読者からのお便りコーナー

更新日 Reconstructed on 2015年 12月 7日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 ある意味では、「ReConstructed」はほぼ毎週、読者からのお便りに関わるコラムなのだが――今週は普段とちょっと違うものになるぞ。

 年末が近づくこの季節といえば、スマートフォンを持って暖かいところへ身を寄せ、マジックの最新記事を読み漁るものだよね(もちろん君たちもそうだろう?)。私からも、まったくタイプの異なる記事を3つ用意しているよ。今週は、その最初のひとつをお披露目しよう。これまでの「ReConstructed」では一度もやったことのないテーマ――読者からのお便りコーナーだ!

 私はソーシャルメディアという名の多元宇宙で、デッキについての質問を呼びかけた。すると、みんながその呼びかけに反応した! あらゆる場所から質問があふれ出たのだ。

 今こそ、それらに答えるときだ。

 準備はいいかい? 早速始めるぞ!

@sirt29:2枚挿しや1枚挿しを行うときに、何か指針となるものはありますか?

 あるよ! もちろんさ。デッキ構築において、それぞれのカードを採用する枚数の判断は最も難しいことのひとつで、今週送られてきた質問にも多かった。取り挙げたのはTwitterで受けた質問だけれど、似たようなものはすべてのソーシャルメディアで見受けられたよ。

 デッキに採用する枚数を増やせば、そのカードを引く可能性が高まる。それは誰もが認めるところだろう。だから必然、たくさん引きたいカードは4枚採用することになる。では、他の枚数についてはどうだろう?

(質問にそのまま答えるなら)大まかな指針として、私は基本的に「このカードが引ければ気分が良いけれど、どんな場面でも強いものではなく、引き過ぎるのは避けたい」と感じるカードは3枚に抑えている。例えば、《苦い真理》などはこれに当てはまるだろう。《苦い真理》はとても頼りになる1枚だが、手札に来てほしくない場面もあるし、こいつを3枚も引き込みたくはない。

 2枚挿しの指針は、「状況に依存するカードであり、2枚引き込みたくはないもの。いざというときに1枚持っておけるか、ゲームが長引いたときに引き込めると嬉しいカード」だ。典型的な例として、ミッドレンジ・デッキにおける全体除去や、アグロ・デッキやミッドレンジ・デッキにおける高コストのカードが挙げられる。初手に来て欲しくなく、2枚目もいらないけれど、「トップ・デッキ勝負」へ突入したときにライブラリーに入っているというのは心強いだろう。もし初手に姿を見せても、それを中心にしたゲーム・プランを立てればいい。

 1枚挿しの指針も2枚挿しと似たものだが、こちらはさらに尖っている。「ゲーム序盤には『絶対に』目にしたくないし、2枚引き込むなんてもってのほか」というものだ。例えば、マナ域が比較的軽い方へ寄っているデッキにおける《太陽の勇者、エルズペス》――これはゲームの状況を一変させる強力なカードだが、多くの場面で何もできず手札に残ることになる。それから、ライブラリーから探し出す効果がある場合は、1枚挿しが有効だ。また、違いの少ないカードを幅広く採用する場合も効果的だろう。

 参考にしてくれれば嬉しいね! もう少し掘り下げてみたい場合は、「ReConstructed」の第1回目の記事、「ゼロからのデッキ構築」をおすすめしよう。そこで詳しく語っているぞ。

Lookingupanddown:「ツールボックス」型のデッキにおいて、特定の状況への解答となる様々な1枚挿しのカードと、それらをライブラリーからサーチする手段の枚数は、どこで一番バランスの良い形になりますか?

 ほら、ちょうど1枚挿しをサーチして使う話になったよ! ありがとう、Tumblr!

