シミック式狩りの授業

更新日 Reconstructed on 2013年 7月 9日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 みんな、攻撃は好きかい? カードを引くのは好きかな? もしそうなら、そんな君たちにオススメのデッキがあるぞ! 『ドラゴンの迷路』の中でも私がひと目見てとりこになったカードのひとつが、《狩りの仕込み》だ。私はテンポ主体のビートダウン・デッキを使うのが大好きで、強い能力を持った優秀なクリーチャーと共にバウンスや打ち消し、その他様々な呪文を駆使して戦うのが楽しくて仕方がない。緑青の攻撃的なデッキは、グルールのような攻撃的な他の色の組み合わせと比べて、必ずしも頼りになるクリーチャーに恵まれているわけではないけれど、そこは青の呪文で補うことができるのだ。

狩りの仕込み》 アート: Karl Kopinski

 《狩りの仕込み》が私の目を引いたのには理由がある。テンポ主体の緑青ビートダウン・デッキがテンポ・アドバンテージを取るために必要なツールを多く得るには、ゲーム・プランを進める中で繰り返しカードを引くのが一番だ、と私は考えているからだ――そして、どうやらそう考えるのは私だけじゃないらしい。本日手がける予定の《狩りの仕込み》デッキを見てみよう。

ラウリスの「日々の仕込み」

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    その戦術とは

 今回のようなアグロ・コントロール・デッキは、クリーチャーのサイズも速さも犠牲にして他のことに力を入れる――それはテンポと妨害だ。対戦相手を迅速に打ち負かすことはできなくても、粘り強く戦い相手の行動に干渉することでそれを補っている。アドバンテージを得るためにバウンス呪文や打ち消し呪文のような選択肢がとれる、というのも青の特権だ。

 先ほど粘り強く戦うと言ったが、そういうデッキでこそドローが活躍する。ビートダウン・デッキは《至高の評決》のような全体除去に弱く、あるいはクリーチャーの応酬にかけてもミッドレンジには劣るかもしれない。しかし、自軍すべてのクリーチャーが《秘密を盗む者》になれば、たちまち手札が満たされ、クリーチャーを再び展開する態勢が整うだろう……あるいはきっと、状況を打破するための最適な手段を引き込めるはずだ。

 デッキの中心になるカードというものは、そのデッキに制約をかけるのが常だ。《狩りの仕込み》の場合は、+1/+1カウンターを置けるクリーチャーを多く採用することがその制約なのだが――幸運なことに、+1/+1カウンターを置ける優秀なカードはたくさんある。

 今回のデッキにとっての理想的な動きは、最初の数ターンでクリーチャーを展開し、続けて《狩りの仕込み》を貼って攻撃しカードを得る、というものだ。対戦相手がブロックに回るなら、《シミックの魔除け》のようなカードが相手の防御を断ち切り、更なるドローを呼ぶ。このデッキに採用されるカードには、比較的軽く唱えやすいことが求められる。それから、積極的に+1/+1カウンターを置く戦略に沿ったクリーチャーや、あるいは対戦相手への妨害に役立つスペルが欲しい。

    カード詳細

 今回のデッキを構成する多くのカードを通して見て、それらを磨き上げ、戦略に合致したものを残していこう。

 《実験体》は様々な点で今回のデッキに合っている。まず、1ターン目からエンジンを始動できる1マナというコスト。それから、+1/+1カウンターを置くことができて《狩りの仕込み》と噛み合うこと。また、《至高の評決》のようなカードに対する耐性もついている。

 今回のデッキでは、盤面へしっかりとクリーチャーを送り込めるようにコストの軽いものを多く確保しておきたい。私が目を付けたのは《実験体》だけではない、ということだ。同じシミックの1マナ域である《雲ヒレの猛禽》は、このデッキにぴったりの相棒だ。飛行による回避能力と序盤に出せる軽さの両方を備えた《雲ヒレの猛禽》なら、このデッキの動き出しを支えてくれるだろう。

