不死のためなら死ねる

更新日 Reconstructed on 2013年 4月 9日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 死はオルゾフ組の債務から逃れる方法ではない。

 誰でも結局、最終的には働かされる羽目になる。人間、スラル、吸血鬼、あるいはゾンビであっても同様に(いや、ゾンビに何ができるのかなんて知らないが)、オルゾフは後々それらの肉体が腐り落ち、魂が解き放たれてからもこき使うのだ。

 そして今週、それらのクリーチャーには残業してもらうことにしよう。


「無数の契約に記した細則のおかげで、私たちが無防備になることはなくなったのよ。」
――オルゾフの大特使、テイサ・カルロフ

 ビートダウン・デッキには通常多くの欠点がある。ガス欠を起こす、全体除去に弱い、マナ・カーブ通りに引けない場合に勢いを失う。

 今回のビートダウン・デッキにはそのような問題はない。

 イタバシ リョウによるオルゾフ・ビートダウン――《不死の隷従》デッキを見ようじゃないか!

イタバシ リョウの「不滅へと至る計画」

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    その戦術とは

 《不死の隷従》は――これを軸として構築するなら――多くを約束してくれるカードだ。私はこれを採用した様々なコンボ・デッキを見てきたが、それら

の多くはお膳立てが難しいものだった。

 今回のデッキはそれらとは少々違う。

 その主要な計画は単純なものだ。ほぼ1マナのクリーチャーで構成されているビートダウン・デッキとしてプレイすればいい。出せるだけ出したら、攻めれるだけ攻め、その迅速な軍勢によって対戦相手を踏み潰すんだ。

 その結果迎撃されてしまったら? もう一度突っ込むために全軍を復活させればいい。


 ほとんどのクリーチャーを1マナに絞ることで、《不死の隷従》は4マナであなたの墓地にある全てのクリーチャーを戦場に戻せるということになる。対戦相手が4ターン目に《至高の評決》であなたのクリーチャーを一掃しても、次のターンに全て取り戻すことが可能だ!

 加えて、デッキにはそれに関するちょっとしたコンボ要素も含まれている。

 《カルテルの貴種》は色プロテクションを得るためにクリーチャーを生け贄に捧げることが可能だ――何度でも好きなだけね。もし戦場に《血の芸術家》を出していれば、突然対戦相手からライフを吸い取りまくってコンボ死させられる。

 攻撃して対戦相手を死に追いやる――そしてそれがうまくいかないなら、コンボで倒す。これこそ私が支持するやり方だ。

    カード詳細

 デッキ全体を調べ、何を変更できるか考えてみよう!

1マナのクリーチャー

 このカード分析の項目において、私は1マナ域のクリーチャーを全てひとまとめにして分類したい。それらは、効率的で可能な限り最良の(そして最も相乗効果を発揮する1マナの)クリーチャーを採用しているかどうかにつながるため、それらをまとめて見る意味があるからだ。


 このデッキには6種の1マナクリーチャーがいる。《死儀礼のシャーマン》、《教区の勇者》、《宿命の旅人》、《スラルの寄生虫》、《ラクドスの哄笑者》、そして《戦墓のグール》だ。どのように使いたいクリーチャーを整えようか?

 これらを選別する最も重要な要素、ひとつの鍵となるのは腕力、つまり与えるダメージだ。なるべくダメージを与えたい、ならばそれが可能なカードを選択するのが正しい。

 この考えの結果、全ての1マナパワー2クリーチャーを維持するのは確実となる。《戦墓のグール》と《ラクドスの哄笑者》はまさに適任だ。

[card]戦墓のグール++ラクドスの哄笑者[/card]

 《教区の勇者》はパワー2では登場しない――だが2ターン目にパワー2になって攻撃するのはそう難しくはない。このデッキで人間を満載にすることはできないものの、十分に一貫性を持って2/2か3/3になれるのは好感触だ。

 では《宿命の旅人》はどうだろうか? こいつは1/1だから外そうと考えるのは簡単だ。しかしながら、私の目的は可能な限り多くのダメージを与えることにあり――その過程には短期決戦と共に長期戦も含まれる。《宿命の旅人》は《教区の勇者》を強化できる人間なので、ときおり追加のパワーをもたらすだろう。《血の芸術家》エンジンを回していればスピリット・トークンはさらにライフを奪えるし、《至高の評決》されてからもまだダメージを与えられる。

[card]宿命の旅人++教区の勇者[/card]

 投入したい《宿命の旅人》の枚数は? 3枚だ。攻撃的なクリーチャーを揃えたいところにこれを山ほど引きたくはないが、デッキを補助する点ではとてもいい感じだし、序盤に1枚――あるいは2枚――引いても気にならない。

 一方で《死儀礼のシャーマン》はそうはいかない。現スタンダードのビートダウン・デッキで使われる非クリーチャー呪文はほんの一握りだ。コントロール・デッキに対しては、ほとんどの場合は素でパワーが2あるクリーチャーのほうを用いたい――そして都合のよいことにスタンダードにはまだほかにもパワー2の1マナクリーチャーが存在する。

