10の統率者たち

更新日 Magic Story on 2013年 11月 8日

By Magic Creative Team

 多元宇宙にわたる軍勢を統率せんと構える、十の名誉ある、あるいは悪名高き者たち。それぞれの背景の物語。

ネファリアの災い、ジェリーヴァ


 《ネファリアの災い、ジェリーヴァ》の名はイニストラード中に恐怖をもたらす。獲物を残酷に弄ぶことで知られる彼女は、犠牲者の血を啜る前にその精神を喰らう。日中はネファリアにある人里離れた瀟洒な館に引きこもり、夜になると容赦も際限もない捕食を繰り返すのである。ジェリーヴァの牙の届かない喉首など存在しない。だが彼女が心底欲しているのは大魔道士の精神なのだ。彼女はイニストラードで最も高名な面々を標的とし、その知識を盗み出して我が物にしようと考えている。権勢を誇るアヴァシン教会が彼女の首に賞金を懸けると、イニストラード中の怪物の狩人が集まり、ほの暗いネファリアの地でその足跡を追い始めた。ジェリーヴァにとってはありがたい話だ。怪物の狩人の血を好む彼女は、教会を相手にした私的な戦争の戦利品として、彼らの精神を嬉々として我が物とするだろう。

精神破壊者、ネクサル


 《精神破壊者、ネクサル》は、死後も権力を持ち続けようと画策したかつての王である。生前の彼は、敵の多い不人気な支配者であった。宮廷の陰謀、そして彼の治世への脅威のことで頭がいっぱいだったのだ。だが競争相手の暗殺計画が裏目に出てしまい、彼は自らの謁見室で命を奪われてしまった。しかし彼はやがて訪れる死に備えており、自らを死者の王へと変容させた。ネクサルはかの地の秘密の権力者の地位を固め、生者とアンデッドの密告網を使って宮廷を監視している。そして情報を望む者がいれば、最も高い代償、それも苦痛を伴う代償を払う相手にそれを提供する。今やネクサルはかつてないほどの力を得ている。敵が望むものを与えるが、敵はそれを制御できない――そうして彼は敵を破滅させるのだ。

老いざる苦行者、アローロ


 《老いざる苦行者、アローロ》は死と生を司る力を操る力を持つ。彼は自らが永遠の生命の秘密を握っていると信じており、霧に覆われた絶海の孤島でそれを用心深く守っている。それゆえ、盗人も神秘家もこぞって彼の居場所を探しているのだ。彼の宝を盗もうと考える者もいれば、彼の秘密を学びたいと願う者もいる。彼はほんの数人の選ばれた人物としか接触しない。いずれも彼の知の探求を手助けできる人物である。彼が時間そのものよりも古く、傑出した学び舎の偉大なる頭脳をすべて合わせても彼の叡智には及ばないと言う者もいる。これまでのところ、アローロは闇と光の危うい均衡を保っているが、慎重に守ってきた秘密が脅かされるようなことがあれば、その脅威を容赦なく抹消すべく動き出さないとも限らない。

電位式の天才、シドリ


 《電位式の天才、シドリ》は 金属加工と神秘的生体化の達人である。彼女は若く聡明で、大金を払える者ならば誰にでも自作の精巧な装置を売り渡す。シドリはほとんどあらゆる物体に生命を注入し、主人の命令に徹底的に従わせることができる。彼女の手にかかれば彫像はスパイとなり、剣は腕がなくともおのずと振るわれる予想外の暗殺者と化す。誠実な人物ではあるが、彼女は現在、政界で高い地位を得るためにはどんなことにも手を染める危険な高僧たちの集団に取り囲まれている。物質的な見返りに心を奪われがちなシドリだが、近い将来、自らの創造物の本質と、その究極の目的についての決断を下さねばならない。

野生の意志、マラス


 《野生の意志、マラス》は滅多に姿を見せない偉大なる獣で、シャーマンが支配する世界の未踏の地域を逍遥している。その姿を探す者は多いが、この堂々たるクリーチャーを目にした人物はほんのわずかである。彼がこの世界の開祖のひとりであり、太古の昔から生き永らえていると信じる者もいる。彼の踏み跡からは蔓が生え出で、その足元には緑の霧が立ち上る。その霧の一部は動物のような形状をとり、彼が通り過ぎると新たな生命が生まれる。彼は精霊魔法の権化であり、自然を彼と共有するエルフの多くは、彼が成長と自然的正義をもたらす存在であると信じている。マラスは脅威を感じると獰猛な敵となり、猛々しい攻撃と捕食者の力を浴びせかけてくる。

名誉ある者、ガイージー


 《名誉ある者、ガイージー》は勇猛なラホーデ族から「我が民の荒ぶる心」と呼ばれ、神として崇められている。彼はラホーデ族が圧倒的苦戦を強いられていた「フラットスカイの戦い」の際に、彼らに加勢したのだ。このとき、ガイージーは戦場を臨む丘の上に姿を現した。そして大きな雄叫びをあげると、ラホーデ族の戦士たちを従えて、真っ逆さまに敵の只中へと駆け下りていった。ガイージーは一族を救い、今では名誉ある地位を得て彼らと共に暮らしている。夜になると周辺の密林で狩りをし、日が高いうちは喜んで宮殿へと帰還する。名誉ある者の前にこうべを垂れるために、彼の崇拝者は何か月もかけて巡礼をするのである。

