ゴーグルにおまかせ

更新日 Reconstructed on 2015年 8月 18日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 チャンドラ・ウィークへようこそ!

 今回のReConstructedは、君たち炎のプレインズウォーカーのためにあるものだ。赤らしさと実力を併せ持った素晴らしいデッキを取り上げ、対戦相手を丸焦げにしてやろう。《》を掴み取り、『マジック・オリジン』のカードを綿密に調べ上げ、そして火炎を投げつける準備に取り掛かろう!

 さっさと次に移らないなんて、まるでチャンドラらしくない。となると、前置きは必要ないよね? さっそく、やってくれそうな今回のデッキを見ることにしよう。

マキヅカ ユリの「ナラーの火力」

スタンダード
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その戦術とは

 これは、チャンドラ用のデッキとしてすぐに思い浮かべるようなものではないかもしれない。

 通常、オリジンの新チャンドラを試すデッキとして考えられているのは、相当にアグレッシブな赤デッキだろう。それは何もおかしいことではない――チャンドラはそれらのデッキにうまく入る――が、このデッキは違う方法を採用している。赤単ビートダウンは現在強力なデッキの1つなので、いくらでも調整された良いデッキを見つけ出して使うことができるだろう。

 私がより興味を惹かれるのは、チャンドラが同様に活躍できる「ビッグ・レッド」デッキの提案だ。それこそが今回のデッキなのさ!

 この種のデッキは、よりコントロール力を高めた赤デッキになる。クリーチャーに対処するために火力呪文を用いつつ、試合展開をゆっくりと掌握して完璧な勝利へと誘導していくんだ。

 このデッキの鍵となるカードは主に《紅蓮術師のゴーグル》で、全ての火力呪文を二重にして対戦相手に怒涛のダメージを与え始める。《稲妻の一撃》が6点、《極上の炎技》が8点のダメージを与えるなら、対戦相手を沈めるのは簡単なことさ!

 まず第一に、コントロール・デッキでは、カード・アドバンテージがあるかどうかが重要になるので、このデッキがカードを引き続けられるようなパーツを見つけ出すことが必須となるだろう。第二に、もう少々デッキを整えて、もっとやるべきことに集中させたい。現状は目標が多少定まっていないように見受けられるが、それぞれが動きを阻害しないように調整したほうが明らかに良いだろう。

 実際はどう改善するつもりかって? よし、全速力ですべてを調べていこう!


デッキ詳細

 採用すべきなのはどれで、燃やしてカリカリにすべきなのはどれだろうか? カードからカードへと旅して、デッキの全てを見定めよう!


http://media.wizards.com/2015/images/daily/RC20150804_Bringing-Hangarbackv2.jpg

♪ハンガーを取り戻そうとしているんだ ソプターたちはどう振る舞っていいのかわからないのさ

 ……おほん。

 《搭載歩行機械》は地味だし、デッキにあわせるにはちょっと変に思えるかもしれないが、素晴らしい働きを見せてくれるんだ。このデッキは序盤から行動したいし、マナのつぎ込み先も欲しければ、時間も稼ぎたい。《搭載歩行機械》はそれらをやってのける。これは2ターン目に登場して、次のターンからすぐにカウンターを増やし始めることができるし、たとえすぐに倒されたとしても、最低1体のクリーチャーを残してくれる。しかも、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》といった、このデッキの他のカードのこともしっかり支援する。

 このデッキでこのカードがやってくれることには脱帽するしかない。4枚そのまま残そう。


 これが今話していた《ピア・ナラーとキラン・ナラー》だ! チャンドラの両親(テーマ・カードで追加点!)はここで、騒乱を引き起こそうとしている。

 あるいはもしかすると、騒乱を引き起こす代わりに、カード・アドバンテージを生み出すことに専念してくれる。

 2体の飛行機械を飛ばして追加のクリーチャーを確保し、それから対戦相手のクリーチャーを爆破するために飛行機械を発射できる、というのはこのデッキが採用したいものだ。しかもデッキの他の部分との相互作用もある! 伝説で4マナのカードなので4枚にしたいとは思わないが、3枚あるのはとても嬉しいね。


 ああ、チャンドラ! いくつか入っているアーティファクト呪文ではアンタップしないので、このデッキとはちょっとだけノンボ――ノー・コンボ、「コンボしない」ってこと――ではある。しかしアーティファクトを除けば、このデッキは軽量の赤い呪文が満載されているので、彼女を素早く変身させることができるだろう。ほとんどの対戦で、チャンドラをアンタップさせてそのターン中に変身させることは簡単なはずさ。

 プレインズウォーカー側の能力は、このデッキではとりわけ効果的なものだ。いつでも大歓迎な追加のクリーチャー制圧能力と、何もかもを火葬してしまう火力呪文同様に対戦相手に巨大なクロックを提示する本体火力、そのどちらもね! 3枚は望ましい数だ。


 とんでもないカード名がつけられていることはともかく、《小走り破滅エンジン》の攻撃力は相当なものだ。火力重視のデッキでどう使うかというと、多少のダメージを与えた後に登場させて対戦相手に強烈な二者択一を迫るという寸法だ。たとえ6/6のクリーチャーを除去されたとしても、対戦相手に飛ぶ6点のダメージが止めの一撃になりうる! さらなるお楽しみとして、《爆片破》とのあわせ技で11点ものダメージを与えることも可能だ!

