龍を描け その1

更新日 Making Magic on 2015年 3月 2日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

原文はこちら

 『タルキール龍紀伝』プレビュー第1週にようこそ。サルカンは過去に遡り、そしてタルキールの歴史を変えた。彼がおこなったことは一体何だったのか、そしてデザインはそれをどう反映したのかについて見ていこう。いつもの通り、その中で素敵なプレビュー・カードのお披露目も予定している。

なんて龍な

 例の通り、まずこれを作ったデザイン・チームをご紹介しよう。

マーク・ゴットリーブ/Mark Gottlieb(リーダー)

 私が初めてマーク・ゴットリーブと知り合ったのは、手紙を介してだった。マークは熱烈なパズルのファンで、ゲーム雑誌の編集の仕事をしていた。何年も前、当時ウィザーズが発行していたマジック専門誌、Duelistで私が連載していた「Magic: The Puzzling」に協力したいという手紙を送ってきた。いくつかの誤りを指摘して、パズルの編集を無料でやりたいと言ってきたのだ。私はその申し出に感謝はしたが、辞退することにした。

 それから数年経って、私は、編集チームの一員としてウィザーズに雇われたばかりのマークと対面することになった。編集チームが開発部の一部になるのはそれから何年も先の話だ。そして数年後、マークはルール・マネージャーとなり、それから何年もに渡って私と新しいカードやメカニズムの実装について議論を戦わすことになる。その後、マークはいくつものサプリメント商品を専門とするデベロッパーになった。

 そしてある日、アーロン・フォーサイス/Aaron Forsythe(私の上司)が私の元を訪れ、そして私の仕事が多すぎるのではないかと懸念を示してきた。デザインの必要性は年とともに大きくなり、私の時間はどんどん足りなくなっていた。アーロンはデザイン・マネージャーという新しい役職を提案してきた。デザイナーのマネージメントをする責任者を作れば、デザイナーそれぞれの時間を監督するのはそちらにまかせて、私は技術的なデザインの仕事だけを監督できるようになる。マネージメントにかける時間が減って、デザインにかける時間が増えるのはまさに私の望んでいたことだった。

 それから数週経ってアーロンが再び現れ、例の仕事に相応しい人物を見付けたので意見を聞きたいと言ってきた。その人物こそマークで、私は彼なら相応しいと同意したのだ。最近、マークと私はとても密接に協力して働いている。長年にわたって彼のことを「天敵」と呼んでいたことを考えると面白い話だ(ちなみに天敵の名前は今マット・タバック/Matt Tabakが引き継いでいる)。

 『タルキール龍紀伝』のデザインを始めるにあたって、それが難しいデザインであることはわかっていた。『タルキール覇王譚』と『運命再編』ではいろいろな変化があり、『タルキール龍紀伝』はこのブロック全体をまとめるために変更できるようでなければならなかったのだ。リード・デザイナーとして私が選ぶ第1候補はマークであり、彼に失望させられたことは一度もなかった。彼はプレイにおけるすべての因子を理解していて、『タルキール龍紀伝』を監督するだけでなく『タルキール覇王譚』や『運命再編』を作る上で助けになる様々な見解を提供してくれたのだ。

ダン・エモンズ/Dan Emmons

 私が初めてダン・エモンズと知り合ったのは、彼がウィザーズで働き始めたときだった。彼はゲーム・サポート・チーム(以前はカスタマー・サービスと呼ばれていた)の一員に過ぎなかったが、ウィザーズで働く目標が開発部入りだったので私の元を訪れたのだ。私は、社内にいれば、その普段の仕事に特に秀でていなくても能力を我々に示す機会がある、と説いたのだ。私は彼を、開発部外でマジックのカードを作ることに興味を持つ人たちのチーム、穴埋めチームの一員とした。デベロップ中に穴ができたら、穴埋めチームがその穴を埋めるカードを作る機会を得るのだ。

 ダンは穴埋めで我々を感銘させたので、我々は彼を、デザインやデベロップにおける小さな問題を解決するために組織した短期間(通常は1~2週間)のチーム、小チームに何回か招いた。ダンは小チームでもいい仕事をしたので、彼をマジックのセットで使うことにした。最初はサプリメント商品、後には通常の拡張セット。それらのチームでもダンはいい仕事をしたので、デザイン・チームに席ができたとき、我々は彼を招いたのだった。

 ダンはさらなる自分の可能性を探すためウィザーズを離れたが、在籍中は多くのデザイン・チームで働いていた。ダンの前向きなエネルギーは、初めて会った日から変わらなかった。彼を失ったのは残念である。とはいえ、彼は諸君らの前から消滅したわけではなく、彼の作り上げたものは『タルキール龍紀伝』で充分に見ることができるだろう。

