コンボエルフの帰還

更新日 Reconstructed on 2013年 5月 21日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

原文を読む

 ドラゴンの迷路で登場したとあるカードには、このセット全ての他のカードよりもメタゲームを揺り動かす素質がある。これはモダンで既に禁止されているカードに近いものだ。その元の禁止カードを構成要素とするコンボ・エンジンは、早ければ2ターン目にはゲームを終わらせられる力を持ち、すぐにゲーム環境のトップレベルに顔を出した最も恐ろしいコンボ戦略のひとつだった。

 モダンとドラゴンの迷路についての議論とともに、そして5月10-12日に行われるグランプリ・ポートランドを前にして(原文掲載時)、公開されてから全てのモダン・プレイヤーが意識しているカードに注目するだけでも意味がある。

 そのカードは何かって? 《唯々+諾々》だ。

唯々+諾々》 アート:Adam Paquette

 2008年の10月へと時計の針を戻そう。舞台はベルリン市、古きと新しきが混在する街だ。ここの硬いレンガ道は夜の喧騒へと続き、高くそびえる800年前の大聖堂には最新のガラス建築も用いられている。しかし10月のある特別な週末に、とりわけ珍しいイベントがベルリン市で開催された。マジックのプロツアーだ。

 私もそこにいた。18歳のときで、それは私が始めて参加したプロツアーだった。(参加資格を得たのは初めてではないが――それはまた別の話。)私はこのプロツアーまでの数ヶ月間にわたりエクステンデッド・フォーマットのために熱心に準備しつづけていた。

 そして私が問題だと感じていた、その《垣間見る自然》を求めてあちこち駆けずり回る何人ものプレイヤーの最後の一人として――有名な青黒魔術師でもある――ギョーム・ワフォ=タパが訪ねてきたのは、トーナメント前夜のことだった。

垣間見る自然

 私はそのカードが何のデッキに使われるかをすでに知っていた。コンボエルフだ。私はデッキリストを手に入れてプレイテストもしたが、これをプレイしないことを選択していた。だがギョームがこれをプレイするつもりで、デッキを完成させるためのカードを他人におおっぴらに求めてくるぐらいなのだから、私が想像するよりも非常に多くのエルフ・プレイヤーがいるようだった。

 そして結局のところ、エルフ・プレイヤーは非常に多かった。

 パトリック・チャピンが「自分達だけがこれについて知っていると誰もが思っていたデッキ」と称したエルフは、様々なバージョン違いがトップ8のうち6席を獲得するという途方もない結果をたたき出したことからも分かるとおり有効だったようだ。その後については言うまでもないね

ルイス・スコット=ヴァーガスは2008年ベルリンでのプロツアーで優勝した

 どうしてこの歴史の授業を取り上げたのかって? そう、コンボエルフは帰ってくる――大いなる手段のもとで。

 そのデッキを作動させ、初期のモダン・フォーマットで支配的になった後に禁止となったのが《垣間見る自然》だ。ドラゴンの迷路で登場した《唯々+諾々》の《唯々》側は2マナの――より優れた――《垣間見る自然》と言える。《垣間見る自然》とは異なり、これは唱えたものでなくともクリーチャーが戦場に出ることにより誘発し、さらに「引いてもよい」なので自分のライブラリーについて心配せずに済む。ああ、そしてごく稀な状況では《諾々》側でさえも唱えることが可能だ!

 私はモダンに取って代わられる前のエクステンデッドによるプロツアー予選の選択肢として、エルフ・デッキに関する種々の記事を執筆したり、トーナメントで勝つためにエルフを採用したりと、エルフを大いに推進していた。今こそ再びこのデッキを考察する時だ――モダン・フォーマットでね! ジョン・パパダキスが用いた戦略を見てみよう。

ジョン・パパダキスの「エルフボール」

Download Arena Decklist
 

その戦術とは

 よし、これがコンボ・デッキだということは説明した通りだ。だがどれほどきっちり回せるだろうか?

