フューチャー・フューチャーの日々『タルキール覇王譚』編

更新日 Latest Developments on 2014年 10月 10日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

原文はこちら

 フューチャー・フューチャーの日々へようこそ、今回は我々がフューチャー・フューチャー・リーグで作ったデッキをいくつかご紹介し、我々がスタンダードのバランスを取ろうとしているときに何を考えているかについての洞察をお伝えします。

 例によって、ご紹介するデッキの中のカードの多くは最終的に印刷されたバージョンとは異なることをお伝えしておきます――我々のデッキに入っているカードは完成品よりも強力なことも、より弱いこともあります。

僧院の速槍》 アート:Steve Argyle

 これらのデッキは数ヶ月に及ぶセットの微調整の体現であり、カードは絶えず流動的であなたが競技レベルのデッキリストで見かけないものかもしれません。だからといってこれらのデッキが強くないものばかりというわけではありません。これは単に、我々のメタゲームかデッキに入っているカードの作用が異なっているだけです。一見強すぎるようには見えないカードの中に、我々が将来最も後悔することになるカードがよくあるので、我々の目的は全てを試して把握することです。

 というわけで、始めていきましょう。

 我々が最初に試したデッキの1つは「変異」関連デッキでした。結局のところ、このメカニズムは多くの複雑な空間を取り上げ、そしてスタンダードで「物になる」いくつかの機会を得ていなかったならば、恐らくこれはこのセットに入れるに値しなかったでしょう。私はこれが最終的にどれぐらい強くなるかは分かりませんが、我々のテストでは多種多様なバージョンの変異デッキが、トップメタかそれに準ずるデッキになりました。

Morphs by Ian Duke

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アーティファクト (4)
4 Ghostfire Blade
エンチャント (6)
2 Trail of Mystery 4 Secret Plans
他 (4)
4 Talon Shaman
64 カード

言うまでもなくこれは楔のブロックで、我々の努力の多くはその3色デッキが適正なパワー・レベルで機能することに向けられました。その目標は、『タルキール覇王譚』が発売された時には人々がそれらをプレイする一方、それからの18ヶ月間のスタンダードで最強にはならないようにすることです。その自己矛盾や複雑なマナ基盤をプレイするという弱点にも関わらず、それらのデッキはプレイする価値があったので、我々は多くの時間を費やして調整を行いました。例えば、下のデッキは対アグロを意図したデッキに《嵐の神、ケラノス》のようなゲーム後半に強力なカードを少数入れた、初期のジェスカイ・コントロールです。

Jeskai Control by Ben Hayes

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テストして分かったことの1つは、《スフィンクスの啓示》がなければコントロール・デッキにはより多くの選択肢があるということです。我々が発見した人気のデッキの1つはマルドゥで、大量の除去をプレイしてからアドバンテージを得るためにプレインズウォーカーを用いる素晴らしい働きをしました。

このデッキリストに《ヴェールのリリアナ》が入っていることにお気づきかもしれません。彼女は『基本セット2015』に残りませんでしたが、我々は彼女をかなり長い間試し、そしてスタンダード全ての中で(当たり前ですが)最強のカードの1枚であると把握しました。《ヴェールのリリアナ》のテストを長い時間行った後、我々は彼女の対策カードを『タルキール覇王譚』に入れるか、『基本セット2015』で彼女を差し替えるかのどちらかをしなければならないと分かり、我々は後者を選択しました。

Mardu Control by Adam Prosak

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 我々は各氏族でいくつかの異なるデッキを試しました。例えばアブザンはミッドレンジで最もうまく機能する傾向にあるので、我々はプロツアー『テーロス』で見たようなものに、『タルキール覇王譚』にあった最も効率的なクリーチャーを入れたデッキをプレイしました。

Abzan Midrange by Ian Duke

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ソーサリー (3)
3 Thoughtseize
インスタント (5)
3 Hero's Downfall 2 Abzan Charm
エンチャント (3)
3 Suspension Field
他 (13)
3 Abzan Supremacy 2 Ajani, Steadfast 4 Abzan Citadel 4 Temple of Abundance
60 カード