 今回のデッキでは、これらの進化クリーチャーをそれほど大きく進化させるつもりはないけれど――デッキに入っているクリーチャーのほとんどがパワー1か2なのだ――、+1/+1カウンターを置いた状態にするため1回は進化させる必要がある、ということを頭に入れておいてくれ。その後引き込んだ《怨恨》を使うことでさらに強化できる、ということもね。

 この小さな狼は特に危険なようには見えないが、実を言うと今回のデッキでは大活躍を見せてくれる。こいつは除去への耐性に加えて、他のビートダウン・デッキからの猛攻に耐える力を持った1マナ域だ。《絡み根の霊》と同様に《ザーメクのギルド魔道士》と組み合わせれば、カードを引きその恩恵を受けつつ何度もブロックを繰り返すことができるのだ。こいつもまた頼もしい1マナ域だ。喜んで4枚残そう。

 さて《絡み根の霊》が話に出てきたな。よし、それじゃあ……《絡み根の霊》について詳しく話すことにしよう!

 《絡み根の霊》は、このフォーマットで最も優秀な緑のクリーチャーのひとつだ。2マナでパワー2と速攻を持ち、さらに死亡したら3/2になって戻ってくるというのは極めて強力で、対ビートダウンにはもちろん、コントロール・デッキ相手にも役割を持つことができる。また、不死はクリーチャーを進化させるのにも大いに役立ち、パワー3になって戻ってきた《絡み根の霊》は《実験体》や《雲ヒレの猛禽》を一段階上へ持ち上げてくれる。さらに、先ほど述べたように《ザーメクのギルド魔道士》と組み合わせれば何度も戦闘に入ることができ、その過程でカードを引きながらクリーチャーに対応する、というとんでもない動きができるのだ。こいつはぜひ4枚すべて残したい。

 今回のデッキが持つシナジーについて話そう! 不死クリーチャーや進化クリーチャーに置かれた+1/+1カウンターを取り除いてカードを引くという能力は、盤面の強化と対戦相手のテンポを削ぐことの両面において良く噛み合っている。土地をより多く引き込むにつれて、《ザーメクのギルド魔道士》は新たに戦場へ出るクリーチャーに+1/+1カウンターを載せてやることだってできるのだ!

 加えて、《ザーメクのギルド魔道士》自身もパワー2のクリーチャーだ。進化クリーチャーを多く採用する上で懸念されることのひとつは、《実験体》や《雲ヒレの猛禽》を引きすぎてしまいそれらを進化させるものが無い、という状況に陥ることだ。《ザーメクのギルド魔道士》をもう1枚追加することで、きっとこのデッキはより理想的なマナ・カーブを描くことになるだろう。

 私はこのデッキの《ザーメクのギルド魔道士》が気に入っていて、心からこれを4枚に増やしたいと思っている。確かに、冗長にすぎてはいる――でもこいつが1体戦場にいれば、ゲーム中盤にこのデッキがやりたいことに向けてしっかりと良い形を作ってくれるだろう。


 今回のデッキにとって、この2枚はどちらも魅力的な3マナ域だ――とはいえ、あまりたくさんの3マナ域を採用するのはリスクを伴う。盤面へクリーチャーを送り込みたいデッキでは、これらの3マナ域が手札に溢れ、効率的にマナを使えずスタートが遅れてしまうかもしれない。さらに、《ラムホルトの勇者》と《捕食者のウーズ》はどちらも基本のパワーとタフネスが1しか無く、これはつまり、他の3マナ域と違って進化クリーチャーへの貢献はまるで期待できない、ということだ。この2枚なら、私は片方だけを残したい。

 みんなはどちらを選ぶかな?