 デッキ構築の観点から見て、このデッキのコンボ方法はまさに芸術作品だ。そして非常に複雑でもある。このデッキの全てを学ぼうとすることは、代数の公式を暗記するかのごとき複雑さかもしれない――だが今この時に全てをまとめて学ぶことで大いに得るものがあるだろう。

 コンボへと続くいくつかの異なる道筋があるので、例のごとく実際に動かしながら説明していこう。

 このコンボは《イラクサの歩哨》と《遺産のドルイド》を中心に回していく。したがって、先へと進む前に、これらがどう動くのかを確認しておこう。

イラクサの歩哨
遺産のドルイド

 手札に1マナのエルフが山ほどあるとして、戦場に《イラクサの歩哨》と《遺産のドルイド》が出ている状態で《唯々》を唱える。あと緑マナ1つだけしか残ったマナはないかもしれない――だがそれで十分だ。エルフのうち1体を唱えて戦場に出しカードを1枚引く。

 それから、さらに緑マナ3つを得るために3体のエルフをすべてタップする。そのあと別の1マナのエルフを出して――またカードを1枚引きつつ《イラクサの歩哨》をアンタップする。また別の1マナのエルフを出して、マナ・プールに緑1マナが残った状態で、さらにカードを1枚引く! さらなる緑マナ3つのためにそれら3体を全てタップして、さらにエルフを唱えてさらにカードを引くことができる。

 どこかで《召喚士の契約》(か、別の《イラクサの歩哨》)を引いたとしよう。《イラクサの歩哨》を探して、それを出し、カードを引き、さらに他の《イラクサの歩哨》をアンタップできる。この状態になると、いつでもエルフを唱えて出すことで2体の《イラクサの歩哨》がアンタップして、今出したエルフごとタップさせられるので、唱える全てのエルフが緑3マナへと直接変換される。ああ、そしてそのたびにカードも引いていける。

 これでエルフを出し続け、カードを引き続けることができる。最終的には、《召喚士の契約》を引いて、必要なカード全てを確実に与えてくれる《威厳の魔力》を探し出すことが可能だ。実質的にデッキ全部を唱えて、それからこちらのクリーチャーを――自身を含めて――すべて馬鹿でかくするために《孔蹄のビヒモス》を唱え、そしてゲームに勝利する。

 だがそれが全てではない。このデッキはコンボだけのデッキではない、というところが素晴らしい。単に攻撃するだけで、いとも簡単に対戦相手を倒してしまえる!

 コンボの補助に加え、《エルフの大ドルイド》や《遺産のドルイド》はお手軽に山ほどのクリーチャーを展開できる。このデッキは十分に安定した引きを持ちつつ、いつでも恐ろしいコンボを立ち上げることも可能な、非常に扱いやすいビートダウン・デッキだ。時には、《唯々》を唱え、エルフを山ほど出し、そしてその後大量のクリーチャーの群れで対戦相手を打ち倒す準備を戦場に整えてターンを終了するというような、コンボとビートダウンが奇妙に混在する引きも同様にありうる。

 使うには難しそうだ? 確かに。 使えば強いか? 確実に!

デッキ詳細

 このようなデッキではあらゆるカードが大きな差を生じさせかねない。コンボを試みる場合はデッキの大半を引くことになるので、小さな調整が大きな影響を持つ。全体を通して何が効果的で――何がそうじゃないかを調べよう。

イラクサの歩哨
遺産のドルイド

 これらはコンボの鍵となる要素の2つだ。絶対にそれぞれ4枚ずつ必要で、疑問の余地は無い。

ラノワールのエルフ
東屋のエルフ

 このデッキはコンボを動かし始めるために1マナのエルフを極めて大量に唱える必要があり、そしてこれらはその中でも最良のクリーチャーと言えるものたちだ。エルフ・デッキにおけるマナ加速は呪文を素早く唱える(そしてより早くコンボの準備を整える)助けでもあり、投入する土地を減らせるという意味もある――致命傷を与えようと試みる時には土地は無駄な引きになってしまうがゆえに、それはこのようなデッキにおいて重要な強みだ。

