三つの力

更新日 Reconstructed on 2014年 4月 1日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

原文を読む

 2週間前、マナベースの構築についての記事を執筆した。そして記事内で、その知識を生かして考えうる最良の3色(以上の)デッキを投稿して欲しいと呼びかけた。するとどうだ! 投稿されてきた色鮮やかな多色デッキは、最近流行りの信心を重視したデッキの常識を、良い方向に打ち破ってきた。

 デッキの多くは中速やコントロールに焦点を当てていたが、それも当然だろう。それらのアーキタイプならマナ基盤を展開する時間が多く見込めるので、3色で動かすのが多少は楽になる。(最も興味深いものをいくつか掲載しておいたので、記事の最後にある「惜しくも選ばれなかったデッキたち」をチェックしてくれ!)

 しかしながら、数名の果敢なプレイヤーがやや速攻寄りというコンセプトに挑戦してデッキを投稿してきた――そして今回取り上げるデッキはその中から選んだものだ!

 デッキを見てみよう。

カイ・BDの「ジャンドブリッツ」

Download Arena Decklist

その戦術とは

 序盤から相手に多くのプレッシャーを与えたいなら、このデッキはおあつらえ向きだ。

 こちらの1ターン目は《ラクドスの哄笑者》で口火を切る――手堅い動きだが、なるほど、対戦相手にとっては過去に体験したものであり、覚悟は出来ているだろう。次に対戦相手の1ターン目、相手が不注意にもタップ状態で占術土地か何かを置いてターンを終えたとしよう。

 土地を置いて《とげの道化》、2体で攻撃して5点。

ラクドスの哄笑者
とげの道化

 2ターン目に5点の攻撃だ! それに対処する準備が出来ている相手はほとんどいないだろう。対戦相手が次のターンも別の占術土地か何かをプレイしてターンを終えるなら、相手は、すでに半分死んでいる。

 現状のこのデッキは中速と超速攻の中間に位置していて、採用できる方向性が主に2つ考えられる。1つ目は《カロニアのハイドラ》や《世界を喰らう者、ポルクラノス》のようなカードと《ラクドスの血魔女、イクサヴァ》を組み合わせて大型クリーチャーに寄せることで、2つ目は可能な限り速攻に寄せることだ。基本セット2014発売時に大きいサイズに寄せたものをすでに取り扱ったので、速攻の道を模索しよう!

 鍵となるのは、デッキから無駄を省きつつも、与えるダメージ量を維持できるかどうかだ。さらに、こちらの進行を容易にせき止めてしまうカードに対して、何らかの答えを出せるように構築しなければならない。現状でよく使われている《世界を喰らう者、ポルクラノス》をはじめとして、《クルフィックスの狩猟者》や《オレスコスの王、ブリマーズ》のような人気上昇中のクリーチャーが持つ、「4以上のタフネス」に対処できることが、勝利のために重要な点となるだろう。

 じゃあ始めよう。準備はいいかな?

デッキ詳細

 何を残して何をデッキリストから削除しようか? 各カードを通し見て、どのあたりを残せるか明確にしていこう!

ラクドスの哄笑者
滑り頭

 超速攻デッキに1マナ域が必要なのは絶対間違いなく、それはこのデッキにとっても例外ではない。となると、このデッキで採用したいのは何だろうか?

 さて、1マナ域を採用する上で考慮すべきポイントは、それのパワーが2かどうかだ。ダメージを何としても最大限に与えたいので、パワー2はその点で大いに役立つ。よって《ラクドスの哄笑者》は良いね。だが《滑り頭》はいまいちだ。何かに+1/+1カウンターを置くことはできるが、どちらかというと単にいつでもパワーが2あるクリーチャーが欲しい。

 そこでだが、何か他に1マナでそれが出来るクリーチャーがいるだろうか?

