低予算でのモダン構築

更新日 Reconstructed on 2013年 8月 27日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 今週、我々はまさにモダン環境へと飛び込む。そしてただモダンに取り掛かるというだけではなく――低予算でやれるか考察していこう!

 このお題に対して素晴らしい提案を数多く受け取った。低予算という制限下においても、このフォーマットには新機軸開拓の余地が存在するのは、このことから明らかだ。(低予算で組めるモダン環境デッキリストを探しているなら、この記事の終わり際にある「惜しくも選ばれなかったデッキたち」の項を絶対に見るべきだ。) 今週は、皆の枕元に忍び寄る魔物であり、マジックで最も古典的なリソース攻撃戦略でもある題材を取り扱ってみたい。手札破壊だ。

破滅の刃》 アート:Chippy

 このとてもお財布に優しいデッキは、対戦相手の手札を0へ急降下させようと試みる。見てみよう。

ディレック・ラフォルの「金切り声の拷問台」

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低予算のルール

 対戦相手の手札を破壊する手法について語る前に、まずは低予算デッキを取り扱う際の私の基準について手早く再確認しよう。

  • 新しいレアや神話レアをデッキに加えない。むしろデッキに美味なレアを添えた追加料金を設定し、そのレアを調理するか、食べないかのいずれかを選んでもらう。
  • 上記の例外としてマナの安定がある。だが幸運にも、この記事についてはそれを考慮する必要は無い――このデッキは単色だからだ!
  • 代用品は用いない。低予算が現在のデッキのより悪いバージョンを意味する必要は無い――低予算はより容易に入手可能なカード向きのアーキタイプを構築することをまさに意味する。《瞬唱の魔道士》や《聖トラフトの霊》のようなカードを必要とするデッキにおいてそれを単純に代用できるカードは無い。
  • 低予算は弱いデッキではない。私はこの過程において最善ではないと思うデッキを作ろうとはしていない。マジックの歴史上には、大成功を収めた多くの低レアリティ・デッキがあるし、それらの跡を継ぐ方法は確かに存在する。

 各項目のいずれかについて詳細な説明を望むなら、 最初の低予算記事の冒頭を確認してほしい。

 さて、手札破壊といこう!

その戦術とは

 数多くの素晴らしいカードがモダンで使用可能だ。しかしそれらのほぼ全てには共通点がある。手札から捨てさせることが可能という点だ。(そしてあなたが《ロクソドンの強打者》にぶち当たってしまったら謝ろう。枕元の魔物であっても悪夢は見る。)

 このデッキはリソース攻撃を中心とした構築だ。対戦相手のカードを剥ぎ取ることで、相手の取れる戦略は限られてしまうだろう。まあ、こちらの手札も減るだろう……しかしここで《拷問台》と《金切り声の苦悶》という2枚のキーカードの登場だ。この1マナのエースである2種のカードは、対戦相手の手札が少ない限り継続的なダメージ源となってくれる。そのうち1つを置いて手札破壊の嵐に巻き込むことで、対戦相手はターンが来るごとにダメージを受けるはめになるだろう。

 また別の点を語るなら、このような戦略を行うための鍵は冗長性にある。何度回してもデッキが同じく動くように、手札破壊呪文を最大限に採用したい。次いで、対戦相手の手札を少ないまま維持することに忙殺されている間にこちらを倒そうと試みるクリーチャーに対して、効率よく排除できる除去呪文をいくつか取り入れたい。

 対戦相手の手札を取り除いて《拷問台》や《金切り声の苦悶》を展開し、相手が出しているであろうクリーチャーどもに対処すれば、その後は継続的ダメージ源がもたらす勝利を見届ければよい!

デッキ詳細

 どのカードを使い、そしてどのカードをこのデッキから捨てたいだろうか? 見ていこう!