 しかしながら、このデッキには、そこまでのマナを支払わずとも盤面に脅威を展開できる手段が大量にある。《小走り破滅エンジン》は良いカードだが、カードには採用するに当たってデッキの他のカードを押しのけるという別のコストが発生する。6マナまでマナを伸ばすよりは、より軽い火力呪文を採用しつつ、チャンドラやその両親に仕事を任せるほうがいいと思う。さようなら、《小走り破滅エンジン》!

http://media.wizards.com/2015/images/daily/cardart_ORI_Smash-to-Smithereens.jpg

粉々》 アート:Pete Venters


 ゲーム中にこのカードが提供してくれる有用性には素晴らしいものがある。

 問題となる2体のクリーチャーを除去したい? 両方とも狙おう。対戦相手に止めを刺したい? ゴーグルで倍化した火力呪文を続けざまに本体に打ち込めばいい。使うのが本当に楽しく、これを中心としたデッキを作ることが可能な素晴らしいカードだ。《小走り破滅エンジン》のようなクリーチャーのほうがより効果的な場面も確かにありうるが、《紅蓮術師のゴーグル》は間違いなくより楽しい、とんでもない状況を生み出せるものだ。

 伝説で5マナなので、4枚にはしたくない――だが3枚は適切だ。

 これに加えて、カード・アドバンテージを生み出すものがこのデッキにはもっと必要だ。幸運なことに、赤には素晴らしいカードがあり、それは《紅蓮術師のゴーグル》にも燃料を補給してくれる。《前哨地の包囲》のことだ。1ターンに2枚のカードを引く(ような)効果によって、矢継ぎ早に展開することができるようになり、常に《紅蓮術師のゴーグル》のための燃料を保持できるようになる。カード・アドバンテージは必要なので、《前哨地の包囲》は4枚採用しよう。


 極めて赤らしいことだが、このデッキの土台となっているのは火力の詰め合わせだ。盤面を支配するまでは基本的にそれらの火力はクリーチャーを対象とする。対戦相手に止めを刺す段階に進んだなら、《紅蓮術師のゴーグル》を利用して相手の顔面に火力を投げつけてやればいい。

 しかし投稿されたデッキリストには火力が16枚あり、少し多いように思う。何枚かは引きたいが、単体を対象とする火力呪文ばかり引くようでは困るだろう。12枚にまで減らしたいところだ。そこで問題だが、このデッキで採用すべきなのはどれだろうか?

 赤マナ1点で唱えられる点から、《乱撃斬》は間違いなく必須だ。序盤に少ないマナで唱えられるというだけでなく、重要な点として、《紅蓮術師のゴーグル》を出したターンにゴーグルから出せる赤マナ1点で使えるからね。《乱撃斬》は4枚必要だ。

 《稲妻の一撃》は、序盤のクリーチャーを効率的に除去可能な、良い効力を発揮してくれる基準的インスタントだ。4枚でいいね。

 まず疑問視することになるカードが、《爆片破》だ。利点は途方もなく大きい。1枚のカードで10点ダメージを叩きだせるなんて馬鹿げた話さ! とは言うものの、生け贄に捧げるためのアーティファクトがいつでもあるわけではないし、ゲーム序盤でクリーチャーを除去するためにアーティファクトを失うのは避けたいはずだ。私はこれを序盤に引きたくはないが、デッキに1枚だけなら採用できるだろう。序盤に引いたらそれを踏まえて行動すればいいし、終盤に引くなら問題ないからね。

 そして最後に、《極上の炎技》だ。与えるダメージ量は文句なしだが、序盤に大量に来ても困る。なぜなら、これは3マナのソーサリーなので、クリーチャーの大群を処理するのにはいささか向いていないからだ。終盤で1対1交換を取ったり、対戦相手に止めを刺したりするには有効だ(止めを刺す上で大きく影響する魔巧の効果も忘れてはいけない!)。しかし、枚数は3枚に減らしたい。