 《ラムホルトの勇者》は3マナで1/1とやや心もとなく見えるものの、その見た目に隠れた内なる獣は実に強力だ。こいつは自身の強化という形でクリーチャーをたくさん戦場に出すことを促し、今回のデッキがやろうとしていることとシナジーを生み出す。通常、《ラムホルトの勇者》が戦場に出る前に軽いクリーチャーたちが繰り出されるデッキでは、アンチ・シナジー気味になるのだが――《狩りの仕込み》といったカードのおかげで、その後も軽いクリーチャーを次々と用意できる。

 《狩りの仕込み》と言えば、《ラムホルトの勇者》は攻撃を通すのにもひと役買ってくれるので、カードを引くのが容易になるだろう。加えて、不死クリーチャーが戦場へ戻るたび《ラムホルトの勇者》に+1/+1カウンターが置かれるので、不死との相性も抜群だ。

 一方、《捕食者のウーズ》も確かに捨てたものではない。こいつは猛烈な勢いでサイズを伸ばすだけでなく、除去耐性という点で《ラムホルトの勇者》には無い働きを見せてくれる。対戦相手が《至高の評決》を撃ち込もうと企んでいても、《捕食者のウーズ》は戦場に立ち続けるだろう。

 だがしかし、《捕食者のウーズ》には重大な欠点がある――そのマナ・コストだ。《雲ヒレの猛禽》を採用するなら、1ターン目に出せるチャンスを増やすため《》も何枚か追加したいと思っている。そして、私は正直なところ今回のデッキがやろうとしていることとより強いシナジーを生み出すのは、《ラムホルトの勇者》だと考えている。それらを吟味した結果、私は《捕食者のウーズ》の採用を見送り、《ラムホルトの勇者》を残すことにした。《ラムホルトの勇者》は今回のデッキにおいては非常に強力なので、4枚に増やしたい。

 《冠角獣》は《狩りの仕込み》となかなかのシナジーを生み出す。クリーチャーにトランプルを与えてダメージを通せば、カードを引けるというわけだ。その上4/3というサイズを持ち、こいつをマナ・カーブの頂点に置けばクリーチャーを進化させることができる。

 問題は何か? そもそも、クリーチャーの大半がトランプルの恩恵を受けられるほど高いパワーを持っていないことだ。《怨恨》をつければ話は別だけれど――その場合はそれだけでトランプルもつく。もし今回のデッキで4マナ域を採用するとしたら、私はたぶん《練達の生術師》を検討するだろう――大の《練達の生術師》ファンのひとりである私だが、それでもマナ・カーブを低く抑えることを優先したい。さてそろそろ次に行きなサイ。

 《怨恨》は緑1マナで膨大な力を与えてくれるカードだ。こいつは戦場にいる小さなクリーチャー1体のパワーをぐっと増やし、その上トランプルまで持たせてくれるので、《狩りの仕込み》でのドローが狙えるようになる。さらに、エンチャントしているクリーチャーが死亡しても《怨恨》は手札に戻り、何度も繰り返し使えるのだ! しっかりと4枚すべて投入したい。

 《狩りの仕込み》は、今回のデッキを送ってくれたラウリスがデッキの中心に据えたカードで、私たちはここまで+1/+1カウンターを置ける低マナ域のクリーチャーを用いて、《狩りの仕込み》の効果を最大化させることに努めてきた。ラウリスが採用した3枚という数字について、私はまさにこれしかないと感じている――複数引いても悪いものではないけれど、まず初めにやるべきことは盤面を整えることであり、初手に《狩りの仕込み》が詰まっているという状況は望ましくないからだ。とはいえ、3枚より減らすというのは避けたい。このまま残すことにしよう。

 「魔除け」サイクルは、それぞれの魔除けの2色が得意とするデッキにぴったりな効果を持つようにデザインおよびデベロップされていて、この《シミックの魔除け》もまた例外ではない。

 実際にアグロ・コントロール・デッキを組む上で、《シミックの魔除け》はクリーチャーを手札に戻して対戦相手の前進を阻み、こちらのクリーチャーを強化して戦闘を優位に進め、あるいは《ラムホルトの勇者》のような中核となる強力なクリーチャーを呪禁という形で守ってくれる。今回のデッキではこういったカードがかなり強いので、私は4枚目を加えようと思う。

