津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 『マジック・オリジン』参入後のスタンダードの変革

更新日 Feature on 2015年 8月 13日

By 津村 健志

 こんにちは!晴れる屋の津村です。

 先日、昨年度の締めくくりとなるプロツアー『マジック・オリジン』が終了しました。『マジック・オリジン』のデビュー戦となったこのプロツアーですが、例によって新カードが暴れまわる、実に新環境らしい大会となりましたね。

 今週はそんなプロツアー『マジック・オリジン』で活躍したデッキと、その翌週の「グランプリ・サンディエゴ2015」までのメタゲームの流れを追っていきたいと思います。

 まずは、プロツアーのトップ8デッキをご覧ください。

プロツアー『マジック・オリジン』トップ8デッキ

  • 優勝・「赤単ビートダウン」
  • 準優勝・「青赤《アーティファクトの魂込め》」
  • 3位・「緑信心タッチ赤」
  • 4位・「アブザン・コントロール」
  • 5位・「アブザン・大変異」
  • 6位・「赤単ビートダウン」
  • 7位・「赤単ビートダウン」
  • 8位・「青赤《アーティファクトの魂込め》」

 前回のプロツアー『タルキール龍紀伝』に引き続き、最高の結果を手にした「赤単ビートダウン」。細部こそ違えど、クリーチャーで攻めて火力で止めを刺すスタイルは変わりません。トップ8に3名を送り込んだだけでなく、18点以上を記録したプレイヤーが非常に多かったことからも、いかにこのデッキが良い選択だったかを伺い知ることができます。

プロツアー『マジック・オリジン』上位デッキリスト

 そしてそれに続く成功を収めたデッキが、新顔の「青赤《アーティファクトの魂込め》」デッキです。世界屈指のチームである「ChannelFireball/Face to Face」が持ち込んだこともあり、「赤単」に負けず劣らずの圧倒的なパフォーマンスを披露しました。

 「赤単」と「青赤《アーティファクトの魂込め》」。これらふたつのデッキに共通するのは、他の追随を許さぬゲームスピードです。今大会の決勝ラウンドは、おそらく史上最速で決着が付いた電撃戦となりましたが、それはこのふたつのデッキがいかに優れているのかを証明する記録となったのではないでしょうか。

 それでは、ここからは各デッキの詳細をご覧いただきましょう。

「赤単ビートダウン」

Joel Larsson - 「赤アグロ」

プロツアー『マジック・オリジン』 優勝
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ソーサリー (4)
4 極上の炎技
土地 (21)
21
60 カード

Stephen Neal - 「赤アグロ」

プロツアー『マジック・オリジン』 6位
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Patrick Cox - 「赤アグロ」

プロツアー『マジック・オリジン』 7位
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 前述の通り、決勝ラウンドに3名ものプレイヤーを送り込んだ「赤単」。『マジック・オリジン』からは、《ケラル砦の修道院長》と《極上の炎技》の2種類が加わり、そのデッキパワーに一段と磨きがかかりました。

 《ケラル砦の修道院長》は、単純な打撃力だけでなく、息切れ防止にも役立つ1枚。他の《稲妻の狂戦士》や《僧院の速槍》なんかもそうですが、序盤から終盤まで強いクリーチャーの増加こそが、近代の「赤単」の強さの秘訣です。

 もう一方の《極上の炎技》は、3マナ4点火力におまけが付いた優れもの。青いデッキが少なかったため、おまけ能力が活躍する機会はほとんどなかったかもしれませんが、《かき立てる炎》以外にも高性能の4点火力が登場したことは、この手のデッキにとって朗報以外の何物でもありませんでした。

 そして、今大会における「赤単」のトレンドが、《灼熱の血》です。

 このカードは《エルフの神秘家》の入った「緑信心タッチ赤」や「《先祖の結集》コンボ」デッキ、さらにはミラーマッチでも劇的に作用するカードです。戦前の予想では「緑信心タッチ赤」が多いとされていましたし、今セットで絶好のターゲットである《ヴリンの神童、ジェイス》までもが登場したため、今大会は《灼熱の血》が活躍しやすい環境が整っていたと言えるでしょう。

