2013年6月版
第2週・コントロール編

更新日 Making Magic on 2013年 6月 20日

By 行弘 賢

 皆さんこんにちは!

 今回は前回に引き続き、スタンダードのデッキ紹介の第2週目ということで、「コントロール(ミッドレンジ含む)」デッキの紹介をさせていただきます。

 前回のビートダウン特集をご覧になっていない方は、そちらを読んでいただいた後に今回の記事を読んでいただくと、より分かりやすいと思います。

 さて、それでは早速ですがデッキを紹介させていただきます!

ジャンク・リアニメイト

Gemini (3-1)

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ジャンク・リアニメイトとは?

 このデッキには、だいたい2パターンの勝ち筋があります。

 《酸のスライム》は、《修復の天使》や《堀葬の儀式》で使いまわすことで、コントロールやミッドレンジ系に対してそれだけで勝ててしまうこともあり、最近のジャンクリアニメイトではほとんど採用されています。

酸のスライム

 《罪の収集者》、《悪鬼の狩人》はそれぞれコントロール、ビートダウンに強いカードで、3マナ域が不足しているこのデッキにフィットしたカードと言えます。

罪の収集者悪鬼の狩人

 上記のような、マナクリーチャー以外のほぼ全てとシナジーを形成する《修復の天使》も非常に強く、デッキパワーの底上げの一端を担っています。

修復の天使

 このリストには採用されていませんが、メインやサイドに《復活の声》を採用しているリストもあります。


メタゲームにおける立ち位置

 除去が薄いデッキなので、ナヤ・ブリッツのような速いビートダウン系のデッキは苦手と言えます。最速であるナヤ・ブリッツ以外のビートダウンに対しては、苦手なデッキは多いものの、それなりに戦うことができます。

 ミッドレンジ系やコントロールには《堀葬の儀式》や《酸のスライム》、《静穏の天使》が強いために、メインデッキ戦では圧倒的勝率を誇ることができます。

 ただし、現環境で一番使用者が多いと言われているデッキなだけはあり、サイドボード後は墓地対策が取られてしまいます。その場合は圧倒的な有利がなくなり、互角に近い相性になると思います。

 それでも苦手なデッキが少ない受けの広いデッキということで使用者も多く、実際に使う時は同型に当たった時のことも考えた方が良いですね。意識するならば《死儀礼のシャーマン》の採用枚数を増やしたりはしても良いと思います。

死儀礼のシャーマン

トリコロール(・コントロール)

Corrado (4-0)

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トリコロールとは?

 《火柱》や《アゾリウスの魔除け》等の軽量除去で序盤をしのぎ、《至高の評決》で盤面をしっかり捌いた後は、《スフィンクスの啓示》の大量ドローから、各種プレインズウォーカーや《霊異種》などのフィニッシャーに繋げることで勝利を狙うデッキです。

火柱至高の評決

 基本的に採用されているクリーチャーは《瞬唱の魔道士》、《ボーラスの占い師》等のアドバンテージを獲得できるものと、それらに相性が良く、呪文を構える展開になりやすいこのデッキとも噛み合う《修復の天使》の3種類です。さらにそれに加えて《霊異種》が1〜2枚採用されることもあります。

瞬唱の魔道士霊異種

 今回ご紹介するリストは、《修復の天使》や《ボーラスの占い師》を採用せず、《至高の評決》などの全体除去を多めに採用することでビートダウンに耐性を付けた、「ボード(盤面)コントロール」を意識した型になります。

 カウンターは《雲散霧消》が2〜3枚をベースに、《中略》や《対抗変転》、《本質の散乱》が採用されています。合計で3〜5枚ぐらいの枚数となることが多いですね。

雲散霧消中略

 このデッキは《戦導者のらせん》を採用することで、よりビートダウンに勝てるようになっています。4点という火力は、プレインズウォーカーに対策するときにも非常に頼りになる点数でもあります。

メタゲームにおける立ち位置

 除去が多く採用されているので、ビートダウンには有利です。さらに各種ミッドレンジ系のデッキに対しても、《スフィンクスの啓示》という大量アドバンテージカードがあるおかげで、ほとんど互角に戦えると思います。

 もともと、《静穏の天使》がいったん戦場に出てしまうと、大量のアドバンテージを取られてしまい、挽回するのが難しいデッキだったのですが、《変化+点火》を採用することでそれを克服することに成功しています。それにより苦手だったジャンク・リアニメイトにも戦えるようになってます。

 こういう風に書くと「何にでも有利なデッキ」に見えますが、「苦手なデッキが少ない」と言った方が正しいですね。

 ぶんまわりという展開がほとんど無いデッキですので、相手の展開次第では何もできずに負けてしまうこともあります。苦手が少ない分、安定した成績を残すことができるデッキではありますが、相手に対応するデッキですので、環境に適した構成を常に探しだし、対応していくことが重要ですね。

ジャンド・ミッドレンジ

Matts5600 (4-0)

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ジャンド・ミッドレンジとは?

