エファラの軍勢

更新日 Reconstructed on 2014年 2月 11日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 いよいよ『神々の軍勢』がやってきた! 先週末には世界中で『神々の軍勢』が発売され、デッキ・ビルダーのみんなにも新カードがすべてお披露目されたことだし、新環境のスタンダード・デッキに取りかかるときが来たね。今回の新セットでは、どんなカードが私たちを待ち受けているだろうか?

 今回も君たちが送ってくれた新デッキの数々を見て、心が躍ったよ――強そうなデッキも楽しそうなデッキもたくさんあったし、あまりのユニークさに顔がほころぶのを止められないデッキもあった。新環境のスタンダードに挑むための新たな切り口を求めているなら、記事の最後の「惜しくも選ばれなかったデッキたち」も見逃さないでくれ。

 それじゃあ今回も、まずはデッキをひとつ手がけていこう! 今回のデッキは、『神々の軍勢』で新たに登場した多色の神に着目したものだ――『神々の軍勢』と呼ばれるセットの第一歩を飾るのに、これほどふさわしいものはないだろう。さらに、今回のデッキでは神の他にもクールな新カードが使われていて、また以前のカードにも新たな活用法を見出しているぞ。

 スズキ ユウタが送ってくれた新環境最初の一発は、これだ。

スズキ ユウタの「フリッカーフリーク」

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    その戦術とは

 今回のデッキには実に多くの動きがある――特別複雑なものはないけれど、それらはシナジーの海を泳いでいるとつい見落としがちだ。今回のデッキがどういうものなのか、ひと通り見てみよう。

 まず目を引くのは、中核に据えられた強力なカードたちだろう。新たに登場した《オレスコスの王、ブリマーズ》のようなカードは、それ単体で大きな脅威となる。対戦相手はこれらに対する解答を用意しなければならない。

 しかも、それらはただ単に対処が必要というだけではなく、いち早く対処をしなければならない。今回のデッキは軽くて極めて高い打点を持つカードを用いてマナ・カーブが組まれているため、瞬く間にダメージを稼ぎだす。対戦相手がもたつくようなら、それにつけこむことができるアグレッシブなデッキなのだ。

 さらに、今回のデッキはその攻撃力に加えて、万神殿へ新たに祀られた白青多色の神である《都市国家の神、エファラ》から、強烈なアドバンテージを受けている。戦場を埋め尽くすことで彼女を顕現させやすいだけでなく、彼女の持つ能力を最大限に活用しているのだ。

 クリーチャー満載の今回のデッキなら、特に手間をかけることなく《都市国家の神、エファラ》の能力によってカードを引き増せる。この効果だけでも実に強力だ――4マナで自分だけ《吠えたける鉱山》でも、採用を検討できるだろう。ところがなんと、《都市国家の神、エファラ》の能力が誘発するのは「各ターン」なのだ。

 どういうことかって? つまり、トークンを生み出すカードや瞬速を持ったクリーチャーを用いることで、自分のターンと相手のターンの「どちらも」カードを引くことができるのだ。そのための手段として、これまではあまり使われてこなかった《返済代理人》のようなカードが活躍を見せる。《返済代理人》を2枚引き込もうものなら、それらを互いに手札へ戻すことで、毎ターン瞬速で繰り出すことができるのだ!

 今回のデッキを手がける上で鍵となるのは、その長所をさらに磨きあげてやることだ。よりアグレッシブに対戦相手へ圧力をかけるために、何ができるだろうか? 他に採用できる、単体で強力なカードはあるだろうか?《都市国家の神、エファラ》をできるだけ強く運用するには、どうすればいいだろうか? よし、次はもっと深く見ていこう!

    デッキ詳細

 今回のデッキには、良く噛み合うものがあればそうでないものもある。エファラの加護を十分に受けられるものと、うまく受けられないものはどれだろう? デッキを1枚ずつ通して見て、確認しよう!


 今回のデッキの特徴として挙げられるのが、対戦相手のターンにもクリーチャーを繰り出し、各ターンに《都市国家の神、エファラ》の能力が誘発できるようになっている点だ。それが顕著に表れているのが、《加護のサテュロス》やトークンを生み出す呪文を持つ緑のカードたちだと言えるだろう。

 だが、これらのカード自体は悪くないものの、《都市国家の神、エファラ》を使う上で白や青のカードより優先されるとは言い難い。色を減らすことでマナ基盤も少し安定し、また大量の「神殿」をアンタップ・インの土地に換えることで、攻めの姿勢を維持する助けとなるだろう。今回のデッキを何度も組み直しているうちに、アグレッシブな戦略を損なわないようにすると緑のカードが抜けていった。やがて、緑のカードをすべて抜くのが最適だという結論に至ったのだ。

 確かに、緑を含めた形は絶対にあると思う。元のリストに採用されていなくても、《都市国家の神、エファラ》と実に良く噛み合うカードもある――例えば《クルフィックスの預言者》とかね。それでも、元のリストから感じられるアグレッシブな姿勢を保つために、私は緑の要素を排して白と青からぴったりなカードを探したい。

 例えば? よし、『神々の軍勢』の新カードはどうだろう――《宿命的心酔》だ。


 そうだね、というコストでは、3ターン目に使えることはまずないだろう――でもそれでいいんだ。こいつを使うのはもうちょっと後でいい。選んだクリーチャーが突然もう1体増えるのは、とんでもないことだ。また対戦相手のターンに唱えることで、トークンを生み出す緑のカードと同様に《都市国家の神、エファラ》の能力も誘発できるぞ。(それだと占術2は得られないけれど、大抵はドローの方が良いだろう)。

 それから、《宿命的心酔》と相性の良いカードはあるだろうか? うん、構築界の星、《波使い》なんてどうかな?


