クレイジー・キマイラコンボ

更新日 Reconstructed on 2013年 10月 8日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 君達の任務は、私が検分するための新しいテーロス入りスタンダード・デッキを投稿することだった――そして君達が私の期待を裏切ることなどありえなかった! 極めて好印象なデッキがいくつも送られてきたが、その独自性と面白さで私の目を引くこととなったあるデッキを最終的に選んだ。それを披露できるのでワクワクしているよ!

 しかしまずは、キマイラについて軽く学ぼう。

地平線のキマイラ》 アート:SamSam Burley

 暗がりッ……! 薄気味悪い感覚と共に、そのバサバサという羽ばたきを耳にする……そう、キマイラだ。この恐ろしい生物はいくつものバラバラな部位から成り立っており、魔法、錬金術、あるいはもしかしたら何か別の力によって融合した。この信じがたい魔獣は他では考えられないことに、縫い合わされた生物――伝統的な神話で言う三匹――それぞれの強みをかき集めてその強さを発揮するよう、まさに文字通り結合している。そしてもしかすると、その暗がりの魔物は対戦相手に狙いを定めているのかもしれない……

 なぜこの話を取り上げたのかって? ああ、今回のデッキは単にキマイラを扱うだけではない。このデッキ自体がキマイラ的なんだ! 見てみよう。

ジェイコブ・スミスの「バント・キマイラ」

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    その戦術とは

 私のお気に入りの遊びに挑戦してみてくれ。コンボを見つけることができるかな?

 見つからないようなら、ヒントをあげよう。そのコンボは3つのパーツから成っていて、さらにキマイラが必要だ。

 このデッキは比較的無関係な3枚を組み合わせてリソース・エンジンへと組み替える。その手法は以下の通りだ。

 必要な3枚のカードとは、《テューンの大天使》、《水深の魔道士》、そして新しく登場した《地平線のキマイラ》だ。《テューンの大天使》はこちらのライフ獲得を受けて+1/+1カウンターを生み出す。《水深の魔道士》はその+1/+1カウンターを受けてドローを生み出す。《地平線のキマイラ》――循環するのにこれまで足りなかったもの――がドローを受けてライフを生み出す……そしてそれがもう一度《テューンの大天使》の能力を誘発させる!


 それはつまり、いったんこのコンボを揃えたならば、カードを望むだけ引き、大量のライフを得て、さらにコントロールしている全てのクリーチャーに多量の+1/+1カウンターを乗せられるということだ。超すごいじゃないか!

 まあ、ほとんどのプレイヤーは知っているかもしれないが、3枚コンボというものは通常あまり信頼できない。しかしこのコンボはそれ以外に私が「プロジェクトX」と呼称する要素に向かうこともできる。これらは全て単体で用いても妥当なクリーチャーである、という要素だ!

 ずっと前に、時のらせんと初代のラヴニカがスタンダード環境だったころ、その理由は定かではないが「プロジェクトX」と呼ばれていたデッキが存在した。それには中核として、クリーチャー主体の――《魂の管理人》、《サッフィー・エリクスドッター》、そして《墓所の勇者》の――コンボが含まれていた。その古いデッキの込み入った話は避けるが、《サッフィー・エリクスドッター》と《墓所の勇者》のコンボを用いて《魂の管理人》の能力を好きなだけ誘発させて42兆のライフを獲得することで終わる。


 さて、そのデッキには3種のカードがあり、またクリーチャー中心のコンボでもあったわけだ。そして、用いられたのは決してエース級のクリーチャーではなかったものの、中速デッキにおいてはまさに有用だった。これはそのデッキに非常に手堅い2つの戦略を与えることとなる。時おりコンボによって相手を即死させることも可能な中速デッキという戦略だ。

 私の記事を読んでくれている読者なら、デッキにとって複数の戦略や攻め手を持っていることは、非常に重要であることを知っているだろう。「良い物語には常に2つ以上の筋書きがある」、とか何かそんな感じの。このデッキはまさにそれだ。

 ジェイコブはこのデッキに適した要素が何であるかについて色々と気づいていた。コンボのための加速とコンボに必要な要素を満載にしなければならないのは間違いない。私にとってのこのデッキの鍵は、コンボ重視のデッキではなくて「おっと、勝ったわ」的コンボを備えた十全な中速デッキとなるように調整できるかだ。

 その結果起こる変更を受け入れる準備はできたかな?

    デッキ詳細

 どの部位がこのキマイラの一部として残り、どの余分な部位がゴミ箱行きになるだろうか? デッキ全体を通して調査していこう!


