ビターブリマーズ

更新日 Reconstructed on 2014年 3月 4日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 今週末(訳注:元記事掲載週)はプロツアー「神々の軍勢」だ! 世界中の最高のプレイヤー達が優勝賞金4万ドルを得るため、スペインはバレンシアへと集まることだろう。

 そこで行われる勝負のフォーマットとは? モダンだ!

 『神々の軍勢』がモダンに加わったのがつい先日のことである。それと加えて、「禁止・制限リスト」から2枚のカードが組み合わされることで、このフォーマットに極めて大きjpな変化をもたらすことになる。《死儀礼のシャーマン》の禁止は間違いなくこのフォーマットを揺り動かし、《苦花》と《野生のナカティル》の禁止解除も同様に波風を立てるだろう。


 『神々の軍勢』入りと禁止解除を受けて、モダンで試すべき新しい要素が数多く出てきた。これにより私は非常に素晴らしい新デッキを大量に受け取ったが(《ミラディンのスパイ》を使ったコンボデッキだなんて誰が考えただろう?)、今週は新セットのカードと禁止を解除されたばかりのカードを同時に取り扱えるまたとない機会だからね、そうするとしよう!

 紹介するのはリチャード・ワトキンズ/Richard Watkinsのトークンデッキだ。

リチャード・ワトキンズの「トークンデッキ」

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    その戦術とは

 通常のクリーチャーと比較した場合にトークン・クリーチャーが持つ主な利点の1つは、1枚のカードから複数のトークンを生み出せるところだ。2体のスピリット・トークン(とさらに2体のトークン)を展開するために《未練ある魂》を用いるにしても《苦花》で毎ターン新たなトークンを生み出すにしても、クリーチャー軍団を素早く展開することができる。

 その軍団を強化するものは? パンプアップ効果だ! こちらのトークンすべてを大きくする《無形の美徳》のようなカードは、取るに足りない1/1の群れを2/2、3/3、あるいはそれ以上の恐ろしい巨大クリーチャー軍団へと素早く変身させる。このデッキはミッドレンジのように運用する――しかしそれらを引くことでむしろビートダウンのように動くことになるだろう。

 トークン戦略を築き上げるには様々な方法があり、リチャードはトークンを強化するカードに重点を置いたようだ。その構築精神は引き継ごう。しかしながら、このデッキで使いたいトークン生成カードは何か、という問題は残る。

 加えて、上のデッキリストに入っていなかったいくつかの定番カードが必要になるだろう。現状のリストでは、トークンで殴るか倒されるかという状態だ。このままでは相手のクリーチャーやコンボデッキに対処することが出来ない。それらの問題をうまく解決するための助けとなるカードをいくつか加えたいと思う。

    デッキ詳細

 どのカードが花のまわりに活けられ、どのカードがカットされるだろうか? デッキのカードというカードを見て回ろう。

 多くのトークンデッキでよく見かけるのは、このような戦場にクリーチャーを出したときに誘発する能力の採用だ。《オーリオックのチャンピオン》のプロテクションは(《死儀礼のシャーマン》が居なくなったためこれまで程ではないかもしれないが)ジャンドのようなデッキや赤単のようなデッキとの対戦を支援してくれるため、このフォーマットでは極めて良いものだ。

 ここで《オーリオックのチャンピオン》に対して私が問題に感じるのは、これが十分な成果を発揮しないだろうという点だ。サイドボードに検討することはできるが、メインデッキに入れても何にもならない対戦が数多くあるだろう。実際2マナ1/1というサイズにはまったくそそられないし、ほとんどの対戦では弱いカードだ。確かに《詐欺師の総督》+《欠片の双子》で倒されることはないし、《台所の嫌がらせ屋》と《シルヴォクののけ者、メリーラ》を相手にしてもライフを大量に獲得できるっていうことではある。(《残忍なレッドキャップ》や《スパイクの飼育係》+《テューンの大天使》で倒されることに変わりはないので実際にはあまり意味が無いけどね。)この枠には何か別の効率的なトークン生成カードを詰め込んだほうがこのデッキにとっていいだろう。(何を入れるかについては後でやるよ。)

 《宿命の旅人》は数点のダメージを与えたり、時間を少し稼いだりと、スタンダードで使えるときには十分活躍できた。どちらにせよ、用いる全てのエンチャントにより強化も可能な1/1のスピリットになるだろう。

 残念ながら、これをモダンで取り上げる価値は無い。モダンのカードプールではサイズが大きくなる見込みのある1/1が数多く選択できるというのもあるが、結局のところこれはこのデッキが求めているものではないということだ。

 王はここにあり!

