世界の終わり

更新日 Reconstructed on 2012年 12月 26日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 世界の終わり。我々はここ数ヶ月間その話をよく聞いたものだ。誰でも世界が実際に終わるとしたらどのように終わるのか疑問に思うことだろう。

 隕石? 地震? アトランティス人による侵略?

 私にも持論がある。

 知ってのとおり、前兆はすべてここにある。リミテッドプレイヤー達が、ドラフトテーブルの角から大声で叫んだ最初の終末論者だった。「まだ他にドラフトできるものは無いか」という彼らのお決まりの願いは、世界の終わりを告げる兆候へと変化した。我々は彼らに取り合わなかった。

 しかし彼らは正しかった。最初に、リミテッドが崩壊した。構築戦が次の標的だ。最終的に私のメールボックスから溢れるまでにそいつは成長を続けた。そしてそうなることはわかっていた。

 これが世界の終わりだ。銃でズドンと撃たれるわけじゃない、しかして見えるものすべてをその何千という特大の前歯でガジガジとかじりつくしていく。

 ネズミ、だ。

群れネズミ》 アート:Kev Walker

 ラヴニカへの回帰の発売以降、デッキリストに《群れネズミ》を加えることが可能なお題の週すべてにおいて、メールボックスに多くの《群れネズミ》デッキを受け取った。このコラムを書くすべての時期のうちで、この週は《群れネズミ》を扱う正当性をかつてないほど持つ唯一の時期だ。一時期は、毎週のリクエストが2つあるかのようだった。(というのが適切だろう!)

 ラクドス週間である今週も例外ではない。そう、ギルド門侵犯に飛び込む前の最期の機会に、ネズミの集団に加わろう!

 今週のデッキはデリック・デントによるものだ。さあ行こう!

デリック・デントの「ラクドスのネズミ」

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    その戦術とは

 なんたる幸運! デリックはシールドプールで《群れネズミ》4枚を引き当てた!

 ……あれ、これはシールドではない? どうなってるんだ?

 説明させてもらおう。

 このデッキの攻撃面としては、2つの方針がある。

 その1つ目はラクドス手札破壊デッキという方向性だ。このデッキのクリーチャーはゾンビなどよりたいてい質で劣っているものの、相手の資源を剥ぎ取れる要素を多く含んでいる。自分の手札を捨てることは、すべてゲームの展開を思い通りに進める手段だ。《スラーグ牙》や《スフィンクスの啓示》の相手は疲れた? このデッキに用意された手札破壊一式によってそういったものを押さえつけることができる。

[card]強迫++ヴェールのリリアナ[/card]

 そして2つ目は同時に好戦的な黒赤デッキでもあるということだ。このデッキは対戦相手のクリーチャーを打ち倒すための除去、そして消耗戦略要素や手札破壊のような、相手の展開を遅らせるカードがぎっしり詰め込まれている。どんな膠着状態であっても、こちら側は《群れネズミ》のような頼れる不可避の脅威を持つ。ゲームが長引く場合でも、持てるすべての火力で容易に対戦相手を焼き尽くすことが可能だ。たいてい、手札破壊重視のデッキをためらうような状況は、対戦相手が序盤のクリーチャー群をいつプレイしてくるかとか、あるいはクリーチャー、プレインズウォーカー、そしてプレイヤーのどれにでもダメージを与えられるような万能火力があるかどうかだ。

[card]灼熱の槍++硫黄の流弾[/card]

 このデッキにおける重要カードの1つは《群れネズミ》だ。1枚のカードから制御不能なネズミの群れを手早く生み出すことで、対処できない対戦相手を圧倒できる。たいていはこれが対戦相手を打ち負かす決め手だ。

 私が試みたいこのデッキの1つの変更点だが、手札破壊をもう少々重視してみたい。それは重要なことで、対戦相手の手札から強い呪文を取り除けるし、そして余分となった手札破壊呪文は後々には《群れネズミ》が食うので無駄にはならない。

 要は、相手の資源を取り除き、《群れネズミ》を出して、そして向こう側にゆっくりかじり進めばいい。

    ネズミにすべきかそうせざるべきか。

 目を通してデッキに残せるものは何か――そしてネズミに食わせるのは何かを確認しよう。

 《群れネズミ》はデッキに絶対必要なカードの1つだ。ほとんどのゲームは対戦相手から資源をむしり取り、その後ゆっくりと対戦相手のライフを超えるまで、何もかもを捨ててネズミにする展開になるだろう。《至高の評決》を含むデッキと対戦する場合は考えさせられる。しばしば、1つのネズミバスケットにすべてを投げ込まないことを選択させられるだろう。そうでなければ、勝ったも同然だ。

 とても興味深いことに、複数枚あっても実際には死に札ではない。余分なカードとはなるので初手におけるマリガン判断に影響はあるが、たいていは《群れネズミ》が必要になるので4枚投入で構わない。

 《貪欲なるネズミ》は無害に見えるかもしれないが、単体でこのデッキにおけるいくつかの役割を果たす。攻撃とブロックが可能な体を生み出しつつ、さらに対戦相手の手札を破壊する。対戦相手がタフネス1のクリーチャーを用いていれば、《貪欲なるネズミ》は1対2交換が可能だ。あげくの果てには、《群れネズミ》の集団を強化さえしてくれる! 対戦相手が《ロクソドンの強打者》を持っていそうだと思うなら2ターン目にこれをプレイしないほうがよいかもしれないが、そうでなければこれを2ターン目にプレイするのは最適だ。

 《貪欲なるネズミ》はちょっとした手段で助けてくれるだけではあるが、実際に助けとなる数多くの小さな手段には納得だ。4枚を加える!

