射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」第3回:注目カードの紹介&デッキの作り方!

更新日 Feature on 2014年 10月 31日

By 射場本 正巳

 どうも!ウィザーズR&Dの射場本です。この連載では11月7日(金)の『マジック・ザ・ギャザリング ― 統率者(2014年版)』発売にむけて統率者戦の魅力をお伝えしていきます。

 前回の記事で新情報がない…って言ってたら今週になって一気に公開されましたね! さすが統率者戦専用の製品だけあって、統率者戦で遊びたくなるモチベーションのあがるカードばかり。

 せっかくなので今回は新カードの紹介と、前回予告したデッキの作り方についてお話をしていこうと思います。

新しい「伝説のクリーチャー」をチェック!

 まずは、統率者戦の要、統率者候補となる「伝説のクリーチャー」を見ていきましょう。

 なんとアジャニの兄貴〈黄金のたてがみのジャザル〉が登場! 能力は攻撃クリーチャー限定の《旗印》という感じ。トークンの並ぶ白ではダメージ値は高いが、他に先制攻撃も絆魂も付かないのが惜しい。トランプルの付く《クローサの拳カマール》や《背教の主導者、エズーリ》に比べるとブロックされればそれまでだが、白の特性を活かして数で攻める構成ならワンチャンスあるかも。

 ギサの弟〈縫い師、ゲラルフ〉は死体をつなぎ合わせてゾンビを作る! やってることは《擬態の原形質》を思わせるが、「能力を追加できない」、「ランダム」、「即効性がない」、「起動マナが重い」など統率者として使うにはちょっと不十分かも。むしろ《血の暴君、シディシ》のデッキなどにサポートとして居場所があるかもしれない。

 ゲラルフの姉〈グール呼びのギサ〉は死体を解体してゾンビを作る! 弟に比べて起動マナも軽く、数を並べられるのが魅力。特に生け贄に捧げる効果は統率者戦では重宝する能力のためその点も好印象。ただ統率者自身が重く即効性がないのがネック。ちなみにデザイン段階でジェームス(黒デッキのデザイナー)と話していた時は、4マナ2/4で起動が黒マナのみだったんだけど変わっちゃいましたね。

 あの《フェルドンの杖》でおなじみのフェルドンが〈第三の道のフェルドン〉となって登場! 能力はえげつないことが書いてあるが、起動マナがかかりタップが必要なところはゲラルフやギサと同じ。しかしフェルドン自身が軽く、赤なら速攻をつけることも容易なので現実的と言える。インスタントタイミングで起動できるので、《信仰なき物あさり》などで捨てた《引き裂かれし永劫、エムラクール》がライブラリーに戻る前にコピーすることも可能だ。

 ティタニア来たー! かつて《ティタニアの歌》を愛用していたので、この〈アルゴスの庇護者、ティタニア〉で本人にお会いできて光栄です。勝手にドライアドだと思ってましたが、エレメンタルだったんですね。《概念の群れ》からも出せちゃうぜ! デザインしたアーロン本人が言ってたように《ハルマゲドン》とのコンボは結構えぐい。普通に使ってもフェッチランドついでに5/3出てきたら強い。そもそも他の面子が起動にマナやタップを必要としてるのにこれだけ違うところがずるいよね。

新機軸!統率者にできる「プレインズウォーカー」をチェック!

 続いて今回の目玉でもある統率者にできるプレインズウォーカーたち。こちらもどこか聞き覚えのある人たちがそろってますよ!

 最近公式記事でも紹介されていたゼンディカーの石術師が〈石術師、ナヒリ〉としてカード化。ウギンとの話が出てきたあたり、今後『タルキール覇王譚』との絡みが出てくるのか気になるところ。さすがに伝説の石鍛冶だけあって能力がどれも強力。《石鍛冶の神秘化》や《石切りの巨人》など装備品サーチの充実している白なら強力なデッキが組めそう。

 あのテフェリーがついにプレインズウォーカー〈時間の大魔道士、テフェリー〉として登場! 6マナと重いがパーマネント4つアンタップはアーティファクトの得意な青からすると実質タダで出せるようなもの。奥義は夢。《倍増の季節》がなきゃ使えなさそうだけど、ジェームスの5色プレインズウォーカーデッキに入れたらすごいオーバーキルしそう。

 お!デーモンになる前のオブさん? 〈黒き誓約、オブ・ニクシリス〉の能力は若干地味ながら逆に早急に対処する必要もないものなので、自身を5/5で守っていたら意外と場持ちがいいかもしれない。5/5飛行に死にやすいプレインズウォーカーがついていると発想の転換をすればいいのかも?