貪欲なるネズミ

 この行程で私がすぐさま考慮するのはいつだって愛しの君である《貪欲なるネズミ》だ。(知っているとは思うが、それは多分こいつが、ネズミだからだろう。)対戦相手の手札を捨てさせ、なおかつこちらを支援する1/1のパーマネントになってくれる。

 しかし残念ながら、このフォーマットにおいては《貪欲なるネズミ》がうまくいくとは思えない。1点のダメージによる攻撃はほぼ無意味なので、《貪欲なるネズミ》の主な長所はブロックできる部分になる。対戦相手の手札を捨てさせつつ《タルモゴイフ》をチャンプブロックできることは必ずしも悪くはないが、モダンのカードプールの幅やよりうまくやれると思われるゲーム速度も考慮すると、もうちょっと巧い方法があるだろう。このデッキにクリーチャーを押さえ込む手段を十分に投入したうえで、さらなる1マナの手札破壊呪文や強力な2マナ呪文のほうを採用したい。

リリアナの死霊

 《貪欲なるネズミ》について述べたことのほとんどがここでも同様に当てはまる。確かにパワー2と飛行は地を這う1/1の《貪欲なるネズミ》よりはずっと有意義だが、《リリアナの死霊》に対する不満は3マナもかかることだ。序盤に手札破壊の集中砲火を浴びせることが必須なので、何としてもこのデッキのマナカーブを低い位置へと押し下げたい。結局のところ、対戦相手が何かプレイしてきた後では、手札破壊は何の意味もない。

 加えて、私がクリーチャー(や高額カード)を避けたいのは、デッキに《小悪疫》を投入したいという別の理由もあるからだ。この黒のソーサリーはマナ基盤と手札を阻害しながらも、同時に対戦相手が展開したあらゆるクリーチャーを捕らえる素晴らしい手段でもある。クリーチャーに価値を置きつつ《小悪疫》を一緒に採用するのはあまりよろしくないというのが、《貪欲なるネズミ》と《リリアナの死霊》を外す追加の理由だ。


 さて、クリーチャーについてそうは言いつつも、こいつなら投入を支持できる。

 2マナで2枚の手札を破壊できるなら十分な取引だ! まあ、このデッキは対戦相手が除去を使用する先となるクリーチャーをほとんど持っていないため、しばしば対戦相手は《稲妻》や《流刑への道》をこいつに向けることだろう。それはそう悪いことでもない――対戦相手からカード1枚を取り去りつつマナの使用を強いたとも見れる。それはすでに《貪欲なるネズミ》と同等の位置だ。

 しかしその手札破壊の性能を除くとしても、こいつにはさらに副次的な役割がある。その聞いたことも無いような驚くべき役目とは――《蠢く骸骨》の役だ!

 私はこのようなデッキで《蠢く骸骨》そのものを実際に用いたことなどは無いが、この能力のおかげで手札破壊と、飛びかかってくる《タルモゴイフ》を食い止める二役をもこなす、と言っても過言ではない。手札破壊について回る問題は、対戦相手が手札を持っていなければ意味が無いところだ。時々、残りの手札も捨てさせて《拷問台》を回し始めるとしても、それまでに出されてしまったクリーチャーによって《拷問台》で終わらせるずっと前にこちらが倒されてしまうという恐れがあるだろう。《髑髏の占い師》はそれを未然に防ぐ助けとなる。4枚全て残そう!

ニクサシッド

 《ニクサシッド》はとても魅力的に思える――これはたった3マナですごいサイズになりそうじゃないか! とは言うものの、《ニクサシッド》の問題は、すでに優勢な時が一番強いという状態になりがちなところだ。戦略がうまくいっているなら、それでいい。しかしながら、手の内に序盤に使える手札破壊が無いのに《ニクサシッド》が来てしまったら、その3マナの《ニクサシッド》をどうにかして手札破壊として使いたいと思うことだろう。

 《拷問台》と《金切り声の苦悶》がそれぞれ4枚ずつあることで、ほとんどの対戦においてこれらで相手を倒せるだろうというかなりの確信がある。対戦相手の手札を0にしてしまえば、この8枚のうち2枚を引くだけで1ターンに6点のダメージを食らう状態に追いやることになるわけだ。これだけの冗長性があれば、もう十分だろう。


 これら2種のカードはこのデッキの要だ。デッキの目標はこれらをいくつか展開することにあり、そうすることで対戦相手の手札を剥ぎ取るごとにライフも削り取っていくだろう。私は1マナのカードにはあまり多くの仕事を求めない。大抵は、相手の手札を落とすにつれて実際に対戦相手を追い込めるので、複数枚あっても大丈夫だ。8枚すべて残そう。