 《死儀礼のシャーマン》は普段から私が大好きなカードで、このデッキにおいてもうまく合うと思う。手札破壊呪文のすべては《死儀礼のシャーマン》のために多くの燃料を提供し、そしてこれもまた1ターン目にプレイできるカードだ。

 しかしながら、このデッキにおける《死儀礼のシャーマン》がもたらす問題としては、こちらの戦略がうまくいっているときにのみ働くということと、こいつで戦闘フェイズに攻撃しても対戦相手は対処する必要が無いということだ。あまりにも手札破壊を引かない場合、《死儀礼のシャーマン》は十分に動けない。《死儀礼のシャーマン》と火力呪文のみで対戦相手を倒せるだけの火力は実際には持ち合わせていないし、また他の(《ヴェールのリリアナ》や《群れネズミ》のような)不可避の脅威のほうがこれよりもより良い。

 こういったカード群を単に用いることもできるが、私はむしろこの枠に《群れネズミ》と《ヴェールのリリアナ》を採用したい。デッキの中核戦略に貢献するより多くのカードを用いたいし、そして《死儀礼のシャーマン》はその目的のためには問題なく外せるカードだ。

 このようなカードは手札破壊デッキにおいて最も陥りやすいもので、《金切り声の苦悶》や《虚石の探索》のようなエンチャントが欲しくなるものだが、これらは戦略が完璧に進んだ上でそれを維持できなければ実際には助けにならないという重要な問題を抱えている。初手に来たとき、それらはほぼ役に立たず、またトップデッキするなら大抵は他の何かを引きたいだろう。これは手札破壊デッキ向けのカードではあるが、多くの場合はさらなる手札破壊呪文を積むほうが実際にはより良い。

 私がデッキに加えたい数は1枚きっかりだ。いったん対戦相手の手札を押さえ込むか《ヴェールのリリアナ》ロック環境下にしてからならどこかでその1枚を引いても問題ない。とはいえ、これが序盤の手札の邪魔になるのは望まない。ただ1枚であれば、これはおそらく私が最も望む状況において登場してくれるだろう。

 私は《ラクドスの復活》が好きだ。《スフィンクスの啓示》は人気を博しているが、プレイヤーが同様に巨大な《ラクドスの復活》を一斉に放ち始めるのも時間の問題だろう。

 このデッキではよい構成要素ではあるが、4枚はやや行きすぎだ。このデッキはかなり低いマナカーブを持ち、その上(《ヴェールのリリアナ》のような)自分の手札を捨てるカードもあるため、多くのゲームにおいてXに2までしか支払えないだろう。それでも依然として、多くの土地がある状況において望んで展開を遅らせられるがゆえに、遅いゲーム状況において十分に強い。入れたい数は2枚だ。1枚引けばそれのために展開を変える必要はあるが、めったに邪魔になるとは感じないだろう。

 このデッキのように、望むカードタイプを狙う必要がある場合、1マナの手札破壊呪文は非常に重要だ。《強迫》も例外ではない。これはクリーチャーをもぎ取れないものの、《スフィンクスの啓示》、《遥か見》、そして除去呪文を一様に引き受けて役立ってくれるだろう。デッキにはあまり1ターン目に使えるカードは無いが、1マナの手札破壊呪文は紛れもなく最上でありゲームの立ち上がりを助けてくれる。間違いなく4枚全投入だ!

 《ヴェールのリリアナ》は手札破壊を主題としたデッキにとって最も強力なカードだ。対戦相手に手札破壊ロックを仕掛けられるだけでも、それから身をかわす厄介なクリーチャーを引き受けるだけでもなく、必殺技の準備も進めることでゲームを終わりへと素早く進める。

 とりわけゲームを進めるにつれ手札には複数の余分なカードがしばしば溜まるだろうから、毎ターン手札を捨てることは小さな代償にすぎない。デッキの《群れネズミ》により、《ヴェールのリリアナ》の能力を起動する前に引いたカードをネズミに食わせることもまた可能だ!

