星の海で成すべきこと

更新日 Reconstructed on 2014年 4月 22日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

原文はこちら

 時は来たり。

 『ニクスへの旅/Journey into Nyx』プレビューの時間だ! 私はこのセットの話ができる機会をずっと待っていたが、ついにその内容を(少しだけ)お話できるようになった。これでようやく、今回のセットはロックバンド・グループの「ジャーニー/Journey」とは関係ないよ、と高らかに宣言できるわけだ。(とはいえ今回のセットに収録される新たな神々もジャーニーと同じ5本柱だから、私がいくら関係ないと言っても信じてもらえないだろう)。

〈嵐の神、ケラノス〉 アート:DaarkenDaarken

 そして「もうひとつ」、ここに宣言しよう。『テーロス』がその姿を初めて見せたあのときから私たちデッキビルダーが待ち望んでいた瞬間が、ついにやって来た――エンチャント満載のデッキを組むときが来たのだ! これまで私たちは《天上の鎧》などの小粒なカードを用い、成功するかどうかはわからないままエンチャント重視のデッキに挑戦してきた。しかし『ニクスへの旅』で新たに「星座」メカニズムが加わることで、可能性が見えてきたのだ。

「星座」はシンプルな能力だ。「星座」を持つカード自身か他のエンチャントが戦場に出るたび、すべての「星座」能力が誘発する。「星座」を持つカード単体では大した効果じゃないものの――その後プレイするカードすべてが「星座」を誘発させるなら、あっという間に手に負えない状況になるだろう……他にプレイしたカードも「星座」を持っていれば尚更だ!

 ご明察の通り、今週私が紹介するプレビュー・カードは、この新しいメカニズムを遺憾なく発揮してくれるものだ。〈死の国の造幣工〉をご覧あれ。

 オーケー、より深く見ていこう。一体どんなカードだろうか?

 サイズは2マナで2/2。これ自体はいたって普通だ。ということは、こいつが活躍するには何か能力が必要なのだが――そこもきちんと押さえてあるぞ。詳しく見てみよう。

 最初に見えるのは、ライフを得る「星座」能力だ。

 1点の回復では物足りなさを感じるかもしれない。しかしその後戦場へ投下するカードすべてがこの能力を誘発させるなら、瞬く間にライフを積み重ねてくれるだろう。2ターン目に〈死の国の造幣工〉をプレイし、続く数ターンで5点以上のライフを稼ぎ出すのも、珍しいことではないのだ。さらに、初手に複数枚あろうものなら大変なことになる。2ターン目3ターン目と続けて〈死の国の造幣工〉を繰り出せば、その後エンチャントをプレイするたびにライフが2点ずつ増えていくのだ!

 しかも、ちょうど良いライフの使い道となるふたつ目の能力も備えているぞ。

 私が序盤から出せるクリーチャーに常に求めているものは、「到達」だ。いや、飛行を持つクリーチャーをブロックできる能力のことじゃなくて――もちろんそっちの到達にも文句はないけれど――、私が求めているのは、盤面が膠着してもゲームの終わりに「到達」できるような能力だ。序盤を担うクリーチャーたちの多くは、盤面の膠着を破れない。なぜならそう、序盤のクリーチャーたちは必然、よりコストの重いものに劣るからだ。

 ところが、〈死の国の造幣工〉はターンを費やせば対戦相手を倒せる。盤面が膠着していて、さらにこちらのライフが相手を上回っていれば――これについては、「星座」のおかげで十分期待できるだろう――、相手がどれだけライフを残そうとも討ち取れるのだ。盤面が動かない中では呪文を引き込むのが最高だが、引いたのが土地でも問題ない――〈死の国の造幣工〉の能力を起動できる回数が増えるのだから。

 さて、この新カードを使ってデッキを構築するには、どういった方向へ進むのがいいだろう? よし、今日はそれぞれ違ったふたつの方針を押さえていくぞ。まずはひとつ目を見てみよう!

エンチャントで攻撃だ!

 これは、現在のスタンダードが積み重ねてきたものを結集したデッキと言えるだろう。数ヵ月にもわたり様々な人が様々なパーツを組み合わせてきたエンチャント・アグロ・デッキだが、このたびついに欲しかったカードを得ることになる。〈死の国の造幣工〉を採用するなら、ほぼ間違いなくこのデッキで決まりだろう。なにしろぴったりと噛み合うのだ!

 《メレティスの天文学者》を使ったものもこのデッキがとれる方針のひとつではあるが、 その形は少し前に手がけたし、黒を含むバージョンも白青の最終形と比べて大きな違いはない。ただし、両者の差別化はしっかりと心がけた。

 それじゃあ、白黒のアグロ・デッキを見てみよう。

ガヴィン・ヴァーヘイの「オールエンチャント・アグロ」

Download Arena Decklist

 オーケー、わかるよ。実際のところ、たぶん君たちは《思考囲い》とか《英雄の破滅》とか(あとは《群れネズミ》とか)、そういうエンチャントでないカードをいくつか採用したいと考えるだろう。でも、『ニクスへの旅』についての最初の記事に(土地は除いて)すべてがエンチャントで組まれたデッキを紹介するなんて、まさにうってつけじゃないか! それから、みんな気になっていると思うけれど、そう、今はエイスリオスの話はできない。でも心配しないでくれ――きっとすぐに会えるよ!(訳注:原文掲載時。現在はカードギャラリーですべてのカードをご覧いただけます。)

 現在のスタンダードにおいて黒でよく使われるカードの多くが、ライフを消費するものであることにお気づきだろうか。代表的なものとして《責め苦の伝令》と《地下世界の人脈》の2枚、そして言うまでもなく《思考囲い》もそうだ。〈死の国の造幣工〉は、それらによって失ったライフを少々取り戻すのに役立ち、重くのしかかるライフロスに押しつぶされないよう手を差し伸べてくれる。もちろん「最終的に」ライフの上で勝るなら、〈死の国の造幣工〉で対戦相手にとどめを刺すことだってできるのだ!