 そうだな、私が追加したいのは《実験体》だ。《実験体》のパワーが1なのは事実だが、次のターンに(《実験体》以外の)後続クリーチャーを展開できれば、これは2/2に成長する。さらに、非常に重要なこととして、これは3/3に成長する可能性がある――それは厄介な《森の女人像》がいても攻撃できることを意味するわけだ。

実験体

 私が考慮したい別のカードは《火飲みのサテュロス》で、こいつも《森の女人像》を打破できる。黒赤どちらのマナでも唱えられる点から《ラクドスの哄笑者》を4枚維持することに変更はないが、《ラクドスの哄笑者》の一番の弱点は2ターン目の《森の女人像》が邪魔になるところだからね。

 それ以外の1マナ域について私が採用したい最後のものは《思考囲い》だ。そう、ありきたりだ――でも様々な面から考えて、これはいいものさ。とりわけ、こちらの行動を序盤から止められるカードを排除する必要があるこのデッキでは、良い仕事をしてくれるだろう。(これは1マナで2ライフの損失を引き起こす基準にも合っているし――いやいや、対戦相手に与えるダメージだけとは言ってないだろう?)

火飲みのサテュロス
思考囲い

 私の希望は9体から10体ぐらいの1マナ域クリーチャーを採用したいというものだ。3色というマナ基盤において安定した引きの助けになるので《ラクドスの哄笑者》は欲しい。《実験体》同士では進化できないので《実験体》はまとめて手札に来て欲しくはない。したがって私が最も良いと思うのは、《ラクドスの哄笑者》4枚、《実験体》3枚、《火飲みのサテュロス》2枚、これが全てだ。(あと、それらを補助する《思考囲い》も3枚だ。)

とげの道化

 そうそう、こういうのさ! この2マナクリーチャーはまさしくこのデッキのほとんどの対戦で2ターン目にプレイしたいものだ。強力な打撃で対戦相手をあっという間に劣勢に追い込む――4枚入れたままでいこう。

炎樹族の使者

 《炎樹族の使者》は非常に強力なビートダウンカードで、いくつかの爆発的な動きを生み出せる。それはまさにこのデッキが行いたいものだ。これは《とげの道化》とやや相性が悪いが、それでも1つのターンに両方を戦場には出せない、というほどでもない。《とげの道化》を出して攻撃し、次のターンに《炎樹族の使者》を唱えてもいいし、逆に《炎樹族の使者》を唱えつつ出せる別の何かもプレイし、それから次のターンに《とげの道化》と続けてもいいだろう。その展開でも依然として十分素晴らしいものだ。

 《炎樹族の使者》で出すのが1マナクリーチャーだとしても、3ターン目に6以上のパワーを簡単に並べることができる点に変わりはない。それについて言えば、《炎樹族の使者》で出せる2マナ域を追加することは間違いなくこのデッキを強化するだろう――そして幸運にもちょうど良いカードがある。《流血の家の鎖歩き》だ。《実験体》のサイズアップを助ける2マナパワー3というだけでなく、《炎樹族の使者》から繋がる点も素晴らしい。《炎樹族の使者》と《流血の家の鎖歩き》は両方4枚欲しいだろう。

屑肉の刻み獣
ゼナゴスの狂信者

 この2体は良いサイズと速攻を持ちうる安定した3マナ域で、極めて似かよった役割を担う。しかしながら私は実際のところ3マナ域に使える枠は5枚までだと考えている――したがってそれぞれを何枚ずつ入れるか選択しなければならないだろう。

 《屑肉の刻み獣》は一貫性がある。何ができるかは知っているだろう。活用持ちの3/3速攻だ。このデッキで実際に活用を使うことはないだろうが、それでも中速とやりあってマナフラッド(土地の引きすぎ)が起こってくれば選択肢にはなる。

 《ゼナゴスの狂信者》はより不安定な存在だ。この新顔はその結果を対戦相手に委ねる。ある状況では、パワー4が保証されることで(少なくとも1ターンは)《クルフィックスの狩猟者》を殴り抜けられる。別の状況では、対戦相手が《至高の評決》を握っていたとしたら《屑肉の刻み獣》が与えていたはずの3点すら与えられない。

