フューチャー・フューチャーの日々・『運命再編』編

更新日 Latest Developments on 2015年 2月 27日

By Sam Stoddard

Sam Stoddard came to Wizards of the Coast as an intern in May 2012. He is currently a game designer working on final design and development for Magic: The Gathering.

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 またまたフューチャー・フューチャーの日々の時間がやってまいりました。この企画ではフューチャー・フューチャー・リーグのスタンダードのプレイテストを再訪して、『運命再編』のカードに焦点を当てます。

 いつものように「フューチャー・フューチャーの日々」の記事で覚えておいてほしいことは、ご紹介するこれらのデッキの多くは調整されたものではないということです。これらのデッキには今のバージョンよりも強力なカードが満載されており、大抵はデベロップの後期に変更された現実世界のカードは入っていません。またこれらは現実世界が考え出したものとは少し異なったメタゲームへの反応をしているので、あなたの地元のトーナメントにこれらを持ち込んで勝てるとは思わないでください。これら全てのデッキの目標は環境最強のデッキになることではなく、何かを試して学ぶことです。我々は時々最強のデッキのアイデアを与えてくれるトーナメントを開くこともありますが、そこでは何が可能であるかについて、そして個別のカードがスタンダード環境をより良くする方法についての正しい感触を掴みます。これらのデッキをご紹介することは、我々が何を考えていたかについての洞察を得る助けになるでしょう。もしかしたら、現実世界にはまだないクールなカードが見られるかもしれません。

 前置きはこのぐらいにして、デッキを見ていきましょう。

 新しいセットに取り組むときに我々が最初にすることは、良い基準を得るために、現在のデッキを移植して、新セットが提供するものから簡単にアップグレードできるものを見ることです。新しいマジックのセットで影響を与えることの難しさの1つは、プレイヤーにとってそのセットのカードを使った新しいデッキを作るよりも、彼らの今のデッキを少しアップグレードするほうがとても簡単だということです。我々はあなたのデッキをそのままにする選択肢も作りますが、それらのデッキが新しく提供されたデッキよりもただ強くならないようにしなければなりません――かなりの綱渡りです。

 我々のデッキの中で現実世界のものにかなり近いのが赤緑モンスターズです。我々のバージョンでは現実世界ではそれほど強くない《ゼナゴスの狂信者》が見かけられますが、デッキのその他の部分は近いものになっています。またこれは《世界を溶かすもの、アタルカ》と《歓楽の神、ゼナゴス》のコンボで大ダメージを叩き出すのに最適なデッキのように思えました。

イアン・デュークの赤緑モンスターズ

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 他にアップデートがかなり簡単だったのはアブザン・ミッドレンジでした。我々のリストは現実世界にかなり近かったのですが、間違っていたのは白マナのほうが黒マナよりも多かったことでした。そのため《英雄の破滅》ではなく《払拭の光》を使っています。

デイブ・ハンフリーのアブザン・ミッドレンジ

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 青黒コントロールはプロツアー『タルキール覇王譚』のトップ8を輩出しながらもその姿を消していました。黒い《神の怒り》である《命運の核心》を得て、我々はこのデッキが姿を現すに違いないと分かっていました。

ガヴィン・ヴァーヘイの青黒コントロール

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:《残酷な布告》は後になってこのセットから取り除かれました。

 我々の持っていたもう1つのメジャーなコントロール・デッキは、現実世界でより多くプレイされているもの――マルドゥ・コントロールです。我々のリストは少し違っていますが、プレイの仕方は似ています――そして我々は《僧院の導師》がゲーム後半の脅威を含んでいるクリーチャーであり、それ自体と軍勢を作るための除去の雨あられで速やかにゲームを決めることを発見しました。

ジョン・ロークスのマルドゥ・コントロール

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 赤緑モンスターズ以上に我々が多くプレイしたのがティムール・アグロ・デッキです。その理由の一部は、現実世界よりもコントロール・デッキが強くなっていると我々が気づいたためです。それらのデッキに対抗して、《頑固な否認》や《龍爪のスーラク》、その他の瞬速クリーチャーが現実世界のメタゲームよりも強くなりました。