 デリックの元のリストでは3枚が用いられていたが、私はもう一歩進めて4枚にしたいと思う。常に余分なカードを捨てることができるし、複数持つことでクリーチャーを撃退できるのはなかなか有用だろう。


 火力の一式はクリーチャーを除去したり対戦相手に止めを刺す手段を与えることで、このようなデッキによい効果をもたらしてくれる。おそらく最も重要なことは――そして《殺害》や《究極の価格》のようなカードには出来ないことだが――火力はこのデッキが抱える問題となりえた《思考を築く者、ジェイス》といったプレインズウォーカーを排除する助けになる。

 しかしながら、私は主要な脅威を排除するためにこれらの一部を1つの無条件除去呪文に入れ替えることを切実に望む。何と入れ替えるかって? 《戦慄掘り》だ。クリーチャーとプレインズウォーカーを同様に除去できるというのはまさしくこのデッキが用いたい類の呪文で、《戦慄掘り》はその目的のために特注されたかのようだ。

 これら3種の火力呪文のうち、最も残したいのは《火柱》だ。与えるダメージは最小であるとはいえ、《墓所這い》を単なる死亡の代わりに死滅させてくれるのは手札破壊を主軸としたデッキにとっては極めて重大だ。1ターン目にマナエルフを駆逐することで戦場に素早く脅威を投げつける緑デッキの展開を遅らせることもまたやってのける。

 続けて、マナ効率がすべてを握る。本来なら私は《硫黄の流弾》の追加ダメージを用いたいものなのだが、このデッキはマナが逼迫することがほとんどなので、よりコストの安い《灼熱の槍》を採用するだろう。

 これらをそれなりの頻度で手札に引き入れたいが、これらが中核戦略を崩壊させることがないように、私は大体合計で6枚の火力呪文にさらに《戦慄掘り》の束を加えたい。おそらく《火柱》4枚、《灼熱の槍》2枚、そして《戦慄掘り》4枚が良いだろう。こうすることで手札破壊を増やすための枠を空けつつ良い除去の配合となる。

    より一層かじり尽くす

 いくつかの枠を切り開いた今、何を入れようか? ああ、いくつかの追加がある。そいつらに取り掛かろう。

 しばしば、手札破壊デッキは相手の手札を無くすことはできるものの、一方でゲームを終わらせるために大変な時間がかかるだろう。私は大抵、まさにゲームを終わらせる助けになれる3マナ域の大型クリーチャーといった腕利きを数枚用いることを好む。《冒涜の悪魔》は別の選択肢だったが、4マナは望んだよりもやや重かった。ここに用いられるいくつかの候補があったが、結局私は《ヘルホールのフレイル使い》にした。

 《荒廃稲妻》がスタンダードのトップカードの1つだったのはそう昔でもない。3点ダメージも確かに良かったが、2枚の手札を捨てさせることが多くの場合最もやばい要素だった。ジャンドデッキのうちいくつかは、ついに追加の手札破壊として《精神腐敗》を用意して《荒廃稲妻》と共に用いたぐらいだ!

 《精神腐敗》は《荒廃稲妻》ほどの主役にはなれないが、手札破壊に焦点を当てたデッキでならまだまだとても良く働いてくれる。《スラーグ牙》のような厄介なカードが戦場に出て絡んでくる前に処理してくれるわけだ。こういったデッキでは、私は間違いなく《精神腐敗》をすべて搭載する。

 前述したように、1マナの手札破壊呪文はこのようなデッキでは素晴らしい。《脳食願望》は多くのデッキに対して失敗する危険性はあるものの、主要な障害である《スラーグ牙》のようなカードをさらに狙い打てる。特に、最初は対象を取るだけの呪文に成り下がりがちなので、私は多くの《脳食願望》を用いることには少々慎重になっているが、メタゲーム次第でメインに投入できるのは間違いない。《強迫》の補助として2枚から始めて、周りが何を使っているかに合わせて調節してくれ。

 何かを除去できるものは良い。より多くの種類を除去できるならばさらに良い。

 先ほども言ったが、プレインズウォーカーはこのデッキにとっての主要な問題となるものの1つで、クリーチャーに加えてわずらわしいジェイスやその同類を追い払うことは大事だ。《戦慄掘り》は立派にやり遂げてくれる。

 脳内でそれらすべてを入れ替えることで、ここに私の最終的なデッキリストが見えてくる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「災害鼠」

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 スタンダードの最前線ではすでに超積極的ラクドスデッキは存在するが、もう少し邪道なものに挑戦してみた――そしてこのようになった! このデッキもまたかなり積極的だが、その方法はやや異なる。対戦相手の手札を打ち崩して、それから勝ちへの道程を歩め!

 あなたがこのフォーマットで、いくつかの遅いコントロール・デッキを食い物とする独特なラクドスデッキを使いたかったなら、これはまさしく望んだとおりのものだ!

金切り声の苦悶》 アート:Johann Bodin

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週やってきたほかのいくつかのラクドスデッキは? ご覧あれ!

ジャズ・ビーツの「呪いコントロール」

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ジェスロの「ニヴメイガスのラクドス」

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パウル・モンクリフの「ラクドスライダー」

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アベ・サトシの「ラクドスの奈落住まい」

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ジェニファーの「ラクドスバーン」

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ジョン・バレンタインの「ラクドスコントロール」

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マシュー・オルレティの「吸血鬼」

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ステファン・ノードストロームの「奪取スライ」

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グレッグ・ドーアティの「ラクドスデックウィン」

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ダニーロ・アウグスト・デ・オリベイラの「ラクドスミッドレンジ」

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ベンジャミン・ハーンドの「ラクドスゾンビ」

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ジャスティン・リーの「悪の狼」

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