 デッキを見ていく間、全てのカードについて2つのチェック項目を設けようと思っている。1つ目はそれがデッキのコンボ要素とかみ合うかどうかで、2つ目はデッキの中速要素に適しているかどうかだ。

 このような場合、カードをデッキに残すと判断するには、コンボと中速の両方で必要となるかあるいは少なくとも中速要素に適していなければならない。単にコンボの役に立つだけのカードを残すとすれば、コンボを完成するために極めて有効でなければならない――覚えておいてくれ、これはまず中速デッキなのであり、時おりコンボで勝ち抜けることも可能なのだということを。

 都合の良いことに、これら2種のカードはどちらの要素にも見事にかみ合う。中速デッキは重たい4~5マナ域を序盤から唱えられるようにするのが大好きで、コンボ・デッキはその構成要素を素早く展開するのが大好きだ。私が加えたい唯一の変更は、このうちの《エルフの神秘家》を4枚に増やすことだ。1ターン目に緑マナの出る土地をアンタップ状態で置けないとしても、2ターン目にこれを唱えれば3ターン目に4マナ域に到達する点に変わりはない。間違いなくこれらを入れられるだけ入れたいね。


 「教示者」的な(特定のコンボパーツをライブラリーから探す)手法をあまり使わずにコンボ・デッキを用いる場合、必要なカード全てを絶好のタイミングで引いてくる必要がある。《召喚の調べ》、《出産の殻》、あるいは同様のカードがデッキにあるならば投入数を多少は減らせるかもしれないが、今回のデッキの場合そういった贅沢は言えない。

 好材料としては、《テューンの大天使》はとりあえずかなり素晴らしいカードなので、その強さゆえにコンボとは関係なくバント中速デッキでの採用を検討できるのは間違いない。残り2種はそこまでの水準には達していないが、悪いカードではない。《水深の魔道士》は機能すれば強烈で、他のコンボ要素を引き当てる助けにもなる。《地平線のキマイラ》は恐らく構築レベルのカードとして単体で考えるとこの中では最も弱いが、インスタント速度で登場してダメージを通し始めることが可能なパワー3の飛行クリーチャーではある。一見共通点の無いこれらキマイラ的一団はそれぞれ単体でも十分に優秀だ。

 《海の神、タッサ》はもちろんテーロスで登場したそうそうたるカードだし、彼女のためのデッキを組めるのも間違いない。だがこれの投入は正しいだろうか?

 私は採用しないことを選ぼうと思う。《海の神、タッサ》はこのデッキではほとんどクリーチャーにはならないだろう。攻撃が防がれないのは良い手だが、カードを用いる価値はない。(さらにとりあえずデッキには既にコンボに秘められた重量級の防がれない一発がある。)よって、ここでの要点は、《海の神、タッサ》を用いる理由は毎ターン占術できるという恩恵にあると思われる点だ。投入可能なほかのカードを考慮するかぎり3マナを支払う価値があるとは思えない。

 代わりにここで私が注目するのは《前兆語り》だ。それはこのデッキに必要な一貫性をいくらか提供してくれるし、その上早い段階で盤面の停滞を促進できそうなクリーチャーとしての役割もある。4枚で大丈夫だ!

 《シミックの干渉者》には高い可能性が常にある。1ターン目に《繁殖池》から《エルフの神秘家》を、そして2ターン目に《シミックの干渉者》を唱えたならば、その後のわずかなターンで進化させてクリーチャーを奪うことが可能だ。これはおそらく最良の場合だが――そうじゃなくてもこの0/1をプレイしてから数ターンのうちにクリーチャーを出していければいい。

 それならいいのだが、後から《シミックの干渉者》を引いてきてしまった場合がとりわけ弱い。5ターン目にクリーチャーを奪えるという利点は、序盤が終わってから引いてしまう場合のきつい欠点に見合うだろうか? 無理だな。このカードはベンチに下げるつもりだ。

 間違いなく《クルフィックスの預言者》はテーロスのカードの中でも相当に使うのが楽しそうな1枚だ。このようなデッキではかなり妥当な選択と言える。4~5マナ域のカードが大量にあるのだが、《クルフィックスの預言者》は土地をアンタップすることで効率的にさらなる展開を可能にしてくれる。

 出したターンにすぐさま《クルフィックスの預言者》を除去されない限りは対戦相手のターンに別のクリーチャーを展開できるので、これは基本的に「フリースペル」だ。それ以降は自分と相手両方のターンで展開できるようになる。手札がクリーチャーでいっぱいならば、これは展開する手法として効果的だ……とりわけ《水深の魔道士》が既に出ていて大量のカードを引き始められるならね!

 しかしながら、いったん5マナに到達すれば《クルフィックスの預言者》自体はほぼ無料だとはいえ、マナが溜まるまで使えないそれ以外のクリーチャー・カード、というコストが必要となる。また動き始めた際に4~5マナ域を大量に確保しているならそのカードを素早く展開する助けにはなるのだが、序盤ではその大量のカードが単に重くて用いられないものへと成り下がる。その上、複数あっても使えないので2枚目の《クルフィックスの預言者》は全く引きたくない。

 《クルフィックスの預言者》は強いカードではあるが、私は序盤の数ターンにおいてもう少々マナ効率の良いカードを唱えられるようにこのデッキのマナ・カーブを少し引き下げたい。《クルフィックスの預言者》を2枚へと減らすつもりだ。私は通常このような2枚挿しはやりたくないのだが、実際序盤に2枚引く余裕は無い。そして1枚引けば素晴らしいが――それはこのデッキを決定付ける要素ではない。