死儀礼のシャーマン

 1マナのエルフを話題にする上で、《死儀礼のシャーマン》もまた取り上げる価値があるだろう。《死儀礼のシャーマン》は素晴らしいカードだが、それには高い危険が伴う。そのマナ・エルフがその名の通りの仕事をこなせないという危険性だ。一方で《死儀礼のシャーマン》が優れている点はいくつかのライフを獲得できるということ、タフネス2を持つこと(主に《電解》のようなカードなどに直接関係してくる)、そして、最も重要なのは、《唯々》のために青マナを供給できるということだ。

 さらに《死儀礼のシャーマン》を吟味するため、私はデッキを構築し(《繁殖池》を探すために《沸騰する小湖》を使うなど、10枚に及ぶフェッチランドを搭載して)これを投入して何度か回してみた。大体のゲームで良好ではあったものの、時おり何も出来ないゲームがあったり――あるいはさらに悪い場合には、対戦相手がこちらに先駆けて《死儀礼のシャーマン》を展開し、必要な燃料を全て使ってしまうこともあった。一貫性が関わるすべてのデッキにおいて、それは大きな危険だ。

 青マナを獲得できるのは良い恩恵だが、青マナを出せるということは基本的にはどっちみちフェッチランドを使っているということで――それはつまり青マナを持ってこれることを意味する。そして、何よりも、2ターン目に例えば《エルフの大ドルイド》などを出せない場合があるのは大問題だ。

 しかしながら、マナ・エルフはもっと必要だ。《ボリアルのドルイド》はまた別の選択肢だが、緑1マナの呪文を唱えられないという欠点を伴う。結局のところ私は、異なる欠点を分割し、《死儀礼のシャーマン》2枚と《ボリアルのドルイド》1枚を投入することに決めた。序盤に複数引くと弱いので《死儀礼のシャーマン》は1枚しか引きたくないが、2枚だけならほぼそれは起こりえないだろう。大体は1枚ぐらいはフェッチランドを引くだろうから、特に問題が無ければ《エルフの大ドルイド》などの展開にも使える。

 じゃあ《エルフの大ドルイド》について語ろう……

エルフの大ドルイド

 《エルフの大ドルイド》がある状態でアンタップを迎えれば、対戦相手が勝つ確率は劇的に下がる。《エルフの大ドルイド》から生み出されるマナは異常で、序盤に勝つための多くの力を生み出す助けになり、いくつかのまさに骨太な引きを作り出す。これが生むマナだけで序盤から《威厳の魔力》を展開可能で、それによりゲームに勝つために必要な燃料をたいてい与えてくれるだろう。それに加えて、1/1のエルフ軍団を極めて手強いものとし、ビートダウン戦略をも手助けしてくれる。

 コンボを動かしているときに《エルフの大ドルイド》を引いた場合はあまり良くはないが、無駄な引きではないし、これがデッキに与える影響を考えれば用いる価値があるのは間違いない。3枚投入とする人も見かけるが、私は可能な限り2ターン目に唱えたいので、4枚を望む。

エルフの幻想家

 この無害な2マナ1/1は意外なことにこのデッキでは強力なカードの1つだ。デッキをより深く掘り進めてできるだけ多くのエルフを引っ張り出すことは、大いにデッキの一貫性を支援するものだ。それに加えて、少し後で取り上げるカードと共に無限コンボの燃料ともなるのだが――それについては後で。

 《エルフの幻想家》に加えて《とぐろ巻きの巫女》を用いる人もいるようだ。私は《とぐろ巻きの巫女》が青緑でなければ絶対使っていたと思うが、青マナ入りの呪文はコンボ中には唱えられないので全く関心が無い。

