さあ、取り引きだ

更新日 Reconstructed on 2015年 6月 30日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 悪魔は「取り引き」を好む。

 あるものは魂を。またあるものは心を。それから、血を求めて取り引きするものも多い。何であれ両者の合意が刻まれれば、悪魔は願いを叶えるだろう。

 ではその願いが5/5の飛行クリーチャーだったら?

 リリアナは「若さ」を願った。それに比べたら、5/5飛行クリーチャー1体くらいなら容易いものだろう。

 じゃあそれを願うのなら? では、こいつを紹介しよう。

http://media.wizards.com/2015/origins_askdf9aj2399v/jp_WTRDJp10IL.png

 5マナで合計パワー7(そのうち5点分は飛行もある)という打点は強烈だ!

 欠点? そうだね、ひとつだけ小さな欠点がある。まあ毎ターン2点のライフを支払うくらい、大したことないだろう? ライフをすべて失うまでは、時間はたっぷりとある。

 そんなことを心配するより、デーモン・トークンの方にはその欠点がないことに注目してくれ。それは本体のクリーチャーだけなのだ!

 つまり何が言いたいのかというと、〈血の儀式の司祭〉をプレイしてから対戦相手が攻撃してきたら、〈血の儀式の司祭〉本体でブロックすれば、結果的にデメリットのない5マナ5/5飛行クリーチャーになるわけだ。

 さらに、アグレッシブなデッキを使っているなら、〈血の儀式の司祭〉本体で攻撃し続けるのもいいだろう。対戦相手がそれをブロックすれば、毎ターンこちらのライフを蝕む効果は消えてなくなるし、ブロックしなければ、こちらのライフが2点失われ続ける代わりに相手も2点のダメージを受け続けることになるのだ! このカードが交わす「取り引き」は、実は相手にメリットのない、ただ厳しい状況に追いやるだけのものだったわけだね。

 ではこのカードは、どんな構築に向いているだろうか? いくつか考えられる選択肢を見ていこう!

突撃の黒

 毎ターン2点のライフを失っていくものをうまく扱うには、どうすればいいだろう? 一番いいのは、そんな小さなライフロスなんか気にしないことだ!

 そこで、ゲーム序盤の妨害手段も備えた超高速の黒単デッキに、5マナで合計パワー7の〈血の儀式の司祭〉を加えてやるのはどうだろうか?

 ちょっとこいつを見てくれ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「黒き血の儀式」

Download Arena Decklist
ソーサリー (3)
3 思考囲い
インスタント (5)
3 胆汁病 2 英雄の破滅
アーティファクト (2)
2 エレボスの鞭
エンチャント (1)
1 悪魔の契約
60 カード

 このデッキは、君の本体にいくらかダメージを与えてくるだろう。だが、覚えていてほしい――失って困るのは、最後の1点だけなのだ。こちらのライフがあと1点になろうと、対戦相手がその1点を削れなければ、こちらの勝ちだ。また、こちらが少しくらいダメージを与えられても、このカードが相手に与えるダメージは、それとは比べものにならない! 10枚採用されたパワー2の1マナ域でゲームを始めれば、相手は序盤からダメージを受けていくだろう。その後なんとか攻勢をしのいでも、《責め苦の伝令》や《冷酷な軍族》、そして〈血の儀式の司祭〉が残りのライフを奪い取るはずだ。

 《アスフォデルの灰色商人》のようなカードは、対戦相手が例えば《神々の憤怒》などで盤面を一掃するとその力を失ってしまう。一方〈血の儀式の司祭〉はいつプレイしても攻撃力が変わらず、強大な脅威となるだろう。

 もちろん、失ったライフを取り戻すべきときもあるだろう。1枚挿しの〈悪魔の契約〉は、勝利を掴むまであとほんの少しだけ燃料が足りず決着が付かなかったときに活躍してくれるはずだ。ただし、「契約」は自己責任で頼むよ。

 このデッキで最も面白いカードは、恐らく《エレボスの鞭》だろう。このカードは大量のライフを取り戻すだけでなく、〈血の儀式の司祭〉を墓地から戦場に戻してくれる――〈血の儀式の司祭〉はその後追放されてしまうものの、5/5のトークンが残るのだ。ぜひ成立させたい取り引きだね!〈血の儀式の司祭〉がただの5マナでパワー7のクリーチャーと大きく違う点は、その能力を繰り返し使ってこそ発揮される。このデッキに赤を加えれば、《炎駆の乗り手》のようなカードで次から次へと5/5トークンを生み出せるだろう。同様のギミックは他にもたくさんあるぞ。実を言うと、〈血の儀式の司祭〉が持つ相互作用を活かすまったく違った形のデッキも作れるのだ!

