ジャジャーン!

更新日 Reconstructed on 2013年 12月 10日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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「使われないカード」という言葉が持つ意味合いは、人それぞれだ。

 ある人にとっては、一線級であると広く知られながらも、大舞台で日の目を見ることがなかったカード。またある人にとっては、お気に入りのカードだけど、どうにも活躍の機会がないもの。「使われない」の意味をさらに突き詰めて、スタンダードでの大きなチャンスを一度たりとも得られないような貧弱なカード、と捉える人もいる。

 今回の「ReConstructed」には、これら3つの意味をそれぞれに込めたデッキがたくさん送られてきたんだ!

 今回のお題は「『使われないカード』を中心にしたスタンダードのデッキ」ということだったね――送られてきたデッキの豊富さには本当に驚いたよ! こうやって幅広い種類のデッキを見て、それらがどんなデッキなのか読み解くのは素晴らしいことだ。アイデアの宝庫を求めているなら、記事の最後の「惜しくも選ばれなかったデッキたち」もお見逃しなく。

 取り挙げたいデッキは数あるけれど、この記事で詳しく見ていくデッキはひとつだけだ。さて、今週スポットライトを浴びるのはどのデッキかな?

 よし、見てみよう!

ヘイデンの「ハイドラを呼び醒ます古きもの」

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その戦術とは

 核となるのは、青赤緑のミッドレンジ・デッキだ。少量の除去を扱い、またカード・アドバンテージが取れる優秀なクリーチャーを用いることで、このデッキはアグレッシブなデッキを抑え込み、コントロール・デッキに対しては次々と脅威を送り込むことができる。

 このデッキに独自の路線を与えているのが、《ザル=ターの古きもの》だ。

 生み出すマナを倍にするというのは、極めて強力な効果だ。過去にも《春の鼓動》や《ほとばしる魔力》といったカードが活躍を見せていた(その活躍を恨めしく見ていた人もいるだろう)。とはいえ、そういうカードには欠点がつきものだ――対戦相手の生み出すマナも倍になってしまうのだ! さらに困ったことに、その恩恵にあずかれるのは相手の方が先だ。

春の鼓動
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……いや、言い直そう。「普通なら」対戦相手の方が先に倍のマナが使えるようになる。ところが、『テーロス』で新たに登場した《クルフィックスの預言者》を使えば、相手のターンの終わりに《ザル=ターの古きもの》を瞬速で繰り出し、アンタップ後に潤沢なマナを存分に使えるのだ。さらに、《クルフィックスの預言者》の能力で相手のターンにも土地がアンタップされるため、手札をすべて展開するのに時間はかからないだろう。

 今回のデッキが成功を収めるために欠かせないのは、大量のマナをどのように使うか明確にしておくことだ。《ザル=ターの古きもの》から確実に繋げられるチャンスは一度しかない。それを逃すと今度は対戦相手が呪文を唱え、こちらのプランを崩してしまうのだ。強力なカードを唱えられるのが1度きりなら、何を使うのがいいだろう?

 幸いにも、うってつけなカードがいくつかあるぞ。おっと、この話はまだ早いかな――まずは次のステップへと移ろう。デッキ詳細だ!

デッキ詳細

 デッキに残すべきものと、いささか時代遅れなものはそれぞれどれだろうか? デッキを1枚ずつ通して見て、噛み合うものと噛み合わないものを確認しよう!

クルフィックスの預言者

 今回のデッキが進めるゲーム・プランはいくつかあるのだが、《クルフィックスの預言者》はどのプランでも役に立つ。《ザル=ターの古きもの》を引かなくても《クルフィックスの預言者》がマナを2回使えるようにしてくれて、《首席議長ゼガーナ》のようなカードを唱えた後でも《世界を喰らう者、ポルクラノス》の「怪物化」ができるようになるのだ。それから、《クルフィックスの預言者》と一緒に《ザル=ターの古きもの》を使えば、対戦相手に先んじて大量のマナを使うことができる。戦場に複数いても何か特別なことが起きるわけではないけれど、今回のデッキは4枚すべて残すべきと「預言」されたので、そうすることにしよう。

森の女人像

 スタンダードの赤青緑デッキでは、マナ加速をするクリーチャーを採用して大型の脅威を素早く繰り出す、という形がお決まりのパターンだ。今回のデッキもその例外ではない。《森の女人像》は特に《ザル=ターの古きもの》と噛み合うわけではないけれど、マナ加速においては実に優れたカードであり――おまけにブロッカーとしても使えるとくれば――、採用の価値は十分にある。

 私としては、《森の女人像》に加えてもう少しマナ加速をするカードが欲しい。ちょうどぴったりなものがあるんだ――《旅するサテュロス》だ。普段なら《エルフの神秘家》に頼るところだが、ただマナを生み出すよりも土地をアンタップするという能力の方が《ザル=ターの古きもの》との相性が良く、望ましい。今回のデッキには3マナ域が1枚も入っていないから(それから、1ターン目は「 神殿」をプレイすることが多いだろうから)、1ターン目《エルフの神秘家》で3マナ域へ加速することはないのだ。《旅するサテュロス》を4枚追加しよう!

