スリヴァーのある豊かな暮らし

更新日 Reconstructed on 2013年 9月 3日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 その群れが放つ魅力は強烈で……私もまたそれに抗うことはできない。『基本セット2014』の発表以来ずっと、私はスリヴァー・デッキの話がしたかった――そして今日、ついにその機会がやって来たのだ。

 本日は、アントニオ/Antonioが送ってくれたスリヴァー・デッキを見ていこう。早速いくぞ。

アントニオの「ナヤめるスリヴァー」

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    その戦術とは

 スリヴァーの持つ強みは、全体がひとつとなって機能することだ。そのため、スリヴァーの爆発力が発揮できるだけの数を戦場に用意することが重要になる――ひとたび軍団を作り上げることができれば、そこからはどんなクリーチャー・デッキに対しても大きく有利になるだろう。

 すべての鍵となるのは、スリヴァーの大群なのだ!

 必要なものは愛と……それから怪物だけだ。スリヴァーを十分に引ける手段と、その能力を最大限引き出せる様々な方法を確保するのが大切になる。今回私が行う変更の多くは、その視点に立った強化と微調整に集中することだろう。理想を言うならば、アグレッシブなデッキでありながら、同時にミッドレンジの側面も持ちたいところだ。

 準備はいいかな? 多彩な群れの中に飛び込むぞ!

    デッキ詳細

 今回のデッキをパーツごとに――スリヴァーごとに――通して見て、欠かせないものはどれか、また置いて行けるものはどれか確認しよう。

 スリヴァー・デッキがアグレッシブな戦略をとる際には、その中心となる典型的なスリヴァーがいくつかある。2マナで+1/+1の修整を与えるスリヴァー――《筋肉スリヴァー》、《筋力スリヴァー》、そしてこの新しい《捕食スリヴァー》――は、絶対に戦略の中心に据えたいものだ。クリーチャーを多く用いるアグレッシブなデッキにとって、「歩く《栄光の頌歌》」は大いに歓迎されるものであり、この《捕食スリヴァー》もまた例外ではない。間違いなく4枚すべて残したい。

『基本セット2014』には、主に2種類のスリヴァーがいる。効果が「重なる」ものと、複数あっても効果が重複しないものだ。《捕食スリヴァー》はその前者の例であり、戦場に数を増やせば増やすほど、その効果も大きくなる。一方《マナ編みスリヴァー》は後者の例で、1体戦場に出ればその後追加してもさらなる効果は望めない。そのため、《マナ編みスリヴァー》のようなカードは枚数を減らしたくなりがちだ。

 ところが、重複する効果を持たないスリヴァーは強力なものであることが多い――そして《マナ編みスリヴァー》は、まさにそのカテゴリに属するものなのだ。

 タップでマナを生み出すというのは、強く見えないかもしれない。しかし、その能力は序盤の展開を助け、また手札のスリヴァーを一気に繰り出すこともできるようになる。タイミングを逃すことなくすべてのスリヴァーを展開できれば、クリーチャー・デッキの同系戦では負け無しの強さを誇ることだろう――《マナ編みスリヴァー》はそれを実現してくれるのだ。私は、こいつを4枚に増やしたいと強く思う。

 《鋼体スリヴァー》は、《捕食スリヴァー》と同様に自軍全体を強化してくれる。こいつは効果が重なるタイプのスリヴァーで、複数戦場に出ても力を発揮する。

 しかしながら、《鋼体スリヴァー》にとって逆風となることもいくつかある。ひとつは、+0/+1の修整は+1/+0の修整ほど効果的でない、ということだ。サイズの強化は歓迎したいところだが、タフネスの強化はパワーの強化と比べるとはるかに弱いのだ。加えて、3マナ域には今回のアグレッシブなデッキにぴったりなカードがある。

 今回私が採用したいのは、《収差スリヴァー》だ。こいつの能力は重複しないものの、アグレッシブなデッキにおける速攻は極めて強力だ。加えて、《収差スリヴァー》を《マナ編みスリヴァー》と組み合わせれば凄まじい動きが可能になり、手札を迅速に送り出すことができるだろう。私は《収差スリヴァー》を4枚フル投入したい。


 今回のようなアグレッシブなデッキで攻撃クリーチャーが「ピンガー能力」を持つというのは、クリーチャー同士がにらみ合っている状況や対戦相手がしっかりとブロックに備えている場合、確かに強力だ。戦場に複数のスリヴァーが群れを成していれば、特に凶悪だろう。