 最後に、《スラルの寄生虫》についてだ。ある面では、強請は非常に重宝する――いったん1マナクリーチャーが足りなくなった場合に少々の追加ダメージを与えるためのマナの使い道となりうる。しかしながら、ほとんどの場合はパワー2のクリーチャーのほうがダメージを与える上でより効果的だろう。私はそちらを選択したい。

 何を追加したらよいか? 思うに、入れたいクリーチャーが3種類ある。

 1つ目は《ボロスの精鋭》だ。《教区の勇者》を強化できる人間であるというだけでなく、このデッキの1マナクリーチャーの数を考えれば、かなりの割合で攻撃時に3/3になれるだろう。1ターン目に1マナクリーチャーを出してから2ターン目に1マナクリーチャーを2体出すことで――それらのうちどれか1体が《ボロスの精鋭》なら――《ボロスの精鋭》は既に3ターン目には3点パンチできるということになる!

 2つ目は《墓所這い》だ。ブロックには参加できないものの、別の《墓所這い》や《戦墓のグール》との相互作用はこのデッキに投入するに十分と言える。これは《不死の隷従》が無いとしても、いろんなことのために戻り続けてくれる!

[card]ボロスの精鋭++墓所這い[/card]

 3つ目は《ドライアドの闘士》だ。これは《死儀礼のシャーマン》に似た手法で《瞬唱の魔道士》を妨害する助けとなるだけでなく、強力な攻撃を可能とするパワー2をも持つ。最大限のパワーは重要で、《ドライアドの闘士》はこれ自身が殴り倒すための役に立つ。

 時折、このようなデッキの課題として、相手のライフを削る最後の一押しができるかどうかの確認をしなければならない。《血の芸術家》はその問題を緩和する助けとなる。

 たとえ対戦相手が序盤に与えられた結構なダメージから復帰し始めたとしても、1体の《血の芸術家》がいれば――複数いても無論かまわないが――こいつだけでゲームを決めることも可能だ。これは0/1でしかないが、たいてい複数引きたいので、4枚全投入で問題ない。序盤に出す必要がないことだけは覚えておいて欲しい――ほかの攻撃クリーチャーを展開するまでは後回しにしよう。(対戦相手が《至高の評決》を使ってなければね。その時は血色鮮やかなパステル画を描くために優れた芸術家を調達しよう!)これは次のカードによってとりわけ良いコンボにもなる……

 《カルテルの貴種》はわりと控えめな存在だが――このデッキのために優れた仕事を数多くこなしてくれる。

 これは《教区の勇者》を強化できる人間で、攻撃を通す助けとなり、《血の芸術家》と共にコンボを提供してくれる。いくつもの小さな利点が1つの大袋に詰め込まれた一品となっているわけだ。

 さて、そうは言うものの、これ自身のサイズはあまり良くはない。2マナのパワー2クリーチャーは、1枚の呪文でまとめて復活可能な1マナパワー2クリーチャーが満載のこのデッキにおいてはあまりに冴えないだろう。うまくいくようにこのデッキでは入れられるだけ1マナクリーチャーを搭載したいし、こういったカードがあまりに多いと手札の展開を妨げることになる。

 入れたい数は3枚だ。これなら大抵のゲームで1枚は見つかるだろうし、まとめて引く恐れはない。減らしてもそこそこコンボ可能だし、多くのゲームではコンボを使うまでもないだろう。そして《血の芸術家》は単体でも仕事をしてくれる。

 《スカースダグの高僧》は多くの利点を持ち合わせている。このデッキに投入されている全てのクリーチャーについて考慮すれば、毎ターン5/5のデーモンを生産できる状態にするのも難しくはない。序盤のターンにクリーチャーを出し、《スカースダグの高僧》をその横に展開すれば、対戦相手が悶える様が見られる。

 しかしだ、《スカースダグの高僧》は序盤の攻撃の補助にはならないし、デーモンを生み出す場合は一時的に攻撃の手を緩めろと要求される。手札にちょうど1枚だけ来るなら確かに役に立つ様々な状況があるとは思うが、どんなカードにもコストというものがある。初手に来ている《スカースダグの高僧》はほかの1マナクリーチャー、除去、あるいは土地を代わりに持てたわけで――私はむしろ多くの場合このビートダウン・デッキにおける一貫性を重視したい。

 そういうわけで、これは間違いなく中速との対戦やビートダウンとの同系対戦においてのサイドボードとして考慮すべきカードだ。攻防における消耗時に効果を発揮できるし、5/5のデーモンを生み出す能力なら長期戦でもやっていける。

 このカードはほかのあらゆるビートダウン・デッキからこのデッキを区別させるものだ。

 《不死の隷従》はまずもって、このデッキをこのように構築する理由のひとつだ――そして明確に長期戦での復帰力をも見据えている。私はリョウの3枚投入という判断は正しいと思う。

 あるカードを中心に構築する際にはそれを4枚投入したくなるものだが、これを手札で詰まらせる余裕はない。たいてい勝つためには1枚だけ引く必要があるだろう。4枚目をサイドボードから投入することは確かに見た感じでは手堅い方向ではあり、ともあれ私は戦線を維持する助けをメインデッキに3枚差しとすることで満足している。たった1枚で、全てが蘇る!

