波のプールにコイン投げ

更新日 Serious Fun on 2004年 9月 14日

By Wizards of the Coast

Translated by Yoshiya Shindo

今週は真っ先にカードから行こう。

 長いこと読者をやってるやつなら、俺がコイン投げカードがそんなに好きじゃないのは知ってるよな。俺はこのメカニズムが、赤の“無作為に公開”ってメカニズム(《うつろう爆発/Erratic Explosion》とか)の陰に隠れて消えていくのを見るのが好きだ。しかし、ウィザーズの奴らもそれで俺が喜んでいるのを知ってて、俺に“タイプじゃない”プレビューかードを割り当てやがった。だけど、俺は喜んでそれを受けたさ――なぜだかわかるかい? こいつは俺の多人数ゲームの哲学にほとんどぴったりだからさ! 小ざかしいウィザーズめ! それじゃ、本物のカードを見るとしよう。

 ルール上のメモをいくつか。

  • 誘発型能力はブロッカーが割り当てられたらすぐに誘発する。つまり、コイン投げと生け贄は戦闘ダメージが割り当てられるより前に行われるってことだ。よくわからないって奴は、戦闘フェイズのステップを見直すんだな――総合ルールを参照してくれ。
  • 誘発型能力には対応できるが、コイン投げには対応できない。ポケットにコインをちょっとの間入れておいて、コイン投げを“スタックに置く”。対応するかい (《もみ消し/Stifle》とかな。あるいは、楽観的な奴がいるとしたら、《捕食者の一撃/Predator's Strike》とかプレイしたがるかもな)? 誘発の後にプレイされたものを全部解決する。それからコイン投げだ。コインが投げられたら、どっちかがクリーチャーを失うことになる。この時点ではどちらも何もできない。
  • すべてのブロック・クリーチャーは同時に宣言される。ブロック・クリーチャーそれぞれについてコインを投げるわけじゃないぜ。この遭遇――すなわちブロック――がコイン投げ1回で行われる。ブロックしているのが孤独なリス・トークン1個だろうが、10,000体のスリヴァーだろうがだ。
  • 生け贄は破壊じゃない。新人プレイヤーはこの二つを混乱しがちだから、ここではっきりさせておこう。生け贄に捧げたものは再生できないし、破壊されないクリーチャーも生け贄からは逃れられない。
  • 「ブロックされた状態になる」効果では働かない。《窒息ツタ/Choking Vines》や《まばゆい美貌/Dazzling Beauty》では《戦いの潮目/Tide of War》のコイン投げは誘発しない。

 それじゃ、戦略的な視点からして、このカードを多人数ゲームで使うと何が起こるのか? ここに素晴らしい三段システムがある。

  1. みんなは君らがバカをやりそうなんでうめき声を上げる。バッカじゃねーの? コイン投げだとさ。イカレてるねぇ。しかし、それはすべて予想済みだ――このカードが愛らしい理由だな。
  2. みんなはカードを実際に読む。邪魔するものは何もない――君はそいつを場に出し、そいつは効果を発揮する。となれば、やつらも何が起こってるか知っといたほうがいいだろう。やつらは大量のテキストを読んで、そいつを隣に回すだろう。
  3. みんなはそいつが何をするかを理解しだす。ちょっと待てよ――俺がブロックしたら、俺の全軍が吹っ飛ぶかも知れないってのか? 俺がブロッカーに向けて突っ込んで行ったら、やっぱり俺の全軍が吹っ飛ぶかも知れないってのか? そいつは攻撃でもブロックでも同じだってのか?

