カンの強い姿勢 その1

更新日 Making Magic on 2014年 9月 1日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

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 『タルキール覇王譚』プレビュー第1週にようこそ。今週と次週で、このセットのデザインに関する物語を伝え、そして2枚のプレビュー・カードをお目にかけよう。語るべきことはいくらでもあるので、これ以上余計なことを言っている時間はない。さっそく始めよう。

古いブロック計画を投げ捨てて

 首席デザイナーである私にとってブロックのデザインを始めるときに重要なことの1つが、デザインの基点となる新しいところを探し続けることである。今までにも何度も、人間の脳は体験したことのある問題を解決するためには同じ脳内回路を使う傾向があるということを取り上げてきた。同じ視点から問題に取り組み続けると、同じような答えにたどり着いてしまうものだ。常に違った視点から始めれば、私の脳はその問題に新しい思考回路で取り組むことになり、今までたどり着いたことのない境地にたどり着けるのだ。

 ここでこの話をしたのは、『タルキール覇王譚』ブロックのデザインがまさに初めてたどり着いたところだからである。その基点となったのは、独特のドラフト構造であった。知っての通り、我々は1年おきに、大型セットから始まり、そして小型セットへと続き、最後に大型セットということはやってきた。たいていの場合、2つめの大型セットはメカニズム的再始動を行い、またそれだけでドラフトされるものだ。この場合のドラフトは、次のように変遷することになる。

セットA(大型セット)発売

ドラフト:セットA / セットA / セットA

セットB(小型セット)発売

ドラフト:セットB / セットA / セットA

セットC(大型セット)発売

ドラフト:セットC / セットC / セットC

 しかし、『タルキール覇王譚』ブロックでは、我々はこれと違うことをしたかった(第3セットの正式名称はまだ公開されていないので、ここではコードネームを使う。第2セットの正式名称は、まさに今日正式公開された)。

『タルキール覇王譚』(大型セット)発売

ドラフト:『タルキール覇王譚』『タルキール覇王譚』『タルキール覇王譚』

『運命再編』(小型セット)発売

ドラフト:『運命再編』『タルキール覇王譚』『タルキール覇王譚』

『Louie』(大型セット)発売

ドラフト:『Louie』『Louie』『運命再編』

 このドラフト構造では、真ん中のセットは1つめのセットとドラフトされ、後には第3セットとドラフトされることになる。『運命再編』は軸となり、両大型セットそれぞれと組み合わせてドラフトされるのだ。この、真ん中のセットが軸になるという考えは、このブロックのデザインの起点である。これについて過去にも話題になったことはあったが、相応しいと言えることはなかった。そこで、7ヶ年計画の中で、私はドラフト構造に基づく年を入れることを提案したのだ。そうすれば、他のどのブロックとも違うブロックが出来ることになるのはわかっていた。

 そこで面白いことが起こった。我々が開催したグレート・デザイナー・サーチ2で、最終的に2人のインターンを雇うことになった。その2人とは、優勝者のイーサン・フライシャー/Ethan Fleischerと準優勝のショーン・メイン/Shawn Mainである。その頃我々は大局的な展望を描くことを得意とするデザイナーを探していたので、GDS2ではその技術を特に試験していた。アーロン/Aaronと私は、イーサンとショーンのこの能力を試したかったので、1つの計画を立てた。

 イーサンとショーンのインターン初日に、アーロンと私は彼らを呼び出し、そして小さな企画があることを伝えた。『タルキール覇王譚』ブロックでのドラフト構造について説明し、そしてこのドラフト構造を表現するようなブロックの企画を作るように言ったのだ。つまり、なぜ第2セットが2つの大型セットそれぞれとドラフトされるのに、大型セット2つが同時にドラフトされることはないのか、である。

 ここで一頃。ブロック全体の構造を決めるほどにドラフト構造が重要なのか、という疑問があるが、それに対しては「重要ではない」と答えよう。私がドラフト構造から始めることを重視している理由は、そこから最終的に得られる答えもまた今までにないものになると信じているからである。私が重視しているのは、この特定のドラフト構造から始めるということではなく、何かまったく新しいことから始めるということなのだ。