 デッキ構築における失敗で私が一番多く目にしたことのひとつが、「ツールボックス」型のデッキの内容をちょっと広げ過ぎてしまうことだ。

 ここで言う「ツールボックス」型のデッキとは、特定のカードをライブラリーから探し出す効果を用いて、大量の1枚挿しが入ったライブラリー、つまり「ツールボックス(道具箱)」からカードを選んで駆使するデッキのことだ。

http://media.wizards.com/2015/images/daily/cardart_MM2_Primeval-Titan.jpg

原始のタイタン》 アート:Aleksi Briclot

 こういったデッキを作る際には、つい1枚挿しのカードをたくさん採用して、できる限り「ツールボックス」を豪華なものにしてしまいがちだ。しかしながら、そういうときこそ自分に問いかけなくてはいけない。「これらのカードは、実際にどれくらいの頻度で探すことになるだろう?」と。

 大抵の場合、毎回のように持ってくるカードは3種類あるいは4種類ほどに絞られるだろう。その上で、状況に応じて使いたいものがひとつは入るかもしれない。状況によるカードを多く入れ過ぎてしまうと、貴重な枠を普段必要のないもので埋めてしまうことになる――つまり、普段必要のないものを引きやすくなってしまうのだ。それは絶対に避けたい事態だ。

 そこで、こういうとき私がアドバイスを送る場合は、「徹底的に」絞り込むよう勧めている。何かが起こる「可能性」があるとしても、それが即「ツールボックス」から解答を引き出す「必要」に迫られるわけではないのだ。

 オーケー。とは言ったものの、具体的に一番良いバランスについては、デッキによって大きく異なる。でも、大まかな指針としておすすめの考え方があるぞ。「通常のドローで引いてしまった場合に嬉しくないカードは、サーチ手段より少なくすること」だ。通常のドローで引いても問題ないものなら、その考え方は当てはめなくてもいいだろう。(例えば、《神秘の指導》デッキで5種類のインスタント除去を採用するのは問題ない。どれも似た役割を持っていて、特に抵抗なく選択肢を増やすことができるからだ)。

 とにかく、通常のドローで引いて嬉しくないカードを詰め込み始めると、それはサーチ手段の枚数を超えてしまい、状況に依存するカードを引き込む可能性が上がってしまうだろう――それじゃ意味がないよね。

@Pineappley64:マナ基盤の調整を行う際、マナ・フラッドやマナ・スクリューが何回起きたら土地の枚数を見直すべきですか?

 私は、デッキの調整は「絵を壁にかけること」に似ていると思っている。

 壁に据え付けたフックに絵をかけ、ちょっと左に動かす。今度は右に動かしたかと思えば、また左に戻す。そうやってしばらく触ったすえに、ちょうど良いバランスを見つける……そして気づくのだ。フックがもう少し高い位置にあった方がいいな、と。

 デッキ構築もこれに似ているのだ。ひとまず最初の形が組み上がれば、そのデッキのコンセプトが見えるようになる。そうなれば後は、実際にプレイして微調整を繰り返し、正しく機能するまで続けるのみだ。1ゲームの結果だけでは、私は変更に踏み出さない――1ゲームだけなら、だいたいどんなデッキでもマナ・フラッド(土地過多)やマナ・スクリュー(土地不足)が起こり得るだろう。しかし、5ゲームやってそのうち3ゲームで土地が詰まったら、土地を加えてテストを続けてみるべきかもしれないね。

@Lemegeton:特にローテーション後や新セット登場後の時期にデッキを組む場合、変更を加える前に何ゲーム試すべきですか?

 基本的に、私は5ゲーム連続でテストしてからカードの再評価を行い、変更を加えている。それからまた5ゲームやって、さらに変更を加えて、という感じだ。こうすることで、デッキの中身が何度も大きく変わってデータが取れない、という事態を防げるし、改善の余地をしっかりと見定めることもできるのだ。

@tmstieler:土地を24枚より少なく切り詰める場合、マナカーブはどれくらいコストの軽い方へ寄せる必要がありますか?

