集合した中隊コンボ

更新日 Reconstructed on 2015年 4月 28日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 4月10日から12日にかけて開催されたプロツアーという最高レベルの競技プレイ環境に、『タルキール龍紀伝』が初登場した。このスタンダード・フォーマットを舞台に、プロプレイヤーたちは最後の一人になるまで自身のドラゴン・デッキをぶつけ合った。

 しかし、ドラゴンが影響を与えようとしているのは、スタンダードだけではない。

 今回の「ReConstructed」で扱うのは私が大好きな題材の1つ、モダンだ! モダンを題材にする回に投稿されるデッキは、常に私に驚きと興奮を与えてくれる。それは今回とて例外ではない。

 モダンという題材を2倍興味深くするのが、今週のDailyMTGのテーマ、「2つ選ぶ」だ。ReConstructedにとってそれは何を意味するのか? そうだな、そのテーマをより具体的に表現するぞ。

 題材にするデッキを2つ選ぶ? そうさ!

 その2つのデッキは調整後、新しい『タルキール龍紀伝』のカードが重要な位置をいくつも占めているだろうか? もちろん、2つともそうさ!

 2つのデッキのどちらにも採用されているカードとは? 2つ選ぶカードだ!

 この記事の書く上で、多くの選択肢を分類するために、複雑なベン図を書く必要があった。言うまでもなく、君たちが考えている命令サイクルのようなものとは異なったものになったんだ! そうそう、私の選んだものは、命令サイクルなんかよりもびっくりするような2つを選べるぞ。

 いったい何が起こるのか、それに向き合う準備はいいかい? さあ、「続きを読む」ことを選ぼう!

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集合した中隊》 アート:Franz Vohwinkel


集合した頑強

 大興奮を生み出すそのカードについて、最初に明らかにしておこう。『タルキール龍紀伝』の緑のインスタント、《集合した中隊》だ。

 今のスタンダードなら、このカードを使っていくらか良さそうな動きができる。では、これをうまく利用した、これ中心のデッキを本気で構築したいとしよう。そうなると、デッキのほとんどを有能かつ低マナ域のクリーチャーで満たす必要がある。しかし、スタンダードのカードプールでは、それはかなり難しい。デッキが充分な数の低マナ域クリーチャーで満たされているかどうかは、《集合した中隊》で2枚のクリーチャーを見つけ出せるかどうかに関係してくるので、極めて重要な部分だ。構築の余地は十二分に存在するが、スタンダードのデッキではこれを使っても必要なものが絶対に見つかるというわけではない。

 モダンでは話が全く違ってくる。

 モダンは軽くて効果的なクリーチャーを基盤に構築できるフォーマットだ! これまでに、複数の軽量クリーチャーをコストを払わずに出すカードの居場所があったフォーマットといえば、モダンがまさにそれだ。

 例えば、このデッキは、馴染み深いものを積極的に採用しているぞ。

ジェフ・ヴァン・エグモントの「集合コンボ」

モダン
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 メリーラ頑強コンボをご存知の読者は多いだろう。(今は安らかなる眠りについている)《出産の殻》デッキを過去に使ったことがあるなら、なおさらだ。しかし、動かし方をご存じない読者のために、基本的な動きを説明しよう。

ステップ1:《残忍なレッドキャップ》か《台所の嫌がらせ屋》のどちらか、それと《シルヴォクののけ者、メリーラ》の2枚を出しておいて、何度もクリーチャーを生け贄に捧げることが可能な手段を展開しておく。

ステップ2:頑強持ちクリーチャーを生け贄に捧げる。

ステップ3:頑強持ちクリーチャーがその「戦場に戻る」効果を誘発して戦場に戻る。しかし《シルヴォクののけ者、メリーラ》がいることで、戻ってきた頑強持ちクリーチャーに-1/-1カウンターは置かれない。以降-1/-1カウンターが置かれることなく自身の頑強が継続するため、ステップ1から3を好きなだけ繰り返すことで、数百万のライフを獲得したり対戦相手に数百万のダメージを与えたりできる。

 これに必要なのは3体のクリーチャーだ。

 3体の小型クリーチャーだ。

 (《残忍なレッドキャップ》を除けば)点数で見たマナ・コストが3以下の、3体のクリーチャーだ。

 まさに《集合した中隊》のためのコンボじゃないか!

