20通りの『戦乱のゼンディカー』

更新日 Reconstructed on 2015年 10月 13日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 物語は頭に入った。カードは目を通した。プレリリースにも参加した。

 さあ、いよいよ次のステップへ進むときだ――デッキを作ろう!

 だがおそらく、『戦乱のゼンディカー』で登場した新たな武器の数々を前に、みんなどこから手をつければ良いのか決めかねているところだろう。その通り、この記事を読むところから始めるのが正解だ!

 この1週間半というもの、読者のみんながあらゆるタイプのデッキを送ってくれた。重いデッキや軽いデッキ、攻撃的なデッキに防御的なデッキ……何でもあったよ! そこで今回は、今後現れるであろうエキサイティングな新デッキの数々を厳選し、合わせて20個のデッキを見ていくことにする――おまけに、デッキ構築のアドバイスも添えよう。

 ゼンディカー次元を旅する用意はできたかな? 出発だ!

ビートダウン系

 まずは素早く凶暴な――ビートダウン・デッキからだ!

 先週、私たちは黒赤の高速ビートダウン戦略を手がけてきた。では『テーロス』ブロックが退場して新たに『戦乱のゼンディカー』が入ってきたこの環境では、他にどんな攻撃的なデッキが見られるだろうか?

 早速ひとつご紹介しよう。

エイダン・マクマナスの「赤緑『上陸』」

スタンダード
Download Arena Decklist

 前回の『ゼンディカー』においても、「上陸」メカニズムは多くのビートダウン・デッキを支えてきた――今回も再び「上陸」の力を借りてブン殴ろう!

 この「上陸」デッキの核となるカードは、《鎌豹》、《噛み付きナーリッド》、《マキンディの滑り駆け》、そして《下生えの勇者》だ。私が特に重視したい鍵となる要素は、マナ・カーブを軽い方へ寄せることと「上陸」を持つクリーチャーだ――《爆発的植生》や《ニッサの復興》といったカードはつい使いたくなる魅力的なカードだけれど、それらはすでに有利な盤面でしか力を発揮しないのだ。

 私ならそれらの代わりに、さらにアグレッシブさを強化するカードを加えるだろう。《鐘突きのズルゴ》に、「フェッチ・ランド」12枚、そして――もちろんこのデッキ最大の功労者である《アタルカの命令》も増量したいね。このデッキはスタンダードでは滅多にお目にかかれないほど、燃え立つように猛烈なスタートを切ることができるのだが、その推進力になるものこそ《アタルカの命令》なのだ。

 以下のようなスタートを想像してみてくれ。

  • 1ターン目:《鎌豹》。
  • 2ターン目:《マキンディの滑り駆け》。
  • 3ターン目:「フェッチ・ランド」プレイに続けて《アタルカの命令》で3点のダメージと「フェッチ・ランド」をもう1枚プレイ。そして2枚の「フェッチ・ランド」を起動。これで3ターン目に14点だ!

 いやあ、強いね。

 さて、このようにゼンディカー側はしっかりと力を蓄えているようだ――ではエルドラージ側はどうだろう? 前回は黒赤のものを見ていったけれど、ここ「ReConstructed」ですっかりお馴染みのクォール/Qoarlがそこからさらに手を広げて、グリクシスという形に仕上げてくれたぞ。

クォールの「無色グリクシス」

スタンダード
Download Arena Decklist

 クォールは青を加えることで、《コジレックの伝令》と《破滅を導くもの》をクリーチャーの枠へ加え、同時に《粗暴な排除》を呪文の枠へ加えることに成功した。どれも極めて強力なやつらだ!

 通常ならビートダウン・デッキに3色目を加えるのは避けたいものだが――「フェッチ・ランド」と『戦乱のゼンディカー』の2色土地が織り成す「万色」のおかげで、一切の痛みなく色を増やせるぞ!(ああ、確かに、ライフ1点の痛みは受けることになるね。)

 《幽霊火の刃》はアグレッシブな無色デッキの鍵を握る1枚だが、もちろんこのデッキでも優れた力を発揮している。きっと《幽霊火の刃》を用いるデッキは多岐にわたることだろう――このデッキもまだまだ最初の一歩に過ぎないのだ。

 そしてもちろん、純粋に攻撃性を剥き出しにしたデッキもあるぞ。

コバヤシ ヒロヤの「ザダ・コンボ」

スタンダード
Download Arena Decklist

 これは典型的な「横に広く展開する」赤白デッキに見えるね――大量のトークンを生み出し、それからコンバット・トリックをいくつか駆使して、対戦相手のライフを0まで叩き落とす形だ。

 ただしひとつだけ、異質なものがあるね――《面晶体の掘削者、ザダ》だ。

 《面晶体の掘削者、ザダ》とともにあれば、1/1トークンの群れが突如として死を運ぶ恐ろしい軍勢になる。《軍族童の突発》の後に《タイタンの力》がたった1枚あるだけで、致死量に迫るダメージを叩き出せるのだ!

