我らが英雄の旅路は、最終章に到達した。エルズペスは戦いの果てにニクスへと入り、その心で神を討った。小説「Godsend」にはエルズペスのテーロス到着からニクスにおける神々との彼女の戦いのクライマックスまで、物語の全てが網羅されている。もしその小説を読みたいと、全ての詳細を物語の形で知りたいと思ってくれるのであれば、素晴らしいことだ。
だが、小説を読む余裕のあるなしに関係なく、我々はすべての皆にマジックの物語を楽しんでほしいと思っている。だからここに、小説二冊のあらすじを記した。
エルズペスのテーロス初来訪
エルズペスは少女の頃、初めてテーロスを訪れた。彼女はヘリオッドとパーフォロスの叙事詩的な戦いを目撃し、そして自分と同じような迷子の少年、ダクソスと出会った。パーフォロスの剣が定命の世界へと滑り落ちた時、エルズペスはそれを手にしてテーロス次元を離れた。神によって鍛え上げられたものとは知らず、エルズペスは愛用のその武器を携え次元から次元へと渡り歩き、刃そのものから呪文を紡ぐ方法さえも学んだ。二度目に彼女がテーロスへとやって来た時、彼女の剣はヘリオッドの注意を惹いた。

ゼナゴスの計略
サテュロスのプレインズウォーカーは神になることを望み、彼の強力な儀式はニクスと定命の世界とを隔てるある不可思議な境界をかき乱した。ヘリオッドは自らの世界を傷つけたとしてパーフォロスを責め、二神は互いへの古からの憎しみを蘇らせた。

《歓楽者ゼナゴス》 アート:Jason Chan
エルズペスとヘリオッド
都市国家アクロスで過ごす間、エルズペスは都市の城壁のすぐ外にあるヘリオッドの神殿を訪れた。彼女はテーロスの神々をよりよく理解しようとヘリオッドに祈りを捧げたが、ヘリオッドは彼女を、剣を盗んだとして非難した。神は魔法で彼女を急襲するも抵抗され、逆にその力に感銘を受けた。ヘリオッドは彼女の剣を槍へと変化させ、それは神送りとなった。ヘリオッドはエルズペスに対し、「都市国家メレティスへと旅をし、自分の勇者になれ」という試練を与えた。

《神送り》 アート:Daniel Ljunggren
ハイドラ覚醒
巨大なハイドラ、ポルクラノスが目覚め、メレティスを――そしてエルズペスを目指して荒々しく突き進み始めた。

《世界を喰らう者、ポルクラノス》 アート:Karl Kopinski
神々の沈黙
ヘリオッドとパーフォロスの互いへの憎しみは沸点に達した。もし彼らがその諍いを止めなければ、都市国家メレティスとテーロス世界の大部分が破壊されてしまうだろう。クルフィックスは「沈黙」を宣言し、ニクスへと神々を引き戻した。定命の者達は一時的に神々から放り出され、独力で生きることを強いられた。

《クルフィックスの洞察力》 アート:Daarken
ハイドラ討伐
エルズペスとダクソスはポルクラノスを討伐した。エルズペスは太陽の勇者となり、その名声はテーロス中に知れ渡った。

《太陽の勇者、エルズペス》 アート:Eric Deschamps
エルズペス、居場所を見つける
エルズペスはメレティスに聳えるヘリオッド神殿に住まうことになった。ヘリオッドの神託者ダクソスは彼女の友人兼助言者となった。エルズペスはメレティスを愛し、真に家と呼べる場所を見つけたと信じた。

《メレティスのダクソス》 アート:Karla Ortiz
アクロス包囲戦
「沈黙」の間、ゼナゴスはモーギス配下のミノタウルス達をけしかけ、アクロスを攻撃させた。ミノタウルス達は常にその都市国家を破壊したいと願っており、そのサテュロスが彼らへと攻撃をさせるのは容易かった。定命とニクス生まれ、両方のミノタウルスの軍勢がアクロスを包囲した。セテッサとメレティスからの兵士達(エルズペスとダクソスを含む)は、アクロスに援軍としてやって来た。