 《突然の衰微》等の軽量の除去で序盤を凌ぐか、《遥か見》で一気に中盤までジャンプアップし、《高原の狩りの達人》や《スラーグ牙》などのグッドスタッフで場を制圧していくデッキです。

遥か見高原の狩りの達人

 とにかくカードパワーを意識した、現代風とも言えるデッキです。相手を捌きつつ、毎ターン高パワーカードを叩き付けると、気が付いたら圧倒的な場になっている、そんなデッキですね。

 このデッキの華は何と言っても《忌むべき者のかがり火》でしょう。「奇跡」をめくることで、圧倒的不利な場でも覆すことが可能なこのカードは、デッキの勝率に大きく貢献しています。普通にX=1〜2でキャストしてもビートダウン相手には効果的なことが多いので、ジャンド・ミッドレンジには基本的に3〜4枚採用されています。

忌むべき者のかがり火

 このデッキにはメインには採用されていませんが、リアニメイトが苦手なデッキなこともあり、腐らない墓地対策として《地の封印》がメインから2枚採用されているのはよく見かける形です。

 他のデッキではあまり見かけない《狂気の種父》は《スフィンクスの啓示》対策と言ってもいいでしょう。基本的にカードパワーが高いジャンドはトップデッキ勝負に持ち込んでも強いので、ほとんどのジャンド・ミッドレンジが2枚採用しています。

狂気の種父

 《オリヴィア・ヴォルダーレン》、《原初の狩人、ガラク》はこのデッキ最強のシステムです。どちらも対処できなければ速やかにゲームを終わらせることが可能なカードですので、この2種類はジャンド・ミッドレンジに必ず採用されていますね。

オリヴィア・ヴォルダーレン原初の狩人、ガラク

メタゲームにおける立ち位置

 軽量除去が多く、《高原の狩りの達人》や《スラーグ牙》などのクリーチャーで「蓋をする」こともできるので、ビートダウンには相性がいいです。

 《堀葬の儀式》を採用したリアニメイト系のデッキには、《狂気の種父》が腐りやすい上に、除去で捌いてもまた釣られてしまい手数が足りなくなったり、さらには《静穏の天使》で大量にアドバンテージを取られてしまったりと、苦手な行動が多いので、不利だと思います。

 その他のコントロールやミッドレンジ系のデッキには、こちらもカードパワーが高いこともあり基本的には互角に戦えると思います。

ドムリ・ナヤ

raulpks (4-0)

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ドムリ・ナヤとは?

 《アヴァシンの巡礼者》や《復活の声》から《ドムリ・ラーデ》へと繋げ、そこから各マナ域の優秀なクリーチャーをプレイし、場を圧倒していく、グッドスタッフ系デッキです。

 《ドムリ・ラーデ》を活かすために、土地以外のほとんどをクリーチャーで構成することが多くなります。

 《ドムリ・ラーデ》はデッキの肝で、早いターンに展開することができたなら、そのまま3つ目の能力である「奥義」まで狙う展開になることも少なくありません。

ドムリ・ラーデ

 2つ目の能力である格闘の能力も、《復活の声》で格闘して能動的にトークンを生み出したり、《ボロスの反攻者》で2体のクリーチャーを焼き払ったりと活躍するシーンは多々あります。

復活の声ボロスの反攻者

 《高原の狩りの達人》を裏返させる際に《修復の天使》を構えることで安全に運用できるのも、非常に強い動きになります。

メタゲームにおける立ち位置

 《ロクソドンの強打者》、《ボロスの反攻者》という、ビートダウンに強いクリーチャーが2種存在し、《高原の狩りの達人》+《修復の天使》のコンビも、クリーチャーデッキに対して驚異的に強いので、ビートダウンには相性がいいです。

 一方、地上のクリーチャーが多いので《ファルケンラスの貴種》に対してほぼノーガードであり、さらにそれを除去するカードもほとんど無く、赤黒系のデッキに対しては若干不利です。

 ジャンク・リアニメイトに対しても《静穏の天使》や《スラーグ牙》を《堀葬の儀式》で使いまわされるだけで簡単に負けてしまうので、不利ですね。

 その他のミッドレンジ系やコントロールにはカードパワーの高さにより、互角に近い勝負ができると思います。

 相手に干渉するカードが少ない分、対応することは苦手な反面、「ぶんまわり」要素が強いミッドレンジです。相性差を覆す動きができることも多く、その点で相手を余り選ばないデッキとも言えますね。

まとめ

 不利なデッキをあまり持たないジャンク・リアニメイトが現環境で最多勢力に近いデッキですので、しっかりと対策をしましょう。具体的には緑系のデッキならばサイドに《地の封印》を採用するなど、墓地対策をするのは重要になります。

地の封印

 ミッドレンジ系もコントロールも対クリーチャーを意識したデッキが多く、ビートダウンには有利なデッキが多いですが、ジャンク・リアニメイトに対して不利なデッキが多いので、環境に合わせたデッキ選択が必要になります。


 さて、今回は第2週目ということで、コントロール(ミッドレンジ含む)のデッキを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

 次週は「コンボデッキ+その他」のデッキを紹介させていただく予定です。丸いデッキが多い中、一点に特化したデッキを中心に紹介させていただこうと思いますので、来週の記事もよろしくお願いいたします。

 それでは皆さんまた来週お会いしましょう!

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