 このデッキなら、私は《ドラゴンの餌》も加えて盤面にトークンを展開する力をさらにつけたい。盤面を埋め尽くすばかりのトークンの群れで対戦相手を攻め立てていきたいし――《面晶体の掘削者、ザダ》を1枚引き込めば確実に止めを刺せるようになるだろう。

 以上、それぞれタイプの異なるアグレッシブなデッキを3つ紹介したぞ――じゃあビートダウンをやるつもりがない人はどうすればいいかって? 心配しないでくれ、先に進もう!

ランプ系

 私たちは、ゼンディカー次元に戻ってきた。ここは、基本でない土地にマナ加速、それから巨大なエルドラージの「本領」とも言うべき場所だ――だからもちろん、ランプ戦略をとることができるぞ!

 ひと口にランプ系デッキと言っても、異なる戦略がいくつかある。その中で最も素直な形は、こんな感じになるんじゃないかな。

ホンマ シンイチの「許されざる裏切り」

スタンダード
Download Arena Decklist

 このデッキはまさに、ランプ戦略の血統を受け継ぐ最新型のものだ。そのプランは実にシンプルで、2マナ域のマナ加速(《爪鳴らしの神秘家》や《荒野の囁く者》)から4マナ域のマナ加速(《面晶体の記録庫》や《爆発的植生》)へ繋ぎ、早ければ4ターン目にして《龍王アタルカ》のような脅威を繰り出すことができる!

 このデッキのキー・カードと言えば、《面晶体の記録庫》に尽きるだろう。これはマナを加速するだけでなく、マナが溢れてしまった場合はカード2枚に変わることもできる。それから《ニッサの天啓》も直接的な脅威になるカードではないものの、《荒廃の双子》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》とともに使うことで圧倒的なカード・アドバンテージを生み出し、輝きを放つはずだ。もちろん、公開するのが《龍王アタルカ》でも十分なアドバンテージになるだろう。

 君たちがどんなデッキを組むにせよ、このデッキは意識すべきものの基準となるだろう。君たちのデッキは、このようなデッキに押し潰されたりしないだろうか? もしダメなら、このデッキと戦える手段を用意しよう。

 そしてもちろん、これもマナ加速からエルドラージへ繋ぐデッキの一例に過ぎない。これはひたすらにランプ系デッキの本流に則ったものではあるものの、やや選択肢の広さに欠けるところがあるね。そこで、以下のような形に寄せるのも検討できるだろう。

リチャード・ワイアットの「ティムール・タイタンズ」

スタンダード
Download Arena Decklist

 この形もまた、マナ・カーブの頂点に君臨するのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》だ。しかしこちらでは、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》までたどり着く手段として《破滅の伝導者》を採用している。さらに、青を足すことで時間を稼ぐ手段としてもエルドラージを唱える助けとしても文句なしの《コジレックの伝令》の採用が可能になっている。そして、4枚搭載された《タイタンの存在》もあらゆるものを屠る除去として活躍してくれるだろう。

 このデッキに手を加えるなら、私は《深海の主、キオーラ》を何枚か採用したい。彼女は強烈なマナ加速を行うだけでなく、クリーチャーを手に入れる助けにもなってくれるのだ。

 ランプ系のデッキも自分には合わず、アグレッシブなデッキとランプ系デッキの間のものを使いたい人もいるだろう。うん、安心してくれ。次はミッドレンジだ!

ミッドレンジ系

 アグレッシブなデッキとコントロール寄りのデッキの間に位置するミッドレンジは、恐ろしい脅威となる4マナか5マナのクリーチャーと強力なシナジーを駆使して勝利を掴む。

 例えば、このような形が考えられるだろう。

アニス・ヌヴェールの「勝者」

スタンダード
Download Arena Decklist

 ちょっとマナ加速が控えめなものの(恐らく《荒野の囁く者》や《爪鳴らしの神秘家》といったクリーチャーでのマナ加速が欲しくなるだろう)、このデッキは『戦乱のゼンディカー』の新カードを加えた極めて伝統的なミッドレンジ・デッキに仕上がっている。《囁きの森の精霊》や《搭載歩行機械》といった単体で強力なカードあり、そして《無慈悲な処刑人》や《肉袋の匪賊》と《異端の癒し手、リリアナ》や《膨れ鞘》のシナジーありのデッキだ。さらにこの形では、《息詰まる忌まわしきもの》と《進化の飛躍》によって、繰り返し使えるドロー・エンジンも搭載されているのだ!