 『タルキール覇王譚』のデザインが始まるのはそれから1年後なので、イーサンとショーンに実験させて解決策を探させる時間があった。結果としてこの手順が大成功を収めたので、我々が現在予備デザイン(あるいは事前デザイン、先行デザイン、先行企画とも)と呼んでいるものに進化することになったのだ。この先行企画の記事の中で説明したとおり、事前デザインは、まず私がチームに何かの目的(ブロック構造を解決するための大目的の一部である小目的であることが多い)を与え、毎週チームは私にその現状を報告し、そして私はそれを受けて新しい小目的を示す、ということを繰り返すのだ。

 イーサンとショーン(と、彼らが協力を求めた他の開発部員)は一連の構想に取り組んだ。第1セットと第3セットが違う場所で、第3セットは例えば船のような、2つの場所をつなぐ乗り物だとしたらどうだろう? 第1セットと第3セットが対立している世界で、第2セットはその両方が戦いに来る場所というのは? 第1セットと第3セットが時間を隔てた同じ場所だとしたら? イーサンとショーンはいくつもの構想を生み出した、そのそれぞれについて、私は彼らにどんなブロックになるか示せという課題を出した。

 いくつもの構想を掘り下げた後で、我々は完璧と思える答えを見出した。時間旅行である。ブロックがなぜそう働くかを示しているだけなく、それぞれのセットに強力な独自性を与え、セットそれぞれの組み合わせにこれまでに無い結びつきを作り出した。しかし、ブロックが時間旅行の物語だとわかってもそれは第一歩に過ぎないのだ。

 もう1つ。このブロックは、ブロック全体が明らかになるまで全てを説明できない類のブロックの1つであり、今回の記事の中では『タルキール覇王譚』のデザインの一部については回避していく。回避した部分は、後に、ブロックの他のセットのデザインについて話すときに振り返ることにしよう。

戦争中の世界

 語りたいと思うような物語を作るために、最初に必要なのは不安定な世界である。そこで、クリエイティブ・チームに言ってみれば安定していない次元についての構想を持っているかと尋ねたところ、持っていると言った。実際のところ、『プレインチェイス(2012年版)』で訪れた次元だったのだ。

 カード名は《カラーシャの山麓》で、次元の名前はモンセンと言い、戦い続ける大将軍が溢れている次元だった。また、クリエイティブ・チームはこの世界がプレインズウォーカーの1人、《サルカン・ヴォル》の出身地であるという構想を持っていた。最終的に、名前をモンセンではなくするという決定が下されたが(これと同じようなことは『テーロス』のデザインでも、『プレインチェイス』のカード《Lethe Lake》とその次元Arkhosについて起こっている)、名前を変えるだけで次元の基本的な構想自体はそのまま使うことになった。

 《サルカン・ヴォル》のバックストーリーに詳しい諸君は、彼が、強力なドラゴンが闊歩していたが遠い昔に絶滅した世界からやってきたということを知っているだろう。《サルカン・ヴォル》はドラゴンのことで頭がいっぱいで、初めてプレインズウォークしたとき、偶然にも彼は生きて動いているドラゴンに出会ったのだ。

 タルキールは現在大将軍、カンたちが制圧している世界であり、カンたちはサルカンの出身次元を巨大な戦場に変えてしまったのだ。この世界は、より大局的な、時間旅行の物語にもってこいだった。とはいえ、第1セットはタルキール世界と、その現在の住人たちの紹介がメインになる。

 デザインは常に陣営に合わせて作られるわけではないが、タルキールはそうあるべき世界のように思われた。何かメカニズムを作り、それに合わせて陣営を作るという通常の方法から離れて、私はチームに別の方法で挑ませることにした。クリエイティブ・チームのメンバーに、氏族をいくつにしたいかと尋ねたところ、当時クリエイティブ・ディレクターだった(その後、別のことをするために異動した)ブレイディ・ドマーマス/Brady Dommermuthは、4つの氏族の構想があると答えてきた。(以下に書いたのは、超単純化した私の記憶にある、氏族にカンする彼らの説明だ。クリエイティブ・チームはもっと詳細な説明をしてくれた)

  • 常時放浪し続けている遊牧民の氏族
  • 高山にある寺院で生活する精神的な氏族
  • 凍ったツンドラで生きる頑強な氏族
  • 砂漠に住む鍛錬する氏族

 4つの陣営に基づいてセットを作ることは可能だろうか?

