『デュエルデッキ:迅速 vs 狡知』

更新日 Feature on 2014年 8月 18日

By Blake Rasmussen

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原文はこちら

 4月のこと、私たちは『デュエルデッキ:迅速 vs 狡知』を発表し、1枚のコインの両面を表現するにはどうしたらよいかについて、考えを走らせていました。もちろん、青が「狡猾」デッキに入っていることは極めて当確でしたが、その策謀のカードに対してマジック的な暴力をぶつける方法は無数にあるのです。

 まず、これらのデッキの外見を眺めると、〈兜砕きのズルゴ〉と新たな風貌の《全能なる者アルカニス》がデッキの顔として姿を現します。

 もしズルゴに興味を惹かれなかったとしても、アルカニスの新しいアートは確かにあなたの琴線に触れることでしょう。あるいは、もし大量のカードにお気に入りのものがなかったとしても、タルキールのマルドゥ氏族の長であるズルゴ、その実に攻撃的な顔に期待が高まるに違いありません。

 油を売るのはここまで。今日は皆さんに、一回ですべてをご覧に入れることにしているのです。これはズルゴのやり方ですね。

 中に入っている素敵な、本当に素敵なカードを皆さんにお見せする前に、私は自分の持っている商品を点検しなくてはなりません。つまり、箱を開け、オフィスを回って誰かとそのデッキで対戦するのです。私の仕事は最低なものですから。

 ステップ1:デッキをスリープに入れる。

多元宇宙最高の盗賊《ダク・フェイデン》が、《稲妻》に次ぐ最高の火力《稲妻のらせん》に出会う

 実際、「狡猾」デッキは青白赤のジェスカイ氏族的なデッキですから、《稲妻のらせん》のようなカードはよく馴染み、《ダク・フェイデン》はスリープとして良い選択肢でしょう。チャンドラのプレイマットも満足気です。

おっと、チャンドラが満足するのはこちらの方でした。

 対して、「迅速」デッキにはチャンドラのスリーブがぴったりのようです。では、60枚のカードすべてをスリーブに入れはじめ…と、この束の一番上にあるものは? そして底には「遊牧民の前哨地」なるものもあるようです…

 どうやら、ズルゴは強襲部隊の一員、あるいは、これから強襲する部隊の一員くらいいなくては殴りに行きたくないご様子です。「強襲」は、そのターンにあなたがクリーチャーで攻撃していた場合に誘発する能力で、マルドゥの一員ならどちらにせよやりたくなるであろうことを促すものです。

 よし、新しいカードを1枚見つけて、すべてをスリーブに入れました。次は、誰かを見つけてぶん殴る対戦する時間です。幸いにも、このオフィスではそうした相手に事欠きません。

 最初に現れたのはネイト・プライス/Nate Price、非凡なカバレージ・ライターにして新参の組織化プレイ・コミュニティ・マネージャーです。ネイトは「迅速」の必要性を感じており、私は喜んで従うことにしました。

右下のカードはとても馴染みのあるものには見えません。新カード?

 私は取り得る最善の策のひとつ、《孤独な宣教師》でライフを得るとともに序盤のブロッカーを得るところから動き出しました。これに《素早い正義》を唱えて《はた迷惑なゴブリン》をさばき、ネイトが…そう、迅速に動き出すことを妨げることができました。

 しかしネイトはそれだけではありませんでした。静かに4マナをタップすると、テーブルに《甲虫背の酋長》を出してきました。

撤廃》には新アートが与えられたようですが、トークンさばきはいつも通りです。

 《撤廃》は時代を通じて私のお気に入りのカードのひとつで、トークンにバウンス呪文を使うことは実に素晴らしい体験です。トークンが大きくなるにつれ、《撤廃》するときの私の笑みは増します。今回は単なる1/1ですが、それでも実に良い気持ちです。

 おっと、私は罠のコストで《鞭打ちの罠》も唱えたのでした。ネイトの《甲虫背の酋長》は戦場に出たときは良く見えたものの、仲間がすべて消え失せてしまっては駄目そうです。ここから、私は簡単に最初のゲームに勝つことができました。

 次のゲームでは同様に策略を展開しました。ネイトが相対した盤面はこんな感じです。

 「狡知」デッキには多数の変異が入っており、対戦相手を策略のゲームに閉じ込められるようになっています。そしてネイトはもちろん、私の罠にかかってしまいました(今度は「罠・カード」ではありません)。彼の《骨の粉砕》はクリーチャーで安全に攻撃できる道を開くかに見えましたが、《意志を曲げる者》はそれを3対0交換に変えてしまい、ネイトがその穴から復帰することはありませんでした。

 次にまな板の上に乗るのはマイク・マカトール/Mike McArtor、DailyMTG.comの編集者にしてオルゾフ的な万事を好む者です。当然、彼が選んだのは……「狡知」?

 ここで、マイクが私と同様に《全能なる者アルカニス》を好み、何度も何度も何度もカードを3枚引くことを何よりも好むことがわかりました。今回は、他人の考え方を学ばなくてはいけないようです。

 どうやら、その考え方とは、実に良いもののようでした。特に《オーガの戦駆り》を走らせているような時は。

 マイクは私の序盤の《ゴブリンの砲撃》を《マナ漏出》するところから始めましたが、結局《オーガの戦駆り》から《クレンコの命令》の攻撃に弱くなるだけでした。私は《屑肉の地のゾンビ》を蘇生し、ブロッカーを除去する《骨の粉砕》に使うことさえできました。

 よくできたとは思いますが、《ゴブリンの砲撃》を着地させることができなかった悲しみは認めなくてはなりません。特に、それに新アートがあるというなら。

 マイクはまだ終わっていませんでした。彼が笑みを浮かべながら《蒸気占い》を唱えると、そこには大仕事が待っていました。

一体全体、この新カードをどうやって選べばいいものでしょうか?!

