フューチャー・フューチャーの日々・『ニクスへの旅』&『基本セット2015』編

更新日 Latest Developments on 2014年 8月 1日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 フューチャー・フューチャーの日々へようこそ、今回は我々がフューチャー・フューチャー・リーグで作ったデッキをいくつかご紹介し、我々がスタンダードのバランスを取ろうとしているときに何を考えているかについての洞察をお伝えします。

 例によって、ご紹介するデッキの中のカードの多くは最終的に印刷されたバージョンとは異なることをお伝えしておきます――我々のデッキに入っているカードは完成品よりも強力な場合もあれば、完成品よりも弱い場合もあります。

召喚の調べ》 アート:Karl Kopinski

 これらのデッキは数ヶ月に及ぶセットの微調整の体現であり、カードは絶えず流動的であなたが競技レベルのデッキリストで見かけないものかもしれません。だからといってこれらのデッキが強くないものばかりというわけではありません。これは我々のメタゲーム、またはデッキに入っているカードの作用が単に異なっているだけです。一見強すぎるようには見えないカードの中にも、我々が将来最も後悔することになるカードがよくあるので、我々の目的は全てを試して把握することです。

 というわけで、始めていきましょう。

 元々の《ヘリオッドの指図》は2倍《栄光の頌歌》ではなく、2倍《十字軍》で4マナでした。

White Weenie by Sam Stoddard

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Istantaneo (3)
3 Brave the Elements
Artefatto (2)
2 Spear of Heliod
Terra (24)
24 Plains
ALTRI (8)
4 Oromai Shieldmate 4 Heliod's Dictate (at 2WW)
61 Carte

 このリストは《ヘリオッドの指図》の評価用としてかなり適当に作ったものです。その結果は言うまでもなく強すぎでした。このカードは《波使い》が《審判官の使い魔》や《雲ヒレの猛禽》を大量にプレイすることを強制するのとは違い、大量に白いクリーチャーをプレイすることを強制する必要はありませんでした。

 基本的に、我々はカードをテストするときに、現実世界でどんな種類のデッキでそれらが見かけられるであろうかを把握しようとします。『ニクスへの旅』がデベロップされていたとき、現実世界では多くの《炎樹族の使者》デッキが存在していたので、我々はそのカードをプレイすることに多くの時間を費やして、アグロ・デッキの限界をどれだけ押し上げるかだけを見ていました。

Red-Green Flamespeaker by David Humpherys

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 このバージョンでは、デイブは彼の手がけたセットの神話レアである《予言の炎語り》を試していて、湧血クリーチャー満載のデッキでこれがどのようにプレイされるか、加えて《予言の炎語り》を推す方法を見ていました。現実世界では(まだ)あまり行われていませんが、《ゴーア族の暴行者》を《予言の炎語り》に湧血すればすごいダメージが出ること請け合いです。

 またある時には、我々はマジカル・クリスマスランドへとカードをテストするための小旅行をして、そしてそのカードが中心に組まれたデッキがどれぐらいの強さになるのかを見てこなければなりませんでした。

Bant Time Walker by Ben Hayes

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Planeswalker (4)
4 Ajani, Mentor of Heroes
Stregoneria (4)
4 Give // Take
Istantaneo (8)
4 Solidarity of Heroes 4 Plasm Capture
ALTRI (4)
4 Monumental Effort [this card no longer exists]
60 Carte

 最初期のバージョンの《時の賢者》は最終バージョンよりもずっと強く、このようなデッキは素早くいわゆる無限ターンを決めるか、少なくとも対戦相手が死ぬのに十分なターンを得ることができていました。我々はこのカードを、少なくとも挑戦しようと思うだけの数のターンがかかるように少し弱体化しました。

 プレインズウォーカーは適正な強さにするのが最も難しいカードなので、我々は数字や能力が最終的に印刷される前に多くの時間を費やして、数字を微調整したり新たな能力を試したりしています。

Bant Superfriends by Ben Hayes

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 このデッキを作ったとき、《英雄の導師、アジャニ》は相手側のクリーチャーにもカウンターを乗せることがことができました。我々はこの能力を《太陽の勇者、エルズペス》とのコンボで片方だけに《神の怒り》するために使うことは、楽しいことよりも苛立つことのほうが大きいと判断したので、自分の側にしかカウンターを置けないように変更しました。