 これまで、マジックには4つの陣営のセットというのは存在していないので、私はこれに取り組んでそのやりかたを見付けようとした。そして、私はある日のデザイン会合で、必要なものを書き出していった。

  • 何らかの形で関連していると思える4つの氏族
  • 各氏族はクリエイティブ・チームが示したイメージを体現すること
  • 色を均等に配分しなければならない
  • 何らかの形でドラゴンの記憶を取り込むこと

 最初に取り組みたかったのは、部族同士がどのように繋がっているかを表すことだった。これは、氏族同士を平行だと感じさせるために重要なことだ。クリエイティブが各氏族のために作ったレンズを通して見ることができるような構造を作るのだ。つまり、氏族は一貫性を持っていると言うことである。

 常に脳裏にあったのは、上に述べた中の最後の項目であった。既に絶滅しているとはいえ、ドラゴンが世界に影響を及ぼすべきだと判っていた。過去にドラゴンが存在していたことに意味があることは重要だ。ここで私は閃いたのだ。氏族の特徴が、ドラゴンの特徴に関連しているというのはどうだろうか?

アート:Titus Lunter

 私はデザイン・チームに問いかけた。「氏族はどのようにドラゴンの影響を受けうるだろうか?」「ドラゴンのどんなところが氏族の成り立ちに影響するだろうか?」と。

 答えは直接的なものになった。各氏族がドラゴンのそれぞれ異なった性質を崇拝していたとしたら? 氏族の哲学そのものが、ドラゴンのある性質が成功への鍵であるという考えに基づくとしたら? 我々はドラゴンの性質の中で勝利への鍵となり得るものを書き出していった。最終的に、氏族は大将軍に率いられて争う。となれば、戦闘で勝利することが成立の主軸になるのは正しいことだ。

 最初に書き出されたのは、「迅速さ」だった。もし氏族の1つが、勝利への鍵は敵よりも速く動くことだと信じていたなら? 勝利のためにどうする? 相手が動き出せるようになる前に終わらせてしまえばいい。

 次に書き出されたのは「強さ」だった。もし氏族の1つが、勝利への鍵は何よりも強くあることだと信じていたなら? 勝利のためにどうする? 最大、最硬、最良の戦士を揃えるのだ。部隊がより強ければ、迅速さなんて何の意味もない。

 その次に書き出されたのは「知性」だった。もし氏族の1つが、勝利への鍵は敵よりも賢くあることだと信じていたなら? 勝利のためにどうする? 相手の裏をかくのだ。迅速さだろうが強さだろうが、作戦通りに戦いを終えてしまえば関係ない。

 4つめに書き出されたのは「忍耐力」だった。もし氏族の1つが、勝利への鍵は最後に立っていることだと信じていたなら? 勝利のためにどうする? 敵の攻撃全てを受け止め、仁王立ちに立っていればいい。迅速さ、強さ、知性など倒れなければ何でもない。

 こうして、4つの陣営と4つのドラゴンの性質が揃った。我々はどの陣営がどの性質に相応しいかを考えていった。遊牧民の氏族は速度を評価するだろう。精神的な氏族は知性を評価するだろう。残りの2つは、強さにも忍耐力にも相応しく感じた。我々は最終的に、裁くの氏族を忍耐力、ツンドラの氏族を強さに位置づけることにした。

 次なる大問題は、色の分配であった。もちろん、全氏族を全色に置くようなことはしたくなかった。4つの氏族に均等に割り振る方法はあるだろうか? 数学的にはあり得るが、そのためには2つの氏族は2色、2つの氏族は3色にする必要があった。

