カンの強い姿勢 その2

更新日 Making Magic on 2014年 9月 8日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

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 『タルキール覇王譚』プレビュー第2週へようこそ。先週の記事(その1)をまだ読んでいない諸君は、今回の記事は先週の記事を読んでいることを前提としているので、まず一読した方がよかったと思うことだろう。これから、『タルキール覇王譚』のデザインの話を続け、記事の最後までにはお楽しみのプレビュー・カードも公開する予定だ。つまり、早速始めよう、ということだ。

カンの興り

 『テーロス』ブロックはギリシャ神話に基づくトップダウン・デザインだった。そして私は振り子を違う方向に大きく動かしたいと思ったのだ。『タルキール覇王譚』ブロックを可能な限り基礎的、メカニズム的にするためにはどうしたらいいだろうか? 私には、ドラフト構造に関して試してみたい構想(大小大で、その小型セットが回転軸となり、大型セットそれぞれとドラフトするというもの)があった。そこから始めない理由があるだろうか? そこから始めれば、まったく新しい道を辿ることができるのだ。

アート:Min Yum

 ここで少し。多くのプレイヤーから、「なぜドラフト構造から始めるのか?」という質問があったが、その答えは、毎年異なった視点からデザインを始めることが重要だと感じているから、である。ドラフト構造を正当化するために、これまで手がけたことのないところに向かうことになり、それこそがどんな起点からデザインを始めたとしても重要なことなのである。その起点がドラフト構造であるということは重要ではない。ドラフト構造は、単に新しいところへ行くための手段に過ぎないのだ。

 この構造から、それを表すための典型的な物語、時間旅行の物語ができ、そしてその時間旅行の物語からブロックのデザインができあがった。物語全体はまだ公開されていないので、この全体について説明することはできないが、主な舞台のひとつとなるのが戦乱の世界でなければならないということだけで充分だ。クリエイティブ・チームが我々に提示したのがタルキール、物騒な大将軍たちが支配する、戦闘の溢れる次元であり、サルカン・ヴォルというプレインズウォーカーの故郷である。

 サルカンの次元は、かつては強大なドラゴンの生息地だったが、氏族たちが龍の起源に基づく(この部分はこの記事内で後に説明する)魔法を使い、遠い昔にドラゴンたちを滅ぼすことに成功したのだ。生き残ったのは氏族なので、デザインが次に手がけるのは氏族となる。クリエイティブがもう1つ表現したい陣営を見付けたことで最初は4つだった氏族が5つとなり、そして公開される前に楔というテーマを持つことになった。

 各氏族は、その中心色と、その友好色1つ、敵対色1つを含むものとなり、その結果として楔3色の組み合わせとなった。各氏族はその氏族が真似たい龍の性質とも関連づけられていた。

アブザン

 白黒緑(中心色は白)
 龍の性質:忍耐力
 シンボル:龍鱗
 カン:アナフェンザ

ジェスカイ

 青赤白(中心色は青)
 龍の性質:狡知
 シンボル:龍眼
 カン:ナーセット

スゥルタイ

 黒緑青(中心色は黒)
 龍の性質:残忍さ
 シンボル:龍牙
 カン:シディシ

マルドゥ

 赤白黒(中心色は赤)
 龍の性質:迅速
 シンボル:龍翼
 カン:ズルゴ

ティムール

 緑青赤(中心色は緑)
 龍の性質:獰猛さ
 シンボル:龍爪
 カン:スーラク

 こうして5つの氏族ができあがり、次に手がけるのは各氏族に独自性を与えること、そしてそれぞれのキーワード・メカニズムを決めることだった。我々は各氏族に1つずつのメカニズムを与えないという考えについても実験してみた。このセットには既に変異(これについても話すべきことがある)が入っていたので、氏族ごとのメカニズムを入れることでメカニズムは合計6つとなり、これはもう上限と言ってもよい値である。問題は、我々は各氏族に1つずつメカニズムを与えるのと同じぐらい明瞭にメカニズムを割り振る方法を持っていないということだった。

