「脳を収穫される運命にある男」
これからお見せするアート概要に登場しますが、この一文こそ、私が内部資料であるアート概要についての記事を書くくらい夢中になったきっかけです。アート概要を見るたびに、私はこれまで気づかなかったことを知ります。カードの絵が意味することが頭の中に流れ込み、これまで理解していなかったことが見えるようになるのは、気持ちの良いものなのです。そういう意味では、「脳を収穫される運命にある男」という一文も、目が飛び出るほど驚いたアート概要のほんの一部に過ぎません。
とはいえ、これから「濫用」を持つカードや「濫用しがいのある」カードのアート概要を目にしたら、目が飛び出てしまっても仕方がないかなと思いますよ。
どうぞお楽しみください。
《シルムガルの魔術師》 アート:Jeff Simpson
舞台:『タルキール龍紀伝』でのタルキール
氏族:シルムガル
色:青のクリーチャー
場面:沼地の多いシルムガルの領土内
状況:シルムガル氏族に所属する、人間の女性の魔術師。彼女は魔法で空を飛んでおり、着ているローブは踊るようにはためいている。彼女の両手の間には、若きオジュタイ種の龍の頭蓋骨が浮かんでいる(大きさは馬の頭蓋骨くらい)。龍の頭蓋骨にはヒビが入っており、そのヒビや目の部分から紫色の魔法の光が噴き出している。
魔術師の反抗的な視線が、こちらを向いている。
アートの中心:魔術師
全体の雰囲気:「かかってきなさい」
《若年の識者》 アート:Cynthia Sheppard
舞台:『タルキール龍紀伝』でのタルキール
氏族:シルムガル
色:青のクリーチャー
場面:シルムガルの宮殿内にある、書物と宝物の保管庫
状況:《龍王シルムガル》は、贅を尽くした環境に魔道士を監禁し、学べる限りのことを学ばせて「飼う」制度を作り上げた。魔道士の脳が最高の状態を迎えると、彼らは龍の生け贄となり、学んだ知識を貪られる。このアートに見受けられるのは、シルムガル氏族に所属する若い人間の男。頭髪は剃り上げられており、着ているものは豪華で、またたくさんの宝石に飾られている。彼は柔らかな枕に身体を預け、その周りには様々な巻物や本が置かれている。いくつかは開いた状態だ。枕元には装飾が施されたグラスと食べ物が乗った皿が置かれている。広がる光景はまるで夢のようだ――頭髪を剃り落とした頭に走る点線を除いては。まるで食肉解体の業者が牛に書くようなその線は、これから解剖が行われることを示している。
アートの中心:犠牲となる若者
全体の雰囲気:脳を収穫される運命にある男
《死者を冒涜するもの》 アート:Vincent Proce
舞台:『タルキール龍紀伝』でのタルキール
氏族:シルムガル
色:青のクリーチャー
場面:シルムガルの宮殿外にある橋の上
状況:シルムガル氏族に所属するナーガの女性の魔術師が、こちらから顔を背けて橋の上に佇んでいる。片手には装飾が施された杖を持ち、もう片方の手にはオジュタイ氏族の人間のモンクの切断された首を掲げている。長い弁髪を掴まれているその首は、多くの尊敬を集めた師範のものだ。髪は白髪であり、おそらく髭も長かったのであろう。腐敗が相当に進んでいることから、かつて首を切られる前は、その死体はゾンビとして蘇っていたことがわかる。
アートの中心:ナーガと切断された首
全体の雰囲気:敵の士気を下げるような、恐ろしい仕打ち
《ラクシャーサの墓呼び》 アート:Jakub Kasper
舞台:『タルキール龍紀伝』でのタルキール
氏族:シルムガル
色:黒のクリーチャー
場面:遠くドロモカの要塞を望む、砂漠地帯
状況:シルムガル氏族に所属するラクシャーサの女性が、死したドロモカ氏族の兵士たちと共に立っている。このヒョウのような模様の黒い毛皮のラクシャーサは、まるで人形の糸を操るように両腕を上げている。彼女が魔法で命令を下すと、それに反応してドロモカ氏族の死体がふたり、ゾンビとして蘇ったのだ。
アートの中心:ラクシャーサ
全体の雰囲気:「生あるうちの失敗は、死後に取り返せばいい」