チームの作成

更新日 Making Magic on 2014年 10月 13日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

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 多人数戦特集にようこそ。今週は、3人以上のプレイヤーとマジックをプレイする様々な方法について語ることになる。これはデザインのコラムなので、特に多人数戦を意識して作られた、(『統率者』や『コンスピラシー』よりも何年も前の)初期のカード・デザインを取り上げることにする。そのそれぞれが、将来の多人数戦カードのデザインに及ぼした影響について触れていこう。

デザイン言語

 本題に入る前に、私は自分がチーム・プレイヤーでないことと、『タルキール覇王譚』のプレビュー記事の中でデザイン・チームについて書き忘れていたことに気がついたので、まずさっさとそれをやってしまおう(ああ、さっさとというほど短くないのは自覚している)。これに気付くのに時間がかかったのは、私が記事を書いてから掲載されるまでに、各言語に翻訳できるように何週間もの時間がかかっているからである。


マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater (リード)

 これまでに600本以上の記事を書いて、150回以上のポッドキャストを録音して、ブログでも戦争と平和に相当するものを書いてきたので、私についてこれ以上語ることがあるかどうかはわからない。『タルキール覇王譚』は私がリード・デザイナーを務めた18個めのセットであり、私は時間旅行の物語が大好きなのだ。

マーク・ゴットリーブ/Mark Gottlieb

 数年前、アーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが私のところにやってきて、私の管理の手間を減らしてデザインの監修により時間を割けるように、デザイン・チームを助けるためのマネージャーを雇おうと思っている、と言ってきた。私はとても喜んだ。私の唯一の悩みは、私と相性よく働けて、デザイナーたちの世話をうまくしてくれると思える人を見付けることだった。そして、マーク・ゴットリーブはまさに最適な相手だったのだ。

 マークは多くのデザイン・チームに参加し、そして最高のデザイナーの1人と言えるまでに才能を開花させた。同時に、彼は自分の愚行に気づいてルール・マネージャーを辞めたので、彼はもう私の天敵ではなくなったのだ。彼はデザインに関して素晴らしい意識を持ち、チームでは素晴らしい戦力となった。マークが正式に『タルキール覇王譚』のデザイン・チームの一員となったのは、私が彼に2015年春の大型セット、『Louie』のリード・デザイナーになってもらいたかったからであり、このブロックの最初から関与することで彼のセットと私のセットが――まあ、いずれわかることだ。

ザック・ヒル/Zac Hill

 デザイン・チームには必ずデベロップ代理人が存在し、作っているものがデベロップできうるものになるようにする役割を負っている。また、プレイテストのためのコストを定めるのもデベロップ代理人の役目である。ザックはいくつものデザイン・チームで「デベロップ代理」を務めてきており、いつでも私の望む者だった。デベロッパーではあるが、彼にはデザイナー的な一面もあり、彼は新しいアイデアを出すと同時に我々があまりにも突飛なものを作ることがないようにするという点で、常にいい仕事をしていた。

 ザックはその後、他の素晴らしいことをするためにウィザーズを離れた。彼がウィザーズを離れたのはこのセットのデザインの途中で、その辺りの話はすぐに出てくる。私は、ザックとともに働くことを楽しんでいたし、彼が関与したプロジェクトで彼の仕事をいつも感じていたので、彼がが去ったのを寂しく思った。しかし、ザックが今後いくつもの偉大なことをするだろうと楽しみにもなった。外界でのザックに幸あれ。

アダム・リー/Adam Lee

 デザイン・チームには、ああ、ブロックの最初である大型セットでは、クリエイティブ・チームのメンバーが所属している。通常、その人物がそのブロックのクリエイティブのリードを務めることになる。『タルキール覇王譚』ブロックでは、アダム・リーがその役を担った。通常、デザイン・チームはデザイン中にクリエイティブ・チームと連絡を取り合うのだが、このセットではよりその要求が厳しいものになった。 先行デザイン・チームは、このセットを時間旅行の物語にするという構想を持っていたので、我々はこの物語の舞台となる世界をどうするのか、クリエイティブ・チームと密に協力し合う必要があったのだ。