……だがしかし、「戦場にスリヴァーが群れを成している」状態で《茨投スリヴァー》を着地させるとして、(あと1マナで出せる)《大身スリヴァー》やもっと早く出せる他のスリヴァーと比べて、どれだけ効果的だろうか? 戦場にスリヴァーを追加できて、それが十分機能するだけの数がすでに揃っているなら、たとえ《茨投スリヴァー》でなくてもゲームを支配しているだろう。

 とは言ったものの、こいつを1枚は残したいと私は考えている。0枚と1枚の差は大きい。とりわけスリヴァー・デッキにおいては、1枚引き込めばその能力を全体に与えることができるので、「デッキに1枚入っている」というのは大切なことなのだ。さらに《獣の統率者、ガラク》を使う今回のデッキでは、ゲームが長引けばデッキに1枚のカードを引き込むチャンスは十分あるだろう。

 前に述べたように、サイズを強化するスリヴァーに求められるのは、パワーの強化だ。《戦闘スリヴァー》はその効果も重複し、実に好ましい。5マナで5/3というのは確かに物足りなさを感じるものの、こいつは自軍全体に+2/+0の修整をもたらし、ゲームを変えてくれる。5マナ域をたくさん引きたくはないけれど、できれば1枚は引き込みたいところだ――3枚採用でいいだろう。

 なぜ《茨投スリヴァー》より《戦闘スリヴァー》の方が良いのだろう? 元のサイズが大きくさらにパワーが加えられる能力を持つ、ということだけでなく、二段攻撃を凶悪極まりないものにするため必要なカードだからだ。二段攻撃と何の関係があるのかって? そう、関係あるスリヴァーがいるんだ……

 二段攻撃は、すべてのクリーチャーに与えられるなら最も強力な能力のひとつだ。突如としてクリーチャーの与えるダメージが2倍になり、さらに戦闘での対処が難しくなる。《骨鎌スリヴァー》の能力は重複しないものの、絶対に4枚入れたくなるほど強力だ。こいつはできればすべてのゲームで引きたいカードで、こいつが戦場にいればきっと有利を保つことができるだろう。

 3マナで1/1が2体ではこの上なく強いとは言い難い……だがその2体が4/2二段攻撃なら、一気に魅力的なものになるだろう! それを実現するのが《巣の活性化》だ。強靭なスリヴァーの群れを作り上げるのに役立つ1枚として、《巣の活性化》は脅威へと変えられるクリーチャーを2体生み出してくれる。今回のデッキに4枚採用するのは、まったくもって正しい。

 《マナ編みスリヴァー》から《巣の活性化》へ繋げる動きにも着目すべきだろう。3ターン目を過ぎれば6マナ生み出せるようになるぞ! この動きは意識しておいてくれ。

 今回のデッキは、マナ・カーブについては危ういバランスの上で成り立っている。早い段階で攻撃を仕掛け、また《マナ編みスリヴァー》を活躍させるために軽いスリヴァーが多く欲しい一方で、《マナ編みスリヴァー》が戦場に残れば唱えられるようなコストの高いカードも欲しい。しかし同時に、《マナ編みスリヴァー》を引かなかったり除去されたりする場合は、コストの高いカードを引き過ぎるわけにはいかない。

 今回のデッキにはすでに4マナ域、5マナ域と重いカードが入っているため、6マナ域を採用する余裕はあまりない。私は6マナ域の採用を3枚にしたアントニオの構築を気に入っている。これならゲームが少し長引けばそのうち1枚を引き込むことができ、それらが手札に溢れることはまずないだろう。自軍のクリーチャーすべてに+3/+3の修整を与えるのは確かに強力だ。それでも私は6マナ域それぞれの枚数を逆にして、《獣の統率者、ガラク》2枚と《大身スリヴァー》1枚にしようと思う。《大身スリヴァー》を1枚入れておけば、それを引いたり《獣の統率者、ガラク》で探し当てたりしたときに中心的な役割を担ってくれるだろう。それでも今回のデッキでは《獣の統率者、ガラク》が(ゲーム後半に出ても)単純に強く、私は2枚目を採用したいのだ。