 この時点から、状況はマジになる。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》の争いは、どっちがどっちをブロックしようと50%の確率になるのさ。意気地なしは強腰になる。強腰は意気地なしになる。松ぼっくりはグレープフルーツになる。オーストラリア人はアイスランド人になる。木曜日のmagicthegathering.comのライターは火曜日のmagicthegathering.comのライターになるのさ! 最高だね。

 《戦いの潮目》がマジックに持ち込んだものはほとんど類がない。こいつはあらゆるウィニーを攻撃的にさせ、あらゆる9/9の爆弾を家に抑えつけっぱなしにする……どっちかって言うと、ベッドの下かな。君がラッキーなら、コイン投げなんかしない事になるかもしれない。

 となれば、こいつでデッキを組む気になるよな。

トークンにトランペットにとどろく潮

 《戦いの潮目》はトークン・クリーチャーの大ファンだ。《Kjeldoran Outpost》や《落とし子の穴/Spawning Pit》といったトークン製造機は、このエンチャントとうまくやっていける。そして、《うろの下僕/Liege of the Hollows》と《戦いの潮目》が組み合わさると、恐るべき決戦が持ち上がるのさ!

 全体として、大量の軍勢からは少ししか攻撃なりブロックなりに行かないだろう――軍勢が少なければ、攻撃なりブロックなりに全力をつくすことになる。こいつはゲームを遅くするのか、それとも早くするのか? 基本的な算術によれば、1/1軍団は厄介ごとを引き受けて状況を遅くすべきだが、むしろもう少し激しく行くデッキを想像するのも難しい話じゃないだろう。

魅力的でぶ蜂.deq

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クリーチャー (4)
4 Gorilla Berserkers
土地 (1)
1 Pendelhaven
他 (55)
1 《ガイアの揺籃の地》 4 《カープルーザンの森》 12 《森》 6 《山》 4 《群れ叩きアヌーリッド》 4 《スパイクの織り手》 2 《ウェザーシード・ツリーフォーク》 2 《シヴのフェニックス》 4 《クローサの拳カマール》 4 《リスの巣》 4 《スズメバチ砲》 4 《磁力の網》 3 《戦いの潮目》 1 《春の鼓動》
60 カード

 ここにおける美しさの一端はトランプルだ――君のクリーチャーをブロックすることは、プレイヤーにとっては今やとんでもなくリスキーだ。なにせ、ブロックしてダメージを止める確率が50%とか言ってる場合じゃないからだ。軍団を全部失って、さらにとんでもないダメージを食らうかもしれないんだからな。

 あるいは、君は少々のリスなりスズメバチなりを取っておいてもいいだろう。そこから数ターンかけて、相手のでっかいクリーチャーどもに磁力カウンターを置いてやる。そして、《戦いの潮目》がある状態で磁力カウンターを置いたトークンを混乱の中に突っ込ませてやると、面白いことになるぜ (相手のクリーチャーの中から特定のやつだけに磁力カウンターをほうってやってもいいけどな)!

 このデッキには、ちょっと回り道風の土地破壊もある――《クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa》が土地をクリーチャーにして、《磁力の網/Magnetic Web》で土地クリーチャーにブロックを強制して、云々。

 ところで、《群れ叩きアヌーリッド/Anurid Swarmsnapper》を見ると、俺がかつて使っていた《熱射病/Heat Stroke》+《早技/Yare》のデッキを思い出す。《戦いの潮目》があれば、コイン投げバージョンはもう少し自分に有利になるだろう――《クラークの親指/Krark's Thumb》が無くってもな。

潮目に二つ.deq

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土地 (2)
1 Karakas 1 Halls of Mist
他 (58)
1 《コーの安息所》 1 《流砂》 10 《平地》 10 《山》 4 《輝きの壁》 2 《塵の壁》 4 《灼熱の槍のアスカーリ》 4 《馬上の射手》 3 《フォライアスの大部隊》 1 《明けの星、陽星》 1 《双頭のドラゴン》 1 《希望の化身》 3 《第二の日の出》 2 《早技》 2 《歪んだ秤》 3 《戦いの潮目》 4 《火猫の襲撃》 1 《モグの横行》 1 《悟りの教示者》
60 カード

Mogg Infestation
 こいつの怪しげなところを一言二言。《モグの横行/Mogg Infestation》はこのデッキでは必ずしも“強い”わけじゃないが、こいつは戦闘に出てこないやつら(《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》とか)を破壊できるし、そいつらを大量のトークンに変えてくれるから、そのコントローラーも《戦いの潮目》のお楽しみにあずかれるんだな。