 私が直接デザイン・チームでアダムと協力したのはこれが初めてで、彼とともに働くのは本当に喜ばしいことだった。我々は初期のデザイン・チームの多くに新しいクリエイティブ空間を見つけ出していたので、アダムは各陣営のありかたを、その陣営同士がしっくりと馴染み、また我々の描く物語に相応しいものになるようにするための重要な役割を果たした。もし諸君が『タルキール覇王譚』のフレイバーや、氏族間のデザインを楽しんでくれたのなら、それはアダムの大きな手柄だと言える。

ショーン・メイン/Shawn Main

 私が運営するデザイン・チームでは、次席者と呼ばれる存在が置かれている。この人物の仕事は、私がいないときの会議の運営やファイルの更新の監督、つまり私の代理として指揮することである。この役割に加え、ショーンは時間旅行というブロック構造を最初に作る助けとなった先行デザインの中心人物2人のうち1人である。

 知らない諸君のために説明するなら(私はショーンを紹介するとき毎回同じことを言っているのだが)、彼は第2回グレート・デザイナー・サーチの2位であった(リンク先は英語)。そのイベントでは、決勝に残った参加者はそれぞれに世界を作る必要があった。ショーンはトップ8の中でもっとも扱いにくいと思われる世界を作ったが、私は彼のその方針が気に入ったので彼の出来ることを見たいと思ったのだ。ショーンはたびたび私に感銘を与えてくれたので、彼はインターンシップを得て、そして後にはフルタイムのデザインの仕事を手に入れることになったのだ。ここ数年は私が見た彼の可能性を次々と証明してくれている。諸君も『コンスピラシー』を見たと思うが、このセットはショーンが方針を作り、自らリード・デザイナーを務めたものだ。そして来年の夏には、ショーンが手がけた新しいものを諸君も目にすることになる。もちろん、彼はこのデザイン・チームで素晴らしい戦力となった。

ビリー・モレノ/Billy Moreno

 さてデザインの途中で、ザックはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を離れることになった。つまり、新しいデベロップ代理人が必要になったわけだ。新しく参加したのは全く違う存在だった。ビリーは優秀なデベロップ代理人であったが、同時に彼はデザイナーであり、多くのカードや発想をファイルに刻んだのだ。ビリーは限りない情熱と秀でた才能を持ち、デザイン・チームにとってはまた大きな恩恵となった。不幸にして、ザック同様ビリーも他のことをするためにウィザーズを離れてしまった。『タルキール覇王譚』のデベロップ代理人になったら、最高の仕事ができるあまりに他からの声がかかってしまうに違いない、などと思ったものだ。

ケン・ネーグル/Ken Nagle

 今でも、ケンがデザイン・チームのベテランだということは奇妙に感じる(ああ、ゴットリーブのほうが長い間働いているが、デザイナーとしての歴史を数えた場合だ)。ケンは、ある特別な難題、すなわち『運命再編』をデザインするためにデザイン・チームに配置された。通常、小型セットはデザインするのがもっとも簡単であるが、『運命再編』は普通の小型セットではない。ブロック全体が、『運命再編』を軸とした2つの異なるドラフトが存在するというドラフト構造を軸としているのだ。つまり、『運命再編』は第1セットと組み合わせたときと第3セットと組み合わせたときで、同じカードでありながら違う振る舞いをする必要があるということになる。誰かがこの問題に挑まなければならないとなれば、私が指名するのはケンだった。もちろん、ケンは『タルキール覇王譚』のデザイン中は普段通りの仕事をしていた(『運命再編』もだが、それについては『運命再編』のプレビューで語ることにしよう)。

イーサン・フライシャー/Ethan Fleischer

 イーサンは『タルキール覇王譚』のデザイン・チームには参加していなかったが、彼はショーンと同じく、私とともに先行デザインに関わったもう1人の人物である。時間旅行という構造は、イーサンが思いついたものなのだ。イーサンは第2回グレート・デザイナー・サーチの優勝者であり、先行デザイン・チームは当時インターンであったイーサンとショーンを試すために私が作ったものなのだ。それは非常にうまくいったので、先行デザインはデザインにおける普通の手順となっている。そしてイーサンとショーンはどちらもフルタイムのデザイナーとなったことが先行デザインの出来映えを証明していると言えるだろう。先行デザインの勝者をもう1つ挙げるなら、『タルキール覇王譚』ブロックである。