 ほかに追加したいのは、特に盤面をコントロールするための要素だ。このデッキには重くないクリーチャーがいくつか採用されてはいるが、もう少し全体除去要素を加えておきたい。ここで2枚採用しておきたいのが、《神々の憤怒》だ。

http://media.wizards.com/2015/images/daily/cardart_THS_Anger-of-the-Gods.jpg

神々の憤怒》 アート:Noah Bradley

 《神々の憤怒》はこちらのクリーチャーも除去してしまう(《搭載歩行機械》も追放してしまう!)。よって適切に用いるにはある程度の注意が必要となる。これを必要とする場面なら、たいてい自軍のクリーチャーは少ないはずだ。メインデッキには2枚入れたい。


 これら3つの伝説のアーティファクトは、それら自身を軸とした独自の戦術下であれば興味深いものだ。しかしながら、全体的に見てみると、このデッキが真に必要としているものではないし、デッキが行う主戦略ともかみ合っていない。《鎖のヴェール》が強いのはプレインズウォーカーを出しているときだけだが、このデッキのプレインズウォーカーはチャンドラだけだ。序盤から攻撃していくデッキなら《精霊信者の剣》は強力だが、序盤用のカードは既にデッキに用意してある。《パーフォロスの槌》は、速攻を生かせるクリーチャーの数が単純に言って足りない。

 これらを抜いて、最後にもう少々のカード・アドバンテージとカード選別をデッキに加えるため、《苦しめる声》を投入したい。伝説のクリーチャーと状況に合わせた火力が満載のこのデッキでは、必要なものを見つけ出すために取捨選択していくことが重要となる。加えて《紅蓮術師のゴーグル》によって、なんとも素晴らしい「今抜群に頭が冴えてる」瞬間を体験できる。《苦しめる声》を唱えるためには手札を1枚捨てなければならないけれども、コピーはそうじゃない――つまり《紅蓮術師のゴーグル》があれば1枚捨てるだけでカードが4枚引けるってことさ! やらない手はない。4枚入れよう。

 これらの変更に加え、マナベースを少々調整して、出来上がったデッキリストがこれだ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ナラーの繰り返す火力」

スタンダード
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 対戦相手を燃やし尽くすのは好きだけど、速攻戦略は好きじゃない。そんな君には、この長期戦略がぴったりだろう!

 メタゲームに応じて試せるであろう、いくつかの別のカードがある。《包囲サイ》が人気なら、《神々の憤怒》より《焙り焼き》のほうが欲しいだろう。クリーチャーに頼った勝ち手段がもう少し欲しいと思うなら、まず試せるのが《灰雲のフェニックス》や《嵐の息吹のドラゴン》だ。

 火力呪文をぶつけて楽しもう!

今週のマカトール選

 今週のマカトール選では毎回、今回投稿されたほかの素晴らしいデッキをいくつか紹介している。見てみよう!

マット・ジョンソンの「チャンドラの隆盛」

スタンダード
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キース・ウィンの「赤に全てを」

スタンダード
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ジョー・キャノンの「集中双身」

スタンダード
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FROGUEの「ゴブリンたちのチャンドラ」

スタンダード
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ジャック・アドコックの「ピュア・バーン」

スタンダード
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タニグチ ユウの「チャンドラ・ゼロックス」

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トニー・ユーセフの「日極め」

スタンダード
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(編訳より:8月18日(現地時間)に掲載の本記事のうち、デッキ募集の部分を抜粋してお伝えいたします。募集したデッキが掲載される記事の翻訳掲載は9月15日(日本時間)となります。)

ヴォーソスの世界へ

 次回は、普段ReConstructedでやっていることとは少し違うものを見ていくことにしよう。つまり? デッキリストで誰かに感動を与えられるか、ってことさ!

フォーマット:何でも!(制限なし)

デッキの制限:デッキはフレーバーに満ちたものであること。つまり、何らかの形でマジックのストーリーやフレーバーの一部を取り入れたものであること。

締め切り:8月25日(火) 午前10時(日本時間)

投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain

4 Satyr Firedrinker

3 Ash Zealot

4 Lighting Bolt

 カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)

 そう、お読みいただいたとおりだ! フォーマットは何でもいい――文字通り何でもだ。モダン?当然! 統率者戦?いいとも! スター・マジック?もちろんだ! 全員が〈屠殺者ガラク〉を持った状態で始める双頭巨人戦アーチエネミー?ぜひとも! 皆さんの考える、マジックで最高にフレーバーに満ちた組み合わせを送ってほしい。そしてそれを目にすることになるだろう!

http://media.wizards.com/images/magic/daily/arcana/6dgdt23asm_jp_arc20140623_1.png

 それまで、この記事について考えたことや質問があれば、ぜひ私に送ってほしい――Twitterで私へのツイート、またはTumblrでの質問をお待ちしている。

 それではまた次回!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)

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