お前にできることなら……

更新日 Serious Fun on 2006年 1月 10日

By Anthony Alongi

Translated by Yoshiya Shindo

 まず始めに、親愛なる読者諸氏に言っておく。今回のコラムのコピーを取りたいようなら、読む際にを支払っておくと自動的にリンクができるらしいぞ。

知っておくべき複製のルール

 複製なるものが与えてくれる恩恵を全力で活用する――あるいは自分で混乱に陥らないようにする――には、いくつかのガイドラインを理解しておかなくちゃいけない。一回だけだ、繰り返しは無いぞ! (わかったか? 繰り返せって? 複製しろってか? かーっ、ノってきたぁ!)

  • 呪文をコピーすると、色々コピーされてくる。ちょっとお前の頭をひっかき回してやろう。いいか、カード名、マナ・コスト、色、タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、文章欄なんかだ。さらに、プレイの際に行った選択なんかも含まれる――モードとか、Xの値、バイバックのコストが支払われたかどうか、その他諸々だ(バイバックと複製をいっぺんにやるなんざ、かなりキてるぜ!)。
  • 複製コストは、その呪文の他のコストを支払うときに支払う。別な言い方をしようか――呪文をプレイして、打消しが飛んでくるのを待って、それからコピーを作るなんてことはできない話だ。
  • それぞれのコピーは互いに独立している。オリジナルの呪文とも別物だ。お前が複製を宣言してコストを全部支払ったら、コピーは全部スタックに置かれる(順番は好きに選んでいい。忘れるなよ――後入れ先出しだぞ!)。そいつらが解決される前、あるいはその内一つを解決する度に、みんなはインスタントや能力を使える。そのインスタントだの能力だのノおかげでオリジナルの呪文の対象が無くなってしまったら……コピーの対象が別なものになってるんなら、そいつらはそのまま解決だ。

 これ以上の疑問とか回答は、ギルドパクトのFAQを待ってくれ。あるいはルールの偉い人のページにでも行って、「コピー」に関する項目なんかをじっくり読んでおくといい。コピーに関するルールは503項だ。

殴って、すすいで、繰り返し

 さて、《複写作成/Mimeofacture》をじっくり見る前に、様々な戦略における複製について話をしておこう。複製はイゼットギルド()のキーワードで、つまりこいつはギルドパクトに大量に登場するってことだ(その中には、ちょっとした、その、啓発されるような複製技術もあるだろう)。

 ほとんどの読者はこいつにはすぐ同意してくれるはずだ。ギルドはイケている。複製は多人数ゲームでは素晴らしい能力だ。チャンスがあるようなら、多人数ゲームにおける複製を実験してみるといい。どうすりゃいいかって?

  • たくさんの相手を敵に回すことがつらいデッキなら、単純に一つだけを対象にするバウンスやバーンを、複数を対象に取れる複製バージョンにするといい。
  • 複製をテーマにしたデッキを一つ組んで、どうなるかを見てみろ(《ほとばしる魔力/Mana Flare》を忘れるなよ!)。
  • 複製デッキは他のデッキと同じ弱点を持っている(例:恐るべきエンチャント)から、複製を手札捨てとか打ち消し呪文とか強奪とか大混乱(例:《兵員の混乱/Confusion in the Ranks》)とかでバックアップしてやろう。

 複製を使ってみれば、こんなことが起こるだろう。

  1. 複製は多人数ゲームにおいては強力な道具だ――しかもそれを必要としている二色の組み合わせに存在する。青と赤は多人数では苦戦を強いられる。その理由の多くは、この色の組み合わせを使うプレイヤーのほとんどは、相手を一人ずつ焼き落としていく“カウンターバーン”戦術好きだ。こいつは一対一ならうまく行く。しかし、四人の敵が一斉に襲い掛かってくるような状況だと、ほとんどの基本的なデッキは押しつぶされちまうのさ。
    Fork》とか《双つ術/Twincast》は悪くは無いが、それでも一対一交換には変わり無い――どうにかしたいパーマネント(あるいは呪文)一つにつきカード一枚かかるんだ。しかし、複製と大量のマナがあるんなら、もっと遥かに生産的にいける。高額レアの多くがどうにもできないような状況を、たった一枚のコモンが驚愕と共にひっくり返しちまうことも可能なのさ(ああ、確かに今回のプレビューカードはレアだ。でも俺が話をしてるのは、この先に待ってるもっと広いカードプールの話だ)。
  2. 相手がこっちのデッキを理解してきたら、複製は抑止力となってくれる。最初の何回かは、お前は最悪の状況をねじ曲げて華麗に脱出し、意地悪な敵を骨抜きにして、仰天な目にあわせてやれるだろう。そこから先は、可能性は二つに分かれる。相手が“一致団結”してお前に突っかかってくるか、優柔不断な状態に陥るかだ。みんながお前の行動を恐れているんだからな。どちらにせよ、お前にとって最善の戦術は、できるだけ多くのマナを残しておくことだ――そしてデッキをたびたび直すこと。そうすりゃ、お前の行動に皆が飽きるなんてことは無いはずさ。