複数のボールを持つということ

 さて、ここからは遠い昔に多人数戦を意識してデザインされたカードの話である。アルファベット順ではなく時系列順に話していくことで、我々の考え方や多人数向けデザインの進化を示したいと思う。また、これらのカードは、2人戦向けにデザインされたが多人数戦でもプレイできるというものではなく、特に多人数戦向けに作ったカードであり、その代価として2人戦では実用性を失っているものもある。

《吸魂》(『レジェンズ』)

 私の知る限りにおいて、初めて明確に多人数戦用にデザインされたカードはこれである。2人戦でもプレイすることはできるが、これの本来の文章では「唱えたプレイヤー以外のすべてのプレイヤー」という描き方がされていた。唱えたプレイヤー以外の「すべてのプレイヤー」ということは、このカードが3人以上でマジックをプレイすることを明確に意識しているということである。このような書き方はこのカードが初めてであった。

 《吸魂》は多人数戦デザインの最初の形、すなわち拡大効果の好例である。つまり、ゲームに参加するプレイヤーが増えれば増えるほど強力になる効果を持つ、ということである。3マナを支払って対戦相手1人から2点吸うのは、ごく普通のことだ。3マナを支払って他のプレイヤーそれぞれから2点ずつライフを吸うとなると、他のプレイヤーが2人いればかなり優秀で、人が多くなって2桁にでもなれば、その効果は強烈なものである。

《集い》(『ウルザズ・サーガ』)

 一見するとこのカードは2人戦向けにデザインされたようにも見えるが、当時の裏側を知る人間として、そうではないと知っている。このカードは《吸魂》にかなりの影響を受けているのだ。我々は多人数戦フォーマットのプレイヤーからの好意的な反響を受け、そろそろ同じ方向性のカードをもう一度作ろうということになったのだ。このカードは普通の2人戦でもプレイできるが、拡張できて、参加人数の多い多人数戦では巨大な効果を持つようにしようとデザインされたのだ。

 もう1つ、このカードをここで挙げたのは、これが多人数戦に触発されたからというだけではなく、これが多人数戦フォーマットのプレイヤーから多くの反響を受ける結果となったからである。このカードには多くのファンもアンチもいるが、アンチのほうがずっと多かったのだ。問題は、ほとんどの多人数戦フォーマットにおいて、《集い》は狂気の沙汰だったということである。プレイヤーはたった4マナでしばしば3桁にのぼるライフを獲得したのである。このカードのファンは、他のプレイヤーをそれほど邪魔することなく生き残ることが出来るカードの存在を愛していたのだ。

 《集い》は、デザインに、拡張可能な効果を通して多人数戦を意識するのを躊躇させるようになった。この考えは長年にわたり残っていて、それに疑問が呈されたのはここ5年かそこらのことである。

チームメイト・サイクル(『アングルード』)

 ここから紹介する5枚のカードは『アングルード』でサイクルとしてデザインされたものである。サイクルだと気付いた諸君がどの程度いるかは定かではない。このサイクルの興りについて説明しよう。『アングルード』は、ビル・ローズ/Bill Roseとジョエル・ミック/Joel Michが私にプロジェクトを提示したことで始まったもので、イベントで使えない銀枠セットになる予定だった。通常のルールに従わないカードのセットになる予定だった。私はその意味を自由に解釈できたのだ。

 私はこのセットをどうしたいのか、時間をかけて考え、そして奇妙なカードの束に触発されることになる。知っての通り、私は若い頃マジック(:ザ・ギャザリングではなく、手品の方)に傾倒しており、子供たちのパーティーで披露していた。私はさまざまなタネを保っており、その中にはさまざまなカード・トリックもあった。その中に、奇妙なカードでできたカードの束もあったのだ。そこには、クラブの「9と1/2」、黒いハートのキング、両方が裏のカードが存在した。この束には、マジシャンが必要に応じて使える奇妙なカードが詰め込まれていたのだ。