 スリヴァーを中心に組んだデッキでスリヴァーではないクリーチャーを採用するには、それ相応の説得力のある理由がなければいけない。確かに《前線の衛生兵》は悪くないカードだけれど、スリヴァーがテーマになったデッキとはうまく噛み合わないのだ。アントニオのリストにある1枚は、ゲームが本当に長引きその1枚を引ければ恐れることなく攻撃できる、という理由で入っているのだろうと私は予想している――だがそういった状況は極めて稀で、通常は引いても期待に添えるものではないだろう。

 スリヴァー偏重のデッキにおいては、スリヴァーでないカードを選択し採用する際は慎重にならなくてはいけない。とりわけ6マナ域には《大身スリヴァー》があるというのに、それでも《獣の統率者、ガラク》を採用したい理由は何だろうか?

 そう、今回のようにクリーチャー満載のデッキでは、《獣の統率者、ガラク》の[+1]能力がカードを複数枚もたらしてくれる。それをさらに強化するのが、クリーチャーがすべてスリヴァーという事実だ――《獣の統率者、ガラク》は、途方もなく強力な盤面を作り上げるのに積極的に協力してくれるのだ。

 おまけに、スリヴァー・デッキが使う《獣の統率者、ガラク》の最終奥義は凶悪だ。《マナ編みスリヴァー》を使って早い段階で《獣の統率者、ガラク》を出せれば、対戦相手はそれに対処するすべを備えられないかもしれない――そうなれば、最終奥義を意識させてプレッシャーを与えることができるだろう。

 先ほど述べたように、私は《獣の統率者、ガラク》2枚と《大身スリヴァー》1枚の組み合わせが気に入っている。毎ゲーム引くには足りないけれど、6マナ域が3枚あれば本当に欲しいときに1枚引き込むチャンスは十分あるだろう。

 《迫り来る復興》はなかなかオシャレな1枚だ。たとえスリヴァーたちが全滅しても、こいつがすべて手札に戻してくれる。消耗の激しい試合や全体除去に対して、悪くないサイドボード・カードとなるだろう。

 メイン・デッキはできるだけしっかりとスリヴァーで固めたい、と私は考えている。君たちが予想するメタゲームによっては、サイドボードに採用するのもいいだろう。

 《迫り来る復興》と同様に、こいつも全体除去の対策として悪くないカードだ。だがしかし、他のふたつのモードには心を惹かれない。今回のデッキにはすでに二段攻撃を持たせるスリヴァーがいて、またひとたびスリヴァーの大群を作り上げてしまえば、4点のダメージがゲームに大きな影響を与えることは滅多にないだろう。サイドボードには難なく入るカードとはいえ、今回私は可能な限りクリーチャーを使いたいと切に思っているので、こいつを抜いてクリーチャーを増やしたい。

 《運命の扉》は、これに適した部族デッキに入れれば非常に強力なカードだ。クリーチャーたちはあっという間に信じられないほどのサイズに成長することだろう。ところが不思議なことに、スリヴァー・デッキの使う《運命の扉》は、他の部族デッキほどの強さが発揮できないのだ。

 スリヴァーの持つ独自の性質により、それらは戦場に繰り出す「だけで」自軍のクリーチャーすべてに何かを与える。《運命の扉》のようなクリーチャーでないカードを出して、それから悠長にカウンターを増やしていくくらいなら、初めから他のスリヴァーをプレイした方が良い場合が多いのではないだろうか?《運命の扉》の方が良い状況は確かにあるけれど、私は単純により多くのスリヴァーを使いたいと思う。

 ここまでクリーチャーでないカードを次々と抜いてきたが、《ミジウムの迫撃砲》は喜んでデッキに残したいカードのひとつだ。私は、必要とあれば対戦相手のクリーチャーを制圧できる除去が少し欲しいと考えている。さらに今回のデッキでは、《マナ編みスリヴァー》を引ければ超過で放つことも容易だ! 超過で撃った《ミジウムの迫撃砲》は、停滞した盤面のほとんどを打開してくれることだろう。軽く使いやすい除去でありながら実現可能な超過コストも持つ《ミジウムの迫撃砲》は、デッキの中心に据えたくなるような魅力的なスペルなのだ。

 スリヴァーより多く引いてしまうことのないように、私はこのカードの採用を3枚に抑えようと思う。とはいえこいつは間違いなく今回のデッキに欲しい除去呪文だ。

    スリヴァーの追加

 クリーチャーでないカードをたくさん抜いたことで、もう少しスリヴァーを追加できるようになった。どれを採用すればいいのかって? よし、私が追加しようと思う3体のスリヴァーをご紹介しよう。