 今後は「赤単」のミラーマッチが多発すると思いますが、この手のデッキのミラーマッチでは後手を取るのも一考に値します。今回もトッププレイヤーたちが後手を取り合う場面(第15回戦準々決勝)が散見されましたし、後手による1枚分のアドバンテージは非常に重要なので、みなさんもぜひ一度お試しください。

 「赤単」は比較的対策しやすい部類のデッキではありますが、昨今のスタンダードは強いデッキの種類が多いため、「赤単」対策をたくさん詰め込むのは難しい状況です。そして、今の「赤単」は中途半端な対策ならば悠々と乗り越えられるだけの強さを持ち合わせています。

 この手のデッキに対しては《ドロモカの命令》が有効とされていますが、今回は《衰滅》が登場した影響もあり、《ドロモカの命令》を使用したデッキが影を潜めていたことも、「赤単」が勝ち組となった要因のひとつだと考えられます。

「青赤《アーティファクトの魂込め》」

Mike Sigrist - 「青赤・アーティファクトの魂込め」

プロツアー『マジック・オリジン』 準優勝
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Stephen Berrios - 「青赤・アーティファクトの魂込め」

プロツアー『マジック・オリジン』 8位
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 「赤単」と同様の活躍を見せ、今大会で最も大きな注目を集めたデッキが「青赤《アーティファクトの魂込め》」。

 各種軽量アーティファクトに《アーティファクトの魂込め》を装着し、《爆片破》や《頑固な否認》によるバックアップをもってして、有無を言わさぬ一方的なゲーム展開を目論むデッキです。このプロツアー前までは、《アーティファクトの魂込め》が全くと言っていいほどノーマークだったこともあり、このデッキはその力を遺憾なく発揮することができました。

 実に久々にお目見えした《アーティファクトの魂込め》+《ダークスティールの城塞》の組み合わせは極悪そのもので、メインデッキで効果的な対処手段は《ドロモカの命令》か《アブザンの魔除け》くらいのもの。そういった限られた対処手段を《頑固な否認》でシャットアウトされると、あっという間にアーティファクト軍団に蹂躙されてしまうというわけです。

 このデッキはある程度《アーティファクトの魂込め》に依存したデッキではありますが、もちろんその他の攻撃手段も豊富です。《幽霊火の刃》による速攻や、《つむじ風のならず者》によるダメ押しなど、実に多角的な攻め手が魅力のデッキではありますが、このデッキの躍進を支えたのが《搭載歩行機械》の存在です。

 序盤から終盤まで、柔軟に対応できるマナ・コスト。《爆片破》や《頑固な否認》との相性などなど、まるでこのデッキのために生まれてきたかのようなカードです。特に《爆片破》との相性は特筆もので、一度十分な数の「+1/+1カウンター」が貯まってしまえば、望むタイミングで《爆片破》から大量の「飛行機械・トークン」に変えることができます。

 もちろん、《爆片破》は《アブザンの魔除け》や《完全なる終わり》のような「追放」除去から《搭載歩行機械》を守るためにも使えますし、そこから生み出される「飛行機械・トークン」を《鋳造所の隊長》でバックアップしてやれば、一瞬でゲームを終わらせることができます。

 《搭載歩行機械》は全体除去に耐性がある点が評価され、他のデッキでも採用される機会が増えています。また、このプロツアーでもそこそこ使用者の多かった「《先祖の結集》コンボ」デッキのフィニッシュ手段である《ナントゥーコの鞘虫》+《モーギスの匪賊》を止めることができるのも、おまけとしては上々の効果と言えますね。(参考:プロツアー『マジック・オリジン』スタンダードメタゲーム・ブレイクダウン

 《搭載歩行機械》のあまりの活躍っぷりに、《先頭に立つもの、アナフェンザ》や《マグマのしぶき》のような「追放」系のカードが再評価されており、今後もスタンダードはこのカードを中心に回っていくことになりそうです。

 このデッキも「赤単」よろしく、緑系のデッキに対しては、マナクリーチャーを除去しつつ攻めるアプローチが採用されています。「赤単」の妨害手段は《乱撃斬》や《灼熱の血》といった火力でしたが、このデッキは《ファイレクシアの破棄者》がその役割を担います。

