立ち上がれ、ギデオン

更新日 Reconstructed on 2015年 7月 28日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 キテオン/ギデオン特集へようこそ!

 ここから5週間にわたり、私たちは『マジック・オリジン』の主人公となる5人のプレインズウォーカーに、カラー・ホイール順に注目していくことになる。つまりここ「ReConstructed」では――それらの変身プレインズウォーカーを用いたデッキを見ていくということだ!

 さあ、今週はキテオンとともに何をしてやろうか?

 ギデオンは、大軍を指揮するのを得意とする。今週は、まさにその得意なことをやってもらおう。今回のデッキには《太陽の神、ヘリオッド》も採用されていて、フレーバー面でもポイントが高いぞ!

 それじゃあ、ノダ テッペイから届いたデッキを見てみよう。

ノダ テッペイの「天使への信心」

スタンダード
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その戦術とは

 「白ウィニー」は、マジックの構築戦が始まった直後から存在する戦略だ。優秀な白のクリーチャーをデッキに詰め込み、そこへクリーチャーを守ったり行く手を阻むものを除去したりする呪文を少々加え、対戦相手のライフを削り取っていく。

 今回のデッキで特徴的なのは、「信心」を意識している点だろう。《太陽の神、ヘリオッド》は『テーロス』の発売以来、有力な候補でありながら活躍のときをじっと待ち続けた。そして今、スタンダード落ち前の最後のこのときに、彼はついに日の目を見そうなのだ。新たに《徴税の大天使》が登場したことで、彼は簡単に顕現できるようになった。もちろん、あらゆる「信心」と相性抜群の《ニクスの祭殿、ニクソス》もある。大量のマナを生み出し《太陽の神、ヘリオッド》に注ぎ込めば、さらなる大軍を作り出せるだろう。

 そしてその後は――攻撃だ!

 今回のデッキに手を加えたいのは、主にマナ・カーブをもう少し軽い方へ寄せることだ。現時点では、かなり攻撃的な方針に対してややマナ・コストが重い――そこのバランスは改善の余地があるだろう。

 ではそのことを念頭に置いて、詳しく見ていこう。いいかい?

デッキ詳細

 デッキに残すべき信心深いものと、置いていくべきものはどれだろう? カードを1枚ずつ通して見て、残すものと抜くものを確認しよう。

 さっそく、『マジック・オリジン』の目玉カードのひとつであり白の両面プレインズウォーカー・カード――《アクロスの英雄、キテオン》/《歴戦の戦士、ギデオン》から見ていくぞ! 1マナ2/1というだけでも使いたくなるけれど、さらに破壊不能を得る能力と立派なギデオンに変身する能力も持つこのカードは、白ウィニー垂涎の採用候補となっている。《アクロスの英雄、キテオン》は確実に白ウィニー戦略と合致しており、序盤に2枚は引き込みたくないものの、それでも4枚すべて採用するだけの価値はある。

 とはいえ、序盤を支えるカードは追加しておきたいところだ。現在のスタンダード環境にはトークンや《森の女人像》が多く見受けられるため、2/1というサイズのクリーチャーを嫌うデッキもある。しかし今回のデッキでは、《アクロスの英雄、キテオン》を変身させるために早いターンに繰り出せるクリーチャーと「信心」を稼ぐものを確保するため、コストの軽いクリーチャーが欠かせないのだ。それから、コントロール・デッキに対して早い段階からプレッシャーをかけていくのも大事なことだ。

 私は1マナ域をもう4枚追加しようと思う――加えるカードは《万神殿の兵士》だ。この環境にはまだまだ多くの多色カードが存在し、《万神殿の兵士》の能力は極めて有効だ。こいつは、私の求める条件にぴったりと合っているのだ。


 居場所を望んでいたカードとして、この《族樹の精霊、アナフェンザ》もこのデッキにぴったりだ。白マナ・シンボル2つを持つこのカードは、「信心」を高め、さらにクリーチャーを戦場に出すたびに強化する能力も持つ。対戦相手にとっては対処しなくてはならない脅威であり、素晴らしい候補と言えるだろう。4枚採用で正解だ。


 『アラーラの断片』からの再録となるこのカードは、やや控えめなものに見える――だが実は極めて強力な1枚だ。白マナ・シンボルふたつと先制攻撃を持つこの2/2クリーチャーは、大抵の場合カードまでもたらしてくれるのだ。こちらが後手の場合は、3ターン目に土地を置く前に《白蘭の騎士》をプレイし、続けてもう1枚繰り出すこともできる。先手の場合は、このアグレッシブなデッキの土地が止まり対戦相手より少なくなる可能性があり、その差を埋めるのに役立つのだ。あえて土地を1枚少なめにプレイすることだってあり得るね。こいつは4枚すべて残そう。


 今回のようなデッキにおいて、2ターン目の動きを十分に確保することは大切だ。《見えざるものの熟達》は2ターン目に戦場に出て、ゲームが長引いたときにアドバンテージを稼ぎ出す。

