皆さんお久しぶりです! 今週末のプロツアー『タルキール覇王譚』でもニコニコ生放送の司会を務めさせていただきます、鍛冶友浩です。
こちらの日本公式ウェブサイトで連載されていた「デジタル・マジック通信」や、「今週のリプレイ!」、ここ3回のプロツアーでのニコニコ生放送で僕のことをご存知の方もいらっしゃると思いますが、改めて自己紹介。
僕は世界中で開催されている『マジック:ザ・ギャザリング』の競技大会に参加し、「世界選手権2005」トップ4、「プロツアーチャールストン2006」チーム戦優勝という経験をしました。元プロプレイヤーの僕の目線から、マジックを極めた世界中の人々が競い合う「プロツアー」の魅力をお伝えできたらと思っております。
今回の見どころは、なんといっても『ラヴニカへの回帰』と入れ替わった『タルキール覇王譚』入りの新スタンダードでしょう! この週末には、アジアのグランプリで初めて日本語の現地取材が行われた 「グランプリ・上海2014」がありました。
その練習も兼ねてか、「グランプリ・神戸2014」の優勝者である覚前 輝也さん(大阪)、行弘 賢さん(和歌山)といったプレイヤーもわざわざ東京に来ていました。まだ発売から間もない『タルキール覇王譚』を使い、世界中のプロプレイヤーたちがまさに今、ローテーション後の新環境を制するデッキの研究に勤しんでいるのです。

なお、Magic Onlineでも『タルキール覇王譚』のプレリリースが始まり、リミテッドと構築、ともに練習環境として整ってきたようですね!
さて今回のプロツアーについておさらいしますと、競われるフォーマットは『タルキール覇王譚』3パックを使ったブースタードラフトと、新スタンダードの構築戦の「2種目混合形式」です。「プロツアー・サンデー」と言われる日曜日の決勝ラウンドへ進出するためには、2日間で16ラウンドも戦わなければなりません。
プロツアー『ニクスへの旅』、プロツアー『マジック2015』と連続でTop8に入賞した市川ユウキさんには、3連続へ記録を伸ばせるのか期待がかかります。果たして日本からプロツアー優勝者を輩出することができるのか?

さて、今回の競技フォーマットのスタンダードですが、いったいどんなアーキタイプが予想されるでしょうか? おそらくは、『テーロス』ブロック構築で行われたプロツアー『ニクスへの旅』と、直前のカードプールで行われたスタンダードのプロツアー『マジック2015』のデッキから考えてみるのがよいかもしれません。
ブロック構築でのトップ8には、なんと7人ものプレイヤーが《クルフィックスの狩猟者》+《森の女人像》のパッケージを採用し、優勝を争ったのはタフネス3を越える構成を意識したパトリック・チャピン/Patrick Chapin選手の緑白黒ミッドレンジ。

Patrick Chapin - 緑白黒ミッドレンジ
プロツアー『ニクスへの旅』優勝 / 『テーロス』ブロック構築
土地(25)
4 《森》
3 《沼》
2 《平地》
4 《疾病の神殿》
4 《豊潤の神殿》
4 《静寂の神殿》
4 《マナの合流点》
クリーチャー(18)
4 《羊毛鬣のライオン》
4 《森の女人像》
4 《オレスコスの王、ブリマーズ》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
呪文(17)
3 《思考囲い》
4 《英雄の破滅》
1 《払拭の光》
1 《骨読み》
4 《信者の沈黙》
4 《太陽の勇者、エルズペス》
その緑白黒ミッドレンジに対して、マナサポートを最大限活かそうと構築がなされた黒青緑コントロールを使うリード・デューク/Reid Duke選手でした。

Reid Duke - 黒青緑コントロール
プロツアー『ニクスへの旅』トップ8 / 『テーロス』ブロック構築
このフォーマットに、『マジック2015』と『タルキール覇王譚』が加わるわけですから、もちろんどんなデッキでも強化されるはずで、上のデッキよりもよりゲーム展開が速いことは明らかです。その反面、プロツアー『マジック2015』から比べれば、使用できるカードの枚数が少ないために、当時勝ち進んでいたデッキよりも強いものを組み上げるのはとても難しいでしょう。
また、ローテーションのために《スフィンクスの啓示》が退場したことから、優勝者のイヴァン・フロック/Ivan Floch選手が使ったような青白を選ぶことはできません。しかし、惜しくも本戦は9位となりましたが、圧倒的なプロポイントを獲得し、プレー・オブ・ザ・イヤーを勝ち取ったフランスのジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezani選手が選択した赤単のキーカードは未だ健在ですね。

Jeremy Dezani
プロツアー『マジック2015』 / スタンダード(2014年8月)
もちろん、斬新な発想の新デッキの登場を僕も期待していますが、皆さんの予想を上回るプレイヤーはいるのでしょうか!? 噂では、久しぶりに殿堂プレイヤーの大礒正嗣さんも参加予定とのことで、個人的には面白いデッキ選択をする彼の活躍もみたいですね!
そして、このイベントでは殿堂の授賞式も行われる予定で、フランスのギヨーム・ワフォ=タパ/Guillaume Wafo-Tapa選手、アメリカのポール・リーツェル/Paul Rietzl選手、そして日本からは三原 槙仁さんが殿堂入りされます。殿堂入りすると副賞には好きなときに好きなプロツアーの参加ができてしまう権利などもあります。うーん、羨ましいですね!さて、今回の生放送のスケジュールですが、以下のようになっています。
1日目(予選ラウンド) | 10月11日(土) | 4:00~16:00 | 放送ページ |
2日目(予選ラウンド) | 10月12日(日) | 4:00~16:00 | 放送ページ |
3日目(決勝プレイオフ) | 10月13日(月・祝) | 4:00~15:00 | 放送ページ |
決勝ラウンドは前回同様に、全7試合が時間帯をずらしての完全放送となっています! それでは皆さん、タイムシフトもありますが是非リアルタイムでもお見逃しのないよう! 放送へのコメントや、参加プレイヤーへの応援、視聴者プレゼントなどの企画も含めてご参加お待ちしてます!
それでは今週末のプロツアー『タルキール覇王譚』でお会いしましょう!