 ふむふむ、24枚とは良い基準だね。そこから少ない枚数にすることは多々あるぞ。そのための条件としては、以下のことが挙げられるだろう。

  • 追加のカードをもたらすキャントリップ呪文や土地以外にマナを生み出すカードがたくさんある。例えば、モダンやレガシーでは多くのデッキで土地が20枚から22枚だ。(あるいはもっと少ないものもあるぞ!)
  • マナ・フラッドするより、マナが少ない方が戦いやすい形になっている。(例えば、赤単デッキは基本的に、マナが詰まっても軽量火力を駆使して戦える。一方で土地を引き過ぎると、繰り出せる手を使い果たしてしまうのだ)。

http://media.wizards.com/2015/images/daily/cardart_ZEN_Goblin-Guide.jpg

ゴブリンの先達》 アート:Warren Mahy

 質問の答えはこうだ。1マナ域や2マナ域が中心で、そこに3マナ域とほんのわずかに4マナ域を添えた形なら、土地を切り詰めても大丈夫だ。5マナ域のカードを使って土地を23枚以下にするのは、疑わしいと私は思う。

Cobrakmmndr:色の安定に土地の枚数、そして「フェッチ・ランド」とそれで持って来られる土地の比率、そういった様々なことを考えながら適切なマナ基盤を組み上げるには、どうすればいいですか?

 非常に大切な問題だね。

 マナ基盤を構成する要素は実に様々だ。そのフォーマットで使えるカードやデッキの方向性によるところが大きい。ここでは、私がいつも検討している5つの要素を挙げておこう。

  • ゲーム序盤に必要な色は? その色の呪文を1ターン目に唱えたいなら、少なくとも13枚か14枚はその色のマナを生み出せる土地を採用する必要があるだろう。
  • 複数のマナ・シンボルを持つカードはあるか? コストが{B}{B}{B}のカードを主力にしている場合、それを唱えられるようなマナ基盤を作る必要がある。
  • ゲーム後半ではどのようにマナを使うつもりか? 例えば、コストが{U}{U}の打ち消し呪文がたくさん搭載されているデッキを使うなら、{U}{U}{U}{U}を揃えていきたい。1ターンに2回打ち消し呪文を使えるようになるからだ。
  • アンタップ状態で戦場に出る土地の枚数は? タップ状態で戦場に出る2色土地を多く採用することによる遅れは、どれだけ許容できるだろうか?
  • 土地の枚数は24枚から25枚が基準となる。コントロールに向かう場合はもっと増やしたい。アグロに向かう場合は、マナカーブをコストの軽い方へ寄せて、土地の枚数を減らしたい。

 これらがみんなの助けになれば幸いだ!

Hamitasgarov:Re:「フェッチ・ランド」について。高コストのカードを擁するデッキでは、「フェッチ・ランド」が邪魔になることに気づきました。「フェッチ・ランド」を採用するために、土地の枠を1枚割くことになるからです。このように「フェッチ・ランド」が少ない方が良いデッキや、多い方が良いデッキはありますか?

 土地を並べて大型の呪文をプレイするのはかなり難しくなる、というのは「フェッチ・ランド」を使う上での共通認識だろう。「フェッチ・ランド」の使用は、結果的にデッキ内の土地を減らすことに繋がるのだ!

 それでも、実際はデッキが薄くなることに問題はほとんどない。まったくの無関係とまでは言わないが、デッキ構築をする際に行う数ある決断の中でそれを最初に検討することはないだろう。「フェッチ・ランド」を起動する頃にはもうすでに初手をキープしていて、マナを生み出す手段が確保されている、ということを心に留めておいてくれ。「フェッチ・ランド」を採用したところで、ドローの確率に影響が出るのはほんの1~2%だ。だから私は普段、そのことを大きな要素として扱ってはいない。

「フェッチ・ランド」を採用する主な理由としては、以下が挙げられるだろう。

  • 「上陸」のような、土地が関わる能力のため
  • アンタップ状態で戦場に出る土地の枚数を増やすため
  • 墓地を肥やすため

 これらが必要ないデッキなら、「フェッチ・ランド」を採用する意味はないかもしれない。一般的には、何かしらの付加価値が欲しいところだ。「フェッチ・ランド」を採用すべき枚数は、他のカードとの関わりによって決まる――「上陸」や「探査」があるなら12枚採用することも試す価値があるだろう。そうでないなら、ただ色を安定させる土地として使えるだけだ。

@dude_1818:庭のウッド・デッキにつや消し加工を施したいのですが、おすすめの塗料はありますか?