 方法こそ違えど、このふたつのデッキに共通しているのがマナクリーチャーを無理なく除去できることです。環境屈指のトップスピードと、対戦相手の初速を殺す妨害手段。これがこのプロツアーで勝ち抜くための秘訣だったのかもしれません。

 さて、少し大雑把なまとめになってしまうかもしれませんが、プロツアー『マジック・オリジン』は「赤単」と「青赤《アーティファクトの魂込め》」の圧勝で幕を閉じました。今一度これらのデッキが大成した理由をまとめると、

  1. 環境がこれらのデッキの速度に追いついていなかったこと
  2. これらふたつのデッキに効果的な《ドロモカの命令》を使用したデッキが、《衰滅》の登場によりある程度抑制されていたこと

 の2点が挙げられます。

 では、これらのデッキに強いデッキは何なのか。その答えのひとつが、アメリカの殿堂顕彰者であるブライアン・キブラー/Brian Kiblerが持ち込んだ「白緑・大変異」です。

「白緑・大変異」

Brian Kibler

プロツアー『マジック・オリジン』 スタンダード部門9勝1敗
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 惜しくもトップ8入賞こそなりませんでしたが、このデッキは「赤単」と「青赤《アーティファクトの魂込め》」を仮想敵に据えた素晴らしい意欲作です。「白緑」はクリーチャーの質が高い組み合わせとして知られていますが、このカラーリングを選ぶ最大の動機は《ドロモカの命令》が使えることです。

 火力呪文の無効化。理不尽な格闘。《ダークスティールの城塞》に付いた《アーティファクトの魂込め》すら葬り去るエンチャント対応能力。このカードには「赤単」と「青赤《アーティファクトの魂込め》」を倒すためのエッセンスが凝縮されています。

 前述の通り、この手のデッキの使用を躊躇う理由として《衰滅》の存在が挙げられますが、それも除去耐性のある《死霧の猛禽》や、「瞬速」持ちの《加護のサテュロス》の採用だったり、クリーチャーを《衰滅》の射程外へと豹変させる《英雄の導師、アジャニ》などで乗り越えられるようにしっかりと対策されています。

 さらにはサイドボードに潜む《搭載歩行機械》と《進化の飛躍》。この2種類は単体除去はおろか、《衰滅》や《対立の終結》のような全体除去対策としても秀逸です。

 実際にMagic Onlineでこのデッキを使用してみると、あまりの完成度の高さに驚きました。メタゲーム的に立ち位置が良いことも確かですが、単純にデッキパワーが高く、これと言って苦手なデッキがないこのデッキは、現環境で最高のデッキではないかと思うほどでした。

 「赤単」や「青赤《アーティファクトの魂込め》」ほどの速度はないため、「緑信心タッチ赤」や「《先祖の結集》コンボ」デッキ相手には多少苦戦しますが、前者はサイドボードの《悲劇的な傲慢》で、後者は《神聖なる月光》を採用すれば余裕を持って対応できます。

 キブラーの9勝1敗という成績だけでも、このデッキのポテンシャルの高さが伝わることかと思いますが、このデッキが「現環境最高のデッキ」としての地位を確かなものにしたのは、プロツアーの翌週に開催された「グランプリ・サンディエゴ2015」でのことでした。

グランプリ・サンディエゴ2015」トップ8デッキ(リンク先は英語カバレージ)

  • 優勝・「青赤《スフィンクスの後見》コントロール」
  • 準優勝・「アブザン・星座」
  • 3位・「アブザン・コントロール」
  • 4位・「エスパー・ドラゴン」
  • 5位・「白緑・大変異」
  • 6位・「アブザン・アグロ」
  • 7位・「ジェスカイ」
  • 8位・「赤黒ドラゴン」

 トップ8にこそ「白緑・大変異」は1名のみでしたが、トップ32には合計で7名ものプレイヤーを輩出しています。(参考:Top 32 Decklists

 2日目進出率(参考:Day 2 Archetype Breakdown)では「青赤《アーティファクトの魂込め》」にトップの座を譲ってしまったものの、その「青赤《アーティファクトの魂込め》」デッキがトップ32に1名しか残っていないことを考慮すると、「白緑・大変異」こそが「グランプリ・サンディエゴ2015」の勝ち組だったと言って差し支えないでしょう。