スクリブのレインジャー

 この時のらせんの風変わりなカードは色々と仕事をしてくれる。マナを生み出せるクリーチャーをアンタップすることはコンボ中に限界まで動く助けとなり、さらには土地をタップしてマナを出し、それを手札に戻して、その後もう一度マナを出すためにその土地をプレイするというようなちょっとした「ずる」もできる。

 ここでの根本的な問題は、《スクリブのレインジャー》はエルフではないということだ。コンボ中、《遺産のドルイド》とはかみ合わない――よってデッキからは外される。

背教の主導者、エズーリ

 ビートダウン戦略上なら、《背教の主導者、エズーリ》は従えるに相応しいクリーチャーだ。しかしながら、既に《エルフの大ドルイド》という手法だけでコンボしているときに引くのを許せる3マナ域のエルフの枠は満杯で、さらに《背教の主導者、エズーリ》はマナ・エルフから2ターン目に展開した場合に大きく劣る。どの枠も貴重なのだから、それを踏まえると《背教の主導者、エズーリ》は私にとってメインデッキに十分相応しいとは言えない。(とは言うものの、コンボが現実的な選択肢ではないと判断した場合のために、サイドボードでは間違いなく検討するだろう。)

 《威厳の魔力》はこのデッキのための重要なカードのうちの1つで、コンボに取り掛かる際にその動きをまとめるカードだ。《唯々》し、エルフを山のように出し、マナが十分に溜まったら、《威厳の魔力》のために《召喚士の契約》を使い、そしてその後良い結果をもたらす。私にとっての本当の問題は《威厳の魔力》をデッキに入れるかどうかではなく、入れるべき正しい枚数は何枚かということだ。

 私がエクステンデッドのエルフを使っていたころは、何を狙っていたかにもよるが1枚か2枚の《威厳の魔力》を用いていた。時々、《威厳の魔力》1枚と《イーオスのレインジャー》1枚ということもあった。(サイドボードのために《寺院の庭》を入れていた。)コンボのためには必ず1枚の《威厳の魔力》が必要となる一方で、単に3~4ターン目に《威厳の魔力》を《エルフの大ドルイド》の力を借りて出すことで、必要な燃料すべてを再充填してしまうことすらも可能だ。

 今回のデッキでは、やはり2枚投入としたい。マナを大量に生産できるので、《威厳の魔力》はそういった状況でまさに引きたいカードだ。

孔蹄のビヒモス

 ああ、エルフの勝ち手段だ。この部分はこれまで多くの変化があった。

 あるプレイヤーは《引き裂かれし永劫、エムラクール》を用い、また別のプレイヤーは《ぶどう弾》を使った。

 山ほどの調整の後に私が選択した昔の勝ち手段は2枚の《原初の命令》だった。デッキに2枚の《原初の命令》が入っていてコンボが大回転しているなら、自分の墓地のカードをライブラリーに戻してシャッフルすることを選択し――墓地にもう1枚の《原初の命令》があることで、それらを何度も何度も繰り返し再利用できる(そしてクリーチャーで手札が満杯になるはずだ)。

引き裂かれし永劫、エムラクール
原初の命令

 その合間に、対戦相手の土地を相手のライブラリーの上に置いていく。(あるいは、ライフが少なければ、何度か7ライフ獲得効果を使っておくこともできる。)確かに、理論上は対戦相手に次のターンが回る……しかしこちらのライフが多く、対戦相手の非クリーチャー・パーマネントが全てライブラリーの上にあり、加えて全てのエルフがデッキから戦場に出ているという状態に一旦なってしまえば、対戦相手がこちらを倒せる状況などほとんどありえない。

 なぜ私はド派手な《引き裂かれし永劫、エムラクール》ではなく地味な《原初の命令》を選択したのか? そうだな、それは単純に《原初の命令》が色々できるからというのもある。私は死に札を引くのが嫌いだ。《原初の命令》という手法は1枚ではなく2枚の枠を必要とするが、コンボの準備のためか、あるいは対戦相手のターンを擬似的に戻すためのどちらにでも1枚目の《原初の命令》を唱えることができる。

 それで、《孔蹄のビヒモス》の場合はどちらの構成要素に分類されるだろうか?