「カーンのワックス」と「次元フローリングコート」で決まりだ。ミラディン産のものなら間違いなし!

@kruger_bass:どういうときにプランBも考えるべきですか? また、プランAに集中した方が良い場合はありますか?

 これについては、私はこう考えるようにしている。「いつでもプランAの準備はしっかり整え、プランBも常に持っておくこと」。

 複数の軸に沿って動かせるデッキは、複数の戦略を持つことができる(最高のデッキの多くがそういう風に組まれている)。最も強力な戦略を中心にゲームを進めながら、必要とあれば切り替えられるプランを用意しておくことが大切だ。つまり、プランBに求められるのは、多彩で柔軟な戦い方だと言えるだろう。

John Conan Reznor:コントロール・デッキの良さがわかりません。アグロ・デッキやミッドレンジ、赤のバーン・デッキ、緑のランプ・デッキ、トークン、それから一部の(すべてとは言いません)コンボ・デッキについては、それぞれのデッキが好きな人の気持ちがわかるのですが、どうしてもコントロール・デッキの魅力が理解できません。周りの人がコントロール・デッキの話を始めると、僕の目は死んだ魚のようになります。現実では青は好きな色なのに、マジックではまったくその良さがわからないんです。コントロール・デッキと付き合うならどこから始めればいいですか? また、コントロール・デッキを使っていて最高の瞬間はどんなときですか?

 私のメール受信ボックスから、ジョン/Johnの素晴らしい質問を取り挙げよう!

 まず言っておきたいことがある。実は「私はどうして○○に魅力を感じないのでしょう?」といった質問はたくさん受けているんだ。そして、「すべてのデッキが万人向けのものであるわけじゃない」ということを理解してほしい。これは本当に大切なことだ。赤単が大好きな人がいれば、赤単が嫌いな人もいる。どちらが正しいか、という話じゃない。それはただの好みの問題で、それぞれが楽しく感じるものの違いに過ぎないのだ。だってマジックはゲームなんだから。

http://media.wizards.com/2015/images/daily/cardart_THS_Thoughtseize.jpg

思考囲い》 アート:Lucas Graciano

 テレビ番組のようなものだと思ってくれればいい。もし誰もが、例えば『ファイヤーフライ』が好きで、自分は5話くらい観てもその楽しさがわからないとしよう。そういうときに「周りのみんなが好きだから」というだけの理由で最後まで観る必要はないんだ。同様に、私は『ドクター・フー』を愛してやまないけれど、その作品が嫌いな人に無理に勧めて観させようとは思わない。(幸運にも私はどちらの作品も大好きだから、問題ないね)。

 そうは言っても、青のコントロール・デッキのことを理解するためには「知ること」が大切になる。コントロール・デッキの核となっているのは、「長いゲームに勝つ」という信念だ。長い時間持ちこたえることができれば、ドロー手段に打ち消し、と青は勝つためのあらゆる手段を手にすることができる。マジックというゲームでは、対戦相手の呪文の解決中にそれを破棄させる動きは大きな有利を生み出し、勝利に直結するのだ。

 コントロール・デッキへ歩み寄る第一歩をお探しなら、やっぱり実際に体験するのが一番だと思う。ぜひ最近の大会で結果を出しているものを見つけて、使ってみてくれ。すぐにそのデッキのやりたいことがわかるはずだ。そんないきなり過ぎると感じるかもしれないけれど、多くのことが学べるのは間違いないよ。

Damullet:勝つことを楽しめる「Tier1」のデッキと「ジョニー」的な魅力たっぷりのデッキの間でバランスを取るには、どうすればいいですか?

 ああ、永遠の悩みだね。自己表現の要素を残しつつ勝利も掴む「ジョニー・スパイク」を実現するには、どうすればいいだろう?