 3マナというコストを支払うことで、《オレスコスの王、ブリマーズ》は多くの力を提供してくれる。モダンでは3マナ3/4警戒は興奮するほどではないが、ターンごとにトークンを生成できるというゲームを変化させるほどの能力が《オレスコスの王、ブリマーズ》を偉大な存在たらしめているんだ。

 トークンを強化する方法が1つあれば、《オレスコスの王、ブリマーズ》は攻撃で5ダメージを与え始める――そして攻防のためのトークン生成を継続してくれる。彼が伝説で、このマナ域以下で手軽に動けるカードが多く入っていることもあり、4枚は入れたくない。しかし3枚投入することでこの王が初手にくれば極めて強力な動きができるだろう。さらに《オレスコスの王、ブリマーズ》はタフネス4というのが重要で、《稲妻》を打たれても生き残るんだ!

 先ほど言及した通り、デッキの主要な動きはトークンを強化して深刻なダメージを与えていくというようなものだ。その目標により近づくために《幽霊の将軍》を加えるという考えはわかるが、これは4マナかかる上に(極めて脆弱な)クリーチャーでしかないので、このデッキにとっては単に弱いだけのカードだ。これは外せるだろう。

 禁止リストから出てきたばかりだし、このカードについて多くを説明する必要は無いだろう。たった2マナで毎ターンクリーチャーを吐き出し始め、あなたを勝利者の玉座へと導くことになるだろう。ダメージを通すために攻撃を開始してもいいし、ブロックのためにトークンを用い続ける「《Forcefield》モード」に入ってもいい。付随するライフロスは軽視できないものの、これはまぎれもなくこのデッキが探している復帰力を持ったカードの1つだ。4枚投入は確実だね。


 ここまでトークン生成カードについては少ししか触れてこなかった。しかし、トークンデッキの主体はトークン生成カードである。インスタントやソーサリーのトークン生成呪文がこのようなデッキの成否を決めるものだ。リストに入っていた3枚をざっと見ていこう。

 《未練ある魂》が考えるまでもなく4枚入るのは間違いない。このカードは(《直観》でこれを持ってくるというような使い方ではあるが)レガシーで使われるぐらい極めて強力で、あなたがどんな状態にあっても助けになるという点で本当に優れている。対戦相手に圧力をかけたい? 《未練ある魂》だ。全体除去から復帰したい? 《未練ある魂》だ。ブロックでしのぎたい? もちろん《未練ある魂》だ。これは事実上独自のミーム的存在と言えるだろう。絶対に4枚欲しいね。

よろしい、ならば《未練ある魂》だ。

 《深夜の出没》には《未練ある魂》ほどの盛り上がりはない。インスタント速度でトークンを生成できる利点はあるものの、モダンのようなカードパワーの高いフォーマットでは3マナで1/1を2体生み出しても割には合わないな。分かりやすい基準としては、「戦場にパンプアップ効果が1つあるとして、これはどれくらい強いか?」というものがある。3マナで《風のドレイク》2体は良いものではあるが、他の選択肢に比べると見劣りする。

 《分霊の確約》は興味深い選択だ。(そしてイニストラードの飛行持ちスピリット・トークンと神河の飛行無しスピリット・トークンが混ざる最も紛らわしい選択でもある。)これは確かに戦場に大量のトークンを叩きつけられるが、より多くのアタッカーやブロッカーを確実に保証してくれる方法ではない――というわけでそれが可能なカードのほうを採用したい。

 都合の良いことに、《深夜の出没》と《分霊の確約》の枠に入れたいカードについてすでに心当たりがある。

 一枚目は《幽体の行列》だ。モダンで使えるトークン生成カードの中でも最も有名で人気のあるものの1つである《幽体の行列》はまさしくこのデッキ向きだ。3マナで幽霊の軍団を作り出せる――そしてもしそれら全てがパンプアップ効果で2/2になれば、実に素早く圧力をかけられるだろう。

 私が望む2枚目のカードは《急報》だ。2マナのカードを増やせるのはいい感じで、このカードがある状態からの手堅い動きがいくつかあるのも間違いない。仮に最初から戦場に《弱者の力線》があれば、《急報》1枚で2ターン目にパワー合計4点のトークンを生み出せる! 《未練ある魂》などで追撃すれば圧倒的優位に立てるだろう。

[card]幽体の行列[/card]