 これらのクリーチャーのうち1種か2種を普通に引く可能性はかなり高い。その後、《集合した中隊》が1枚あればコンボの残りをそろえる助けになる――そしてそれはインスタント速度で行われるんだ。仮に戦場にどれも出せていなかったとしよう。それでも、対戦相手のターン終了ステップに《集合した中隊》を唱えて何体か見つけ出し、その後自分のターンに残りのクリーチャーを出して、そのままゲームに勝つ、というのも極めて簡単なことだ。

 さて、《集合した中隊》はこのデッキにとってかなり強力な助っ人だ。しかしながら、このデッキが『タルキール龍紀伝』で獲得した大きな構成要素はこれだけではない。このセットがこのデッキのために用意した別の素晴らしいカード、それは《族樹の精霊、アナフェンザ》だ。

 なぜこれが素晴らしいのか? それを説明しよう。マジックには、このカードと密接に関係する、普段は目立たないルールがある。-1/-1カウンターが置かれているクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれた場合、その2種類のカウンターを同じ数だけクリーチャーから取り除くのだ。

 通常、戦場でのクリーチャーのサイズを見やすくする以外の意味は無い。とはいえ、頑強で-1/-1カウンターを伴って戻ってくる状況でそれを取り除けるなら、そのクリーチャーは再び頑強できるということになる!

 3枚コンボの《シルヴォクののけ者、メリーラ》を《族樹の精霊、アナフェンザ》と入れ替えてみよう。その場合、頑強クリーチャーを生け贄に捧げてそれが戦場に戻ってきたとき、《族樹の精霊、アナフェンザ》の能力が誘発する。そして鼓舞1により、最もタフネスの低いクリーチャーに+1/+1カウンターを1個置く。対戦相手が感染デッキで、《巨大化》をこちらのクリーチャーに使ってくる、なんてことでもない限りは、常にその頑強クリーチャーを鼓舞できる。なぜなら、《台所の嫌がらせ屋》も《残忍なレッドキャップ》もタフネス1で戻ってくるからね。頑強の-1/-1カウンターを鼓舞の+1/+1カウンターが取り除くことで、この工程を再び繰り返せるようになり、「無限」で勝てるようになる。

 ああ、私のようなコンボ好きにとっては甘美な響きだ。

 こういったデッキではどこを調整したものだろうか? そうだな、こういったデッキには様々な要素が必要になってくるものだが、いくつか改善できる余地がまだあるぞ。

 《夜明けの集会》は理屈の上ではよさそうに思えるが、実際にはそれほど効果的ではない。戦場に影響しないもののために手札1枚と3マナを費やすのは、ちょっと遅いね。さらにこれには、選んだカード全てを引き終わるまでフェッチランドを使えない、というようなランダム要素に対する否定的側面がある。《集合した中隊》に向けて準備できるのはいいことだが、《夜明けの集会》よりは、すぐに戦場にクリーチャーを出せる選択肢として《召喚の調べ》4枚を採用するかな。

 加えて、《召喚の調べ》で持ってくる1枚挿しについて少し調整したい。メインデッキに《オルゾフの司教》や《イーオスのレインジャー》が本当に必要だろうか。それよりは、《永遠の証人》を1枚入れておきたい。《召喚の調べ》で出して、墓地に行ってしまったコンボパーツを回収できるようになる、というだけではない。《集合した中隊》で《永遠の証人》を見つけた場合に、その《集合した中隊》を回収することも可能だ! どんな状況でも素晴らしいカードだね。

 別の生け贄手段として、また除去に対する復帰力になるかもしれないものとして、《カルテルの貴種》も1枚採用したい。これらのちょっとした調整の結果、デッキはこうなった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「コレクター」

モダン
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 このデッキは他にも色々と手を加えられるだろう。例えば、《復活の声》と《突然の衰微》は、こういったデッキでは常に考慮できる定番カードであり、頼れるかもしれない。メインに《クァーサルの群れ魔道士》を採用するのもありえる。ともあれ、今回はできる限りコンボを重視した、合理的なリストにしたかったんだ。

 これは間違いなくモダン環境で使える、しかも大きなモダン・イベントでのプレイすら考慮できるデッキだ。『タルキール龍紀伝』が使用可能になってからまだ比較的日が浅い。しかし《集合した中隊》+頑強のデッキはすでに、リカルド・ファン・デン・ボガード/Ricardo van den Bogaardの手によってオランダのプロツアー予備予選で結果を出したと聞いている。そう聞けばこのデッキが気になるだろう。これは将来モダンで重要な位置を占めるデッキになるかもしれないぞ。