世界を喰らう者、ポルクラノス

 現スタンダード環境で緑を象徴するカードのひとつとなっている《世界を喰らう者、ポルクラノス》は、他のデッキでもその破壊的な力を振るってきた――そして、今回のデッキもまた、こいつを迎え入れる準備は万端だ。5/5というサイズで対戦相手にプレッシャーを与えるだけでなく、マナが2倍になる今回のデッキでは「怪物化」がより強力なものになるのだ。伝説のクリーチャーとはいえ、4枚採用してもまるで問題ないと私は思う。「怪物化」がマナの注ぎ込み先になるため複数枚引いても嬉しいし、こいつが手札に溜まるということは、すなわち対戦相手は戦場にいる《世界を喰らう者、ポルクラノス》を対処できていないということである。それはそれで嬉しいからね!

練達の生術師

 私は《練達の生術師》が本当に大好きだ――でも、こいつが今回のデッキに適しているとは思わない。今回のデッキが持つ基本的なテーマやゲーム・プランに、こいつが貢献できることは少ない。+1/+1カウンターはビートダウン戦略に役立つ(それと《首席議長ゼガーナ》との相性も抜群だ)けれど、それは今回のデッキのゲーム・プランにはまったく関係ないのだ。今回のデッキがとれる方針は他にもたくさんあるものの、このデッキが求めるものは《練達の生術師》ではない。

ザル=ターの古きもの

 今回のデッキの中心を担う《ザル=ターの古きもの》は、実に多くの役割を持っている。毎ゲーム1枚は引き込んで《クルフィックスの預言者》とのコンビネーションを決めたいので、しっかりと4枚目を追加するつもりだ。

 それより考えるべきは、「《ザル=ターの古きもの》を用いて何をするか?」だ。何でも1枚唱えられるなら、どれを使えばいいだろうか?

 いいぞ、やるならとことんまでやってやれ。ここで《無限への突入》の登場だ。

無限への突入

 《クルフィックスの預言者》と《ザル=ターの古きもの》を揃えればゲームに勝てる――それを実現するのが《無限への突入》だ。《ザル=ターの古きもの》がいる戦場では、必要な土地はわずか6枚。《無限への突入》が解決されれば、デッキがまるごと手札に入る。それからどうなる?

 ターンを渡すと、《クルフィックスの預言者》の能力で対戦相手と共にこちらもアンタップを迎える。そして――相手のアップキープに――大いなる族長を瞬速で叩き込む。

怒れる腹音鳴らし

 《無限への突入》で引いた土地をすべて捨ててやれば、ほぼ問題なく対戦相手に致死量のダメージを与えられるだろう。(《無限への突入》で持ってこられるように)《否認》を1枚だけ挿して、相手の打消し呪文や最後の悪あがきに対処するのもいいだろう。

 でも、《無限への突入》を引いても《クルフィックスの預言者》と《ザル=ターの古きもの》がなかなか揃わなかったらどうする? 使い物にならない12マナの呪文が手札に残ってしまうじゃないか。

 いやいや、そこも考えてあるさ。「天才」って呼んでくれてもいいよ。

天才の煽り

 今回のデッキは全体的にかなり高マナ域へ寄っていて、さらに12マナのカードも入っているため、《天才の煽り》は予想外の方向から対戦相手を倒してくれるだろう。こちらの盤面を崩しにかかるプラン――今回のデッキに対して自然と対策が取れる戦略――を持つ相手を意識すると、クリーチャーを使わなくても勝てる手段として《天才の煽り》を3枚採用してもいいと思う。

水深の魔道士
ザーメクのギルド魔道士

 《水深の魔道士》や《ザーメクのギルド魔道士》、《練達の生術師》を有する今回のデッキは「進化」に長けていて、+1/+1カウンターもテーマの一部になっている(《首席議長ゼガーナ》と《世界を喰らう者、ポルクラノス》もそれに一役買っているぞ)。しかし、これらはデッキの他のカードとの噛み合いが悪く、(変更を加えてきた今では特に)デッキに必要なものではなくなっている。