 例えば、複数の氏族に存在するメカニズムを4つ作るとした場合、これを明瞭かつ適格に割り振る方法は存在しない。それぞれのメカニズムが異なった形で処理され、またそれらのメカニズムをそれぞれの氏族の雰囲気に合わせて調整することは事実上不可能であった。最終的に、我々は、メカニズム的特徴を持つ明確な陣営を作りたければ、陣営ごとに1つのメカニズムを持たせるというモデルにこだわる必要があったのだ。これは、低いところで実った果物を無視して遠くに向かうことが問題を起こすといういい例である。

 結局、5つの氏族のメカニズムのうち1つはデザインが開始するよりまだ前に見つかっていた。(イーサン・フライシャー/Ethan Fleischerとショーン・メイン/Shawn Main率いる)先行デザイン・チームは、変異と組み合わせて巧く働くメカニズムを弄っているうちに、強襲能力にたどり着いた。強襲は、そのターンの間にクリーチャーで攻撃した後でそのカードを唱えたとき、有利な効果を得るという単純なメカニズムである。

 対戦相手には何が起こるか判らない状態で変異クリーチャーで攻撃できるため、我々はそれと変異とを組み合わせたプレイが気に入った。強襲の存在により、プレイヤーは強襲を誘発させるためにしばしばハッタリの攻撃(つまり対戦相手にブロックされたら不利になるような攻撃)をすることになる。これは、変異クリーチャーをブロックするかどうかという判断がより流動的になる強襲によって新しい形のハッタリが可能になるので、ハッタリという要素が重要である変異と組み合わせると巧く働くのだ。

 5つの氏族が決まってメカニズムを探すことになると、この強襲は、攻撃的氏族であって常に攻撃し続けることを望むマルドゥにすばらしいメカニズムであるとわかった。プレイテスト1回で、強襲はマルドゥのメカニズムに決まった。ちなみに、強襲はこのメカニズムのデザイン名でもある。

アート:Karl Kopinski

 次に氏族のメカニズムとして確定したのが、探査であった。探査は『未来予知』で3枚のミライシフト・カードで導入されたメカニズムである。

 探査は、自分の墓地にあるカードを追放して呪文のコストを減らすことができるというものである。このメカニズムは人気があって、私はどこかこれに相応しい場所がないかと気にしていた。このメカニズムについてはいくつかのセットで考えており、『イニストラード』には一時的に入れたこともあったが、いずれも印刷には到らなかった。スゥルタイについて検討を始め、クリエイティブ・チームからこの氏族について話を聞いたとき、私は、ついに勝ち取ったのではないかと思ったのだ。クリエイティブ・チーム代理人のアダム・リー/Adam Leeに、探査はフレイバー的に相応しいかと聞いてみた。アダムは完璧に相応しいと答えたので、私は探査をその日のうちにセットに入れたのだ。スゥルタイはリソースを操ることも死を道具とすることも好きなので、まさに相応しいと言える。

 次にこのセットに入ったメカニズムがアブザン氏族の長久であった。アブザンは忍耐力の氏族なので、遅くてコントロール寄りの氏族になることは判っていた。最初、長久は攻撃しなければ+1/+1カウンターを得るというものだった。攻撃クリーチャーを指定するときにタップすることが必要だった。後に、デベロップが単純化して今のバージョンに仕上げ、また、+1/+1カウンターを持つ自分のクリーチャーに能力を与えるという効果をつけたのだ。これによって、この氏族でこのメカニズムを中心にしたデッキを組むことができるようになった。以前は、複数の長久クリーチャーを入れる動機が充分ではなかったのだ。

 強襲や探査と違い、しばらくの間は氏族のメカニズムとして長久が相応しいのかどうか疑問だった。フレイバー的には素晴らしいものだったが、ゲームプレイが我々の望んでいるものになっているとは思えなかったのだ。我々は色々と試してみたが、どうやっても結局は長久に戻ってしまうのだ。ところで、デザインにおいては、このメカニズムは「しゃがみ」と呼ばれていた。つまり、攻撃時には、「これで攻撃、これも攻撃、これはしゃがむ」と宣言することになっていた。長久という名前はいい名前だと思うが、しゃがむ機会がなくなったのは残念である。