  3. チーム戦における複製は凶悪だ。例えば双頭巨人戦なんかで、相手のプレイヤーそれぞれの最強パーマネントを、一枚のカードとちょっと多目のマナで処理できたとしたらどうだろうか? この環境では、複製はキッカーと似てくるし、状況によってはバイバックのように感じるかもしれない(掲示板の熱狂的保守派のお歴々が、アロンジ様の発言に対して、「複製がバイバックだとさ!」なんて言いながら断固とした態度で議論を挑んでくるのが目に見えるようだな。そういう意味じゃないんだが、文句を言ってくるやつらは何をやってもからんでくるもんさ。やりたいようにやらせてやろうぜ)。
    やってるのがリミテッド版のチーム戦(双頭巨人シールド戦とかだな)で、複製カードが一枚なり二枚なり出てくるようなら――特にそれがパーマネント除去なら――絶対使ったほうがいいぜ。必殺の一撃になるぞ。
  4. マナを残しておくのが問題。今回のカードは違うけど、大抵の複製呪文はインスタントだ。つまり、自分のターンには“何もしない”ってことを選んで、相手のターンにおける選択肢を残したくなるのがしょっちゅうってことだな。こいつは時として厳しいことだ。状況によっては、積極的に展開したくなるときもあるだろう。俺からのお勧めは、複製デッキにインスタント速度で出せるパーマネントを混ぜることだ――《針虫/Needlebug》とか《神秘の蛇/Mystic Snake》とか《悪忌の守護神/Patron of the Akki》とかさ。こうすれば、複製の適当な対象が無いとわかった時点で、相手のターンの最後にクリーチャーを場に出せるだろう。

複写でドン?

 今回のプレビューカードはソーサリーだが、こいつが全体の中で最強の複製呪文だってのは明らかだ。理由だって? 多人数ゲームの終盤戦で、こいつは各対戦相手の最強カードの複製をまとめて作ることができるからさ。

 想像してみるといい。五人対戦でお前の敵どもが出しているのが、《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》、《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》、お供の苗木を百万体も従えた《新緑の魔力/Verdant Force》、それから《熱心な士官候補生/Eager Cadet》だとする。そして、こいつは終盤戦だ――お前の手元にはぐらいあるだろう。そいつを使っちまおう。《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》を出してるやつはタップアウトしているから(馬鹿なやつだ!)、《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》と《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》と《新緑の魔力/Verdant Force》と《熱心な士――いやその、《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》のやつの山を複写してやろう。そうすれば、伝説の天使は死ぬし、《沸血の巨像/Bloodfire Colossus》は(百万体の苗木と共に)元々の巨像と散ってくれるし、お前の新《新緑の魔力/Verdant Force》は残った一体とにらみ合いだ。一枚のカードでの結論としちゃ、悪くない状況の変化だな。

 ここで注意点を。《複写作成/Mimeofacture》はあくまで相手に合わせて動くカードだから、状況によっては手札で腐る可能性もある。ゲームの序盤にはぜんぜん要らないだろう。誰が《丘巨人/Hill Giant》を《複写作成/Mimeofacture》したいんだってなあ? つまり、デッキのテーマがコピーで無茶苦茶をやりたいんじゃないかぎり、入るのは二枚ぐらいだってことだ。

クリエイティブに、時にはしち面倒くさく

Psychogenic Probe

 《複写作成/Mimeofacture》で引っ張ってくるのは理論的には何でも好きなカードだから、大量のマナを使って何か“新鮮な”ことがやりたい人間にとっては、こいつは面白げな一枚だ。言っとくが、このトリックはグループで二回なり三階なり以上はやらないことだ――こいつはイラつくし、お前が若造で明け透けな笑いを隠さないようなら、イラつくってのはお前が思うほど面白いことじゃないぜ。

 これから紹介するトリックは、どちらも必要なだけマナがあるって過程になっている。まあ、邪悪で“聡明な”無限マナコンボでも使うんだな(そいつのやり方についてはここじゃ触れないぜ)。

  1. 基本土地を対象にする。そいつを15回から600回ばかり複製して、コントローラーとタイプを可能な限り指定する。おそらくは(絶対とは言わない。注意深くやらないといけないぜ)全てのプレイヤーの全ての森と平地と山と島と沼をデッキから引っ張り出して、自分のコントロールにできるだろう。あとはゲームの残りの間、その手のプレイヤーが土地を出すのを妨害するだけだ(言っとくが、確実に勝てるってわけじゃないぞ)。
  2. 場に《心因検査器/Psychogenic Probe》を出す。何かを対象にする。こいつをX回複製する。Xはその対戦相手のライフの半分だ。他にも敵がいるようなら、そいつのライフのためにも追加のX(とふさわしい対象)を用意するんだな。

防衛手段

Shelter

 複製(《複写作成/Mimeofacture》限定じゃないぜ)に対する防御の方法として、俺から進められるのはこの三つだ。

  1. 白の“ちらつき”効果やプロテクション。《来世への旅/Otherworldly Journey》や《パララクスの波/Parallax Wave》や《避難/Shelter》や《栄光/Glory》など、白には厄介な複製に対抗する素晴らしい妨害手段が揃っている。
  2. 手札捨て。複製を効果的に使うには大量のマナが必要だ。つまり、肝心のカード自身は、それなりの間手札に眠っていることになる。《強要/Coercion》やその他の仲間にとっては十分な時間だよな。
  3. 強力なエンチャントはエンチャント除去が苦手だ。《Ritual of Subdual》や《墓穴までの契約/Grave Pact》といった強力なカードを基盤にすれば、純粋なクリーチャー系デッキを使うよりは複製デッキといい戦いができるだろう。

 カードは他にもまだまだある。お前が複製主義者か反主義者か知らないが、いずれにせよ幸運を祈ってるぜ!

 アンソニーは多人数戦マジックを七年以上プレイしているが、それよりも長い間作家生活をしている。2005年の8月に出た、彼の妻であるメリージャニス・デヴィッドソンとの共著によるヤングアダルト向けのファンタジーの新作「Jennifer Scales and the Ancient Furnace」(ジェニファー・スケイルズと古き炉)は、Berkley Books社から発売中だ。

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