集合した速攻

 《集合した中隊》は探しているパーツをずばり見つけ出すだけでなく、クリーチャーを戦場に「コストを払わず」出すカードでもある。

 これは通常、多少のマナ節約とカード1枚分の得になるだけだ。煎じ詰めればカードとテンポのアドバンテージを得るか、あるいは上のデッキのように、瞬時にコンボを組み立てて相手を倒すことで「ゲーム・アドバンテージ」を得るか、という話になる。

 しかし次に紹介するデッキは、戦場にクリーチャーをタダで展開する要素を中心としてデッキが組まれているんだ。

 これを見てくれ。

ネコマタ師範の「コストキャンセル・コレクション」

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 《時代寄生機》? 《マイアの超越種》? 《タララの大隊》!? どうなってる!

 ああ、言ったとおり、このデッキはコストを払わずにカードを展開していくのが狙いだ。

 《集合した中隊》(と、その片棒を担ぐ《霊気の薬瓶》)のおかげで、これらの低コストカードが持つそれぞれの制限全てを完全に無視できる。

 《マイアの超越種》を唱えるには、クリーチャーから生み出したマナを使う必要があるって? いや、《集合した中隊》で直接戦場に出すから気にしないよ。

 《時代寄生機》は4/4として戻ってくるために、死んで待機しなきゃならない? そんなに待つ必要はないね! カウンターが2個置かれた《霊気の薬瓶》をタップするだけでいいんじゃないか?

 このデッキの強力なクリーチャーのほとんどは特定の方法によるプレイを要求してくるが、このデッキはそれらの制限を完全に回避する。対戦相手のターン終了ステップに《スカーブの殲滅者》を2体展開したいなら、このデッキを使おう!

 唯一の変更として、マナ・クリーチャーの数を増やしたい。《霊気の薬瓶》が来なかった場合に《マイアの超越種》や《タララの大隊》を出す助けになるだけでなく、加速することで《集合した中隊》を3ターン目に唱えることも可能だ。

 《幻影の天使》ではこのデッキが求める強さの基準に届かない。しかし《スカーブの殲滅者》は、序盤にコストを払わず出してもよし、後半に戦力の追加として出してもよし、の本当に強力なカードだ。タッチ色でダブルシンボルを求めるカードというのは少々気がかりなところだが、ほとんどの場合これのマナ・コストを支払うことはないので、3枚にしてもいいんじゃないかな。

 《予期》はこのデッキで使うにはちょっと力不足だ。《集合した中隊》や《霊気の薬瓶》はこのデッキを動かすために必須だが、それらを探すための時間を作る余裕は無い。それらを自然に引き当てるか、積極的にマリガンして確保することが求められる。

 これらの変更により、デッキはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「タダ出し」

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 私のモダン経験上、このようなデッキはほとんど見たことがない――私はモダンのそういうところが大好きなんだ。何年にも渡って新しいデッキが登場し、いまだに様々な方法で何度も私を驚かせてくれるんだからね!

 このデッキはまさに荒馬を乗りこなすがごとくだ。ちょっとかみ合わない場合もあるかもしれないが、1ターン目に《霊気の薬瓶》を展開できる試合では、対戦相手は予想より遥かに早く特大クリーチャー軍団に直面することになり、まったくもってひどいことになる。そうさ、《マイアの超越種》を出せるなら誰が《タルモゴイフ》を必要とするんだい?

 このデッキを楽しんでくれ!


今週のマッカーター選

 「今週のマッカーター選」では毎回、記事の残りのほとんどを使って読者が投稿してくれた素晴らしいデッキを紹介している。私は今回デッキを2個しか選べない立場だったが、素晴らしい選択肢はもっとたくさんあるぞ! 見てみよう!

サイトウ タクヤの「死に微笑む」

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クォールの「緑親和」

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スタブロスの「赤単・龍冠雪月コントロール」

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イアン・マクドナルドの「青単・熟練工」

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Smash20101の「新生」

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マシュー・リゴールの「逃れられぬエンチャント」

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Lundizzの「シャーマン」

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ジャック・アドコックの「これぞグッドスタッフ」

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ヒラオカ タクの「エルフ・アグロ」

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Frogueの「視野狭窄・奈落の総ざらいコンボ」

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