行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第2回:『運命再編』入りドラフト 答え合わせ編

更新日 Feature on 2015年 2月 18日

By 行弘 賢

 皆さんこんにちは! 今回は前回から引き続き後編ということで、「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」をしていきましょう。

 まずはプロツアー『運命再編』を終えて、実際にどのような環境だったかを解説していきます。

1.プロツアーを終えて環境のまとめ

 前回の記事でも書きましたが、僕が感じた最初の印象がこれです。

  • 「2色以上出る土地の総数が減ったから多色化は難しくなった」
  • 「コモンに呪印サイクルなど攻めに使えるカードはあるが、全体的に弱めなので1パック目でデッキの形を作るのが難しくなった」
  • 「青と白だけ他の色よりコモンが強いので人気色になりそう」
  • 「マルチカラーの対抗色コモンカードが強いので、今まで以上にその2色のピックをする人が増えそう」

 そしてその後の練習過程やプロツアー本番でも、これらの印象は大きく外れていないと感じました。これらの「的中度」を点数にすると、以下のようになりました。

80点:「2色以上出る土地の総数が減ったから多色化は難しくなった」

 間違いなく多色の傾向は減りました。

60点:「コモンに呪印サイクルなど攻めに使えるカードはあるが、全体的に弱めなので1パック目でデッキの形を作るのが難しくなった」

 1パック目で『タルキール覇王譚』に比べてデッキの形を作るのが難しくなったのは間違いないですが、ほとんどの場合2色ピックをすることになるので、思った以上にはデッキの形になりました。ただし3色以上に手を出すと途端にデッキの方向性を作るのが難しくなります。

100点:「青と白だけ他の色よりコモンが強いので人気色になりそう」

 青と白は間違いなく人気色でした。

100点:「マルチカラーの対抗色コモンカードが強いので、今まで以上にその2色のピックをする人が増えそう」

 対抗色コモンカードサイクルを理由にした、2色のデッキは明らかに増えました。

 という感じで、今回の環境予想はおおむね正解といったところでしょうか。

 ですが、もちろん予想していなかった部分もあります。それは、

  • 「2色ピックの弊害で、『タルキール覇王譚』の強い3色のカードが流れやすい」
  • 「アーキタイプドラフト環境」

 この2点です。順番に説明していきます。

「2色ピックの弊害で、『タルキール覇王譚』の強い3色の氏族のカードが流れやすい」

 「2色以上出る土地の総数が減ったから多色化は難しくなった」とも通じる話ですが、基本的に土地が弱い&2色でピックするため、3色のカードをピックするのがかなり難しくなっています。結果、自由にピックがしにくくなり、『タルキール覇王譚』で3色の強力なカードが流れてくることが多くなっています。

 例えばですが、前の環境では初手クラスの《軍備部隊》や《子馬乗り部隊》が、平気で5~6手目以降まで流れてきたりします。

意外にも流れてくる!?

 土地基盤こそ弱くなりましたが、その分『タルキール覇王譚』で多色の強いカードを取りやすくもなったため、多色ピックも十分に成り立ちます。2色ピックをしていても3色のカードをタッチできるマナベースぐらいは確保すると、2パック目以降のピックの自由度が格段に増しますね。

「アーキタイプドラフト環境」

 ここでいうアーキタイプドラフトとは、いずれかのカードの組み合わせにデッキを特化させるピックをすることです。例えば、《ジェスカイの呪印》+《旋風の達人》のようなコンボを中心に、それと相性の良い《頑固な否認》や《ティムールの激闘》等で肉付けしていく......といったピックです。

メインコンボ

コンボを強化・サポートするカード

 2色環境であるがゆえに、マルチカードのカードパワーに頼りづらくなったので、単純なカードの質ではなく、デッキとしてのまとまりが以前より必要になりました。結果、ある程度ドラフトの早いうちから目指すデッキを決めないと、中途半端なデッキができあがってしまうことが多いです。

 以上2点を加え、前回のファーストインプレッションと統合した環境のまとめは以下になります。

  • 「青と白だけ他の色よりコモンが強いので人気色」
  • 「マルチカラーの対抗色コモンカードが強いので、その2色の組み合わせの色でドラフトする人が増えた」
  • 「2色以上出る土地の総数が減ったので、2色ピック推奨」
  • 「2色ピックをする人が増えたので、『タルキール覇王譚』のパックで3色のカードが流れやすくなった」
  • 「1パック目のコモンではアーキタイプに寄せたほうが強いカードが多いので、デッキの方向性を意識しないと形作るのが難しい」