 《ドロモカの命令》は「アブザン・アグロ」や「アブザン・コントロール」でも使用されていますし、今後は《ドロモカの命令》に耐性のあるデッキ、というのがスタンダードで勝ち抜くためのポイントになると思います。

 他には「エスパー・ドラゴン」や「ジェスカイ」といった《ヴリンの神童、ジェイス》を活用したデッキや、「アブザン・星座」や「赤黒ドラゴン」のように、新戦力を活用したデッキが散見されましたが、その中でも異彩を放っていたのが見事に優勝を勝ち取ったこのデッキです。

「青赤《スフィンクスの後見》コントロール」

Michael Majors

グランプリ・サンディエゴ2015 優勝 / 8月8~9日開催
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 原案はアンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoがプロツアーに持ち込んだリストです(参考:#TeamCFBP Deck Tech - UR Mill リンク先は英語)。このデッキの勝ち手段は、《スフィンクスの後見》によるライブラリーアウトという驚くべきもの。

 単体では殺傷能力の低いこのカードですが、このデッキに含まれた大量のドローサポート呪文が《スフィンクスの後見》を立派な勝ち手段へと昇華させています。

 基本的なキルターンこそ遅めではありますが、そこは《眠りへの誘い》、《焙り焼き》、《神々の憤怒》、《圧倒的な波》といったカードが勝つまでに十分な時間を与えてくれます。

 単色のデッキや多色のカードが多いデッキに対しては、《スフィンクスの後見》の能力が連鎖しやすいので、予想以上の早期決着が起こることも。

 なお、ここまでライブラリーアウトに特化したデッキでなくとも、《スフィンクスの後見》はコントロールデッキ対策として非常に優秀です。《悪夢の織り手、アショク》よりも速く、なおかつ《英雄の破滅》されないカードということで、今後はコントロール対策カードとして、サイドボードに見かける機会が増えるのではないかと思います。

 このデッキも、《神々の憤怒》を無効化し、《スフィンクスの後見》を対処してくる《ドロモカの命令》に対して問題を抱えていますが、これほどまでに《ドロモカの命令》が流行っていた中でも優勝を勝ち取ったということは、ある程度はプレイングでカバーできるということなのでしょう。

 もしも環境が《ドロモカの命令》過多に傾くのであれば、《アルハマレットの書庫》の増量を検討してもいいと思います。

 一度このカードの設置に成功してしまえば、ライブラリーを引き切ってしまえるほどの勢いでカードが引けるので、対戦相手のエンチャント対策も火力対策も意に介さぬゲーム運びが可能となります。「青赤《アーティファクトの魂込め》」デッキの影響で、環境的にアーティファクトへのマークも多少きつくなってはいますが、《再利用の賢者》や《霊気のほころび》などが入ったデッキに対しては、《スフィンクスの後見》を避雷針にして《アルハマレットの書庫》を残せると理想的です。

 今後も同様の活躍できるかどうかは、エンチャントとアーティファクト対策の流行り方次第といったところですが、こういったデッキの栄冠は多くのプレイヤーに夢を与える素晴らしい結果ですね。僕自身もプロツアー『マジック・オリジン』で「青赤《アーティファクトの魂込め》」と対峙した際に、慣れていないせいできちんとしたプレイングができなかったこともあり、改めてローグデッキの強みを実感しています。

 まだまだたくさんの可能性が残された『マジック・オリジン』。みなさんもぜひこの機会に、オリジナルデッキを考案してみてはいかがでしょうか。

「アブザン・コントロール」

Paul Rietzl

グランプリ・サンディエゴ2015 3位 / 8月8~9日開催
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 前環境でも人気のあった「アブザン・コントロール」。『マジック・オリジン』加入後も、プロツアーとグランプリでトップ4入賞を記録するなど、相変わらずの好調を維持しています。このデッキが『マジック・オリジン』から得たものは、《巨森の予見者、ニッサ》と《衰滅》です。