グレアム・ホプキンス/Graeme Hopkins

 私が初めてグレアムと知り合ったのは、第1回グレート・デザイナー・サーチの決勝進出者3人のうち1人としてだった。その3人は、「ガントレット」と我々が呼んでいる3連続の集中インタビューと、最終のリアルタイム決戦のため、レントンに招かれた。グレアムは優勝こそしなかったが、充分な成績を残したので開発部のインターンとなり、そのインターンの間に、ウィザーズのデジタル部門でフルタイムの仕事を得ることになった。幸いにもデジタル部門の理解を得て、彼は時折デザイン・チームで働くことができたのだ。

 グレアムはいくつものデザイン・チームに参加しており、中には私がリード・デザイナーを務めたものもある。彼は革新的で多作である。これはどちらもデザイン・チームの一員として重要な長所だ。グレアムと協力して働くのはいつでも喜びであり、『タルキール龍紀伝』もその例外ではない。

コリン・カワカミ/Colin Kawakami

 私が初めてコリンと知り合ったのは、彼が就職のための面接に来た時だった。マーク・ゴットリーブがデザイン・マネージャーになったのと同様、コリンはクリエイティブ・チーム・マネージャーとなったのだ。『タルキール龍紀伝』のデザイン・チームでは、コリンは初めてクリエイティブ・チーム代理を務めることになった。彼は非常に手が早く、チームに欠かせない人材だった。

 第3セットにはクリエイティブ・チーム代理がいるとは限らないが、『タルキール覇王譚』ブロックには複雑なクリエイティブ要素があり、すべてを正しくつないでいる必要があった。コリンは非常に入り組んだ物語要素をつなぎ合わせ、すべてが継ぎ目なくつながるようにしてくれたのだ。

サム・ストッダード/Sam Stoddard

 私が初めてサムと出会ったのは、彼の就業初日のことだった。サムについての評判を聞いており、彼の書いたものを呼んでいたが、それまで知り合いではなかったのだ。サムはプロツアーに列席していたが、私がプロツアーに列席していた時期とは重なっていなかったのだ。サムは『タルキール龍紀伝』のデザイン・チームでデベロップ代理を務めていて、すぐにカード・デザインにも秀でているということを見せてくれた。『運命再編』のプレビュー中にも言った通り、サムと私はそれぞれ、同じ課題に取り組んでいるときに疾駆メカニズムにたどりついたのだった。

 サムはマジックのセットに必要なものを見極める目を持っており、非常に当を得た有用な質問を投げかけてくる。サムと密接に協力したのはこのチームが初めてだったが、私は、デベロップの新たな実力者に出会ったと確信させられたのだ。

マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater

 私が初めて私に……えーと。多分、相当若いときに会っているはずだ。それはともかく、様々なデザイン・チームの記録を取るための最高の方法は私自身が参加することだとわかったので、『タルキール龍紀伝』のデザインにも参加している。

「始まりから始めよう」

 『タルキール覇王譚』ブロックのデザインがどうやっておこなわれたのかについていくつもの記事で語ってきたが、3セット全てを知らせられない読者に対して、すべてを説明することは難しかった。ついにこの第3セットに到って、今度はこれまで脇に置いてきた重要なポイントを加えて、もう一度その話をすることにしよう。

 先行デザインで、大/小/大のブロックにすること、そして2つめのセットは大型セットそれぞれと組み合わせてドラフトすること、さらに両大型セットを一緒にドラフトしないことが決まった。また、古典的な時間旅行のストーリーを使ってこの構造を描写することも決まった。主人公が舞台となる世界を訪れ、何か問題を見付け、その問題だと思ったことを解決するために時間を遡り、そして最後に現在に戻り、過去での行為が現在にどのような影響を与えたのかを知る。お約束通り、それは主人公の予想したものそのままではない、というわけだ。

 それを踏まえて、我々は、問題のある世界で、後にもっと問題のある世界に変わるという前提で『タルキール覇王譚』のデザインを始めた。クリエイティブ・チームは、この2つの世界がどんな世界なのかを検討し、そして大将軍が支配し、龍が絶滅した、混沌に満ちた戦争の世界という構想を持ち帰ってきた。この世界が、龍が大将軍に取って代わった世界に変わるのだ。大将軍の世界から龍の世界への変化は魅力的に思えたので、我々はその方針に乗ることにした。

 メカニズム的に、このブロック構造にはいくつかの意味があった。我々は第1セットと第3セットをまったく違うものにしたかった。その2つが同じ場所の異なる時間線であるということから共通点も必要となるが、ドラフト環境(そしてテーマ全体)がまったく違うものにしたかったのだ。『タルキール覇王譚』が楔のセットになると認識した時点で、『タルキール龍紀伝』がどうなるかも決まり、『運命再編』がその両者それぞれと組み合わせられるようにデザインされることになった。