 ところが、今回のデッキにおいてはいくつか問題がある。

 まず、機能しだすまでに時間がかかること。こいつを2ターン目にプレイしても対戦相手にプレッシャーを与えることはできず、恐らく他に唱えるべきカードを使い切るまでこいつの能力を起動することもないだろう。

 それから、役割が《太陽の神、ヘリオッド》にかなり近いこと。破壊不能の神は戦場から離れにくく、同じような能力を持て余してしまうことになるのだ。2/2が2/1より良いのはもちろんだが、そのために枠を割くほどではないだろう。

 それなら、もっと攻撃的な2マナ域を採用する方が私は好みだ。できれば白マナ・シンボルがふたつあるといいね。そしてなんと、幸運にも『マジック・オリジン』には《領事補佐官》というぴったりなカードがあるんだ。

 先制攻撃を持つ2/1は、それだけでも十分に戦闘で役立つクリーチャーと言えるだろう。だがこのカードは素晴らしいことに、「高名」によってパワー3まで伸びる。さらに、攻撃に際して自軍のクリーチャーすべてを強化する能力まで持ち、確実にダメージを積み上げてくれるだろう。ぜひ《領事補佐官》を4枚採用したい。


 優れたトークン生成機として、《オレスコスの王、ブリマーズ》は『神々の軍勢』発売直後から様々な白のアグレッシブなデッキにその姿を見せてきた。そして今、彼は本領である軽くアグレッシブな戦略に居場所を見出したのだ。攻撃にも防御にも優れ、多くのダメージを稼ぎ出すのにこの上ない原動力となる《オレスコスの王、ブリマーズ》は、絶対に4枚すべて残そう。


 『マジック・オリジン』の新顔の1枚であるこのカードは、強烈なパンチ力と対戦相手のリソースに負担をかける能力を持っている。3/5のクリーチャーが出た直後のターンにマナも縛られては、すぐに効果的な攻撃に出ることはできないだろう――それから回避能力を持つパワー3が攻撃すればさらにプレッシャーをかけることができ、そのゲームを相手の手の届かないところまで持っていってくれるはずだ。そしてもちろん、白マナ・シンボル3つを持つことで、あとわずかひとつで《太陽の神、ヘリオッド》がクリーチャーとして顕現する。このデッキには《徴税の大天使》が4枚すべて必要だ。


 とうとう太陽の神が輝くときが来たぞ!(ああ、設定的には「常に」輝いているね)。《太陽の神、ヘリオッド》はマナの注ぎ込み先となり、大打撃を与える巨大なクリーチャーとなり、そして自軍に警戒を付与するという大きな役割を持っている。(《徴税の大天使》が警戒を持ったら実に恐ろしいことになるね。なんて組み合わせだろう!)

 今回のデッキでは《太陽の神、ヘリオッド》でクリーチャーを生み出しやすく、またもうひとつのマナの注ぎ込み先だった《見えざるものの熟達》を抜いたことを考慮して、私は《太陽の神、ヘリオッド》の数を増やすべきだと思う。戦場を離れにくい伝説のパーマネントを4枚採用するのはさすがに重いけれど、今回のデッキでなら3枚は許容できるはずだ。


 盤面の脅威を取り除く手段も欠かせないね――《払拭の光》は、こちらを苦しめるものすべてに対する解答となる。

 だが《払拭の光》は大きな問題を抱えている。エンチャントを生け贄に捧げさせる《ドロモカの命令》がはびこる環境では、完全にしてやられる危険があるのだ。そのため私も、今回のデッキがそうしているように、除去を散らすのは正解だと心から思う。しかしながら、今回のデッキには《太陽の神、ヘリオッド》もある以上、いずれにしても《ドロモカの命令》を受けてエンチャントは除去されるだろう。だからそのリスクは受け入れよう。ただし、こちらの軍勢による攻撃が不幸な出来事に遭遇しないよう、《払拭の光》が除去されるという可能性は、頭に置いておいてくれ。


 今回のデッキに採用されているもうひとつの除去呪文、《勇敢な姿勢》の汎用性の高さは見事だ。《衰滅》の登場により全体除去への耐性はやや下がったものの、戦闘での死亡からクリーチャーを守ったり、《英雄の破滅》をかわしたり、といった動きが勝敗を分けることは多くあるだろう。《勇敢な姿勢》を2枚採用するのは私も賛成だ。


 《ヘリオッドの槍》を採用することでキテオンとヘリオッドとその槍がひとつのデッキに揃い、フレーバー的には大勝利だ!