 いい仕事してますね! 彼は強力なレアを1つの束にまとめ、もう一方は土地と《フェアリーの騙し屋》に分けることにしました。私が先行しており彼はマナが少し厳しそうだったので、強力な呪文を渡すことを選び、彼が1ターンに1回しか呪文を使えずにいる間に、軽い呪文のテンポで押し切ることを目論みました。

 戦略は成功しました! 《骨の粉砕》と《肉袋の匪賊》がテーブルから強力カードを排除し、「迅速」が最初のゲームの勝利を成し遂げました。マイクがこのカードを表にする前に。

 〈神秘の僧院〉がタップ状態で出たように、土地は彼を助けてはくれませんでしたが、それでも3色を生み出せることは、楔3色をテーマにしたデッキにとって非常に頼れることです。事実、双方のデッキには、これらの新しい土地が2枚ずつ入っています。どうやら、氏族のシンボルか何かが関係しているようですが…

ジェスカイ…マルドゥ…何らかのパターンがあるようですが。

 しかし、次のゲームでは、マイクの「狡知」の全力を味わうことになりました。そして『デュエルデッキ:迅速 vs 狡知』に入っている、『タルキール覇王譚』の最後のカードも。〈ジェスカイの長老〉は戦闘誘発の「物あさり」クリーチャーの一種で、「果敢」を持つことから、戦闘中に突然大きくなるかどうか知り得ないのです。単にマイクが《衝動》を唱えただけだとしても!

 さらに悪いことに、《残響の追跡者》がクリーチャーをバウンスしてきて、それが《フェアリーの騙し屋》によって繰り返されました。《稲妻の天使》が締めに現れ、素早い《群衆の親分、クレンコ》すらも《鞭打ちの罠》で仕事を台無しにされました。

 ということで、我々の戦いは第3ゲームにもつれ込みました。そしてそのゲームはすべて、ある破壊的な氏族の指導者、〈兜砕きのズルゴ〉をめぐるものでした。

ズルゴ・スマッシュ!

 ズルゴが現れ、マイクはすぐに窮地に追い込まれました。彼は1ターンになんと13点ものダメージを受け、続く自分のターンに《稲妻のらせん》をズルゴにおずおずと唱えました。ズルゴは私のターン中には倒せませんからね。それでもズルゴの軍勢の残りは、彼にならって嬉々として戦線を一掃し、「迅速」にマッチの初勝利をもたらしました。

 勝負を決めることが必要なのは明白でした。マット・ダナー/Matt Dannerが必要なのは明白でした。

 マット・ダナーは弊社のアソシエイト・ブランド・マネージャーのひとりで、ブランド・チームの秘密の呼び鈴のような存在でした。この『デュエルデッキ』の闘技場における、私の明白な支配に挑戦してくる者がいるなら、それはマット・ダナーであろうことはわかっていました。

 ダナーは狡猾な奴なので、彼は当然、「迅速」を選びました。どうやら、私は人の心が読めないようです。ともあれ、マルドゥ氏族の指導者のような破壊的な顔で、ダナーは席につきました。

 しかし実際に起こったのは、ダナーが毎ターン待ち伏せを喰らい続けることでした。まず、不運な攻撃で彼はこう叫ぶことになりました。「でも2/4は倒せないよ!」

「あんたは誰も見ていないと思ったり、自分なら逃げられると思ったり、そればかりか間抜けなことに、誰も気にしないと思ったんでしょう。」 文字通りです…

 この《軽騎兵の巡視部隊》は十分な時間を稼ぎ、この日初めて《全能なる者アルカニス》が登場しました。つまるところ、私は続く3ターンにわたって大量のカードを引き、ダナーのゲームを終わらせることになりました。

 第2ゲームは、数ターンにわたり二転三転の様相を呈しました。《鞭打ちの罠》で大きく遅れをとることは防ぎ、《一瞬の散漫》から引いた《素早い正義》で終わりそうなゲームを何とか持ちこたえました。そしてついに、私はなんとか毎ターン3点の攻撃ができるようになり、ゲームの終わりに手が届くところまで来ました。

 しかし、先に触れたとおり、ダナーは狡猾な奴なのです。彼には策略がありました。私が盤面を掌握しつつある間でさえ、彼は巡ってくる状況に向けて穴を開けていたのです。その究極の策略とは?

 私のライフは7。彼には8マナ。その策略は達成されました。

 ほとんどは。

いえいえ、問題などありません。打ち消そうだなんて思っていませんよ。

 《意志を曲げる者》は最も巧妙な変異のひとつ、絶対に注意しなければならないもののひとつです。ダナーは確かにそのことを学びました。

 これをもって、「狡知」が頂点に立ちました――かろうじて。あなたはどちらを選びますか? 『デュエルデッキ:迅速 vs 狡知』は9月5日発売です。


迅速

デュエルデッキ:迅速 vs 狡知

土地(24)

クリーチャー(22)

呪文(14)

狡知

デュエルデッキ:迅速 vs 狡知

土地(24)

クリーチャー(22)

呪文(14)


製品情報

  • 製品名:『デュエルデッキ:迅速 vs 狡知』
  • 言語: 英語、日本語
  • 発売日:2014年9月5日
  • メーカー希望小売価格:1,800円(税抜)

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