 《ザーメクのギルド魔道士》の能力は強力なこともある――だがそれには多くの場合マナを大量に注ぎ込む必要がある。このデッキの主要なカードのほとんどがいずれも唱えるのに4~5マナを必要とするため、それらに追加のカウンターをも乗せるために余分なマナをさらに用意することはできない。私はむしろ攻撃にも防御にも有効で、かつ遅いゲームにおいてもマナを自身へとつぎ込むことで同様に高い影響をもたらす能力を持ちあわせている2マナ域のカードを採用したい。

 使いたいと思っているカードは何かって? 《羊毛鬣のライオン》さ。素晴らしい全体除去耐性をもたらしつつも、《羊毛鬣のライオン》には序盤の攻撃をいなす助けとなる2マナにしては特大のサイズがある。4枚投入するつもりだ。

 多数のカードを引ける可能性にはそそられる――しかしこのデッキで《タッサの二叉槍》を活用するに十分な大量のクリーチャーで攻撃できるとは考えられない。攻撃可能なクリーチャーの大軍が常にあるなら《タッサの二叉槍》は文句なしだが、このデッキのクリーチャーの多くは4マナに届いてから登場し始めるのだ。付け加えるなら、このデッキはもうこれ以上の4マナ域を入れられない。このデッキと二叉槍の二股はかけられないだろうね。

[card]首席議長ゼガーナ[/card]

 マナ・カーブを引き下げるための変更にかなり大きな労力を費やしたが、一方でマナ・カーブの頂点に重い一撃となるものをいくつか入れておく価値はある、とも考えている。4枚は多すぎるが、2枚なら適切だろう。問題は1つだけだ。何を入れよう?

 もし6マナのプレインズウォーカーを入れるなら、この場合は《太陽の勇者、エルズペス》を検討するだろう。即座に《太陽の勇者、エルズペス》を除去されない限り、3体のクリーチャーを毎ターン生み出す能力は対戦相手の進撃を困難にする上、他の能力もまさに適切だ。


 とは言え、決まりかというとちょっと怪しい。本当はここで私が注目しているのはクリーチャーという選択肢だ。新たなカードの束を引かせてくれつつもパワーとタフネスを持ち合わせているという点において《首席議長ゼガーナ》は素晴らしい。《クルフィックスの預言者》を出しているならば《首席議長ゼガーナ》は手札に欲しい魅力的なカードで、コンボを組み上げる助けにもなる――もしくは単に対戦相手を圧殺するために大量のカードを引かせてくれる。素晴らしいマナ・カーブの頂点としての2枚投入は最後の一押しが必要なときの武器となるわけだ。この2枚を維持してプレインズウォーカーの枠は切り詰めたい――だがもしもあなたの行き着けの店では全体除去重視のコントロール・デッキの使用者が多いとしたら、確かに数枚の《太陽の勇者、エルズペス》の投入を検討できるだろう。

 追加しておきたい最後のカードは《拘留の宝球》だ。プレインズウォーカーから《世界を喰らう者、ポルクラノス》までなんでも追放できて、こちらを苛つかせるどんなパーマネントに対しても解答となる。大型クリーチャー、破壊不能の神、神の武器、そして強力なプレインズウォーカーが跋扈する中でこれを4枚投入するのは当然だろう。


 ここまでの変更を適用するとデッキリストはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「プロジェクトC」

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 私はいつだって正面から攻撃しつつコンボをも決められるデッキに興味があるが、このデッキの内容は間違いなく興奮ものだ。テーロス入りの初スタンダード・イベントはすぐだ――これを使うことを考えてみてはどうかな!

 話は逸れるが、誰か「天使、キマイラ、そして人間が連れだって酒場に入った……」というお題に相応しいオチを思いつかないかな? フォーラムに最高の返しを投稿してくれ。

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 テーロス後の新しいデッキリストを熱心に探してるだって? もうその必要は無い! ここ一週間で送られてきた投稿の抜粋はここにある。

フェア・ズーの赤単ミノタウロス

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デヴィン。カーターの「ダスクマントルの予見者」

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ルーク・モードリンの「パーフォロスの軍勢」

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ビル・チェンの「アルテミス」

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Planeswalker (2)
2 ドムリ・ラーデ
インスタント (4)
4 グルールの魔除け
アーティファクト (2)
2 ナイレアの弓
他 (3)
3 肉体+血流
60 カード

ジェイムズの「忌まわしき悪魔たち」

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イトウ カズナリの「ボロスの英雄的軍勢」

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ネイサン・カルシュの「神々の複合」

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サムの「灰燼の乗り手は二度来たる!」

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ユングヴィ・オルノフソンの「アグロ・ロック」

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カルロス・マクマーティンの「黒くぬれ」

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Planeswalker (3)
3 闇の領域のリリアナ
ソーサリー (3)
3 思考囲い
インスタント (6)
4 破滅の刃 2 究極の価格
アーティファクト (2)
2 エレボスの鞭
エンチャント (1)
1 闇の予言
60 カード

アニル・イジット・フリンツの「英雄的トークン」

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アトコッツの赤青緑「神々の試練」

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イザーケイズの白黒赤バーン

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キャメロン・ヘンセルの「トラッシュ&ダッシュ」

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