 『アングルード』がそういう、プレイヤーが必要に応じて使える奇妙なものが色々と詰め込まれたものだったとしたらどうだろう。全面アートの土地やトークン、ルールを曲げる奇妙なカード、おかしな概念。話題には上ったが、通常のセットではやりたくないと判断されていたのが、多人数戦を意識したカードであった。特に、私はチームメイトという考えに惹かれていたので、チームメイトを参照するカードのサイクルを作った。ただし、その中で1枚、赤のカードには「チームメイト」という単語そのものは含まれていないが、それについてはこの後で触れよう。

 WUBRG順(白青黒赤緑。我々がファイルの中でカードを並べる順番である)に説明していこう。

《Get a Life》

 このカードは多くのプレイヤーを混乱させた。このカードは実際何をするものなのか? ライフ総量をチームメイトと交換することができるのだ。なぜそんなことを? あなたとあなたのチームメイトとが、対戦相手とそのチームメイトとライフ総量を交換したいんじゃ? その答えは、このカードが特定の多人数戦のために作られたから、である。そう、皇帝戦だ。

 知らない諸君のために説明すると、皇帝戦は3対3、あるいは5対5で行われるフォーマットで、あなたのチームが並んで座り、対戦相手のチームと対峙する。呪文は有効範囲があるので、最初は両端のプレイヤーがほとんどの戦闘を受け持つことになる。皇帝(中央に座り、クリーチャーで攻撃されることがないプレイヤー)と、端で戦っているプレイヤーのライフを交換することは非常に価値がある場合があるのだ。確かに、このフォーマット以外では、この効果はあまり意味がないものである。

《Checks and Balances》

 このカードと《Ricochet》は、「チームメイトを助ける」サイクルを作り始めたにも関わらず、デザインが多少動いたことを示している。このカードは、私が多人数戦の政治力を弄ったものだ。このカードが戦場にあれば、各対戦相手がそれぞれカードを1枚捨てることでどんな呪文も打ち消すことができる、という発想に基づくものだった。このコストは非常に重いので、他のプレイヤーとの交渉が必要になってくる。

 ルール・テキストで、このカードは「3人以上のプレイヤーがいる」ゲームでしかプレイできないと制限されているが、このカードは参加人数の多い多人数戦でプレイされることを想定したものである。このサイクルの5枚のカードの中で、私のお気に入りはこれで、私がもっと興味のある多人数戦デザイン、すなわち、多人数戦のゲームにおける政治力の役割を意識させるもの、である。

 このカードが重要なのはそれだけではなく、このカードに触発されて私は『アングルード』の続編として企画されたが日の目を見なかった『アングルード2』用に投票というテーマを作った、という意味で重要である。そのセットが印刷されることはなかったが、プレイテストは行われ、そして投票メカニズムが面白いということはわかった。ショーン・メインが『コンスピラシー』の提案のために私のもとを訪れたとき、私は彼に投票カードは多人数戦のデザインにおける素晴らしいものだと説明し、そして『コンスピラシー』に投票メカニズムが入ることになったのだった。

《Organ Harvest》

 まず、『アングルード』が発売された1997年当時、黒は高速マナの帝王(《暗黒の儀式》による)だったということを思い出してもらいたい。黒のカラー・パイのこの部分は後に赤に移行したが、この当時はそうではなかった。このカードは、クリーチャーを生け贄にして黒マナを出すという『アルファ版』のカード《Sacrifice》を元にしたものである。

 私は、これらのカード1枚ごとに、違う方法で多人数戦用カードを作ろうと実験していた。《Organ Harvest》は、チーム全体が協力してチームメイトの1人に何かすごいことをさせるというものだった。《Organ Harvest》をプレイする人が、協力だが重い黒の呪文を保っていて、チームメイトはそれを唱えることに協力できる、という発想だった。その黒の呪文が強力なクリーチャー除去であれば、クリーチャーを生け贄に捧げることはそれほどの喪失とはならない。