 これらは肉薄しており、どちらが良いかは対戦相手のデッキによるので、3枚2枚に分けようと思う。中速に対しては《ゼナゴスの狂信者》のほうが欲しいが、コントロール相手なら《屑肉の刻み獣》のほうが良い。黒単コントロールが流行していることを考慮して《屑肉の刻み獣》を多くするつもりだが、あなたがこのデッキを使う場合は行きつけの店のメタゲームを元に調整しよう。

火拳の打撃者

 ブロッカーの排除はまさにこのデッキが行いたいことだ。《火拳の打撃者》が役割を持てるなら素晴らしい――しかし役に立っているということは3体のクリーチャーで攻撃しているわけで、それはすなわちすでに狙い通りの状態にあることを意味する。《流血の家の鎖歩き》のような一貫して強いものを使わずに、《火拳の打撃者》のほうを採用することが正しいと証明するのは難しいだろう。《火拳の打撃者》はスタンダードの環境から打撃を受けすぎている――抜いていいだろう。

ラクドスの血魔女、イクサヴァ

 いくつかの味方クリーチャーにも能力を与える4マナ4/4速攻先制攻撃に不満点などあるはずもない。とは言うものの別の方向から見ると、《ラクドスの血魔女、イクサヴァ》がうまく使えないほどにこのデッキのマナカーブが低い、というのもその通りだ。付け加えて言えば、《世界を喰らう者、ポルクラノス》のようなクリーチャーとの対面にも非常に弱い。

 私が真に望むのは、《ラクドスの血魔女、イクサヴァ》ではなく《ゴーア族の暴行者》だ。このカードなら《クルフィックスの狩猟者》、《森の女人像》、《世界を喰らう者、ポルクラノス》、その他もろもろのクリーチャーにいつだって打ち勝てる。その上これがデッキに入っているだけで、《ゴーア族の暴行者》を持っているかもしれないという対戦相手の不安を招き、クリーチャーの攻撃を押し通す助けになるだろう。これをぜひ4枚フル投入したい。中速デッキに打ち勝つための鍵となる要素であり、削りきれる対戦相手のライフ範囲を引き上げる素晴らしい要素でもあるからだ。

ゴーア族の暴行者
漁る軟泥

 《漁る軟泥》の1枚挿しは確かに評価できる。なぜかと言えば、もちろんクリーチャーが山ほど死んでからこれを引く可能性が最もありそうだからだ。いくらか大きく成長できそうじゃないか。

 通常ならそうだろう。しかしこのデッキは根本的にカードがすし詰めで余分な土地が入っておらず、どのみち遅いゲームでも《漁る軟泥》を急激に成長させることはできない。クリーチャーデッキ同士の対戦になった際のサイドボードとして欲しいのは間違いないが、メインからは外すことにする。

 これらはこのデッキの除去群だ。このデッキで用いる除去に関してのポイントは、タフネス4や5のクリーチャーを除去可能で、《ヴィズコーパの血男爵》を倒せて、なおかつ軽くて効果的であることだ。

 《英雄の破滅》は極めて効果的だが、希望よりもやや重い。3ターン目なら、除去しつつ1マナ域を展開できるマナを残すか、タップ状態で戦場に出る土地を置くのが譲れない線だ。確かに《英雄の破滅》はプレインズウォーカーを倒せるが、《ゴーア族の暴行者》が《太陽の勇者、エルズペス》のようなカードをクリーチャーで仕留める役割を良く果たしてくれるだろう。(覚えておいて欲しいことだが、対戦相手は身を守るために序盤からブロックしてくるだろうから、《ゴーア族の暴行者》はほぼ擬似除去呪文として働く。)