 私が高レベルの大会に出場したときはいつも、あくまでもサイドボードにだけれど、扱いが超難しいカードを採用して(魅力いっぱいで強力な新しいデッキがうまく組めなかったという)歯がゆい想いを和らげていたよ。アメリカ選手権への参加権利を初めて獲得したとき、私は「ウルザトロン」デッキを使っていた……サイドボードに《想像上のペット》を採用してね。《想像上のペット》入りのデッキで参加権利を獲得した人が他にいるかどうかはわからないけれど、そのうちのひとりになれて私は大満足だ。

 そこで大事なことがある。ただ「他人と違うことをして勝ちたい」という目的のためだけに変わった手段をとるのは、「最善でないデッキを使う」という事実をごまかしているだけだ。そこには必ず、理由がなくちゃいけない。私の場合は、《想像上のペット》が「Zoo」デッキに効果的だった。デッキに一風変わったカードを採用して勝ちたいなら、そのための努力を徹底的にするべきだ――そうするだけの理由が見出せるまでね。

Mrpopogod:アグロ・デッキにおいて、その速さと安定感をできる限り失わずにサイドボードを組むには、どうすればいいですか?

 もうひとつ私がよく目にするミスは、過剰なサイドボーディングだ。ほくそ笑みながら10枚ものカードをサイドから入れて……入れ替えるカードに困った挙句、そのデッキに不可欠なカードを抜いてしまう。

 大切なのは、デッキ構築の段階でそれに気づくことだ。サイドボードを並べて、各マッチアップで入れるものと抜くものを確認する。そこで入れたカードのためにデッキの核に手をつけ始めたり、あるカードを一時的に「横へ」寄せ始めたりしたら、そのサイドボーディングは効果的でないと考えていいだろう。

 そしてアグロ・デッキの場合は、まさにこの考え方が当てはまる。デッキの核となる攻撃的な部分を抜いてしまうと、その強みが失われてうまく動かなくなるのだ。私からも、ちょっとしたヒントを送ろう。私がアグレッシブなデッキを使う場合は、基本的にコストの重いカードからサイド・アウトしていく。素早い動き出しだけは欠かせないし、(うまくいけば)サイド・インしたカードが重いカードの代わりに状況を変えてくれるからね。

GSR_Apple:私はデッキを組むときは、毎回テーマを決めて作っています。そのほとんどが決して強いものにはならないけれど、使っていてとても楽しいです。もしそのテーマと楽しさを維持しながら大会でも通用するデッキを組むなら、どうすればいいですか?

 たしかに、テーマ性と競技性の間にも線引きはあるね。例えば、「ウェザーライト号の乗組員」をテーマにしたデッキは、トーナメント・シーンとはまったくの無縁だろう――私の認識している範囲では、《ジェラード・キャパシェン》がレガシー環境を席巻したなんて事実はないよ。

http://media.wizards.com/2015/images/daily/RC20151123_Angry-Gerrard.png

ちくしょう、覚えてろよ!

 それでも「テーマ性」という全体を見れば、メカニズムを中心にしたテーマは競技性とも繋がっていく。例えば、「部族」などのメカニズムをテーマにしたものだ。「同盟者」はデッキとしてしっかり機能するし、「濫用」も十分デッキになる。「嚥下」と「昇華者」もデッキとして形を成すだろう。それらはすべて、ひとつのメカニズムで固めることでアドバンテージを得られる構成になっており、テーマ性もしっかりと意識されている――まずは、こういうところから始めてみるといいんじゃないかな。

@jjelin:「メタゲーム全体に合わせて調整する」のと「実際に最近戦ったデッキを倒せるように調整する」のは、どのようにバランスを取っていけばいいですか?

 素晴らしい質問だ!