 私としては、(先ほど述べたような)マナ加速を加えたい。それから、《地下墓地の選別者》のようなカードも検討すべきだろう。そして、調整のすえにコストの軽いクリーチャーが多くなれば《集合した中隊》も選択肢に入るだろう。そうすれば盤面の有利を素早く奪えるはずだ。

 同じ緑を使用するデッキでも、この形とは対極的なものもある。アンドリュー・ウェイゼル/Andrew Weiselが手がけたスゥルタイ・デッキのように、もう少しコントロールに寄せた――それでもミッドレンジの範疇を出ない――形だ。

アンドリュー・ウェイゼルの「墓地の主、キオーラ」

スタンダード
Download Arena Decklist

 《深海の主、キオーラ》は、スゥルタイ戦略期待の1枚だ! 彼女はカードをもたらしてくれるだけでなく、マナ加速をするだけでもなく、「探査」の燃料となるカードを墓地へ送ってくれるのだ!「変異」で《死霧の猛禽》の群れを繰り出すもよし、《黄金牙、タシグル》のコストを軽減するもよし、この手のミッドレンジ・デッキは、長いゲームを勝ち取る力があるのだ。

 ミッドレンジ・デッキの優れた点としてもうひとつ、大量のライフ回復と大型の脅威によってビートダウン・デッキに有利なところが挙げられる。例えば、こんな風に。

フロッグの「人生はライフだ」

スタンダード
Download Arena Decklist

 満載されたライフ回復手段によって、このデッキは高速ビートダウンの猛攻を防ぎ切ることができ、同時に火力呪文の圏外を維持することもできる。

 この形のデッキが特にその強さを発揮するのは、長いゲームにおいてだ。《見えざるものの熟達》がゲームを長引かせる推進力となり、やがて盤面が完全に膠着すれば、《フェリダーの君主》が勝利をもたらしてくれるのだ!

 このデッキに似た形だが、「ライフを得る」というテーマをただ「自身のライフ総量を増やす」ということに留めない形もある。よし、「よく似た形でも違う」というものを取り挙げてみよう。

イトウ カズナリの「ドレイン・トレイン・オブ・ドラーナ」

スタンダード
Download Arena Decklist

 このデッキの特徴は、軽いマナ域に寄せたマナ・カーブだろう。《物静かな使用人》といった「ライフを得ること」に関わるコストの軽いカードを集め、ライフ回復による恩恵を細かく積み重ねていく形だ。

 このデッキでは《カラストリアの癒し手》が夢のような1枚になり得る。《墓所からの行進》と組み合わせることで大活躍を見せるだろう!

 他にもこのようなデッキはあるだろうか? 上に紹介した2つの「ライフを得る」デッキを混ぜ合わせてやれば、「同盟者」に注目したまったく新しいデッキができるんじゃないかな? そう、つまり以下のような形になるだろう。

ティボルト・アドソンの「同盟者」

スタンダード
Download Arena Decklist

 『戦乱のゼンディカー』にて同盟者が帰ってきた――このデッキはそのシナジーを活かしたもので、ビートダウン・デッキに黒と白のライフ回復手段を加えて仕上げてある。

 《カラストリアの癒し手》や《ズーラポートの殺し屋》、そして《ドラーナの使者》が1点のライフを何度も稼ぐため、《物静かな使用人》が驚くべき力を発揮する。そして《マラキールの解放者、ドラーナ》がさらに自軍を強化してくれるだろう。

 それからもちろん、ゲームを終わらせる手段もあるぞ。《墓所からの行進》と《カラストリアの癒し手》の組み合わせだ。《カラストリアの癒し手》2体と他に同盟者を1体戦場に戻すだけでも、その時点で6点のドレインができる――その「行進」に同盟者をもう1体加えるのも難しいことじゃないだろう。それによって、このデッキはゲームが長引いても粘り強く戦えるのだ。

 こういったコンボを搭載した形もすごく面白いよね。それじゃあ、コンボの側面をさらに進めるとどうなるだろう? その場合は、《先祖の結集》なら同盟者以外もすべて戻せるから、《墓所からの行進》と迷う必要もないね!

ミヤサカ ヨウヘイの「同盟者の結集」

スタンダード
Download Arena Decklist

 コンボ集中型の「同盟者」デッキの紹介だ!《先祖の結集》が同盟者でいっぱいの墓地からクリーチャーを戦場に戻すと、《地割れの案内人》がそれらすべてに速攻を与え、対戦相手目がけて殺到する! なんてこった――さらに攻撃前にも《カラストリアの癒し手》の能力が誘発し、それから《ナントゥーコの鞘虫》でクリーチャーを生け贄に捧げると《ズーラポートの殺し屋》の能力も誘発する、ということも言い添えておこうかな。ズドーン!