 《波使い》と《宿命的心酔》の相性は抜群だ。《波使い》をコピーすることでさらにトークンを呼び寄せ、すべてのエレメンタル・トークンがプラス修整を受けるというのは――とりわけ戦闘中にそれが起きるなら――、極めて強力だ。おまけに、トークンを生み出す緑のカードではできないこともある。《宿命的心酔》によって戦場に出たトークンは、マナ・シンボルを持つのだ――つまり、《都市国家の神、エファラ》の顕現を助け、《波使い》の生み出すトークンも増えるということだ。

 白マナ・シンボルの多い今回のデッキで《波使い》を採用するのは、やや筋違いに感じられるかもしれない――でも、きっとうまくいくはずだ。青単信心での凄まじい力と比べて、今回のデッキでは合計パワー4から8くらいに留まることが多いだろう……それでも十分だ。《波使い》4枚で試してみよう。

 エファラ様! 今回最大限に活用しようとしているカードのひとつ、《都市国家の神、エファラ》は、きちんと彼女を中心に構築してやれば極めて強力だ。彼女は大量のカードをもたらしてくれると共に、信心が満たされれば強烈な一撃を加えてくれるのだ!


 今回のデッキにおける《都市国家の神、エファラ》の役目は、すでに語ってきた。残る問題は何枚採用するかだ。今回は様々な点から彼女を中心に構築を進めているが、その一方でゲームに勝つのに彼女が必須というわけではない。彼女がいなくても強力なカードが山ほど搭載されているのだ。《都市国家の神、エファラ》が伝説であり、また除去されにくいことを考慮して、3枚採用に留めてみよう。もしそれでも4枚目の神を採用したいなら、《太陽の神、ヘリオッド》がいいかな(《都市国家の神、エファラ》とも良く噛み合うね)――まあ4マナ域はもう十分だろう。

 《オレスコスの王、ブリマーズ》は新しいカードだが、長々と説明する必要はないだろう。まさに王。で3/4警戒と、これだけでも興味を示す人がいるかもしれない――ここにトークンを生み出す能力が加わるのは、やり過ぎじゃないかってくらいだ。それから、《オレスコスの王、ブリマーズ》が生み出すトークンも《都市国家の神、エファラ》の能力を発揮させられる、ということにも注目すべきだろう。3ターン目に《オレスコスの王、ブリマーズ》を繰り出し、4ターン目に《都市国家の神、エファラ》を戦場に出す。そのターンに《オレスコスの王、ブリマーズ》で攻撃してトークンを生み出せば、続くターンに《都市国家の神、エファラ》の能力でカードを引けるのだ。

 《オレスコスの王、ブリマーズ》は伝説であるため、君たちは枚数を減らすことを検討するかもしれない――しかし、こいつは4枚すべて投入したくなるほど強力だ。安定して1枚プレイできれば有利な場を築けるし、できれば毎ゲーム3ターン目に繰り出したい。これらを考慮して、4枚採用が適切だろう。

 《管区の隊長》は、今回のデッキでいくつもの役割を担っている。まず、こいつは序盤からプレッシャーを与えられる攻撃手として頼もしいクリーチャーだ。そして、(対戦相手にダメージを通す必要があるものの)《オレスコスの王、ブリマーズ》のように攻撃と共にトークンを生み出し、《都市国家の神、エファラ》によるカードの引き増しを助けてくれる。それから、というコストが信心を高めてくれる、というのも忘れちゃいけない。喜んで4枚すべて投入しよう。

 この一風変わったカードは、これまであまり使われてこなかった――ここでついに居場所が見つかったのだ。こいつはクリーチャーを除去から守り、延いては息切れを防いでくれる。《都市国家の神、エファラ》のサポート役としても優れていて、対戦相手のターンに繰り出すことでカードを引き増せるだけでなく、白と青への信心を高めるのにも貢献するのだ。さらに《波使い》が加わったことで、《返済代理人》はゲーム後半を制する助けとなるだろう。

 例えば、次の動きを想像してみてくれ。《波使い》が戦場にある状態で、対戦相手のターン終了時に《返済代理人》を瞬速で繰り出し、《波使い》を対象に取る。そこで《宿命的心酔》で《波使い》をコピーすれば、戦場には《波使い》が――そしてエレメンタル・トークンたちが――残る。それから、アンタップ後手札に戻した《波使い》を再びプレイすれば、3/2のエレメンタル・トークンたちが対戦相手に大打撃を与えることだろう。