 大量のマナと《ザーメクのギルド魔道士》、そして《クルフィックスの預言者》の組み合わせはなかなか魅力的だけれど、それらが揃うような状態にあるならいずれにしても戦況は有利だろう。《水深の魔道士》は機能するまでが遅く、対戦相手に先んじる動きができない。《ザーメクのギルド魔道士》と《水深の魔道士》は抜いてしまって問題ないだろう。

首席議長ゼガーナ

 《首席議長ゼガーナ》は、基本的には今回のデッキにうってつけなカードだ。彼女はカードをもたらしてくれるとともに、クリーチャーとしても安定して良いサイズを持つことだろう。また、クリーチャーであるため《クルフィックスの預言者》によって瞬速で繰り出すこともできる。が、しかし《首席議長ゼガーナ》は6マナのカードであり――今回のデッキのマナ・カーブはかなり高い方へ寄っている。サイドボードへの追加は検討したいけれど、メインへの採用はこのまま2枚に留めておきたい。


 いつの時代もそうだが、スタンダード環境の火力呪文はバラエティ豊かだ。どれを採用しようか?

 さて、今回の場合、私はカードを探すのに役立つ《マグマの噴流》を限界まで搭載したい。とりわけ《無限への突入》と《天才の煽り》のコンボをしっかりと揃えたいのだ。

 一方《稲妻の一撃》は特別欲しいものではない――ダメージ源が増えるのは悪くないが、今回のようなデッキでは追加効果のあるものを採用したい。

 《変化+点火》は《波使い》への良い解答となり(《変化》の側だけなら《波使い》も対象に取ることができ、エレメンタルを強化する能力を失わせることでトークンを全滅させられるのだ)、また《世界を喰らう者、ポルクラノス》のような、放っておけば苦戦を余儀なくされる大型クリーチャーを打ち倒すこともできる。さらに《天才の煽り》で5点ものダメージを与えることも可能だ! 除去に割り当てられる残りの2枠は、《変化+点火》で埋めよう。

 クリーチャー重視のデッキに効果的なサイドボードとして、《ミジウムの迫撃砲》に着目するのもいいだろう――今回のデッキは多くのマナを得ることができ、「超過」も早いぞ。

都の進化

 戦場に置ける土地が増えるというのは《ザル=ターの古きもの》との相性も良く、実に望ましいことだ。しかし《都の進化》は5マナ域の呪文であり、今回のデッキはどこかで高マナ域の呪文の数を減らす必要がある。(それに、私はすでに《天才の煽り》を加えていて、3枚ドローはそちらで得られるのだ)。《都の進化》は抜いてしまおう。

 ここまでの変更をすべて加味すると、デッキリストは以下のようになる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「無限への探検」

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 このデッキは実に様々な攻め手を持っている。

 除去が底を尽きそう?《ザル=ターの古きもの》から《無限への突入》で負けちゃうね。スペルに対する備えができていない?《天才の煽り》に苦しめられるだろう。鍵となるクリーチャーの除去に専念してやるって?《世界を喰らう者、ポルクラノス》も《首席議長ゼガーナ》も対処しなくちゃいけないね。という風に、このデッキがとれる戦略はたくさんあるのだ。

 ぜひ作って、次のフライデー・ナイト・マジックにでも試してみて欲しい。楽しんでくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週送られてきた見事なデッキたちには、他にどんなものがあっただろう? 厳選された面白いデッキの数々を見て、君たちの心を揺さぶるものを確かめてくれ!

トニー・ユーセフの「クレリックの扉」

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ジョージ・ウルフの「五連火災」

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エリック・ラヴァンディエの「運命を決めるオーラ」

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マーク・イアン・アローソの「ティマレットと鍛治の神」

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ヴァシル・ミハイロフの「青赤『ブロックできる?』」

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スズキ ユウタの「核融合」

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ラス・スパングラーの「ビッグBUG」

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ヤコブ・ミリチッチの「無限祭殿コンボ」

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ジョン・エルディスの「白単『領域への信心』」

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ダラスの「死橋ジャンド」

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トラヴィス・フロガットの「高尚な会話」

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コバヤシ ヒロヤの「カウンター・『トレーディング』・ポスト」

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クリーチャー (3)
2 つややかな雄鹿 1 霊異種
ソーサリー (3)
3 至高の評決
エンチャント (4)
4 拘留の宝球
60 カード

スティーブの「屍体屋の爆発」

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イトウ カズナリの「ノー・ハンズ」

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