 ところでフレイバー・テキストは1950年代のアメリカの有名なテレビ番組、「I Love Lucy」をネタにしたものだ。ルーシー/Lucyの夫のリッキー/Rickyのよく言う台詞をもじったものである。

《Ricochet》

 私は『アングルード』のデザインを非常に誇らしく思っているが、失敗がなかったということではない。このカード、《Ricochet》はチームメイト・サイクルの1枚だが、「チームメイト」とルール・テキストに書かれてはいない。このルール・テキストは2人戦でも働くので、これが多人数戦向けにデザインされたということが明白ですらない(が、多人数戦向けにデザインされたのだ)。

 このカードのもとになった発想は、ちょっとした混乱を生み出そうというものだった。これを赤に入れたのは、フレイバーのためと、《Goblin Bookie》が赤にあったから、という2つの理由からである。《Goblin Bookie》はコイン投げをやり直したりダイスを振り直したりできるようにする『アングルード』のカードである。つまり、悪いことが自分を対象にすることを少なくすることができるのだ。

 このカードには問題があったが、その一方で、このサイクルのうちで将来の多人数戦デザインにもっとも大きな影響を与えたカードかもしれない。このカードは、混乱を起こす(言い換えると多様にする)ことが多人数戦のスパイスになるという発想を具体化してくれたのだ。予想不能であることはより多くのやりとりを生み出し、そしてプレイヤー間の楽しい瞬間を作り出すのだ。

《Team Spirit》

 このカードは、複数のプレイヤーが同時に攻撃するという多人数戦のためにデザインされた。最大の欠点は、私がこの効果を充分に推さなかったということである。《踏み荒らし》(+3/+3とトランプル)なら意味があっても、+1/+1では弱すぎたのだ。また、興味深いことに、これは小さすぎたため、この効果は緑ではなく白のものとなっていた。白は全体を+2/+2まで強化する色で、+3/+3以上の強化をするのが緑なのだ。

 しかし、このカードの最大の失敗はそれではない。このカードのアーティストであったテレーズ・ニールセン/Terese Nielsenはスケッチで全てのクリーチャーが同じチームに所属しているかのようにそろいのジャージを着ているというスケッチを出した。当時、私はこのセットを分けようと思っており、多人数戦カードはそれほどばかげていないものである(普通じゃない見かけにしすぎたら多人数戦プレイヤーに受け入れられないのではないかと真剣に危惧していたのだ)と思っていたので、私はテレーズにジャージを脱がせるように頼んでしまった。その後で、重大な誤りに気付いたのだった。

《皇帝の仮面》(『未来予知』)

 『未来予知』は『時のらせん』ブロックの第3セットであり、大仕掛けとしてありうる未来からのタイムシフト・カード(ミライシフト・カード)が存在していた。ミライシフト・カードのデザインのもとになった発想は、我々が検討している範囲を少しだけ見せるというものだった。《皇帝の仮面》は、より明白に、3人以上のプレイヤーが参加するゲームを意識している未来を示したものである。

 《皇帝の仮面》はマジック史上唯一の、「チームメイト」という語がルール・テキストに含まれている黒枠のカードである。それだけでは未来と言うほど奇妙でもなかったので、このカードは史上初めてのクリーチャーでないトークンである、エンチャント・トークンも作っている。トリビア好きの諸君のために言うと、私は『フィフス・ドーン』でアーティファクト・トークンを作ろうとしたことがある(アーティファクト・クリーチャー・トークンではなく)が、必要がないと判断したため結局は作らなかった、ということがある。もちろん、《皇帝の仮面》が世に出てからは、我々はクリーチャーでないトークンを作り始めた。

 私は、このカードの自分とその仲間に何かする、という発想が好きである。通常のエキスパンションで多人数戦を掘り下げていくことがあれば、私が最初に探求するのはこの部分だろう。

いざ、進め!

 今日はここまで。今日の記事は諸君に、我々が多人数戦カードについてどう考えてきたか少しばかりの洞察を提供する歴史記事となった。いつもの通り、諸君からの反響が楽しみである。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回――おっと、中身を話すとネタバレになってしまうな。

 その日まで、あなたが「チームメイト」と呼べる仲間を見付けますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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