 さて、次はこの環境で実際にどのようなアーキタイプが活躍しているか、サンプルレシピ込みで解説していきます。

2.各種注目アーキタイプ

「青白強化」

青白強化 サンプルデッキ

『運命再編』『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
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 基本的には青が中心になりやすいアーキタイプです。《ジェスカイの呪印》を中心にクリーチャーを強化し、それを《頑固な否認》や《抵抗の妙技》などで除去から守ります。

 《旋風の達人》にいたっては守ることすらしなくてよいので、実質《ジェスカイの呪印》との2枚コンボになります。普通に飛行で殴りきってもよく、1パック目に優秀なコモンが多い2色の組み合わせなので、強いデッキになりやすいです。


「青赤ビートダウン」

青赤ビートダウン サンプルデッキ

『運命再編』『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
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 基本的には赤が中心になりやすいアーキタイプです。パワーの高い地上クリーチャーで攻め立てるも良し、飛行クリーチャーで殴って良しとバランスのとれた攻めるデッキです。相手のライフをある程度減らせたなら、《石弾の弾幕/Barrage of Boulders(KTK)》などの「ライフを詰める」カードでとどめを刺しましょう。

 緑絡みの土地が取れたなら《雪角の乗り手/Snowhorn Rider(KTK)》を足すとよりデッキが引き締まります。青の部分を緑にしても近いアーキタイプが狙えるので、『運命再編』では赤を中心にピックしながら選ぶと良いと思います。


「白黒戦士」

白黒戦士 サンプルデッキ

『運命再編』『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
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 環境最強とも名高いアーキタイプです。他のデッキより一足早いビートダウンを仕掛けることができ、《過酷な命の糧/Harsh Sustenance(FRF)》はそのビートダウンの後押しするカードとして最高の仕事をします。それに加えて戦士シナジーをしっかり組み込むことができたなら向かうところ敵なし。狙えるなら狙いたいアーキタイプです。

 赤絡みの土地が取れたならこれに《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade(KTK)》を足して、トークン戦術にするのも良いですね。

「黒緑系コントロール」

黒緑タッチ青コントロール サンプルデッキ

『運命再編』『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
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 緑と黒の防御的カードで序盤をしのぎ、アドバンテージを稼ぎながらフィニッシャーで勝つアーキタイプです。今回はコモン・アンコモンだけで構築していますが、コントロールにふさわしいレア以上のパワーカードが複数枚あると望ましいですね。

 黒と緑だけでは基本的にカードパワー不足になりやすいので、白か青を足して2パック目以降の3色のカードをピックできるよう、マナベースの確保も意識したほうが良いです。今回は青を足してアドバンテージの確保と、カードパワーの底上げを狙ったデッキになっています。4色以上の多色化を狙う場合も、とりあえず緑黒を中心にピックし序盤をしのぐ構成にすると守りやすくなり、後半のパワーカードに繋げやすいため、緑黒ベースで組むと良いと思います。

 以上4つが僕が積極的に狙いたい「注目のアーキタイプ」になります。ドラフトする際は、できるだけ上記のどれかを狙う形でドラフトするとデッキの形が作りやすくなると思いますので、ぜひ参考にしてください。

 他にも1パック目に対抗色コモンのある「青緑」「赤白」はデッキを作りやすいですし、土地が取れてしっかり3色で組むことができたなら、各種氏族の均等3色も今までと同じで強いです。ただし上記の注目アーキタイプに比べると、デッキパワーの問題やマナバランスの問題などもあり、積極的には狙いたくはないですね。

3.運命再編のトップコモン&アンコモン

 前回も運命再編の各色トップ3を挙げましたが、今回はそれの改訂版になります。

 前回から評価が変わってトップ3から抜けたカードと入ったカードのみ解説していきますので、前回の記事を読んでいない方はぜひそちらも確認していただけたらと思います。惜しくもトップ3に入らなかったものの、評価が急上昇したカードなどについても少し触れていきます。