 《血の署名》はこのデッキにおいて2つの興味深い役目がある。

 1つは、より多くの燃料を補充することだ。手札を使い切った? 心配ない、《血の署名》でもう少し多く手札を引こう! さらにこれは債務を果たさなければならない場合に重要な《不死の隷従》を見つける助けにもなる。

 もう1つ、これは対戦相手に止めを刺すことも可能だ。最後の2ライフを削りたいなら、《血の署名》は立派にやり遂げてくれる。

 しかしながら、《血の署名》がもたらす問題として、動きが鈍くなるというものがある。《血の署名》の部分は別の、もっと攻撃的なカードになりえたわけで――ほとんどの場合、そのどれかのほうがいいだろう。1マナ域のクリーチャーを満載にするために《血の署名》を外すほうが好ましい。

 このデッキでは何度も何度も繰り返し攻撃できるようクリーチャーを確実に維持するのが重要であるのと同様に、まずもってクリーチャーが攻撃できるように進路を確実に開く必要があるのもまた事実だ。相手を限定されないこの除去呪文はその状況を確実にするために役立ってくれる。

 おまけに、《オルゾフの魔除け》は墓地から1マナのクリーチャーを戦場へ戻すことも可能だ。このデッキには1マナ域のクリーチャーが大量にあるので、これはこちらの攻撃的戦略を押し留めようとしてくるコントロール・デッキに対して、うまいインスタント速度のリアニメイト計略を与えてくれる。除去に使える呪文がコントロール・デッキに対しても無駄にならないのならそれはどんな状況でも良いカードで、《オルゾフの魔除け》はもちろん無駄にはならない。リョウの元のリストで投入されていた3枚をそのまま維持する。

 《カルテルの貴種》は居ないけど生け贄に捧げる手段が欲しい? 《殺戮の波》が役立つだろう! いったん早い段階で対戦相手を厳しい状態に追い込めば、相手は《殺戮の波》に多くのライフを支払う余裕がない、ということが《殺戮の波》を入れる理由になる。そして《血の芸術家》がいれば、1マナだけでプレイして全てのクリーチャーを生け贄に捧げ、そのまま対戦相手を倒すことも可能だ!

 この計画に関しては2つの問題点がある。1つめは、まずもってこのデッキには土地が少ないため、《殺戮の波》に大量のマナを支払えない。2つめは、戦力をかき集めて全軍突撃させれば大抵はとても簡単にクリーチャーを墓地に放り込めるだろうことから、《血の芸術家》をさらに役立たせるために《殺戮の波》を用いる必要性がないということだ。

 例えば《血の芸術家》がいる状態でコントロール・デッキに対してより早く攻め切りたいときのような、《殺戮の波》をまさに望むいくつかの状況はある。しかしながら、これはほとんどの場合より多くのクリーチャーや《オルゾフの魔除け》に比べるといまいちなので、それらのほうを投入したい。

 これは表面上は少々奇妙な採用に思えるが、しかし私は実際のところリョウの戦略的な《盲従》1枚挿しを大いに気に入っている。

 これは2枚引きたくはないカードだし、いつでも役に立つわけでもない。とは言うものの、これが初手にある場合、これを中心とした展開を組み立てられる。このデッキでデカブツ相手に攻撃するなら、《ロクソドンの強打者》や《スラーグ牙》といったクリーチャーによる相手のブロックを遅らせることはゲームに勝つために大いに役立つ。加えて、強請はゲームが長引いたときに最後の数ライフを削る追加の手段を与えてくれる良いオマケだ。

 それら全てを考慮すると、最終的なデッキリストはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「誰もがみな死せず」

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 さて、このデッキをアレンジする方法がもう少々ある。もし超コンボ戦略を望むなら、《血の座の吸血鬼》のようなカードを用いるのもいいだろう。もう1つの方法として、少々遅めにして《未練ある魂》などを使うのもありだ。しかしながら、その場合は同時に《不死の隷従》構想を捨て去りたくなるかもしれない。

 もし《不死の隷従》による復帰戦略を備えた超速ビートダウン・デッキを選びたいなら、これこそが非常に精強な――そして個性的な――選択肢だ。試してみてくれ!

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 この《不死の隷従》デッキだけが投稿された唯一の素晴らしいオルゾフ・デッキというわけではない。そのほかの刺激的なオルゾフ・デッキの一部をご覧あれ!

トーマス・コンリーの「強請堕ち」

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4 未練ある魂 2 終末
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10 平地 5 4 神無き祭殿
他 (4)
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