 誰っち?と思ったけど能力がやたら強い。ゴブリンの学者はどいつもクレイジーだけど、〈屑鉄の学者、ダレッティ〉は《ゴブリンの溶接工》のマスターかなにかなのかね? フェルドンといい、今回の赤デッキの墓地アーティファクト利用は結構なインパクトがありそう。このカードは面白いデッキ組めそうだ。

 《プレインズウォーカーの好意》でおなじみ(?)のフレイアリーズさんも〈ラノワールの憤激、フレイアリーズ〉として登場! あれ?憤激って赤いほうでは??? 奥義は結構起動しやすいので緑のドローオプションとしては悪くない。統率者とするには決め手に欠けるけど、いつでも《帰化》を構えていられると思えばありかな?

その他の活躍しそうな注目カードはコレ!

 一気に10枚見てきましたが、統率者にしたいものはありましたか? もちろん公開された新カードは統率者の候補だけじゃありません、そのほかの注目カードをピックアップ。

 二つの効果をそれぞれ対戦相手とシェアする捧げ物のサイクル。個人的には〈尊い捧げ物〉を使ってみたい。インスタントで構えられて最低でも6点回復しながらブロックすれば相手の攻撃の計算を狂わせることができるのでいい。

 〈浅瀬蟲〉は《ドラゴンの卵》などのように生まれ変わって強くなる生物。しかも3回変身するので粘り強い。《よりよい品物》と組み合わせれば、あっという間に9枚ドロー12枚墓地肥やしに。それだけやれば勝ったも同然だ。

 〈死者起こし〉はタイミング限定とはいえ、インスタントで使える制限なしの墓地から戦場にクリーチャーを戻すカード。弱いわけがない! なんで「Xマナ以下をX体」じゃないのか不思議。クリーチャーコンボなら一発で決めてしまえるのでかなり強力。

 〈硫酸の波〉は「ドカーン!」って大雑把な感じが統率者っぽい。《引き裂く突風》好きとしては使わねば! 多色の強い統率者戦において単色統率者の有用性を問う1枚となるか?

 アーティファクト版の《生ける屍》とも言える《屑鉄の熟達》が登場! 考えるだけでやばそう。《蔵の開放》タイプのデッキの新たな選択肢となるか。

 『統率者(2014年版)』のもうひとつの新メカニズム、統率者をコントロールしていると強くなる「副官」サイクル。〈うねり嵐のクラーケン〉はクラーケン界でも屈指の軽さと呪禁が魅力な期待の新星!

自分の統率者を決めてデッキを作ろう!

 さて、新カードをざっと見てきたところで、ここからは前回の予告どおり統率者デッキの作り方をお話したいと思います。え?『統率者(2014年版)』があればそれをそのまま遊べばいいじゃないかって?

 そのとおり!ぜひ手にとって遊んでいただきたい!

 とはいえ、発売はまだもうちょっと先なので、ここでは『統率者(2014年版)』の発売前に統率者戦で遊んでみたいと思われている方や、製品版を十分遊んだ後に自分オリジナルのデッキに改造したいと思う方々の参考としてお話しできればと思います。

(1)まずはデッキの軸を決めよう!

 でも、いきなりデッキを作ろうと言われても難しいかもしれません。まずは、お気に入りの「伝説のクリーチャー」もしくは「統率者として使用できるプレインズウォーカー」のカードを統率者に決めましょう。統率者戦のデッキで一番大切なものといってもいいのが「統率者」。とりあえず「かっこいい!」でも「種族が面白い!」でも少しでも気に入ったものがあれば、それを選びましょう。

 もちろん、特定のカードや特定のテーマでやってみたいことが決まっているのであれば、そちらを優先して統率者のカード選びを後回しにしてもかまいません。その場合は、デッキの色と同じ「伝説のクリーチャー」か「統率者として使用できるプレインズウォーカー」を選びましょう。

(2)マナのバランスを考えよう!

 次にマナのバランス、マナベースです。マナは統率者戦における基礎体力のようなもの。マナがなければリングに上がれないので、きちんと考えましょう。

 まず土地ですが、これは普段のマジックと同じようにデッキの約3分の1が目安となります。大雑把に言って33枚。デッキの構成によって多少の前後はありますが、その辺は実際に使ってみて微調整していくとよいでしょう。

 また、後半土地ばかり引いては困るので、各種「フェッチランド」や「サイクリング」の付いた土地など、デッキ圧縮になるものを入れておくとデッキが締まります。ちょっと前まではフェッチランドは入手困難でしたが、『タルキール覇王譚』で再録された今がチャンス! この機会に手に入れてみてはいかがでしょう?