 4つめにファイルに記されることになったメカニズムは果敢、デザイン中の名前は「カンフー」だった。私が提案した最初のバージョンでは、何かカードを唱えるたびにそのクリーチャーが+1/+1を得るというものだった。これは少しばかり強すぎだとわかったので、クリーチャーが唱えられるたびに+1/+1というのを試してみた。それでもやはり我々が望んでいたものよりも強かった。そこで、クリーチャーでない呪文が唱えられるたびに誘発するというように変えてみた。これで、我々の狙っていた程度の強さに収まったのだ。

 そしてある日、ジョン・ロウクス/Jon Loucksがこのセットのプレイテストをしていて、彼のメカニズムである激励が使われているので嬉しいと言った。私は立ち戻ってそれを調べてみた。激励は、第2回のデザイン・チャレンジ(リンク先は英語)の際にジョンが提出したメカニズムだった。例を挙げると、

CW02 光滑り(コモン)

クリーチャー ― 人間・兵士
1/1

激励 ― あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、光滑りは+2/+2の修整を受けるとともに飛行を得る。

 興味深いことに、私が激励を判定したとき、私は、気に入ったがジョンが与えた、クリーチャーでない呪文を唱えたときの効果はあまりにも強すぎる、と言っていた。つまり、基本的には、幾度ものプレイテストを経て、我々はジョンが何年も前に提案したメカニズムにたどり着いていたのだ。私の脳内では、これは使われるべき時を待って保存されていたわけである。そして、ジェスカイ氏族がその使われるべき場所となった。おめでとう、ジョン。

 ここで、このメカニズムがジェスカイに相応しい理由を記しておくべきだろう。その理由とは、これが興味深い緊張を生むことである。ほとんどの場合、対戦相手からはクリーチャーでない呪文をプレイできるかどうかはわからない。インスタントの場合、相手のクリーチャーがいつでも大きくなる可能性があるのだ。

 最後のメカニズムは、ティムール氏族のものだ。実際の所、我々はいくつものメカニズムを試し、気に入ったものを見付けるためにかなりの時間をかけることになった。ティムールは最も大きなクリーチャーの氏族であり、つまりは相手よりも強力な戦士がいることが想定される。クリーチャーの大きさを称える方法はあるだろうか?

アート:Evan Shipard

 その解答は、『アラーラの断片』に存在した名前のないナヤのメカニズムと、陰鬱との交点にあった。ナヤはパワー5以上のクリーチャーを参照していた。クリーチャーの大きさを閾値メカニズムで使ったらどうなるだろう? つまり、充分大きなクリーチャーを戦場に出していたら、クリーチャーが死んだターンの陰鬱のように、呪文がより強力になるのだ。我々はいろいろな大きさで試してみて、最終的にパワー3を境界として採用することにした。そう、我々は3を採用したが、3ではあまりにも簡単に条件を満たせるということがわかったので、後にデベロップが4にしたのだ。

 最終的に、強襲と獰猛(デザイン中は強化と呼ばれていた)の両方が閾値メカニズムとなったが、攻撃することと大型クリーチャーを出すことは充分違うスタイルのゲームプレイを生むと感じたので、この2つが両立してもいいとなった。

 なお、これらのメカニズムを選択した裏にある決定は、この第1セットよりも大きなものであった。諸君がブロック全体を知ったなら、このメカニズムが単にどの氏族に属するかだけではないとわかるだろうが、そのためには諸君がまだ知らないことを知る必要があり、このブロックの後半の記事で『タルキール覇王譚』のメカニズムのデザインについてのさらなる考察を示すのを待ってもらうことになる。

 各氏族に、その氏族でプレイするならその氏族らしくなるようなメカニズムとプレイパターンがあるようにしたかった、ということは理解してもらいたい。アブザンなら耐える。ジェスカイなら裏をかく。スゥルタイなら操る。マルドゥなら急ぐ。ティムールなら相手よりもデカいクリーチャーで圧倒する、というわけだ。

