季節外れの花が夏を呼ぶ?プロツアー『運命再編』で塗り替えられたモダンの歴史を見よ!

更新日 Feature on 2015年 2月 16日

By 浅原 晃

 余寒なお厳しいこの頃、プレイヤーの皆様にはご壮健のこと何よりと存じます、浅原です! そんなコピペ挨拶は置いておきまして、プロツアー『運命再編』、行ってきました! 今回は鍛冶に代わり、プロツアーで実況を務めました浅原がプロツアーの様子や振り返っての見所などをお伝えしていきましょう。

 プロツアー『運命再編』はアメリカのワシントンD.C. にて現地時間2月6日(金)~8日(日)に行われました。ワシントンD.C.はアメリカの首都ということで、各所に博物館や歴代大統領、偉人の像などが数多く点在します。そこで、我々実況陣も、前日に挨拶に行ってまいりました。温故知新、その国の祖先の霊への挨拶回りはアブザンの氏族では欠かせませんからね!


アメリカの歴代のカン達への挨拶回り!

メタゲームの行方は?

 さて、今回のプロツアーは『運命再編』と『タルキール覇王譚』のドラフト、そして、禁止改定によって環境の大きく変わった「モダン」で行われました。特にモダン環境は、デッキの原動力として使われていた《宝船の巡航》と《時を越えた探索》、そして、メタゲームの中心となっていた《出産の殻》が禁止され、また、《ゴルガリの墓トロール》が解禁されたことで、新環境では果たしてどのようなデッキが勝つのか? というのは参加者も含め多くのプレイヤーが興味深いところではなかったでしょうか。

 そして蓋を開けてみると、断然の一番人気だったのが30%近くのプレイヤーが使用した、アブザンデッキ。スタンダードでもお馴染みの《包囲サイ》はスタンダードを席巻するだけでなく、モダン環境へと進出し、その包囲網を確実に広げていると言えるのでしょう。

 しかし、もっとも印象的だったのは『運命再編』で加わり、今回の生放送でも「バナナ」の愛称で親しまれていた《黄金牙、タシグル》。実質的に1~2マナの4/5クリーチャーであり、環境の主力除去である《稲妻》《突然の衰微》では除去されず、《流刑への道》で得た土地を生かせる能力を持っているとあって、伝説のクリーチャーでありながら4枚採用されるデッキも見られました。

バナナが世界的に大流行!?

決勝はコンボ対決!

 しかし、そんなアブザンが隆盛を狙う中、決勝の舞台に残ったのは、モダンのトーナメントで結果を残していた2つのコンボデッキ。理論上なら1ターンキルも可能な爆発力を持つ「アミュレット・ブルーム」と、コントロールデッキとしても動ける対応力の高い青赤「欠片の双子」の対決となりました。

Justin Cohen - 「アミュレット・ブルーム」

プロツアー『運命再編』 / モダン
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Antonio Del Moral Leon - 青赤「欠片の双子」

プロツアー『運命再編』 / モダン
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 特に「アミュレット・ブルーム」は最近のトーナメントで結果を残し続けており、ついにプロツアーも制するのか? と思われましたが、この対戦では絶対的な決め手となる《血染めの月》をサイドボードに用意していた、青赤「欠片の双子」の勝利となりました。

 環境の初期はコンボデッキが強いという言葉もあるように、環境の激しく変わるモダンらしい結果と言えるのかもしれません。トップ8のデッキリストや決勝の様子は観戦記事ニコニコ生放送でタイムシフト視聴が可能ですので、そちらもぜひぜひご覧ください。

 優勝したアントニオ・デル・モラル・レオン選手はMagic Onlineで努力を重ねるなど、これからのプロツアー戦線でも期待できる、今シーズンの注目の選手と言えるでしょう。

夢の20点パンチ?

 モダンでは、コンボデッキが制したプロツアー『運命再編』ですが、ドラフトにおいても見所はたくさん。その中でも、まるでコンボデッキのような派手な試合を1つ、ご紹介しましょう。その主役となるカードは、『運命再編』に収録された《ティムールの激闘》。クリーチャーに二段攻撃、そして、獰猛でトランプルを与えるこの呪文は、パワーの高いクリーチャーに使えば簡単に10点以上のダメージを与えられるため、赤緑系のドラフトデッキで活躍します。それが《強大化》が合わさると?

 第11回戦、弱冠16歳の新鋭マーティン・ミュラー/Martin Müllerは、殿堂プレイヤーかつレジェンドであるズヴィ・モーショヴィッツ/Zvi Mowshowitzへと挑みます。1試合目、マーティンの1発目20点パンチはズヴィの《砂爆破》によってかわされてしまいますが、後の2試合ではとんでもないことが…!? 個人的にもっとも盛り上がった試合の様子は、ぜひタイムシフト視聴(3:19:00ごろ)でご覧ください。

モダンの世界は一日にして成らず

 プロツアーは終わりましたが、モダンの新しい環境はまだ始まったばかり、まだまだ未開拓な部分も多く存在します。奇抜なデッキでプロツアーに挑むことは勇気が要りますが……そういった、誰も通らない道を通ることを生きがいにしているプレイヤーもいるのです。

 殿堂プレイヤーと「革新者」の二つ名を持つアメリカのパトリック・チャピン/Patrick Chapin、そして、同じく殿堂プレイヤーでフランスのレジェンド、ラファエル・レヴィ/Raphaël Lévyは独創的なデッキを持ち込んでいます。モダン環境に一石を投じるだけでなく、それでプロツアーという巨大な鳥を捕ってしまおうと狙っているのですから、尊敬、畏敬といった感情が彼らに集まるのも当然と言えるのかもしれません。

Patrick Chapin - エスパー探査

プロツアー『運命再編』 / モダン
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Raphaël Lévy - 「壌土からの悪疫」

プロツアー『運命再編』 / モダン
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 他の独創的なデッキも「ローグたれ」などのカバレージ記事で紹介されています。我こそは次代の革新者というプレイヤーの方はチェックしてみてください!

次回はプロツアー『タルキール龍紀伝』

 次回のプロツアー『タルキール龍紀伝』は現地時間4月10日(金)~12日(日)にベルギーのブリュッセルで行われます。残念ながら今回のプロツアーでは、日本選手はトップ8に入ることはできませんでしたが、スタンダードで行われる次回のプロツアーには、大いに期待できるのではないでしょうか。

 日本からはお馴染みのプラチナプロの3トップ、渡辺雄也選手、山本賢太郎選手、市川ユウキ選手や、ジャパニーズイノベーターの行弘賢選手、八十岡翔太選手、そして、レジェンドの殿堂プレイヤー枠からはあの世界のISOこと、大礒正嗣選手も参加予定とのことなので見逃せません。

 プロツアー『運命再編』いかがでしたでしょうか、それでは、また、次のプロツアーの生放送で、お会いしましょう!

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