 次にマナ加速です。これもデッキの構成にもよりますが15枚前後はほしいところ。土地とあわせてデッキの半分程度がマナベースだと安定してプレイできます。

 マナ加速といっても緑であればマナを出すエルフや《不屈の自然》系の呪文など豊富に揃っていますが、他の色ではそうもいきません。必然的にマナを出すアーティファクトに頼ることになります。《太陽の指輪》のような1マナ以下のマナ加速はタダ強いので入れておけばそれだけでお得。

 基本は2マナが中心となるでしょう。2マナには「印鑑」や「タリスマン」、『統率者(2014年版)』でも収録されている「ダイヤモンド」などが揃っています。2マナのマナ加速は、2マナから4マナへジャンプする流れを作ってるものなので、とにかく4マナの統率者を早く出したいようなデッキなら多めに投入してもよいと思います。

 また、《連合の秘宝》や《摩滅したパワーストーン》は1枚で2マナ増やすことができ、一気に3マナから6マナへジャンプが可能です。6マナの統率者を採用しているならこれらを使うとよいサポートになります。7マナ以降の怪獣大決戦をしたいのであればこれらアーティファクトマナ加速はきっちり入れるようにしましょう。

2マナから4マナへジャンプ!

3マナから6マナへジャンプ!

(3)軸に沿ったカードを入れよう!

 マナベースで約半分のカードを使うので、その残りが実際にデッキでやりたいことに使えるカードになります。統率者を決めたらそのテーマにあったカード、シナジーのあるカード、コンボカードなど自分の入れたいものをリストアップしていきましょう。ここで50枚埋まるならそれでもよし、もうちょっと安定性がほしい、対戦相手の妨害をしたいなどがあればドローやサーチ、除去ができるカードを入れていきます。

(4)ドロー&サーチを考えよう!

 100枚で同じカードを1枚ずつしか入れられない統率者戦のデッキでは、狙ったカードを引くのは困難です。そこでデッキの安定性を上げたいのであれば、ドローやサーチのカードを入れることになります。この枚数は完全に個人の好みなので、ランダム性を楽しむのであれば全く入れなくてもいいですし、どうしてもほしいものがあれば多めに入れてもかまいません。ここはデッキを試しに使ってみながら自分に最適な数を探してください。

(5)除去を考えよう!

 自分のやりたいことをするだけだったら除去できるカードは必要ありません。しかし、統率者戦を4人で遊んでいれば残り3人はみんな敵。どこかで必要になるかもしれないということで、少しは持っていてもいいかもしれません。自分がやりたいことをする前に相手がゲームを決めてしまったらそれまでですからね。

 ただ、何でもかんでも1人で全部対処する必要はありません。先ほど敵は3人といいましたが、誰か1人が勝つような状況ではそれ以外の2人は味方になるのです。自分を含めた3人のうち誰かが対処できればいいのですから、全部自分で背負い込む必要はないのです。全体除去のカードは全員のスピードを下げますが、単体除去は使った人と使われた人がカードアドバンテージを失い、他の2人が得をするものです。あまりあってもしょうがないのでいざというときのための保険として、全部で5~10枚ほどあればいいかと思います。自分は相手の技を全部受け止めてやるんだ、誰か対処したければすればいいというスタンスでいくのであれば、いっそ除去をまったく採用しないというのもありだとは思います。

 なお、統率者戦では必ず全員が統率者のカードを使っているのですから、クリーチャー除去が無駄になることはありません。また、先ほど緑以外ではアーティファクトのマナ加速は必須といいましたが、裏を返せば誰しもがアーティファクトを使っている可能性が高いということになります。なので、アーティファクト除去も完全に無駄になるということはないと思います。

(6)実際に使ってみよう!

 実はここが一番大事、どんなに基本に忠実にやってみても、動かしてみなくては実際の感覚をつかめません。実際にプレイすると「あそこがよくなかった」「あの人が使っていたあのカード面白そう」など、いろいろなことに気づきます。この気づきが統率者をやっているときの楽しみでもあります。まずはデッキを組んでみてプレイしてみる。その後いろいろ調整しながら自分のデッキを育てていきましょう。

 いかがでしたか? 多少は統率者のデッキ作りがどういうものか伝わったでしょうか? 次回は、実際にカードを使ってサンプルデッキを作ってみたいと思います。

 それではまた!

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