スゥルタイのデッキは《血の暴君、シディシ》でトークンを作ったり《イニストラードの魂》でアドバンテージを得たりするために墓地ベースのデッキになる傾向がありました。長い間、《血の暴君、シディシ》は削れたクリーチャーと同じ数のトークンを出していましたが、《神々との融和》のようなカードと3体以上のゾンビ・トークンを作り出すのは振れ幅が大きすぎることを発見しました。

Queen Sidisi by Max McCall

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最後に、ティムールのデッキは『テーロス』ブロックの基本的な赤緑怪物デッキとよく似た傾向にあり、《凶暴な拳刃》、《龍爪のスーラク》、《頑固な否認》のような青の追加を上手く利用しています。

Temur Fires by Gerry Thompson

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 これは各氏族にデッキを作る良い方法が1つだけしかないということではありません。例えばこのバージョンのジェスカイは、最初にご紹介したものとは信じられないぐらい別物です。コントロール・デッキではなく、バーンを交えたアグレッシブなデッキです。

Jeskai Burn by Adam Prosak

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 次に、こちらは勝ち手段としてバーン要素を減らし、果敢メカニズム(カンフーと呼ばれていました)により焦点を当てた別のデッキです。

Jeskai Kung Fu by Adam Prosak

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我々の別のティムールのデッキは最終的にコントロールの領域に近づき、このデッキのクリーチャーのほとんどがタフネス4を持ち《神々の憤怒》を生き残ることを上手く活かしています。

Temur Midrange by Gerry Thompson

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 我々が作ったアブザンのデッキもまた色々な種類がありました。このデッキはそれ以前のアブザンのデッキにヒントを得ていますが、プレインズウォーカーでゲームを決めることにより焦点を当てています。

Abzan Control by Adam Prosak

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 楔を越えて、我々はそのパターンの外側に存在するいくつかのデッキを発見しました。このゲイリー・トンプソンによるデッキは、色んな意味でプロツアー『ニクスへの旅』のジェイソン・エリス/Jason Ellisのデッキと似ています。

Mono-Black Aggro by Gerry Thompson

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 赤単デッキは複雑なマナ基盤のデッキを狩る性質を持っているので、我々の挑戦の大部分を占めていました。

 例えば、このデッキは「Magic Online」のブロック構築で活躍した赤単デッキとかなりよく似ています。

Mono-Red Heroic by Adam Prosak

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 もう1つの本命は赤白でした。特にこのリストは、上記のマルドゥのデッキの強力な除去という観点から多くのアドバンテージを得ていますが、戦場にタップ状態で出る土地の数が少なくなっています。

RW Midrange by Ben Hayes

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コントロール・デッキもまた我々の挑戦の大きな部分を占めています。4マナの《神の怒り》枠のカードが存在しないので、クリーチャー・デッキに対策するためにどのような手段を使うかによって多様化していきました。もちろん、ほとんどの白のバリエーションは《対立の終結》をプレイしましたが、青黒は強力な1対1除去を打ち、そしてカード・アドバンテージの組み合わせと、ゲームを決めるための巨大な《奈落の総ざらい》を使うことで成功を収めました。

UB Control by Adam Prosak

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また我々はこの現実世界で上手く動いていたデッキを見て、それらを移植するようにしました。プロツアー『テーロス』は緑単信心がどれぐらい現実の脅威であったかを我々に知らせてくれたので、我々は全ての強力なX呪文を活かした、新しいスタンダードでのバージョンのデッキを作りました――この場合は《頭巾被りのハイドラ》と《火口の爪》です。

RG Devotion by Gerry Thompson

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 今週はここまでです。他にもFFLのデッキリストは山ほどありますが、今すぐ全てをご紹介する準備はまだできていません。我々はプロツアー『タルキール覇王譚』を見て、そしてメタゲーム分析がどれぐらい近いものかを見るでしょう。そのデータを用いて、我々は『Blood』以降のセットを調整し、失敗したカードのバランスを取っていくでしょう。

 ではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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