 こういった戦略の素晴らしいところは、コンボを解き放つまではビートダウン・デッキとして戦える点だ。攻撃して、相討ちを取って、こちらが生き残っていれば――最後には対戦相手を一気に打ち倒すことができるのだ。

 コンボを搭載したミッドレンジ・デッキが好きかい? よし、最後にもうひとつ、私がデッキリストを見るなり笑顔になったものを見ていこう。馬鹿馬鹿しいくらい風変わりなものだけれど、動き出せばなかなかの脅威だぞ。

 今は撤退のときだ!

ダヴの「勝利への撤退!」

スタンダード
Download Arena Decklist

 3種類の「撤退」を中心に、《空位の玉座の印章》や《万神殿の伝令》、そして《ニクスの星原》といった『マジック・オリジン』のエンチャントに関わるカードを加えたこのデッキは、ひとたび動き出せば反撃を許さないほどの力を持つ。

 このデッキでは、土地であれ呪文であれ、引き込んだものが何でもアドバンテージを生み出す。最後は天使・トークンか、あるいは戦場のエンチャントすべてで一気に襲いかかり、致命打を与えよう! フライデー・ナイト・マジックで試す日が待ち切れないね――まるで暴風が吹き荒れているかのように感じるはずさ!

 オーケー、ミッドレンジはこれくらいでいいだろう。それじゃあ、コントロールはどうかな?

コントロール系

 次々と繰り出される脅威を捌き、じっくりと勝利への道を拓いていくコントロールがやりたい人へ。『戦乱のゼンディカー』には、そんな君たちが使うべきツールもしっかりと用意されているぞ。

 今回のセットの目玉となるメカニズムのひとつは「覚醒」だろう。呪文に注目したこのメカニズムは、ゲーム後半に土地をクリーチャーにすることもできる。これはまさに、コントロールにうってつけだ。ゲーム序盤は普通に呪文として使うことができ、後半には勝ち手段に変わるのだ。例えば、このデッキを見てくれ。

メイガン・ペリオットの「バント『覚醒』」

スタンダード
Download Arena Decklist

 《次元の激高》のような、盤面を一掃しつつこちらの戦線は維持できるカードはもちろんだが、このデッキにはゲームの速度を早める手段がいくつも搭載されている。中でも《乱動を刻む者、ノヤン・ダール》は大きな活躍が見込める1枚だ――このデッキでなら、立て続けに呪文を唱えて一挙9点で攻撃、といったことも容易なのだ。

 それから、デッキに採用されているすべてのカードが「土地でない」カードに影響するものであることにも注目してくれ。《次元の激高》がその代表だが、《変位の波》もいかがだろうか? 対戦相手の盤面をすべてバウンスしながらもこちらのクリーチャーは残る、という動きが多く見られることだろう!

 オーケー、ではもっと典型的な「コントロール」はあるだろうか? なるほど、すでにいくつか青や赤のデッキを見てきたけれど、コントロールの枠に入ったものはなかったね。このセットでは青と赤がコントロールに向いた色なんだ――こちらのデッキを見てくれ。

マグネットクロコダイルの「魔女の使い魔」

スタンダード
Download Arena Decklist

 《粗暴な排除》は、コントロール・デッキにもテンポ・デッキにもぴったりな1枚だ。これからの数ヶ月、青と赤を使う理由としてこのカードが見受けられることになると、私は予想しているよ。そしてこのデッキでも、《粗暴な排除》はコントロールに求められる役割をしっかりと果たしている。(私としては、こいつを絶対に4枚採用したい)。その他の打ち消し呪文や除去呪文も駆使して、大型のエルドラージを着地させるのがこのデッキの狙いだ。

 この戦略においては、《コジレックの伝令》が見事な活躍を見せてくれる。2/4というサイズで優れたブロッカーとなるだけでなく、コントロールに必要なカードからフィニッシャーまで、多くのカードのコストを{1}減らしてくれるのだ。《手酷い失敗》はわずか{U}で使えるようになり、《タイタンの存在》も{2}で唱えることができるようになる――さらに、打ち消し呪文を構えながら《忘却蒔き》や《荒廃を招くもの》を繰り出すことができるようになるのだ。

 それから、『戦乱のゼンディカー』の登場により、すでによく知られたデッキにも新しいカードが加わった。例えば、《スフィンクスの後見》デッキが3色に更新されたものを見てみよう。

ブランドン・エドモンドの「グリクシス後見テンポ」

スタンダード
Download Arena Decklist
インスタント (12)
4 粗暴な排除 4 手酷い失敗 4 コラガンの命令
エンチャント (4)
4