 私が《孔蹄のビヒモス》について実際良いと思うのは、一定以上の決定打となるマナを一旦生み出せたならそのまま唱えて勝てるところだ。8マナというのは《引き裂かれし永劫、エムラクール》に必要な15マナよりもずっと現実的だ。それに加えて、これのために《召喚士の契約》を使うこともできる――たとえどうやってもコンボを完成させることが出来なくなったとしても、多くの場合《孔蹄のビヒモス》1枚でゲームに勝つには十二分だろう。

 これの良くない面は、ゲーム中《原初の命令》ほどには積極的に使っていける場面が無いということだ。さらに、これが《思考囲い》などで排除されてしまうと、こちらがコンボした後に相手は対応するためのターンを得てしまうだろう。(《原初の命令》2枚なら、1枚捨てさせられても、もう1枚を引いて墓地をライブラリーに戻せる。)

 私はこのデッキで用いる上でこの2つは非常に肉薄していると考える。《原初の命令》が枠を2枚消費するのに対して《孔蹄のビヒモス》は1枚で済むのが魅力的なところだが、レガシーとは異なり、急いでコンボに向かわずに《原初の命令》をそのまま唱えたとしても実際妥当な行為なのがモダンというフォーマットだ。

 結局、(とりわけ《召喚士の契約》から)そのまま唱えることが可能で、対クリーチャー・デッキで膠着している盤面をこじ開けられるという点は用いるに値する素晴らしさがあるので、《孔蹄のビヒモス》に決定した。これはわずかな差であり、メタゲームに変化があれば再び双方を検討するだろう。

獣相のシャーマン

 《獣相のシャーマン》はこのデッキにおあつらえ向きのように思える――これはコンボ用のクリーチャーを探し出せる。何か問題が? ああ、これは実際ちょっと遅くて動き出すまでに非常に時間がかかる。しかも、たった1枚では、そもそも必要なクリーチャーより先に《獣相のシャーマン》を見つけ出せる状況がほとんどない。このようなデッキではあらゆるカードが重要なので、《獣相のシャーマン》は外そう。

 これはコンボの鍵となる要素だ。これを引き入れたいので、間違いなく4枚全投入だろう。ほとんど《諾々》を使うとは思えないので、通常なら《寺院の庭》を投入しないのだが、おそらくあなたも私と同様に《イーオスのレインジャー》や《再誕の宣言》といったようなカードをサイドボードに加えたいと望むのではないかと思うので、最終的なデッキリストに盛り込むことにした。加えて、最後に《》の枚数がどれほどになるかにもよるが、どのみち私はこのデッキに《地平線の梢》を1~2枚入れたいので、それにより危機で《諾々》を唱えることもできるだろう。

Summoner's Pact

 コンボの構成要素の後押しとしては、《召喚士の契約》が実質的にデッキ全体で最も重要なカードの1つだ。必要などのエルフでも探し出せる上に、コンボを開始して最終段階に進んだ時には《威厳の魔力》を探す助けになる。さらに必要とあれば、(後で次のターンの《召喚士の契約》の対価を支払う助けにもなる)《エルフの大ドルイド》を探すことでその局面においてのビートダウン戦略をもそこそこ支援する。私は絶対に4枚から減らしたりはしない。

召喚の調べ

 《召喚士の契約》は素晴らしいが、《召喚の調べ》は私の好みから言えば少々遅すぎる。それらがマナ・エルフであるか、あるいは《遺産のドルイド》による効果で、どっちみちほとんどのエルフはタップでマナが出せるので結局召集は関係なく、マナをそのようなX呪文につぎ込むならおそらく《奇妙な収穫》の使用を検討するだろう。