 そのふたつは、特に「よく行く店舗」くらいの規模の環境では、非常に近いところにある。

 地域のメタゲームに限って言うなら、データを集めてその地域で大きな活躍をしているデッキを特定することが鍵となるだろう。例えば、1度のフライデー・ナイト・マジックで「エルドラージ・ランプ」と2回当たって負けても、偶然で片付けられる。だが3週連続でFNMに出て、毎週「エルドラージ・ランプ」と2回当たって負けるなら、手を打つべき大きな問題があると判断していいだろう。

 さらに規模を広げてグランプリやプロツアー予選くらいになると、そこで対峙するプレイヤーたちは地元のメタゲームを排した調整を行い、世界的な流行に合わせてデッキを仕上げてくる。(私がプレイヤーだった当時は大型イベントに参加するたびに、「言っておくけど、このへんの地域ではみんなコントロールを使ってるよ[これはアグロだったり他のデッキだったり、地域によって違う]」と誰かが私に言ってきたように思う。彼らの予想はまったくの見当はずれだった)。こうなると、その場では「実際に最近戦ったデッキ」とは当たらず、「世界中で戦っているデッキ」と当たることになるのだ。そういう状況なら、私はそのデッキと渡り合える武器を持てるようにデッキを調整するよ。

 最後にもうひとつ。メタゲームを予測するというのは、「その場にどのデッキがあるか」だけではなく、「その場にどのデッキが『ないか』」まで予測するものだ。モダンに新しいコンボ・デッキが現れた? プレイヤーたちは恐らくアーティファクトへの対策を減らしてそのコンボへの対策をとり、そうなれば君たちの《頭蓋囲い》が一気に活躍の機会を増やすだろう。今はコントロールを使うプレイヤーがいない? なるほど、恐らくコントロール・デッキの力が弱まっているのだろう――だがそれは裏を返せばコントロールへの対策がとられていないということであり、結果を出せる可能性があるということだ。一見ネガティブな要素にも、様々な意味を見出すことができるのだ。

Sarpadianempiresvol-viii:強くて使いたいカードが多すぎる場合、デッキに採用するものと採用しないものはどのように判断すればいいですか?

 これもデッキ・ビルダーにとって本当に悩ましいことだね! ああ、わかるとも。誰もが向き合うべき難題だ。

 強力なカードが豊富な場合、私はそこから「シナジー」を求めて各カードを検討する。緑と白のデッキを使っていて《スラーグ牙》を採用するつもりなら、他にも強力な4マナ域があっても《修復の天使》が頭ひとつ抜ける結果になるだろう。なぜなら、デッキの他のカードとの強いシナジーを持つからだ。

 個人的には、対戦相手の動きに干渉できるタイプのカードも好きだ。そうすればゲーム全体に手を出せるようになるからね――こちらのデッキが強力なカードばかりなら、目の前で起きていることに干渉する手段が増えれば勝利は確実だ。それが理想だね。

 今日はここまで! 今回の記事について何か意見や感想、質問があれば、ぜひ聞かせてくれ。いつものように気軽にツイートを送ったり、Tumblrで質問してくれれば、必ず目を通すよ。

 改めて、たくさん質問をくれてありがとう。それではまた次回お会いしよう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

最新Reconstructed記事

RECONSTRUCTED

2016年 1月 18日

コジレックの帰還 by, Gavin Verhey

 コジレックの再登場は実に衝撃的なものだった。  ゼンディカー全土が救われると思われたそのとき、大地が鳴動し、地の底で眠る怪物が目覚めた――コジレックが再び地表へと姿を現した。  プレインズウォーカーたちが恐れていた最悪の事態が、現実のものとなったのだ。  君たちももう、コジレックの姿をその目で見たことだろう。その血族や彼のもたらした荒廃、そして無色マナを扱う様々なものを...

記事を読む

RECONSTRUCTED

2016年 1月 11日

ジョリーといっしょ by, Gavin Verhey

 『ゲートウォッチの誓い』プレビューにようこそ!  このセットでは、すごい試みがいくつも行われている。いくつか例を挙げると、キーワード能力の支援や怒濤もそうだし、それから、もちろん、無色マナ・シンボルもそうだ。私は『ゲートウォッチの誓い』のデベロップ・チームに参加していたので、それらがいかに作り上げられたかを思い出すと恍惚としてしまうよ。  とは言え、私たちはこのセッ...

記事を読む

記事

記事

Reconstructed Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る