血の儀式の瞬き

 5/5飛行は1体でも十分だ。2体ならなお良い。じゃあ4体なら? やって見せようじゃないか!

 5/5の軍勢(と「戦場に出たとき」の能力を持つ集団)を揃えることが、このデッキの狙いだ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「血の儀式と星座コントロール」

Download Arena Decklist

 まばたきは厳禁だ。さもなくば、このデッキの勝利の瞬間を見逃してしまうだろう。

 多くのコントロールと同様に、このデッキも除去呪文を駆使して序盤の脅威を食い止めようとしている。だがこのデッキにある除去の数々はエンチャントだ。なぜだろう?

 そう、「星座」さ!『ニクスへの旅』で登場したこの能力は、エンチャントを戦場に出すたびに様々な効果を誘発させる。中でもこのデッキの主力となるのは?《空封じ》だ!

 《空封じ》は、エンチャントを戦場に出すたび、何かを一時的に追放できる。その「何か」に、〈血の儀式の司祭〉をオススメしてもいいかな?

 すると、あっという間に5/5飛行のデーモンの軍勢が君たちの手先となるだろう。《死の国の造幣工》は〈血の儀式の司祭〉によるライフ損失を抑える助けになるし、《ジェスカイのバリケード》は〈血の儀式の司祭〉を再利用するのに使える。《空封じ》で《ジェスカイのバリケード》を何度も対象に取ってやれば、1体ずつ順番にクリーチャー・エンチャントを手札に戻せるだろう。さらに《空封じ》が2枚機能し始めれば、小さなアドバンテージを重ねることもできるのだ。

 《空封じ》を使ったトリッキーな動きには、他にも特筆すべきものがある。それは《見えざるものの熟達》との組み合わせだ。エンチャントが裏向きで戦場に出たら、それを《空封じ》で追放してやろう――すると、そのエンチャントが戦場に戻ってきたときに再び《空封じ》の能力が誘発するのだ! また、どこからともなく《払拭の光》が現れるというのも、対戦相手にとって間違いなく厄介な動きになるだろう。

 それから、《通行の神、エイスリオス》もこのデッキに噛み合っている。対戦相手としては「戦場に出たとき」の能力を何度も使われてはたまらないので、ライフの支払いを強いられることになるはずだ。

 とはいえ、このデッキの主な勝ち手段が5/5のデーモン・トークンであることは変わらない。しっかりとデーモンの軍勢を作っていこう。ありがとう、〈血の儀式の司祭〉!

「ReConstructed」の儀式

 私の『マジック・オリジン』プレビューは以上だ! 先週と今週で、私はクールな新カードをお披露目した――さあ、今度は君たちの考えを見せてくれ! 可能な限り最高に楽しい『マジック・オリジン』導入後のスタンダード・デッキを組み上げて、私に送ってほしい!

フォーマット:『マジック・オリジン』導入後のスタンダード

デッキの制限:『マジック・オリジン』のカードを1枚以上選び、それを特に中心としてデッキを構築すること。

締め切り:7月8日(水) 午前10時(日本時間)

投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain

4 Satyr Firedrinker

3 Ash Zealot

4 Lighting Bolt

(以下同様)

 カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)

 締め切りを少し伸ばしているから、もう数日で公開される全カードリストを確認する時間もあるだろう。

 『マジック・オリジン』は、私たちがこれまで作ってきたどんなセットとも一線を画したものだ。10個の世界に、ふたつの新たなメカニズム、5人の両面カードのプレインズウォーカー、そして一風変わったカードの数々。君たちの考えを見るのが待ちきれないよ! きっと破天荒なものでいっぱいになるだろう。

 それまでの間、今回の記事について何か意見や質問があったら、気軽にTwitterやTumblrで声をかけて欲しい。必ず目を通すよ。君たちの意見を聞くのはいつでも大歓迎さ!

 どうか『マジック・オリジン』を使ったデッキ構築を楽しんでくれ――言うまでもなく、私は楽しんでいるよ!

 それではまた来週。

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing)

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