 また我々は現実世界の結果を見て、新しいセットがそれらのデッキに加えられてどのようにプレイされるかを推測します。

Jund Ramp by Sam Stoddard

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 このデッキが作られたとき、ジャンドは現実世界でかなりの成功を収めており、私はそれをFFLに変換するとどうなるかを見るべく、このデッキを作りました。この最終バージョンはどこか最近のスタンダードに少し似ていますが、それよりも少し洗練されていませんでした。

 また我々はある種のゆっくりしたデッキを見ることに時間をかけ、この白青《交易路》の場合はアンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoが(当時)最新のスタンダードでプレイしていたデッキに似ています。我々の疑問は、このデッキがまだ機能するかどうか、そして(あるならば)学ぶことができるのは何か、です。

White-Blue Trading Post by Ben Hayes

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 「ReConstructed」でおなじみガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyは、かなりゆっくりとしたコンボ・デッキの大ファンであり、彼の記事で新しいカードを使ったコンボ・デッキを試しています。この場合は、《テューンの大天使》と《地平線のキマイラ》と《水深の魔道士》の無限コンボに気がつきました。このフォーマットに強力な教示者(《召喚の調べ》)を入れたので、我々はそれがこのデッキでどういう動きをするかを見てみたいと思ったのです。

Horizon Chimera Combo by Gavin Verhey

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 我々のテストでこのデッキは《召喚の調べ》が入ってより強力になったとはいえ、心配はいらないと判明しました。

 この頃にアダム・プロサック/Adam Prosakがデベロップ・チームに加わりました。新たなデベロッパーの加入は、新鮮な視点と我々に欠けていた種類の物事に関する考えを得るので、いつだってエキサイティングです。アダムが最初に考え出したデッキのひとつは赤白のバーン・デッキでした。

Burn, Baby, Burn by Adam Prosak

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 このデッキはグランプリ・モスクワ(リンク先は英語)で優勝したデッキと似ています。そのことはこのデッキのカード自体を変更することにはなりませんでしたが、他のデッキをよりよく調整し、成功するために必要なものが何であるかを気づかせる助けとなりました。

 『基本セット2015』はスリヴァーが再登場し、そして我々は『基本セット2014』でできなかったことをしたいと思いました――つまりスリヴァーが競技レベルに、少なくともFNMのレベルでは勝てるようになることです。

Slivers! by Ben Hayes

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 このデッキは基本的にかなり競技的だということが分かりました。このデッキを競技レベルにであるようにするための最大の変更は、《スリヴァーの巣》からスリヴァー以外にも使える無色のマナが出るようになったことで、その理由はこのデッキが競技レベルになるためには《ドムリ・ラーデ》や他の除去が必要だったからでした。このデッキには弱点も多いのですが、私は『タルキール覇王譚』が出る前にこのデッキが頭角を現してほしいと思っています。

 我々がデータを収集できる最高の場所のひとつは、プロツアーを見て(あるのならば)何を見落としていたかを確認し、それらのカードに対策をすることです。我々が警戒すべきように見えたリストに挙がった中のひとつが緑単信心でした。我々はこのリストを持っていましたが、《旅するサテュロス》をプレイしていませんでした。我々は《クルフィックスの狩猟者》がまだ上がってくるのは分かっていたので、外部デザイナー・カードの《起源のハイドラ》をこのデッキに入れても狂いすぎたことにならないようにしたいと思いました。

RG Nykthos Ramp by Sam Stoddard

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 このデッキの目的はシンプルです――大量にマナを出して《起源のハイドラ》で《獣の統率者、ガラク》を出してさらにカードを引くか、《歓楽の神、ゼナゴス》で巨大なアタッカーにするか、《狩猟の神、ナイレア》で致命的なパンプをするかです。

 時には、我々はデベロップのとても遅い時期に変更を行うことがあります。例えば、《屍術士の備蓄品》はファイルに入っていましたが、本当に何もしないカードでした。このカードのアートは既にできていて、我々はこのカードのスペースのために何かもっと楽しいものをデザインしようと試みました。

Zombies by Mons Johnson

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 モンスのデッキの狙いは、通常のように大群で攻撃できるゾンビに加えて、活用カードでアドバンテージを得るテストをすることです。

 今回の『ニクスへの旅』と『基本セット2015』期のFFLでプレイされていたデッキの一部のご紹介は以上です。来週の捕食者特集では、メタゲームの中での捕食者と、それに捕食されるものについてのお話をしたいと思います。

 それではまた来週お会いしましょう。

サム (@samstod)より

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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