ちょっと待った、変異がある

 今日の記事は難しい。なぜなら、デザインがどうまとまったかを示さなければならないが、店で手に取ったときの驚きを台無しにしたくはないのだ。そこで諸君は、私の話を聞いてもらいたい。変異は氏族より前から存在していたのだ。まだ氏族が入ると決まるよりも前から、このセットに変異が入ることは決まっていたのだ。何だって? ドラフト構造がデザインの起点だったのだが、実際の構造は時間旅行の物語に基づいていた。そう、これについてもまだ全体を説明することはできないのだ。

 何が起こったかを説明しよう。我々が手にした時間旅行の物語は典型的なもので、つまりデザインの目的はその物語を再現することだった。この典型的な話が選ばれたのは、それによって3つのセットそれぞれに非常に明確な独自性を与えることができ、またそれに基づいたブロック計画を立てられるからである。

 ここで、時間旅行の物語について少し説明しておきたい。基本的に、時間旅行の物語は3つに分けられる。「何かを観察する」「何かを変更する」「その両方」だ。観察する類の時間旅行の物語は、他の時間を訪れて知らなかった何かを知った人物の話になる。通常、この類の物語では、観察した人物が成長する。変更する類の時間旅行の物語には、他の時間を訪れて、時間線を永遠に変えてしまうようなことをする人物が登場する。しかし、ほとんどの時間旅行の物語は、その両方が描かれる。例えばマーティ・マクフライ/Marty McFlyは彼の両親の若かりし日の時間を訪れ、両親を違う視点から見ることで両親について知り、そして彼にとっての現在の状態を変化させることになる行動をするのだ。

 我々が描きたい時間旅行の物語も、両方であった。観察もすることになるが、同時に変更もすることになる。マジックは環境の物語を描いたときに光るので、変更こそが我々が望むものなのだ。それは、デザインにおいては、ブロック計画が変更に関するものになるということを意味する。その結果、サンディエゴのコミコン(リンク先は英語)で、つまり我々が初めて『タルキール覇王譚』について話したときに、『タルキール覇王譚』というセットは楔のセットになるが、『タルキール覇王譚』ブロックはそうではない、と言ったのだ。

アート:Raymond Swanland

 我々は一連の変化を表すメカニズムを必要としていたので、調査チームは最初に変異にたどり着いた。『タルキール覇王譚』の変異は、よく知られている変異そのものであるべきだった。いくつかの調整と2つの新しい要素はあるが、このブロックの最初はプレイヤーが既に知っていて、そして愛している変異そのままにしたかったのだ。ここで強調しておくが、楔というテーマと同様、変異もこのブロック内でいくつかの変化を体験する。そしてそれは諸君の想像の範疇外だろう。このあたりのことは、『運命再編』、『Louie』まで待ってくれたまえ。

 私が話せることは、我々がどうやって『タルキール覇王譚』で使われる変異をデザインしたかである。各氏族にはそれぞれのメカニズムが与えられることはわかっていたので、全氏族に変異が使えるのが妥当だと思われた。物語の上では、変異は龍の魔法の末裔である。タルキールの人間(あるいはヒューマノイド)は龍の魔法を学び、それを自分たちのいいように歪めている。これらの魔法で重要なのは、それを使うクリーチャーの特徴を隠すということであり、隠れられると相手の情報を知らずに戦わなければならないので戦いが厳しくなるのだ。

 デザイン・チームにとっての鍵は、各氏族がどのように違った変異の使い方をするか、だった。

アブザン: 忍耐力の氏族は長期戦をするので、変異クリーチャーは大型のほうがいい。アブザンがゲームを引き延ばし、戦場に残っている変異クリーチャーを巨大なクリーチャーに変身させるのだ。通常は、終盤で有利になるよう、タフネスの方がパワーよりも大きい。

ジェスカイ: 狡知の氏族は対戦相手をずっと悩ませたい。これはまさに変異の長所そのものだ。ジェスカイの変異カードは、対戦相手を驚かせることに重きを置いており、相手は最適解を選べなくなる。なぜなら、ジェスカイが何をしているのかわからないからである。