白・アンコモン

今回のトップ3 前回のトップ3
光変化 光変化
名誉の報賞 交感の痛手
鱗衛兵の精鋭 鱗衛兵の精鋭

in

名誉の報賞》:「鼓舞2」がコンバットトリックとして非常に優秀な上に、4点のライフ回復がダメージレースを大幅に有利にしてくれます。強化系アーキタイプでも重宝します。

out

交感の痛手》:十分に強いカードですが、6マナと重いカードであり複数枚はデッキに入れたくないので評価を少し下げました。


白・コモン

今回のトップ3 前回のトップ3
砂草原ののけ者 砂草原ののけ者
魂の召喚 魂の召喚
砂爆破 アブザンの飛空隊長

in

砂爆破》:攻めにも守りにも使え、ほとんどの場合で確定除去になるので、頼りになる汎用性の高い除去として評価を上げました。

out

アブザンの飛空隊長》:4マナの飛行クリーチャーとしては及第点ですが、サイズの小ささにやや不満が残ります。デッキには入るスペックですが複数枚欲しくはないです。


青・アンコモン

トップ3(変更なし)
雲変化
マラング川をうろつくもの
霧炎の達人

霜歩き》:パワーの高い2マナ域として評価が上がりましたが、トップ3には及びません。


青・コモン

今回のトップ3 前回のトップ3
エイヴンの偵察員 エイヴンの偵察員
蓮道のジン 蓮道のジン
ナーガの意志 スゥルタイの頭蓋守り

in

ナーガの意志》:予示カードのおかげで墓地を増やしやすくなり、探査のカードは以前より強くなりました。このカードも例に漏れず撃ちやすい探査のカードで、ダメージレースや最後の一押しで非常に活躍する一枚になります。

out

スゥルタイの頭蓋守り》:探査の助けになる上に貴重な2マナ域と申し分ない性能ですが、《ナーガの意志》と比べると若干評価が落ちます。


黒・アンコモン

今回のトップ3 前回のトップ3
有毒ドラゴン 有毒ドラゴン
オークの必中弾 カルシの高僧
戦いの喧嘩屋 戦いの喧嘩屋

in

オークの必中弾》:環境にタフネス1のクリーチャーが増えたのでターゲットも多く、トークンを出すカードとの相性は抜群。前回、なぜトップ3に入っていなかったのか分からないレベルに強いカードです。

out

カルシの高僧》:思った以上に使い勝手が良くない上に、単体だとほぼ何もしないので評価を下げました。


黒・コモン

今回のトップ3 前回のトップ3
グルマグのアンコウ 薄暗がりへの消失
影の手の内 影の手の内
チフス鼠 チフス鼠

in

グルマグのアンコウ》:探査が強くなったのと、単体のサイズが5/5と対処が難しい、環境的にも良いサイズなので評価を上げました。

out

薄暗がりへの消失》:それなりに強い除去ではありますが、変異カードを以前より見る機会が減り、思ったよりターゲットが少ないので評価を下げました。


赤・アンコモン

トップ3(変更なし)
発火
憤怒変化
乱撃斬

  特に変更はありません。


赤・コモン

今回のトップ3 前回のトップ3
龍火浴びせ 龍火浴びせ
ゴブリンの踵裂き ゴブリンの踵裂き
ティムールの激闘 マルドゥの斥候

in

ティムールの激闘》:最強の巨大化系呪文と言っても過言ではない性能。相手のクリーチャーを除去しつつプレイヤーにもダメージを与えられるので、攻めるデッキでは重宝します。

out

マルドゥの斥候》:評価自体はほとんど変わりませんが、《ティムールの激闘》と相対評価でトップ3から抜けました。


緑・アンコモン

トップ3(変更なし)
ティムールの剣歯虎
破壊するドラゴン
アブザンの獣使い

隠匿物の防衛》:「青白強化」のような強化系アーキタイプで爆発力があるので以前より評価は上がりましたが、トップ3には及びません。

緑・コモン

今回のトップ3 前回のトップ3
弱者狩り 弱者狩り
荒野の囁く者 荒野の囁く者
残忍なクルショク 開拓地のマストドン

in

残忍なクルショク》:環境のコモンクリーチャーの中ではナイスサイズ。緑のメインアタッカーとなりやすいです。

out

開拓地のマストドン》:思った以上に3/2として出すことが多く、評価が下がりました。


 以上各色トップ3でした。皆さんと評価が違う部分ももちろんあると思いますので、ぜひ見比べてみてください。

4.最後に

 今回の記事はこれで終わりです。前編・後編とやらせていただきましたが、いかがだったでしょうか? 感想いただけましたら今後の参考とさせていただきますので、ぜひTwitterなどでお送りください。

 今後も、新セットが出るたびに今回の形式の連載記事を書かせていただく予定ですので、皆様よろしくお願いいたします。次回は『タルキール龍紀伝』発売直前にまたお会いしましょう。それでは!

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