 《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》がここにいる理由は、墓地に落ちたときの効果がこのカードと非常に相性がいい事をおぼえてもらうためだ。

 《早技/Yare》は戦闘のトリックとして、《戦いの潮目》が無くても面白いカードだ。《塵の壁/Wall of Dust》と組み合わせるといい動きをするぜ。

 ブロックの面白げなトリックの他に、白には素晴らしき“ゲームから取り除く”メカニズムも存在する。最初は《セラの天使/Serra Angel》とか入れてたんだが……結局《天使のトランペット/Angel's Trumpet》の方がより意地が悪いって結論になった。こいつが白赤の別バージョンだ。

高潮.deq

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他 (56)
11 《平地》 9 《山》 2 《炎歩スリス》 1 《金切り声のモグ》 4 《ヴィーアシーノの砂漠の狩人》 4 《山崎兄弟》 2 《ケルドのチャンピオン》 1 《熟達の戦士ジェスカ》 4 《アヴァラックス》 1 《ピット・ファイター、カマール》 1 《刃の翼ロリックス》 4 《パララクスの波》 4 《戦いの潮目》 2 《来世への旅》 4 《天使のトランペット》 1 《オアリムのいかづち》 1 《暴動》
60 カード

 《天使のトランペット》はクリーチャーを(命を懸けて)殴り続けさせるし、《パララクスの波/Parallax Wave》は最悪の輩にご退場いただく。君の速攻クリーチャーは素晴らしい反撃を見せるだろう。《金切り声のモグ/Shrieking Mogg》や《アヴァラックス/Avarax》や《ケルドのチャンピオン/Keldon Champion》はみんな《パララクスの波》と相性がいい。

 なんで《暴動/Insurrection》かって? 《パララクスの波》デッキは、プレイヤーが大量のクリーチャーを場に並べだすとしばしば面倒な事態になるのさ。こいつは手ごろな回答だと思うね。

 俺のデッキには、どれも白を横目でにらんだ《Karakas》が入っているのに気付いたかい? こいつはお勧めだぜ――ただし、相手も同じことをするようだと、1枚か2枚吹っ飛ぶことは覚悟しなよ。

 最後は興味深いトリックをいくつか仕込んだ青赤デッキだ。覚えとかなきゃいけないのは、《戦いの潮目》の誘発に対応して何かをする場合、(コイン投げの)解決の前にしなくちゃいけないってことだ。こいつはある種のカードの効率を下げることもあるが、一方で上がるものも出てくる。

潮昆布.deq

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クリーチャー (4)
4 Wall of Kelp
エンチャント (3)
3 Homarid Spawning Bed
他 (53)
12 《島》 12 《山》 4 《蛮行ゴブリン》 4 《熱狂のイフリート》 4 《オウムガイ》 4 《幻影の戦士》 4 《溶岩獣の戦士》 1 《高潮のクラーケン》 1 《曇り鏡のメロク》 3 《意気沮喪》 4 《偽り》
60 カード

《戦いの潮目》を使うやり方は他にもたくさんある――《独房監禁/Solitary Confinement》の陰に隠れているとか、墓地に《一瞬の平和/Moment's Peace》を落としておくとか、大々的にコイン投げをやりまくって《偶然の出合い/Chance Encounter》で勝つとか、《イチョリッド/Ichorid》なんかの自動復活クリーチャーを使うとか、《プロパガンダ/Propaganda》でさらなる防御を張るとか、《沈黙の調停者/Silent Arbiter》で怪しげな計画を見せるとか、まあ色々だ。君がこれまでにコイン投げカードを使っていなかったようなら(げほげほ)、こいつを試してみて、潮目が自分に向いているかを調べるといい。

俺が今週引越しだ――掲示板やメールの返事は遅くなるだろう。連絡を待ってるんなら、ちょっと我慢してくれよな。

アンソニーはデッキの手助けをしてやれない。彼の全精神エネルギーは、遊び仲間に何人かいる冗談好きの奴が持ち込んだ外国のコインの表裏を判別するのに注がれている。

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