スゥルタイ: 残忍さの氏族は対戦相手を操るのを好むので、彼らは対戦相手に気付かれずに危険なものを出す手段として変異クリーチャーを用いることになる。

マルドゥ: 迅速の氏族は変異クリーチャーの攻撃性を役立てる。従って、マルドゥの変異クリーチャーの変異コストは最も小さいものになる。

ティムール: 獰猛さの氏族は変異を使って大型クリーチャーを素早く出せるようにする。アブザン同様、大型クリーチャーが多くなるが、ティムールはより攻撃的で、防御的ではないものになる。

 我々はもう少し時間を費やして、変異の新しいデザイン空間を掘り下げていった。それについてはまだ説明できないが、今日は新しい変異のカードをプレビュー・カードとして公開しよう。

 さて諸君、これが〈灰雲のフェニックス〉である。ご覧あれ

最後に2つ

 今日を締めくくる前に、このセットおよびブロックについてもっとも多く寄せられている質問に答えることにしよう。

なぜこんなに頻繁に多色をやるんですか? 『ラヴニカへの回帰』ブロックはわずか2年前ですよ?

 『タルキール覇王譚』ブロックには多色の要素は存在するし、目立つが、しかし多色をテーマにしたブロックというわけではないのだ。これを説明するための方法は、開発部の用語で言う開封比が最適だろう。開封比とは、特定のセットのブースターパックを開封したとき、特定の条件に当てはまるカードが平均して何枚あるかというものである。開封比が重要なのは、実際にプレイヤーが手にする割合そのものだからである。

 これに基づいて、多色カードの開封比を説明しよう。『ラヴニカへの回帰』では、多色カードの開封比は3.58だった。つまり、『ラヴニカへの回帰』のブースターを無作為に1つ開いたら、平均すると3.58枚の多色カードが入っているということである。一方、『タルキール覇王譚』の開封比は1.85である。これはつまり、『ラヴニカへの回帰』の開封比は『タルキール覇王譚』のおよそ倍近い値であるということである。簡単に言うと、『タルキール覇王譚』には多色カードは存在するが、それは『ラヴニカへの回帰} ほどではない(約半分である)ということなのだ。

なぜ楔カードのマナ・シンボルは以前の楔カードのものと違うの?

 デベロップが非常に心配しているのが、平均的なプレイヤーが手にしたセットの基本的な戦略を理解できるようにすることである。このセットのリード・デベロッパーにして開発部の主席デベロッパーであるエリック・ラウアー/Erik Lauerは、開発部以外の社内のマジック・プレイヤーと『タルキール覇王譚』でドラフトして、そして彼らが非常に基本的なドラフトの戦略を知らないということに気がついたのだ。『タルキール覇王譚』 では、2色からドラフトするととしても、友好色でドラフトするか敵対色でドラフトするかには大きな差があるのだ。

 友好色の組み合わせでは楔は1つしか選べないが、敵対色なら2つの氏族から選ぶことができる。例えば、白青を最初にドラフトしたら、その後の選択肢はジェスカイ氏族しか残らない。これが青赤からドラフトしていれば、ジェスカイかティムールか、好きな方に進めるのだ。多くのプレイヤーはこれに気付いていなかった。そこでエリックはある実験をした。敵対色の組み合わせをマナ・コストで隣り合うように老いてみたのだ。そうすると、各楔が2つの敵対色の組み合わせからなる、ということが多少わかりやすくなった。

 エリックのプレイテストの結果充分な助けになることがわかったので、彼はそれについてマジックのリード・エディターであるデル・ロージェル/Del Laugelに話し、彼女もこの変更に同意したのだった。

「カーーーン!」

 諸君がこの2週にわたる『タルキール覇王譚』のデザインについての話を楽しんでくれたなら幸いである。ブロックが進むにつれて、残念ながら今日は説明できなかった空白部分を埋める機会もあるだろう。いつもの通り、諸君の感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、『タルキール覇王譚』のデザインについてさらに掘り下げる、カード個別のデザインの話をする日にお会いしよう。

 その日まで、あなたの口から「イエス、アイ・カン!」の叫びが出ますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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