 スリヴァーの中でも1マナのものはひと際強い。1ターン目に繰り出せるというのはもちろんだが、スリヴァー・デッキが持つ強化能力によって、それらはあっという間に1マナでできることを超えた働きを見せてくれるのだ。1マナ域のスリヴァーから《マナ編みスリヴァー》か《捕食スリヴァー》という流れは、多くの場合で理想の動きだ。

 私はまず《先制スリヴァー》を4枚追加したい。こいつの能力は重複するものではない(また《骨鎌スリヴァー》を出せば無意味なものになる)けれど、このデッキに1ターン目の動きをもたらし、自軍に先制攻撃をもたらしてくれる――スリヴァーたちが先制攻撃を持つというのは、非常に強力だ。


 それから、《風乗りスリヴァー》も2枚採用したい。自軍全体に飛行を持たせるというのは、ゲームの趨勢を大きく変える。今回のデッキは青に寄せたものではないからこいつを唱えるのはやや難しいかもしれないけれど、いざというときにはきっと《魂の洞窟》と《マナ編みスリヴァー》が青マナを生み出すチャンスを作ってくれるだろう。こいつには1マナ域としての働きは期待できないかもしれない。それでも、ゲームを変える1枚であることは間違いない。


 私が興味を引かれている最後の1枚は、《歩哨スリヴァー》だ。警戒は先制攻撃や二段攻撃と組み合わされると本当に強く、またこいつは2ターン目の動きをひとつ増やしてくれる。残念なことに1枚しか入れられる余裕がないけれど、付与できる能力の幅を広げてくれる2マナ域を1枚でも追加できることに、私は満足しているよ。


 最終的なデッキリストはどうなるだろうか? こんな風になるぞ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「(ほぼ)ナヤ・スリヴァー」

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 君たちがスリヴァーを率いようとしているなら、今がまさにそのときだ!『基本セット2014』は新しいセットだけれど、マナ基盤を固める《魂の洞窟》は……『テーロス』が世に出ると使えなくなってしまう。

 土地の話をするなら、私は今回のデッキに《変わり谷》を4枚追加した。マナ基盤が少し厳しくなるものの、その利点は計り知れないほどだ。この土地はスリヴァーの恩恵をすべて受けることができ、スリヴァーの大群に加わることができるのだ。

 今回のデッキは、単体除去が多いデッキに対して弱いかもしれない。スリヴァー・エンジン(私は好んで「スリヴァジン」と呼んでいるよ)が稼働してしまえば、次々と繰り出されるスリヴァー達を相手に、全体除去なしでは捌き切れないだろう。スリヴァーたちの持つ強烈なシナジーで対戦相手を圧倒するのは、他では味わえない快感だ! ぜひ楽しんでくれ。

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週送られてきた他のデッキが気になるかい? さあ見てくれ!

イアン・ハンコックの「予想外を予想せよ」

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クォアールの「どぶストーム」

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ジョナサン・レイノルドの「神話レアのファッティたち」

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グレン・カリアガの「ストリオン・ミッドレンジ」

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ジェイクとトレヴァーの「強行される儀式」

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リチャード・ヤーモシュの「ジャンク・ポスト」

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エリック・ラヴァンディエの「明滅ナヤ」

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カイル・ガスコインの「黒青緑アドバンテージ」

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Planeswalker (2)
2 情け知らずのガラク
ソーサリー (6)
3 遥か見 3 花崗岩の凝視
インスタント (9)
3 急速混成 3 破滅の刃 3 化膿
エンチャント (1)
1 原始の報奨
他 (4)
4 遠隔+不在
60 カード

ティボルト・アドソンの「黒単」

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クリーチャー (6)
2 生命散らしのゾンビ 4 吸血鬼の夜鷲
インスタント (5)
2 肉貪り 3 破滅の刃
アーティファクト (2)
1 漸増爆弾 1 憑依された板金鎧
エンチャント (2)
1 死の支配の呪い 1 悪魔の顕現
土地 (26)
23 3 変わり谷
60 カード

コナー・ジェラーチェの「レッド・デック・ウィンズ」

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ヴィンセントの「墓石の大きさはその功績を表す」

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