 ここに挙げた3つは、リチャードがトークン・クリーチャーに対して選んだ主要な強化カードだ。

 《無形の美徳》はぴったりだ――まさにこのようなデッキのために作られているからね。その上、警戒は普通に思われているよりもっとずっと重要な能力だ。クリーチャーが攻撃してもアンタップ状態であるということは、トークンの軍団を抱えつつ、ゲームにおけるクリーチャー戦を変化させることができるからだ。

 《弱者の力線》は唱えるのが難しいマナ・コストを持つものの、試合開始時に戦場に置けてしまえるという魅力のほうが大きいのは確かだ。《栄光の頌歌》なんかを使えることを考えれば、4マナというのはいただけない。しかしながら、これは最も強力なスタートを切れる可能性がある――なので私はこれを残しておきたい。上で述べたように《弱者の力線》がある状態から《急報》《未練ある魂》という流れはまさに強烈な打撃を繰り出す強靭なクリーチャー軍団を作り出す。普通に引いた場合は当然いいものではないが、4マナあればまだ役には立つ。序盤のドローで引いてしまうのは最悪かもしれないが、後々唱えることはできるわけだし、初手にあればキープして始められる。

 《清浄の名誉》もデッキに合っていたが――《苦花》が戻ってきたため、もはや良さは失われた。確かに《無形の美徳》や《弱者の力線》で強化されないカードも僅かに入っているが、《苦花》のトークンを強化できることが今のトークンデッキにとって極めて重要なことなので、《清浄の名誉》を維持するのは少々詰めが甘いだろう。

 トークンすべてが致命的な存在でありつづけられるよう強化カードを限界まで詰め込むため、デッキに加えたいのは《刃砦の英雄》だ。こいつは《オレスコスの王、ブリマーズ》同様、《稲妻》から身を守るのに重要なタフネス4を持っている。トークンの攻撃力をもっと高め、加えて自身もトークンを複数生み出せる。《オレスコスの王、ブリマーズ》から《刃砦の英雄》というマナカーブはトークンを強化する能力とは関係なくそれだけで暴力的だ。


 最後に、このデッキでも使える、モダンにおける定番の有用カードを数枚加えておきたいところだ。

 《流刑への道》はクリーチャーへの対応力があり、どんな厄介者でも隔離してしまう――そしてさらに《欠片の双子》や《出産の殻》のようなデッキに対してコンボを解体して少々時間を稼げる可能性もある。このデッキでもこのようなカードが有効なのは間違いない。

 幅広く対応できる有用カードについて他にも述べるなら、《思考囲い》もまた加えたいカードだ。ああ、まあ、ちょっとつまらない結論だとは分かってる――だが《思考囲い》はその効果から黒基盤のモダン(とスタンダード!)デッキにおける基本になっている。対戦相手がやろうとしているどんなやばい動きでも止める助けになるんだからね。


 これらの変更を全て取り入れると、デッキリストはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ブリマーズブロッサム」

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 プロツアーで使うにしても行きつけの店でモダンイベントに参加するにしても、白黒トークンデッキを使うならこれから始めるのが良いだろう。このデッキなら早い段階から圧力をかけて戦場をクリーチャーで溢れさせる動きを生み出せる。

 いくつか異なる方向性を試せるのも確かだ。望むなら《遍歴の騎士、エルズペス》や《イニストラードの君主、ソリン》のような大振りなカードを採用してみることもできるだろう。メタゲームの上でクリーチャー除去がかなり採用されていると分かれば、《刃砦の英雄》や《オレスコスの王、ブリマーズ》よりもプレインズウォーカーでトークンを生むほうが良いかもしれない。とは言うものの、もっとも出会うであろう除去は《稲妻》と《流刑への道》で――この2体を除去できるのは《流刑への道》だけさ。


 このデッキで楽しんでくれ!

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週送られてきたほかの興味深いモダンデッキにはどんなものがあったかって? 見てくれ!

ギレルモ・リベラの「スパイ親和」

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ダン・オオヤマ=サールズの「壌土腹音鳴らしリアニメイト」

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ルーカス・キーズビーの「キャット・シスターズ」

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クリスターソン・チー・ツァの「『カード名を1つ指定する』」

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ゲオルグ・ウルフの「渋面の火踊り」

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マーク・イアン・アローソの「黒信心タッチ赤」

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グレッグ・ブラックバーンの「ケイラメトラコンボ」

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マイケルの「デストロン」

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クール・ヴォシカの「ナイレアとの融和」

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タカハシ マコトの「赤単」

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ジェイソン・ヴァルズィの「青緑トロン」

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ディラン・ビーザーの「引いて死ね」

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トニー・ユーセフの「モーギス拷問台」

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