 《巨森の予見者、ニッサ》は安定性を向上させてくれるだけでなく、対戦相手に除去を強制させるほどの力を持った逸材。特にミラーマッチでの活躍には目をみはるものがあり、《巨森の予見者、ニッサ》を多く採用していれば、それだけでライバルに大きく差を付けることができます。このカードの弱点らしい弱点は戦闘力が低いことだけなので、ビートダウンデッキが流行っているのならば、2マナの除去を増やすなり、《衰滅》を増やすなりで、《巨森の予見者、ニッサ》を出すターンの脆弱さをカバーしたいところ。

 もう一方の《衰滅》はこの連載でもお伝えしていたように、環境を定義するだろうと恐れられていた1枚。やはり《包囲サイ》と《黄金牙、タシグル》を擁するこのデッキこそが、このカードを最も効果的に使えるデッキだったようです。

 他に採用されている新カードは、サイドボードの《神聖なる月光》と《悲劇的な傲慢》。

 前者はこのデッキが苦手としている「《先祖の結集》コンボ」デッキ対策として、後者は主に「緑信心タッチ赤」や、エンチャントを多用した「星座」デッキ対策として重宝します。《悲劇的な傲慢》は「星座」デッキに対して極悪そのもので、キャストできれば文字通り戦場が悲劇的なものになります。自身の《クルフィックスの狩猟者》はエンチャントとしてカウントできるので、《クルフィックスの狩猟者》+クリーチャー1体を残せる点をお忘れなく。

 他の変更点としては、「赤単」や「青赤《アーティファクトの魂込め》」対策として、《龍王ドロモカ》が採用されています。

 単体除去耐性では《太陽の勇者、エルズペス》に劣るものの、火力や飛行クリーチャーを封殺できる点が《龍王ドロモカ》ならではの強みです。上記ふたつのデッキのみならず、ビートダウンデッキ全般に強いため、今後も採用しておいて損のないカードとなりそうです。

~今週の一押し・「硬化した鱗」~

行弘 賢 - 「硬化した鱗」

プロツアー『マジック・オリジン』 スタンダード部門6勝4敗
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 「今週の一押し」は、リミテッドの連載でもお馴染みの行弘君の力作を。《硬化した鱗》をこれ以上ないほどにフィーチャーしたデッキで、《ドロモカの命令》を採用しているため、メタゲーム的にもかなり良い位置に付けています。

 《名誉ある教主》に始まり、《アブザンの鷹匠》や《城塞の包囲》などなど、珍しいカードのオンパレードですが、「+1/+1カウンター」をメリットにするカードばかりで構成されたこのデッキならば、どれも替えの効かない重要な役割を担います。特に自軍全てに回避能力を与えると同義の《アブザンの鷹匠》は、このデッキならではの選択ですね。

 他のデッキではあまり使用されていませんが、《マナ喰らいのハイドラ》も今後の更なる活躍に期待ができる1枚です。

 ただでさえ凄まじい成長速度を誇るこのカードですが、《硬化した鱗》があればそれが2倍に! 練習中に10/10を超えることもザラでしたし、次世代のエースになるかもしれません。

 各相性としては、「緑信心タッチ赤」に対して非常に強く、《搭載歩行機械》を4枚採用している関係で「《先祖の結集》コンボ」にも強くできています。除去満載の「アブザン・コントロール」は少し苦戦を強いられるものの、圧倒的な展開力と爆発力が魅力のデッキです。

 フランク・カーステン/Frank Karstenなど、海外の強豪プレイヤーも大注目のこのデッキ! 動きも非常に面白いので、みなさんもぜひ一度手に取ってみてください。


 今回の「スタンダード・アナライズ」は以上です。プロツアーでは「赤単」と「青赤《アーティファクトの魂込め》」が大活躍しましたが、その翌週のグランプリでは「白緑・大変異」を筆頭に、勝ち組が大幅に入れ替わる目まぐるしい移り変わりを見せています。

 現状では、《ドロモカの命令》を使用したデッキ、とりわけ「白緑・大変異」が一歩リードしている印象を受けていますが、今週末の「グランプリ・ロンドン2015」では一体どんなデッキが勝ち上がるのでしょうか。まだまだ環境初期ということで、まだ見ぬデッキの活躍にも期待大です!

 それでは、まだ次回の連載で!

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