ジェリー・トンプソンのティムール・アグロ

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 既存のデッキのアップデートが終わると、今度はもう少し深く掘り下げる時間です。『タルキール覇王譚』だけではうまく機能しなかったいくつかのTier2(2番手)戦略を見て、我々が『運命再編』で与えた芽が、そうしたデッキを本物にするのに十分かどうかを確かめました。

 そんなデッキの1つが、我々が現在の現実世界よりも少し高く評価した白黒戦士です。

アダム・プロサックの白黒戦士

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ソーサリー (4)
4 思考囲い
インスタント (3)
3 勇敢な姿勢
アーティファクト (2)
2 ヘリオッドの槍
エンチャント (3)
3 払拭の光
61 カード

 我々がこのデッキに足りないと信じていたものである「優秀なフィニッシャー」と「強力で軽い除去」は、《粗暴な軍族長》と《勇敢な姿勢》――これは《オレスコスの王、ブリマーズ》、《世界を喰らう者、ポルクラノス》、《クルフィックスの狩猟者》を殺すことができます――によって満たされました。

 我々の持っていた中で、トップメタより少し劣っていたデッキが緑単信心です。その理由は《女王スズメバチ》をまだ使っていなかったためでしょう。《開拓地の包囲》の適切なモードを選べば《女王スズメバチ》が《神の怒り》になる、ということに気づき、我々はこのデッキをもう少し試すことになりました。

アダム・プロサックの緑単ホーネッツ

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 『テーロス』のスタンダードで少し見られたデッキが赤単信心です。我々は《予言の炎語り》に現実世界よりもかなり熱くなっていましたが、これと《前哨地の包囲》、《紅蓮の達人チャンドラ》を介して、《ニクスの祭殿、ニクソス》を使って1ターンに複数のカードを唱えられないかと考えていました。

イアン・デュークの赤単信心

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 『ラヴニカへの回帰』『テーロス』のスタンダードを支配していて、しかし脱落したデッキが黒単です。これは『タルキール覇王譚』が楔に焦点を当てていたため驚くことではありません。新たに5マナの黒い《神の怒り》を得て、我々はこのデッキがどれだけ本物に近づけるかを見る時が来たと考えました。

ジェリー・トンプソンの黒単コントロール

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 このバージョンは面白いのですが、信心を稼ぐ動機がなく、アグロ・デッキが信じられないぐらい成功しているわけでもない状況では、他の組み合わせを差し置いて黒単をプレイする価値はありませんでした。

 《ジェスカイの隆盛》は『タルキール覇王譚』の後期に変更されたカードの1つです。これが変更されたときには、我々はすでに『運命再編』を最新セットとしてFFLでテストしていました。我々が『タルキール覇王譚』を受け取る前には《消し去りの才覚》コンボにたどり着いていませんでしたが、他のコンボパーツを試していました。《謙虚な離反者》で大量のカードを引き、《灼熱の血》で締めるのです。

アダム・プロサックの「謙虚な離反者/ジェスカイの隆盛」

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 現実世界で今見かけるものとは構造が違いますが、トークン・デッキは我々のメタゲーム内で大きな勢力を保っていました。我々は様々なバージョンを作りましたが(ジェスカイ、赤白、マルドゥ)、またいくつか実際に現れないものもありました。このデッキは大量のトークンを並べて《巫師の天啓》で大量のカードを引くうまい方法を試すために作られました。

ブライアン・ハーレイの天啓トークン

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 ジョニー向けカードを全て試すことは、我々にとって非常に大事なことです。これらのカードがスタンダードで十分に強ければ、それが楽しいようにしたいと思っていますが、そうでない場合でも、それらをプレイする人はコンボを機能させて満足感を得ます。恐らく多くのプレイヤーが『運命再編』が発売されたときに気づいたことの1つは、《魂剥ぎ》と《彩色マンティコア》のコンボです。我々も気づいており、どんなものかと試してみました。

デイブ・ハンフリーの5色スゥルタイ・魂剥ぎ

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 お楽しみいただけたでしょうか。これらの他にも我々が作ったデッキは大量に存在します。私が現実世界にあると信じているもの、それを我々は確認しました――このスタンダード環境は極めて多様性に富んでおり、そして多くの色を持つデッキはある種のとても興味深いゲームを生み出します。

 来週は上記のいくつかのデッキへの対策となる、『タルキール龍紀伝』のプレビュー・カードをお届けします。

 ではまた来週お会いしましょう。

 サムより (@samstod)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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