アート:Svetlin Velinov
大歓楽
セテッサとメレティスの連合軍は勝利し、そしてゼナゴスが望んだ通りに、彼らは大いなる勝利の宴を開いた。ゼナゴスはこの祝祭を「大歓楽」へ、暴力的な大騒ぎへと変質させた。エルズペスの武器と英雄としての地位に嫉妬し、ゼナゴスは彼女を殺すことを願った。彼は魔法を用いて彼女を操り、大歓楽の夜にダクソスを殺害させた。

《奔放なる遊戯》 アート:Mathias Kollros
ゼナゴスの昇天
ゼナゴスは儀式を完成させ、神となった。万神殿はこの情勢の変化に戦慄し、世界の自然の状態をかき乱したとして定命の者達を責めた。ニクス生まれと定命の者たちの間の戦いは激化した。

《歓楽の神、ゼナゴス》 アート:Jason Chan
荒野への追放
ゼナゴスの昇天に対してヘリオッドはエルズペスを咎め、彼女は神の怒りから逃れるべく荒野を彷徨わざるを得なくなった。だがエルズペスはテーロス次元を去るのではなく、ダクソスの死の仇を討ち、ゼナゴスを破壊するまでこの地に留まることを誓った。彼女の友、アジャニは荒野で彼女を発見し、助力を申し出た。

《英雄たちの結束》 アート:Eric Deschamps
海を越えて
後にキオーラと名乗った、謎めいたマーフォークの助力を得て、アジャニとエルズペスは海を渡って世界の果ての瀑布にあるクルフィックス神殿を目指した。クルフィックス自身がニクスへの入り口であり、アジャニとエルズペスは神々の世界への「門」に辿り着いた。

《神秘の神殿》 アート:Noah Bradley
エレボスの策略
ニクスへと立ち入るためには、エルズペスは神々のうち一柱を選び、試練を求めなければならなかった。彼女はエレボスを選択し、そして死の国の神は彼女を、平和な故郷と愛する家族の幻視で誘惑した。彼女は永遠の平穏を得ることができる――ゼナゴスと戦い、テーロス世界を救うことを諦めさえすれば。個人的な安寧よりも差し迫ったことがあると悟り、エルズペスは剣を捨ててエレボスの策略に身を任せることを拒否した。

《最悪の恐怖》 アート:Eric Deschamps
ニクスでの戦い
ニクスに入るやいなや彼女らは、ゼナゴスが天界の生物達を燃え立つ苦痛の中に捕えている様子を見た。アジャニとエルズペスはそれらを解き放とうとし、歓楽の神はその攻撃を放った。エルズペスはゼナゴスを殺そうと奮闘し、そのサテュロスの死すべき運命の最後の名残へと狙いを定め、神が鋳造した武器で彼を打ち倒した。歓楽の神はもはやなく、万神殿は元の状態へと修復された。

《神討ち》 アート:Jason Chan
ヘリオッドの本性
ゼナゴスの死はヘリオッドのエルズペスへの敵意を減らしはしなかった。そして彼はプレインズウォーカーとしての彼女の力を怖れた。力を失い、満身創痍のエルズペスとアジャニは、ニクスを脱出しようとていたが、太陽の神はかつての太陽の勇者を待ち伏せていた。彼女は剣を返したが、神は彼女にその剣を突き立てた。ヘリオッドはアジャニに言った。彼女を定命の世界へ還せ。彼女が死者の神、エレボスのものとなれるように。ニクスで死すれば、魂すらも消え去り死の国に行くことは叶わぬ、と。アジャニはブリマーズ王のレオニン達に保護されたが、傷ついたエルズペスは神々の神殿の傍に一人きりで、最期を迎えた。

アート:Tyler Jacobson
テーロスにて死す
英雄としての旅の間に、エルズペスはありふれた恐れを乗り越えた。自身の安楽と安全はもはや彼女にとっての最優先事項ではなくなった。彼女はダクソスへの愛に、テーロス世界への愛に、自分自身を守る力を持たない無辜の人々への愛にその身を捧げた。
テーロスにて定命の者が死すと、その者は死の国へと往く。死の国が真にどのような所なのか、生者は推測するのみである。蘇りし者は何も語らない。
もしも、更なる困難がエルズペスを待ち受けているとしても、彼女は世俗的な心配や懸念に阻まれることなく、これまで以上の更なる強さでそれらと対峙するだろう。
小説「Godsend」は、以下のリンク先で購入することができます。(リンク先、小説ともに英語)
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