 《突然の衰微》は《クルフィックスの狩猟者》を除去できるものの、《世界を喰らう者、ポルクラノス》《嵐の息吹のドラゴン》《ヴィズコーパの血男爵》などの多くのクリーチャーに対処できない。よって何か別のものが欲しいところだ。《ゴルガリの魔除け》はサイドボードカードとしては良いものだが、このデッキの他の除去が攻撃態勢を維持するために相手のクリーチャーだけを除去するものであるのに対し、《ゴルガリの魔除け》の全体-1/-1修正モードは非効率的だろう。

 私が推薦する除去は《究極の価格》と《ミジウムの迫撃砲》の2つだ。単色クリーチャーは現行スタンダードにおいてはかなり優位にあり、《究極の価格》はこのデッキが苦悶するクリーチャーを全て除去してくれる。《ミジウムの迫撃砲》は《究極の価格》では倒せない《ヴィズコーパの血男爵》や《羊毛鬣のライオン》をフォローするためのものだ。《稲妻の一撃》の採用も好みなのだが、4点ダメージを与えられるかどうかは極めて重要であるため、《究極の価格》と《ミジウムの迫撃砲》のほうを選択したい。

究極の価格
ミジウムの迫撃砲

 《究極の価格》、《ミジウムの迫撃砲》、《ゴーア族の暴行者》、そして《思考囲い》の登用によって、このデッキはマナを大量に費さずとも対戦相手の行動選択肢を奪い続けられるだろう。いつだって超速攻デッキが求めるのは、こういった高効率カードだ。

 これらの変更点を考慮すると、最終的なデッキリストはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ハイパージャンド」

Download Arena Decklist

 この3色デッキの打撃力は強烈だ。わずか数ターンのみでゲームを終わらせる類のアーキタイプと言える。対戦相手の引きが悪ければ、このデッキはその引きの悪さを攻め立てるだろう。

 公平に忠告すれば、《踏み鳴らされる地》などのショックランドをアンタップ状態で戦場に出して《思考囲い》を唱えたりすればこちらも大きなダメージを受けるわけで、ライフ総量が問われる対戦になればほとんどの試合でこちらも窮地にあるのは間違いないだろう。(そしてバーンのようなデッキとの対戦でそれが問題となるようなら、うまく動ける選択肢があるかぎり土地を少々タップ状態で出すなどして気をつけることもできる。)

 サイドボードを構築するつもりなら、《漁る軟泥》、《ゴルガリの魔除け》、4枚目の《思考囲い》、そして追加の除去呪文あたりから考察し始めることになるだろう。《闇の裏切り》は確かに黒系クリーチャーとの対戦を助けてくれそうな呪文だ――まあ《ヴィズコーパの血男爵》が多そうならさらに《ミジウムの迫撃砲》を増やすだけでもよさそうではある。そのあたりから始めて、それから行きつけの店のメタゲームに合わせて調整しよう。

闇の裏切り

 楽しんでくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週も多くの素晴らしいデッキが投稿されてきた。多色デッキのアイデアに触れたいなら先へ進んでくれ!

マーク・イアン・アローソの「ナヤ・ミッドレンジ」

Download Arena Decklist

アキノリの「バント・プレインズウォーカー・コントロール」

Download Arena Decklist

ロブ・Hの「グーグー・サプライズ」

Download Arena Decklist

グラシアマンの「青赤緑怪物」

Download Arena Decklist

アンドリュー・マクラーレンの「白青赤コントロール・スーパーフレンズ」

Download Arena Decklist

ロブ・オブライエンの「万戦デッキ」

Download Arena Decklist

コーディ・フォスの「ジャンド・ミッドレンジ」

Download Arena Decklist

アンドリュー・グレンの「ナヤ・オーラ」

Download Arena Decklist

スロウスの「青赤緑追随者デッキ」

Download Arena Decklist

マイケル・キャラハンの「ジャンク・ジャンド」

Download Arena Decklist

ペーターの「白青赤・見えざる糸・英雄デッキ」

Download Arena Decklist

ブライアン・サンダースの「呪禁バント」

Download Arena Decklist