昼10ドル、夜15ドル


『武蔵』(Musashi Japanese Steakhouse)
こちらはジャパニーズステーキハウス。
日本人オーナーシェフ、タイガーの繰り出すナイフさばきに小手さばき、そして数々のソースとフライドライス。細工海老。
どちらかというと味を楽しむというよりは見て楽しむという要素が強いかも。
一度は見て損は無いと思いますよ。
私は「玉ねぎで火山噴火」って本当にあるパフォーマンスだということをここで知りました。あとかなりどうでもいいですが、アメリカ人の発音だと『マサシ』にしか聞こえなくて、「えっ大礒?」みたいなことになる時多数。
目安予算:夜のみ、40ドル+

『ホルスタイン』(Holsteins)
常日頃黄色いMのアレが嫌いと公言しているお陰で、ハンバーガーそのものが嫌いなのだと思われることが多かったりしますが、ハンバーガー自体はかなり好きな食べ物で、要はジャンクという感じがしなくて、ナイフとフォークで食べるようなやつならOKです。
なんやかんやで、アメリカに来る度に1回は食べている気がします。
その中でラスベガスで一番美味しいと思う店がここ、ホルスタイン。
ちょっと日本っぽいキャラクターがトレードマーク。
いかにもアメリカ、って感じの大盛りミルクシェイクと、これぞご飯としてのハンバーガー。具がはみ出さんばかりのをぜひガブっといっちゃって下さい。
目安予算:20ドル
ホテル・コスモポリタン内にあります。



まだまだプラネット・ハリウッド内のサンドイッチ『アールズコート』(Earl of Sandwich)や、アメリカ各地でお世話になっている『P.F.チャン』(P.F.Chang's)や『チーズケーキファクトリー』(The Cheesecake Factory)、『マジアーノ』(Maggiano's)なんかを紹介したいところですが、際限なくいっちゃいそうなのでこの辺で、いつの間にか飛行機もアメリカに到着するようです。
それではまた次回、ラス・ベガスでお会いしましょう。
シアトルに向かう機内にて
中村修平