 色の割り振りを検討していたとき、こんな風に考えていた。

  • 迅速さ:この氏族はまず赤だ。加えて、白や黒でもありうるな。
  • 強さ:この氏族はまず緑だ。それから、おそらくは赤だろう。3色めを入れるなら青か黒。白はあり得ない。
  • 知性:これは青。それから、白や黒だな。
  • 忍耐力:これはまず白で、それから緑。3色目は青か黒だ。

 いくつかの組み合わせを試した後で、次のような組み合わせに落ち着いた。

  • 迅速さ:赤白黒
  • 強さ:赤緑
  • 知性:青黒
  • 忍耐力:緑白青

 よし、これで4つの陣営ができた。それぞれはドラゴンの属性を持っている。色も決まった。次に進むことができる。このとき、ブレイディが戻ってきて、クリエイティブ・チームが5つめの氏族の構想を見付けたというのだ。密林に隠れ住む氏族で、勝利のために手段を選ばないというのだ。さて、氏族を5つにすることはできるだろうか?

カン蹴り

 デザインにおいて受け入れるようになることの1つが、外部要因による混乱である。自分のセットをとりまとめて社内の他の部署が手を入れるようになると、必ず要求が飛んでくる。私は可能な限り適用しようとし、セットやブロックを最善のものにするために必要なあらゆることをするのだ。クリエイティブ・チームが5つめの陣営を入れたいって? オーケー、それを組み入れてみようじゃないか。

 一方で、私は毎週1回、上司であるアーロンと1対1の会合を開いている。アーロンはいつも、私がその時点で取り組んでいるセットについて尋ねてきて、そしてマジック開発部のディレクターが尋ねるであろうことを尋ねてくる。よくある質問は、「売りはなんだ?」というものだ。売りとは、プレイヤーが立ち上がって「買わないと」と言いたくなるるようなエキサイティングなもののことである。

私はブロック構造と、そしてデザインで行っているあらゆるクールなことは物語に符合しているということを説明した。「それはすごい。すごいが、その結果が出るのはブロックの後半だ。時間旅行が起こるより前の第1セットのエキサイティングな部分は何だ? プレイヤーが第1セットを買いたいと思う理由は?」アーロンは言った。

アート:Sam Burley

 この質問は、私が5陣営の問題に取りかかっている間ずっと頭に残っていた。今、ブレイディが5つめの陣営を持ちかけてきたときにまっさきに頭に浮かんだのは、マジックはマジックの根幹であるカラー・パイが5色なので、5という数字が軸になっている、ということだった。私は、カラー・パイと関係しない5つの陣営というシステムを作ることを避けようと思っていた。カラー・パイの引力は、それほどに強いものに思われたのだ。

 この話のもう1つ重要な要素は、私のブログ(TumblrのBlogatog(リンク先は英語))にも関連している。私が自分のブログに価値を見出している理由の1つが、プレイヤーの見たいものが何であるかを知ることができるということである。そして、一般的に求められているのが、楔を使うことのできる次元だった。『アラーラの断片』に存在した断片は、1色とその友好色2色という3色の組み合わせによるもの5つだった。楔は、また別の3色、すなわち1色とその敵対色2色という組み合わせである。楔を求める声があまりに多かったので、私はそれに通称をつけることにした(それも読者からのアイデアだ)。スーパーマンの敵役である偽スーパーマンことビザロを捻って、ビザラララだ。

 さて、5つの陣営が必要で、セットには売りが必要で、氏族とカラー・パイをつなぐ必要があって、そして何よりビザラララ向けの新しい世界が必要だ。こうなると選択は明らかだった。陣営が楔であればいい。問題は、それが可能かどうかだった。

 最初にやったことは、5つめの陣営の表す特性を決めることだった。迅速さ、強さ、知性、忍耐力がもう存在している。これを(迅速さは敏捷性、忍耐力は耐久力として)ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズの6つの能力値に割り当てると、残りは判断力と魅力になる。魅力? 5つめの陣営が戦いに勝つための鍵は戦わないことだと信じているとしたら? 魅力、政治力、買収、脅迫……実際に戦火を交えることなく戦いに勝つためのあらゆる方法だ。