ぬかるみの代価

 私はこのデッキのマナカーブを押し下げているところだから、このデッキには余剰の土地はなくなっていく。(特に《カラスの罪》と《小悪疫》がこちらの土地を減らすことを考慮すればね。) 《ぬかるみの代価》が3枚以上のカードを公開させることはほとんど無さそうだ。加えて、このデッキにおいては、4枚の土地を並べるまでに対戦相手が3枚以上の手札を残していることはめったに無いだろうから、単純に《脅迫状》を使ったほうが良いだろう。これのほうが1ターン目に使う場合はもっとずっと効果的で、それ以降に使っても同程度の効果がある。

 私は《脅迫状》を追加した上で《ぬかるみの代価》を2枚一緒に用いることも考えてみたが、望んだ手札破壊呪文を取り入れた後となっては5,6枚目の《脅迫状》を採用する余地はなかった。悪いね、《ぬかるみの代価》!

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 《強迫》はマジックの歴史上でも強力な効果を持つ手札破壊の1つで、今回は間違いなくデッキに欲しい類のものだ。1ターン目に唱えられるものが最良なのだ。しかしながら手札破壊デッキにとって非常に重要なのは、すべての手札破壊呪文が相手の手札を1枚以上もぎ取れるかどうかだ。手札破壊呪文を打ったのに相手の手札を減らせない状況は受け入れがたい。《強迫》は1ターン目に使う分には素晴らしいものの、その価値はターンが進むにつれて急降下していくため、ここでは不採用としておこう。

 もしこのデッキの予算制限が無ければ《思考囲い》と(レアではないが、手に入れるのが難しいアンコモンであることを知っているので採用はしていない)《コジレックの審問》の両方を使えるようになり、それらはモダン環境で強力、かつほぼ空振りに終わることがないという点だけを取っても何枚か採用を考慮するだろう――しかし《強迫》はこのデッキで用いるには少々リスクが大きい。


 大抵これは2マナで2枚を捨てさせるだろう――それは手札破壊を中核としたデッキにとって素晴らしい効率だ。ある種のデッキは捨てるためのアーティファクトを確かに持っているかもしれないが、これにはそのリスクを受け入れるだけの価値がある。間違いなく4枚を全て維持だ。

 このデッキは1対1交換の手札破壊については十分だが、1枚で複数枚の手札を捨てさせられる《精神ねじ切り》のようなカードがもう少々欲しいところだ。使われているところをほとんど見たことが無い一風変わったカードとして、とある小さなお宝がある。《狂乱病のもつれ》だ。唱えるために手札を1枚費やすため、通常はお互いに同じ影響を与える類の効果を用いるのは危険だ……しかし非常に低いマナカーブを備えたデッキの場合、これを唱えたい時にはこちらの手札はほとんど無いだろう。手札破壊のペースが遅いとしても、《狂乱病のもつれ》は出し抜けに対戦相手を踏みにじる――ほとんどのプレイヤーは1枚で3枚も捨てさせられるとは予想だにしていないだろう。

 ここでは2枚の《狂乱病のもつれ》を採用したい。これは唱えるのに3マナ必要で、2枚引きたいものではないが、1枚来れば状況によっては非常に良いものになりうる。

カラスの罪

 手札破壊デッキに土地を溢れさせる余裕など絶対ありえない。全てのカードが対戦相手の手札を1枚は処理して欲しいものだが、そうだな、土地は全然その役には立たない……ただしそれは《カラスの罪》を使わない場合の話だ!

 これを1枚引けば土地全てが手札破壊呪文になるのだから、巨大なアドバンテージになる。対戦相手は損害を軽くするために手札を保持しはじめるだろうが、《カラスの罪》は常に手札破壊呪文を構えることを簡単にしてくれる。(特に《ダクムーアの回収場》があればね!)