 私は普段、アグロ・コントロール・デッキで打ち消し呪文を使うのが大好きだ。戦場にクリーチャーを展開したのちにカウンターを構えて、対戦相手に苦渋の選択を迫るのが望ましいと考えている。しかしながら今回のデッキでは、こちらから積極的に動くこともできる《シミックの魔除け》のようなカードで、テンポを取っていくことを重視したい。

 どうしてかって? いいかい、今回のデッキにはマナのかかる動きが多く、タップ・アウトも必要となるからだ。《ザーメクのギルド魔道士》の1番目の能力を使うにしても《ラムホルトの勇者》を盤面へ追加するにしても、そこから2マナを構えるのはやや難しいと思われる。加えて、今回のデッキには元のパワーが低いクリーチャーが多いため、《呪文裂き》に他のデッキほどの強さは無いだろう。

 それでも、何枚か欲しいのは確かだ。なぜなら、《呪文裂き》を1枚引き込んで構えることで、特定のデッキのゲーム・プランを断ち切る要因となり得るからだ。例えば、《堀葬の儀式》デッキを相手にする場合、《呪文裂き》は貴重な1ターンを稼ぎ対戦相手を追い込むことができるだろう。とはいえ正直なところ、それが分かっていてもメイン・デッキに3枚目は入れたくない。サイドボードに打ち消し呪文をもっと採用するのは間違いないけれど――メイン・デッキには2枚で十分だ。

 クリーチャーのサイズを大きくしたいなら、《自然の祝福》は確かに悪くないツールだ。しかし奇跡がいつ起こるのかはまったくわからず、もし手札に来てしまった場合は重すぎる。奇跡で唱えれば強い、という可能性を秘めたカードではあるものの、私としてはもっとアグレッシブで低マナ域に寄せたゲーム・プランを優先したいし、安定したカードを運用する方がより強いと思う。

 ここまでの変更をすべて受けて、デッキは以下のようになった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「戦いの仕込み」

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 低マナ域に寄せたこのデッキでは、迅速に戦場をクリーチャーで埋められることだろう。対戦相手が防御に回ることのできるクリーチャーを持っていなければ、《狩りの仕込み》がカードをもたらし、ゲームを完全に決めることができる。相手の側にクリーチャーがいる場合は、《ザーメクのギルド魔道士》と不死クリーチャーたちがデッキの推進力となり、最後には《ラムホルトの勇者》が均衡を打ち破るだろう。

 こうして君たちは《狩りの仕込み》デッキを手にした! 私はここしばらくこのカードを中心にしたデッキを待ち望んでいたのだが、『マジック基本セット2014』の世界へ目を向ける前に最後のチャンスがあって良かったよ。ぜひ今回のデッキを楽しんでくれ!

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週送られてきたデッキには、他にどんなエキサイティングなものがあっただろう? 見てみよう。

サイラス・ウォルツァーの「思考の煽り」

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クリーチャー (10)
2 精神叫び 4 ボロスの反攻者 4 高射砲手
ソーサリー (7)
3 天才の煽り 4 冒涜の行動
エンチャント (1)
1 異教徒の罰
他 (5)
1 捕獲+放流 4 変化+点火
60 カード

マーク・イアン・アローソの「詠唱の儀式」

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エリック・ラヴァンディエの「吸血鬼」

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ジェレミー・カラミコの「ヴォレルフォグ」

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ロレンツォ・リヴェラーニの「ラヴィニア・バント・ロック」

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ジェフ・フルマーの「冒涜の煽り」

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ウィリアム・クレアの「残虐の達人コントロール」

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ナカヤマ リョウの「竜英傑の鼓動」

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ゲイブ・ヴィルドンの「全知捉え」

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ブライアン・サンダースの「吹き荒れる世界火」

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ジェイムズ・ヘイブンの「ギブ・アンド・テイク」

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