 それでは各氏族を見てみよう。

  • 迅速さ:  これはそのままで大丈夫だ。赤白黒と、最初から楔になっている。中心となる色は赤になるだろう。
  • 強さ:  赤と緑を残すとしたら、必然的に青を加えることになる。中心色は緑か。
  • 知性:  この氏族の青黒を残すなら、3色目は緑だが、緑は少しばかり奇妙に思う。もちろん、中心色は青だ。
  • 忍耐力:  緑白青ではバントの断片になってしまう。何かを変えなければならない。忍耐力の中心は白なので、白は残すことが当然だ。赤は忍耐力に相応しくないので、追加されるべき色は黒になる。白と黒を固定するなら、第3色は緑になる。これで問題なし。緑は忍耐力の第2色と言っていい色だ。
  • 魅力:  この氏族について考えたことを踏まえると、中心の色は黒であるべきだ。黒は唯一他の氏族の中心色になっていない色なので、それは問題ない。この氏族の操作能力を考えると、青が2色目として相応しい。黒と青があるということは、第3色は緑となる。

 こうして、色が決まった。

  • 迅速さ:赤白黒
  • 強さ:緑青赤
  • 知性:黒緑青
  • 忍耐力:白黒緑
  • 魅力:黒緑青

 ここで1つ問題が生じた。黒緑青の氏族が2つあり、青赤白の氏族が存在しないのだ。オーケー、ではこの黒緑青の氏族のうちどちらかを……? 白は魅力の氏族にはあまりにも相応しくない。緑は知性の氏族には相応しくないという話がもう出ている。では、知性の氏族の色を黒緑青から青赤白に差し替えるというのはどうだろう? 白は知性の氏族に相応しい。赤は少しばかりはみ出るが、赤には相手の裏をかくような性質がある。オーケー、問題ない。ということで、色の組み合わせはこうなった。

  • 迅速さ:赤白黒
  • 強さ:緑青赤
  • 知性:青赤白
  • 忍耐力:白黒緑
  • 魅力:黒緑青

 クリエイティブ・チームは各氏族のクリエイティブ的性質を見て、承諾した。ただし1つだけ、ちょっとした変更を求めてきた。ドラゴンの性質を示す単語に相応しくないものがあるとして、名前の変更を求めてきたのだ。迅速さと忍耐力はそのままでいいが、知性はよりドラゴンの性質らしくするため、狡知にすることになった。これによって氏族の求めるものらしく、また赤らしくすることができた。さらに、強さは獰猛さに変更された。大きくて邪悪という性質をそのままに、よりドラゴンの性質らしい単語に置き換えたのだ。最後に、魅力は、より適格に言い表す残忍さという名前に置き換わり、より明確に黒が中心だと判るようになったのだ。

 最後に1つだけ問題が残っていた。断片は友好色2つを持つ色が中心だった。これはそれが当然に思えた。それなら、楔の中心となる色は敵対色2つを持つ色であるべきだが、ドラゴンの特性に合わせて氏族を作ったのであり、その各氏族の中心となった性質は2色に共通の敵対色ではなく、友好色のうち1つに表されるものになっていた。すべてがあまりに自然だったので、我々はこれを変に歪めるようなことをしないで、そのままにすることにした。このブロックを進めていけば判るとおり、この決定は他の理由からも重要な意味を持つことになる。

「氏族は奇を以て良しとすべし」

 氏族の最初の姿に関する話の第1部はこれで終わりだ。来週は、どうやって組み上げていったのか、そしてもう1つこのセットの重要な要素である変異の再録について語ろう。

 しかし今日の話を終える前に、諸君にプレビュー・カードをお見せしよう。非常に魅力的なやつを準備している。私の話の中で、私は「残忍さ」の氏族、すなわちスゥルタイの導入がデザインの邪魔になったという話をした。となれば、スゥルタイのカンであるシディシを紹介するのが当然というものだろう。

 クリックして残忍なカンに出会うがいい。

 今日はここまで。いつもの通り、諸君の感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、『タルキール覇王譚』のデザインの話その2でお会いしよう。

 その日まで、あなたの内なるドラゴンの特性があなたとともにありますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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