 《カラスの罪》が多く来すぎるのはいまいちではあるが、許容できる範囲ではある。最初の数ターンは手札破壊呪文を唱えたいのだし、《カラスの罪》はターンが進んだ状態でも役割を持てる素晴らしいものだ。これは非常に重要なことなので、投入する枚数を1枚から上限の4枚にまで増やしたい。4枚の《カラスの罪》によって、21枚ある土地を引きすぎることを心配しなくて済むことになるのもいいところだ。


 これは「魔除け」ではあるが、現実には沼渡りのモードを使うことは無いし、+2/-1のモードもそれほど多用はしないだろう。(《極楽鳥》、《闇の腹心》、あるいはそれに類するものを排除することはできるけどね。)けれども、私はこれを2枚に増やしたい。何故か? 《葬送の魔除け》が役立つ場面があるからだ。インスタント速度での手札破壊さ。

 これは2枚の《ぬかるみの代価》に過ぎないこともあるが、いったん全ての手札を奪っておいてから対戦相手のドロー・ステップに手札を捨てさせることで、実質《Time Walk》にもなる柔軟性がいい感じだ。他の手札破壊にこんなことはできないし、対戦相手を倒すために《拷問台》に頼っている場合、ドロー・ステップのドローを否定することはますますもって重要になる。インスタント速度の手札破壊であることとタフネス1のクリーチャーを除去できる能力があることから、2枚目を搭載しよう。

破滅の刃》、《燻し》、《暗黒破

 軽くて使いやすい除去呪文を持っておくのはこのデッキの場合重要なことだ。対戦相手がクリーチャーを戦場に出したなら、こちらの(《葬送の魔除け》以外の)手札破壊呪文はそれとやり合えないので、盤面からそれを取り除くためには除去を使わなければならない。これらはそのためのものだ。

 先だって、4枚の《小悪疫》を追加すると述べたのに加えて、《タルモゴイフ》のような何らかのクリーチャーに対する解答を確実に持てるように、まだもう少し除去を増やしておきたい。《破滅の刃》は手堅い……が、もう少しいい方法があるんじゃないかな。

 黒単色デッキにおいて素晴らしいのは《夜の犠牲》だ。これはほとんど何でも除去できるし、《破滅の刃》と比較してコストに黒マナ2つが必要という不利な点も影響がない。《燻し》を3枚に増やして、除去のセットに4枚の《夜の犠牲》も採用しよう。

 挙げてきた変更をすべて当てはめると、デッキはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「見て見て、手札が無いよ!」

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 これが低予算デッキ向けのやり方だ! 結局、投稿されたデッキに唯一入っていたレアも外すことになった。時のらせんのタイムシフト・カード2種は除くとして、このデッキのほとんどのカードはかなり容易に集めることが可能だろう。

 予算を気にしないなら何を入れるだろうか?

 ああ、さっき言ったように、《思考囲い》と《コジレックの審問》はどちらも考慮しうるカードと言える。極小のダメージで継続的なカード・アドバンテージ源となってくれる《闇の腹心》はほぼ間違いなくこのデッキに4枚入れたいエースだ。《ヴェールのリリアナ》は3マナではあるものの、手札破壊エンジンと除去呪文のどちらにも使えるものとして採用する価値があるだろう。

 見つけるのが少し難しいだろうが手に入れるのはそこまで難しくは無さそうな、入れたかった(がレアなので入れなかった)カードが《罠の橋》だ。これはこのデッキのあらゆるクリーチャー問題に対処してくれる! 最初の数ターンを過ぎればもう手札にカードは無いだろうし、その状態なら状況に蓋をすれば《拷問台》と《金切り声の苦悶》に後を任せるのは非常に簡単だろう。クリーチャー除去呪文のうちいくつかと入れ替えるだろうね。

 そうは言いながらも、どちらにせよ、このデッキはユニークな手法でモダンのメタゲームに立ち向かい、間違いなくコンボ頼りのデッキの多くを窮地に陥らせるだろう。クリーチャー・デッキを打破するのはそれより難しいかもしれないが、除去(や《罠の橋》!)がそれに対処するために大いに役立つ。

 モダンにちょっと足を踏み入れてみたいと前々から思っていたなら、これはそのためのカードをそれほど苦労せずに集められる素晴らしいスタートラインだ。楽しもうじゃないか!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 低予算モダン・デッキについて語るなら、今週もインスピレーションを感じるいくつかの素晴らしい投稿があった! 数多くの素晴らしいアイデアが送られてくることで、これまで出したお題の中でもお気に入りの一つになったよ。見てくれ!

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