 今回のデッキで《返済代理人》が見せてくれる動きは様々だ――どうしてものときは、2ターン目にそのまま繰り出してもいいだろう。4枚すべて残そう。

 《威圧する君主》は、2マナ域としては申し分のない性能を備えている。ところが、今回のデッキが目指すことと多くのシナジーがあるとは言えない。アグレッシブなデッキの2マナ域にはぴったりだが、ここまでの変更を支えるならより良いものがあると私は思う。

 私としては1ターン目に繰り出せて、《波使い》をさらにサポートできるものが欲しいところだ――そう考えたとき、私の興味を最も強く引いたのは《審判官の使い魔》だった。《審判官の使い魔》はわずかながらダメージを稼ぎつつ、対戦相手の妨害もこなしてくれる。また《波使い》が生み出すエレメンタル・トークンも増え、さらに《都市国家の神、エファラ》の能力を1マナで発揮させてくれるのだ。素晴らしい!

 さてこのような変更を加えておいて何だけれど、私はアグレッシブなクリーチャーも増やしたいと考えている――とはいえ、必ずしも2ターン目に戦場に出る必要はないだろう。今回のデッキに合った役割を果たしてくれるのは、《リーヴの空騎士》だ。対戦相手によっては《紅蓮の達人チャンドラ》に焼かれない《メレティスのダクソス》の方が良い場合もあるが、「留置」はより多くのダメージを通すのに役立つはずだ(ちょうど《管区の隊長》の後に繰り出せば、攻撃を通すことができるだろう)。

 私はこの最新版のエルズペスを心より愛しているが、よりアグレッシブな方針を目指して構築するなら6マナ域のカードは望ましくない。6マナ域がまったくの無駄になってしまうと言うつもりはないよ――《都市国家の神、エファラ》がもたらすドローと《返済代理人》を駆使すれば、マナが伸びることも多々あるだろう。それでも今回は、6マナも必要なカードはいらないかな。

 スタンダード環境の第一線で活躍する《拘留の宝球》は、今回のデッキでもまさに文句なしの除去だ。こいつは対戦相手の持つあらゆる脅威を取り除くだけでなく、そのまま戦場に残り《都市国家の神、エファラ》への信心をふたつも高めてくれる。普段なら、私は除去やマナ域の分散を検討していることだろう。そんな私が4枚投入にこだわるくらい、《拘留の宝球》は今回のデッキにぴったりなのだ。

 《アゾリウスの魔除け》の1枚挿しはなかなかお洒落だね。こいつが必要ない場合はドローに代えられるし、活躍が期待できそうなら使ってやればいいだろう。ところが、今回のデッキはタップ・アウトの機会が多いため、一番強い「攻撃かブロックしているクリーチャー1体を対象とし、それをオーナーのライブラリーの一番上に置く」モードが活かせない。これは抜いてしまおう。

 ここまでの変更をすべて受けると、デッキリストは以下のようになる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ザ・ゴッド・コンプレックス」

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 この最終形はアグレッシブなデッキでありながら、様々な仕掛けがたっぷりとある。

 あるゲームでは、《管区の隊長》から《オレスコスの王、ブリマーズ》や《リーヴの空騎士》へ繋いでライフ・レースを迫り、対戦相手を殴り倒せるだろう。またあるゲームでは、《返済代理人》の巧みな動きと潤沢な手札を後ろ盾に、勝利を手にすることだろう。《管区の隊長》と《波使い》が共存しているのはかなりの違和感があるけれど、青マナ・シンボルは十分足りているし、《波使い》が加わることによって広がる動きはこのデッキとしっかり噛み合っているぞ。

 強力なカードに、溢れんばかりのシナジー――『神々の軍勢』参入後の新スタンダードへようこそ! 何かデッキが組めるような新カードを手に入れようとしているなら、ぜひ今回のデッキに採用されたものを試してみてくれ。

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

『神々の軍勢』参入後のスタンダードで最初の投稿には、どんなデッキがあるだろう? ぜひその目で確かめてくれ!

ジェイムズ・バナンの「白青木馬コントロール」

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ソーサリー (4)
4 至高の評決
アーティファクト (1)
1 不死の霊薬
エンチャント (4)
4 拘留の宝球
60 カード

A.J.オーウェンスの「バント・コントロール」

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エズラの「安眠フォグ」

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マーク・イアン・アローソの「赤黒(ほぼ)人間デッキ」

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ブライアン・ゲデスの「ネオ・マシーンヘッド」

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アスクの「篭手を愛するものたち」

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ヘイデンの「プレインズウォーカーが飛び出すほどの伏魔殿っぷりを見せつけるピュクシス」

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ベン・ミッチェルの「赤緑怪物」

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ブライス・ストーンハウスの「ラクドスへの信心」

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クォールの「スタンダードに育つ狼」

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M. フィッシャーの「神聖セレズニア王国」

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エリック・ラヴァンディエの「運命を決めるオーラ」

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