 追い討ちをかけるようだが、《召喚の調べ》を用いる余地はまったく考えられない。エルフ・デッキで序盤に用いることが可能な呪文の比率は重要だが、《召喚の調べ》は序盤に活躍しない。それに加えて、コンボを開始している時ですら、マナか(事実上マナである)エルフを4枚も組み合わせなければ唱えられないのだから引きたくない。むしろさらなるエルフをここに入れたい。

珍品使い、珍品扱い

 様々なプレイヤーが検討してみたエルフでのコンボの追加要素は数多い。例えば、最近よく話題になっているカードの1つは《侵入警報》だ。コンボ要素が整っていてとにかくエルフを引き続けられる場合にのみ働くので、《侵入警報》は元々勝てる状況で活躍するのがほとんどだと私は思うが、これは確かに展開を助ける。

 私が注目に値すると確信している1枚は《雲石の工芸品》という珍品だ。

 カードについて説明する前に、まずはちょっとした話をしよう。知らなかったかもしれないが、DailyMTG.comのエルフマニアは私だけではない! 我が「Perilous Research」の永き同胞ジェイコブ・ヴァン・ルーネン/Jacob Van Lunenもまたコンボエルフ・デッキの愛好家で、そして我々は同様の結論に達することがままあるようだ。(「Daily Decks」の執筆者サム・ブラック/Sam Blackみたいにね。見てるかいサム!)

 とある週の過去のエクステンデッド・フォーマットにおいて、ジェイクと私は同じ週末に行われた別々のプロツアー予選のトップ8内でコンボエルフを活躍させていた。デッキについて前もって話していたわけでもないのに、我々のデッキは酷似していた。とは言うものの、少しばかり違う部分もあった。私が《エルフの大ドルイド》を採用したことについてジェイクは難色を示した。ジェイクは《雲石の工芸品》を用いており、私は賛成しなかった。

 討論とプレイテストの後に我々は最終的に理解した……どちらも良いじゃないか!

 《エルフの大ドルイド》は重要だった。しかしながら、《雲石の工芸品》もまた素晴らしかった。何故かって? 擬似的な《垣間見る自然》効果によって実際に《垣間見る自然》が無くてもコンボを行う手段を与えてくれる追加要素だからだ。

 正しくはどのように動作するのか? いくつかのループを体験してみよう。

雲石の工芸品

 《雲石の工芸品》の鍵となる構成要素はこうだ。《イラクサの歩哨》と《遺産のドルイド》がいる状態で何か別の1マナのエルフを戦場に出すことにより、無限マナを生み出すことができる。やり方は以下の通り。

 最初に、出した1マナのエルフを含む3体をすべてタップしてマナを出しておく。次に、誘発した《雲石の工芸品》の能力を解決して《遺産のドルイド》を手札に戻す。それから《遺産のドルイド》を唱えて、2マナは残しておく。《雲石の工芸品》の効果でその別の1マナのエルフを手札に戻す。それを再び唱えて、3体をすべてタップしてマナを出し、《遺産のドルイド》を戻し、必要なだけ繰り返せばいい。

 さて、これにより無限のマナと、このターンに《唯々》を唱えていれば無限のカードが供給される。だがこれは単なる一例に過ぎない! 実際、《唯々》下でカードを無限に引くだけなら《イラクサの歩哨》ですら必要としない! 単に各エルフを戻しては出しつつ引けばいい。最終的には《イラクサの歩哨》を見つけ出し、そこから無限マナへと続けられる。

 だが待った! もし《唯々》が無かったら? ああ、《エルフの幻想家》がその役割を良く果たしてくれる。《遺産のドルイド》、《イラクサの歩哨》、そして《エルフの幻想家》が1枚ずつあれば好きなだけカードを引くことができる――そして結局のところは無限マナを生み出すための別のエルフに出会うことだろう。無限コンボの準備が整っていなくとも、単に足りない部分を見つけ出すために《エルフの幻想家》を使いまわせば3枚以上はカードを引けるだろう、というのもある。