責め苦の伝令
地下世界の人脈

 さらに、ご想像の通り、今回のセットにはこのデッキにぴったりなカードがいくつも収録される。「星座」を持つカードは他にもたくさんあるし――これまで通りクリーチャー・エンチャントも豊富だ。もう少し経てば、エンチャント中心のアグレッシブなデッキは「ついに」変革の時を迎える――絶対に見逃さないでくれ。

死の国のエンチャントレス

 マジックの歴史における「エンチャント満載のデッキ」といえば、まず挙がるもののひとつが「エンチャントレスだ。このデッキは、《アルゴスの女魔術師》や《女魔術師の存在》のようなカードと共にエンチャントの束を用いることで驚くべき速さでデッキを掘り進め、強力なエンチャントで戦場を埋め尽くす。

 ああ、その通りだとも。デッキにエンチャントを詰め込むことを後押しするセットに、「エンチャントレス」の能力が収録されないなんてことがあると思うかい?  こちらのマーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterの記事を読めば、きっとこの美人さんに目を惹かれることだろう。

 このカードは、続くエンチャントすべてにドローを付加するという「エンチャントレス」伝統の力を備えている。ご想像の通り、「星座」を中心にしたデッキで「星座」を持つカードを大量に引き込めば、あっという間に手に負えない状況を作り出せるのだ。

 まずはこんな形を試してみてくれ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「死の国のエンチャントレス」

Download Arena Decklist

 今日はこれ以上の「星座」持ちを教えることができないけれど、「星座」をうまく使うならこのデッキで決まりだ! 盤面に「星座」持ちを積み上げ、次々と誘発させ続けることで、「星座」は最高の力を発揮する。2枚採用した《マナの花》に注目して欲しい――《マナの花》があれば毎ターン「星座」を誘発させることができるのだ。そのためこのカード自体は特別常識外れなものではないけれど、ゲームが進むにつれてとんでもないエンジンになり得るのだ。

マナの花

 このデッキが持つクリーチャーのサイズは全体的に小さいものの、《安全の領域》で対戦相手を封じ込めて時間を稼ぐことはできる。〈死の国の造幣工〉はライフ総量を伸ばしてくれるだけでなく、安全を確保した後にゲームを終わらせる立派な手段にもなる。時間はかかるかもしれないが――このデッキは大量の時間を稼げるように作ってあるのだ。

 もちろん、他にも良い勝ち手段がある。《太陽の神、ヘリオッド》は長期戦でアドバンテージを稼ぎ出し(彼の生み出すトークンはクリーチャー・「エンチャント」であることに注目だ!)、また2枚採用した〈全希望の消滅〉を使えば、戦場を一掃したのちにクリーチャーの攻撃を通すことができる。

 こういうデッキに興味があるなら、きっと『ニクスへの旅』のカードから目を離せないことだろう――このデッキに適した優秀なものがいくつもあるぞ。

答えは星々の中に

 よし、これにて終了――〈死の国の造幣工〉をお披露目したぞ!『ニクスへの旅』で現れる「星座」カードの数々の行く末が、私は楽しみで仕方がない――エンチャントを主軸にしたデッキを『テーロス』から待ち望んでいたプレイヤーにとって、まさに革命だ! 今こそ向き合い、デッキを作ろう!

〈死の国の造幣工〉 アート:Mark WintersMark Winters

(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(4月22日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 Yoshikawa)

星なき夜のスタンダード

 今、皆さんはセット全体を見て、考える時間があるようになった。それでは思いつくことを見ていこう。ただ、どうやら星は去ってしまったようで、星座を持つカードは使わないほうがよさそうだ。

フォーマット:スタンダード
デッキの制限:「星座」を持たない『ニクスへの旅』のカードを1枚以上使う、または、それを中心に構築すること。
締め切り:4月29日(火)午前10時(日本時間)

 すべてのデッキリストを英語で、こちらのリンク先のフォームからメールでお送りください。デッキリストの提出時には、以下のようなフォーマットで入力してください。(必ずしも下記のような枚数通りのものでなくてもかまいません。あくまで一般的にデッキリスト記入のレイアウトを示すものです。)

あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)
Standard(フォーマット)
20 Land(土地カード 枚数とカード名・英語で)
20 Land
4 Creature(クリーチャー・カード 枚数とカード名・英語で)
4 Creature
4 Other Spell(その他の呪文カード 枚数とカード名・英語で)
4 Other Spell
4 Planeswalker(プレインズウォーカー・カード 枚数とカード名・英語で)

 今回(編訳注:原文の本日の記事)は「星座」に特化したデッキをやり終えたので、『ニクスへの旅』の他の部分で何ができるかを見るのを楽しみにしたい。「星座」はほとんど「容易な」道、つまりデッキを組みやすいものだが、『ニクスへの旅』には他のどんなものが隠れ潜み、見つけられるのを待っているのか? それを見つける挑戦を皆さんに課したい!

 皆さんが思いつくことを見ていくのが楽しみだ。それまで、この記事やデッキについて考えたことやフィードバックがあれば、気軽に私に送ってほしい。フォーラムへの投稿や私へのツイートを送ってくれれば、見ることをお約束しよう。

 また来週お会いしよう、そして、素晴らしい『ニクスへの旅』のプレリリースを楽しんでほしい!

Gavin / @GavinVerhey

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