 だが不運にも、《ヘリオッドの槍》は私の期待に沿っていない。《栄光の頌歌》の能力――自軍全体を強化する能力――は、トークンを多く用いるデッキにこそうってつけだ。確かに、今回のデッキも《オレスコスの王、ブリマーズ》と《太陽の神、ヘリオッド》で十分な量のトークンを生み出せる。だがしかし、私としては《ヘリオッドの槍》を頼みにするよりも、早い段階でクリーチャーをどんどん展開し盤面にプレッシャーを与えていく方が良いと思う。《ヘリオッドの槍》は抜いてしまおう。


 《城塞の包囲》もまた、活躍の場を探し求めていたカードだ。きっと今回のデッキでなら活躍できただろう……《徴税の大天使》と《太陽の神、ヘリオッド》のコストが4マナでさえなければ。今回のデッキの4マナ域にはすでに7枚ものカードが配置されており、これ以上は増やせない。《城塞の包囲》がいかに見事な働きをしても、今回は抜くことになるだろう。


 《太陽の勇者、エルズペス》も間違いなく、デッキの原動力になり得るものだ。これ1枚でゲームを圧倒することもできるだろう。ところが、このカードは今回のデッキの他の要素と噛み合わない点がある。今回のデッキにおいて6マナというコストは、《ニクスの祭殿、ニクソス》や複数の《白蘭の騎士》の助けを借りなければ手が届きにくいのだ。《太陽の勇者、エルズペス》はゲームの決め手となるが、コストが重い――ならば1枚挿しが最適だろう。こいつを1枚入れておけば、引き込んだときにゲームを決めにかかることができ、ゲーム後半のトップデッキも強力なものになるだろう。さらに、《ニクスの祭殿、ニクソス》と十分な「信心」があれば、高速で彼女を繰り出すこともできるのだ。


 ここまでの変更をすべて受けて、デッキは以下のようになった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ギデオンの軍勢」

スタンダード
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 ギデオンと手を組み、共にときの声を上げてレッド・ゾーンへ突撃しようじゃないか。万事上手く行けば、ヘリオッドも君を加護してくれるだろう。

 『マジック・オリジン』のカードがすべて公開されて以来、このようなデッキに多くの注目が集まっている。目前に迫ったプロツアー『マジック・オリジン』で似たようなデッキを持ち込むプレイヤーがいても、私は驚かないよ!(恐らくクレイグ・ウェスコー/Craig Wescoeはそうするんじゃないかな。)それだけのポテンシャルは十分にあるはずさ。

 ぜひみんなも楽しんでくれ!

今週のマカトール選

「今週のマカトール選」では毎回、その週に送られてきたが記事本文で取り挙げなかったデッキの数々を見ていくことになる。ぜひチェックしてみてくれ。

ダラス・ディトゥーリの「怒声吠えコンボ」

スタンダード
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Planeswalker (2)
2 歓楽者ゼナゴス
ソーサリー (4)
4 火口の爪
インスタント (3)
3 頑固な否認
エンチャント (3)
3 ティムールの隆盛
60 カード

マーク・イアン・アローソの「深紅の恐怖」

スタンダード
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ケイシーの「信心との親和」

スタンダード
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アンソニー・ピッカリーの「白単エンチャント信心」

スタンダード
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ユーマの「ターボ・フォグ」

スタンダード
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クリーチャー (1)
1 ヴリンの神童、ジェイス
ソーサリー (4)
4 テレパスの才能
インスタント (12)
4 拠点防衛 4 カル・シスマの風 4 暴露する風
60 カード

トラヴィス・ミヤシロの「黒赤爆片破」

スタンダード
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ヨナ・ビュフォードの「飛行機械の部族」

スタンダード
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コバヤシ ヒロヤの「リリアナリーシャ」

スタンダード
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ディヴィッド・エドワードの「エルフ」

スタンダード
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(編訳より:7月28日(現地時間)に掲載の本記事のうち、デッキ募集の部分を抜粋してお伝えいたします。本文の日本語訳の掲載日は8月11日、募集したデッキが掲載される記事は8月25日(いずれも日本時間)となります。)

ニッサを探検する

 今度は、ディズニーランドの列車のように『マジック・オリジン』をめぐってきた旅の終点、ニッサを見ていこう! 参加希望の皆さんへ、今回のデッキ構築の規定は以下のとおりだ。

フォーマット:スタンダード

デッキの制限:《巨森の予見者、ニッサ》を1枚以上含むこと。

締め切り:8月4日(火) 午前10時(日本時間)

投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain

4 Satyr Firedrinker

3 Ash Zealot

4 Lighting Bolt

 カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)

 これまでの数週間でニッサのデッキリストを送ってくれた方もいるかもしれないが、私はこの週のために取っておいてあるのでご心配なく。そして、新しく思いつくデッキリストを見ていくこともまた楽しみでならない!

 それまで、この記事について考えたことやコメントがあれば、いつでも私へツイートを送ったり、Tumblrで質問をしてほしい。こうしたフィードバックには、必ず目を通させていただくよ!

 数日後にはプロツアー『マジック・オリジン』が始まるとあって、今週は楽しみでいっぱいだ。名を上げる『マジック・オリジン』の新カードは何だろう? 絶対にお見逃しなく!

 または、インディアナポリスで行なわれる「Gen Con」を訪れる人もいるかもしれない。そこでぜひ声をかけてほしい! 私はその週末にわたって、スタンダード、モダン、統率者戦などさまざまなデッキでスペルスリンガーを行なう予定だ。ぜひ立ち寄って、一緒にゲームをしよう! 読者の皆さんとお話しするのはいつも楽しみなんだ。

 それではまた次回!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

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