 ところが、これで終わりではない。《雲石の工芸品》とともに、私は2枚の《本質の管理人》も加えたい。ビートダウンに対して時間を稼いでくれることに加えて、これらを引くことは当然ながら無限ライフを得るまさに合理的な手法だ。何か他の1マナのエルフと共に上述の《遺産のドルイド》の仕組みにこれらを組み込むだけでライフを42兆点にして悠々自適に過ごせる。(《欠片の双子》のようなデッキとの対戦の場合、結局はこちらを打ち負かせるという重要な点は覚えておかなければならないけどね! 用心することだ。)

 用いるには特殊なカードでコンボには少々練習が必要となるが、《雲石の工芸品》は色々と奇妙な状況からコンボを可能にする。これについて、3つの手法いずれの無限へ向かうにしても足りないエルフを見つける助けとなる《召喚士の契約》はまさに輝かしいばかりだ。

 《雲石の工芸品》は間違いなく3枚投入の価値がある――2枚以上は引きたくないが、絶対に勝利への原動力となる1枚だ。

 全ての変更を伴い、デッキはこうなった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「コンボエルフ」

Download Arena Decklist

 マナ基盤について語る上で注目すべきなのは、《唯々》でカードを引けるという理由からフェッチで持ってくるものとして《ドライアドの東屋》を利用するプレイヤーもいるという点か。しかしながら、うまい相互作用ではあるものの、実際にはほとんどそういう状況にはならないだろうと考える。逆に、《ドライアドの東屋》が初手に来るたびに弱いと感じるだろう。《ドライアドの東屋》でカードを引くためにフェッチを使う状況より多くそういう目にあうだろうから、その危険を冒したくはない。

 先だって言及したように、《寺院の庭》はサイドボードを見込んでのものだ。ジャンドのようなデッキとの消耗戦を助けるために《イーオスのレインジャー》や《再誕の宣言》のようなカードに目を向けたい。コンボ・デッキを退けるため、《思考囲い》や《コジレックの審問》を投入するために黒を足すのもまた道理に適っている。

寺院の庭
イーオスのレインジャー

 通常私は、土地の引きすぎを解消する助けとしてコンボエルフ・デッキに2枚の《地平線の梢》を入れるのが好みなのだが、《》に数えられるカードが既にかなり少なく、土地を切らす危険を冒したくはないので1枚挿しとした。

 それでこのデッキはどれくらい良いだろうか? そうだな、ある程度使ってみて、非常に有力だと確信した。《紅蓮地獄》や《火山の流弾》のようなカードはエルフの集団を溶かして火力が皮膚を焼く流れになるものの、それらは現在ではあまり見かけない。エルフは適切な勝ち手段を他にも備えている速攻コンボ・デッキだ。5月10-12日に行われるグランプリ・ポートランドに参加するつもりなら、これについて備えておいたほうがいい。十分にうまくやれば、私達は日曜日に競えるだろう!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週も数多くの素晴らしいモダン・デッキの提案が送られてきた――他のものも見てくれたまえ!

Loreの「コイン投げウォーカー」

Download Arena Decklist

アレックス・ラピンスキの「迷路の変容」

Download Arena Decklist

タカハシ カズヤスのゴルガリ・アグロ

Download Arena Decklist

ルーク・ポールセンの「削り」

Download Arena Decklist

マーク・イアン・アローソの「呪文嫌いの熊」

Download Arena Decklist

ヒロタ ユウジの「ターボ・ゲート」

Download Arena Decklist

Leeの「チェリオスの総出」

Download Arena Decklist

ブレイク・キャンベルの「トロール・ポッド」

Download Arena Decklist

トレバー・キャッシュモアの「窯つぶし」

Download Arena Decklist

イアン・フォンテーヌの「活用する影」

Download Arena Decklist

ダニエル・ワトソンの「ザル=ター・ウィン」

Download Arena Decklist