カーの空奪い、プローシュ


 《カーの空奪い、プローシュ》はドミナリアのカー地方に君臨している。彼は毎日、日の出とともに飛び立ち、獲物を追いつつ自らが領地とする土地を監視している。遠くからドラゴンの羽ばたきが聞こえてくると、彼の臣下の多くは恐慌状態に陥り、猛火に耐えられる避難所を探して奔走する。狩人が一人自分の領地に迷い込んだだけでも罰として村々を焼き払う。それがプローシュだ。彼に敬意を示さない者は生きたまま火に包まれる。プローシュはこの地域のコボルドに崇められており、この「大首領様」が同胞を、見逃してくれることを願って自らの身を差し出すコボルドもいるぐらいである。プローシュは飽くなき捕食者であり、彼の「仲間」が死ねば、彼の力はさらに高まるのだ。

破砕団の兄弟


 ラヴニカで破壊したいものがある場合は《破砕団の兄弟》に任せるといい。このゴブリン・ファミリーにとっては、小さすぎる仕事も偉すぎる人物も存在しない。泥棒も坊主も等しく彼らを頼りにしており、ド派手で手際の良い仕事が必要なときはラクドスまでも彼らを雇う。このゴブリンたちはどんな問題でも排除、あるいは爆破する。イゼットの魔道士が鬱陶しい? ガーゴイルが覗きに来る? 家に面倒な呪いをかけられた? 破砕団は(おおむね)適正な価格でお望みの破壊をもたらしてくれるだろう。ボロスもアゾリウスも彼らに賞金をかけているが、破砕団は幾度も逮捕を免れている。兄弟は自分たちの仕事に誇りを持ち、他者の破滅に喜びを感じるのだ。

浄火の戦術家、デリーヴィー


 戦場高く舞い上がる《浄火の戦術家、デリーヴィー》は、知略に富んだ戦術で敵を翻弄する。彼女はその堂々たる軍勢を指揮し、平和な土地を荒らす侵略者に立ち向かう。デリーヴィーはその鋭い目で瞬時に多くの事象を捉え、刻々と変化する地上の形勢に合わせて矢継ぎ早に戦術を変えていく。献身的な彼女の従者たちは、デリーヴィーを「断片」史上最高の統率者と呼んでいる。その卓越した戦略により、グリクシスの軍勢は割れ峰の戦いで敗走の憂き目に遭った。また彼女は巧みな外交手腕を発揮し、自分を陥れようとするエスパー評議会の策をも受け流した。デリーヴィーは厳しくも公平であり、兵士の忠誠心を掻き立てる。天空の目を持つこの統率者は、幾度となく敵の裏をかくであろう。

隠された領域のローン


 《隠された領域のローン》は天上世界に続く門の守り手であると信じられている。信心深い家庭に育ったこの若きロウクスは、父親の願いとは裏腹に、戦いの場に惹かれる傾向があった。ローンは悪名高き先遣隊に加わり、戦士としての技量を磨いた。だがあるとき誤って無辜の民が虐殺されるという事件があり、彼は軍隊から逃亡して原野を彷徨うようになった。そこで彼は隠された領域のビジョンを授かり、彼こそがその秘密の守り手であると告げられた。一部の人間には冒涜者と呼ばれたが、ローンは自分の信念に従う人間を連れて巡礼の旅に出た。彼の抗いがたい魅力に多くの者が傾倒し、やがて彼は信者を多く抱える預言者となった。ローンは争いを求めはしないが、脅威を感じ取った時は迅速かつ効率的に排除する。彼を信じる者は、彼が偉大なる庇護者であり、いつの日かとこしえの栄光の門を開くだろうと考えている。

最新Magic Story記事

MAGIC STORY

2019年 6月 5日

ラヴニカ:灯争大戦――絶体絶命作戦 by, Greg Weisman

 前回の物語:退路なき任務  以下の物語には、グレッグ・ワイズマン/Greg Weisman著の小説「War of the Spark: Ravnica」(英語)のネタバレが含まれています。  この物語は年少者には不適切な表現が含まれている可能性があります。 Ⅰ  テヨ、ケイヤ様、ザレック様、ヴラスカ女王、それと私はゴルガリの地下道を行ける所まで進んだ。けどゴルガリとラク...

記事を読む

MAGIC STORY

2019年 5月 29日

ラヴニカ:灯争大戦――退路なき任務 by, Greg Weisman

 前回の物語:結束という難問  以下の物語には、グレッグ・ワイズマン/Greg Weisman著の小説「War of the Spark: Ravnica」(英語)のネタバレが含まれています。  この物語は年少者には不適切な表現が含まれている可能性があります。 Ⅰ  自分の役割として私が想定していたのは、悪いドラゴン直属のギルドマスターが支配するアゾリウス評議会へ向かう...

記事を読む

記事

記事

Magic Story Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る

このサイトではクッキー(cookie)を使用して、コンテンツや広告をお客様一人一人に合わせたり、ソーシャルメディアの記事を配信したり、ウェブのトラフィックを解析したりします。 (Learn more about cookies)

No, I want to find out more