 『タルキール覇王譚』は3色だったので、『タルキール龍紀伝』は3色にはしたくなかった。楔から断片(カラー・ホイールにおいて横並びになっている3色)にしなかったのは、結局のところ3色セットは似通ってしまうからである。断片セットを作るやり方は、楔セットを作るやり方とそう変わらないのだ。また、基本的なドラフト戦略では色の組み合わせは変わるだろうが、戦略は非常に似通ったものになる。つまり、このセットには3色以外の何かが必要なのだ。

 それでは、単色はどうか。3色の世界から1色の世界への変化となると、その差は少しばかり大きすぎることがわかっていた。『運命再編』は3色と単色のテーマに合わせなければならず、本当に大変なことになる。例えば、3色なら土地が必要だが、単色ならいらない。『タルキール覇王譚』と組み合わせてうまく回るようにするためには土地を入れる必要があり、『タルキール龍紀伝』と組み合わせてドラフトをする場合にもその土地は存在することになる。つまり、変化が多すぎるのは無理なのだ。

 そうなると、後は2色の選択肢となる。ここで、両セットに類似点があるようにしたい。その類似点は、陣営を通じたものにすることにしていた。両セットに大将軍が存在し、5つの陣営を率いているのだ。これは強烈な類似点であり、同時にセットごとの特徴付けも可能である。特長は、5つの友好色の氏族か、それとも5つの敵対色の氏族か、どちらかとなる。混ぜることができないわけではないが、セット2つを比較したとき、片方が系統立っていてもう一方がそうでないとなるのは美しくないのだ。2色の氏族で友好色と敵対色を混ぜるとなると3色の氏族でもそうすべきだが、楔のセットは必要だったのだ。

 私は選択肢を見定め、そして選んだ。『タルキール龍紀伝』は敵対色をテーマとして持つことにした。敵対色の伝説のドラゴンのサイクルは今までに存在したことはなく、敵対色をテーマとしたセットは15年前の『アポカリプス』が唯一だったのだ。また、龍が天下を取ったなら対立が増えるということを描写する意味でも敵対色は相応しかった。『タルキール龍紀伝』のデザインはまだ始まってすらいない。我々は『タルキール覇王譚』が『タルキール龍紀伝』の必要なメカニズム的範囲を使い潰してしまわないようにする必要があった。

弱者狩り》 アート:Lars Grant-West

 そのとき、私はエリック・ラウアー/Erik Lauerの訪問を受けた。エリックは首席デベロッパーであり、デベロップにおいてデザインでの私と同等の立場にある。エリックは、敵対色を選んだのは間違いだ、その理由として、楔セットのドラフトにおいては2つの楔のどちらにも進めるように最初敵対色から取るものだからと言ってきた。例えば最初に青赤でドラフトを始めれば、後に白を取ってジェスカイに進むことも、緑を取ってティムールに向かうこともできる。敵対色のドラフトではあまりにも似てしまうというのだ。エリックは、友好色にすべきだと提案してきたのだった。

 聞いた時、少々びっくりさせられた。龍のセットが敵対色だということはテーマ的にはとても気に入っていたのだが、考えてみればエリックの主張には理がある。重要な目標は独特なドラフト構造を機能させることであり、そのためには2つの環境を大きくかけ離れたものにする必要がある。そして、調べてみたら、友好色の伝説のドラゴンのサイクルも作ったことはなかったのだ。そこには間違いなく充分な未踏のメカニズム空間があった。

 ラヴニカのギルドは2色の組み合わせの定義的なモデルを示していた。プレイヤーは多色が好きで、マジックには色の組み合わせが存在する。多色セットを作り続けるなら(そして多色は人気があるテーマだ)、色の組み合わせを別の角度から掘り下げられるようにしなければならない。ラヴニカのギルドとは違う、龍の氏族というのはかなり違った角度になる。

 ここで一歩引いて、この決定がブロック全体に与える影響を考えてみる。5つの氏族が必要で、3色の氏族と2色の氏族、それにそれらの前駆となる氏族が対応する。一貫したものにするため、そして新しい角度から2色の組み合わせを見ていくため、各氏族には中心色が存在することにした。楔においては敵対色が重要になる。ここで問題になるのは、楔から友好色に変化させるとすると、その方法は1つしかなく、敵対色を削る必要がある。例えば、最終的に緑白の氏族になるなら、その元になる楔はアブザンでしかあり得ないのだ。

 そうなると、各楔の中心色は友好色のうち一方を選ぶことになる。これは直感に反することで、ユーザーは困惑するだろうが、他に選択はなかった。この時間旅行という構造の中で、氏族の類似性を保つことのほうが重要だと判断したのだ。各氏族はそれぞれ違う形で進化するにしても、その繋がりを見せたかったのだ。5つの楔を5つの友好色の組み合わせにするのが1対1対応でなければ、もう1つの時間線という雰囲気を壊してしまう。2色の組み合わせは、違う進化を遂げた同一の氏族でなければならないのだ。

 こうして、各氏族の中心色は友好色のうち1つとなった。『運命再編』に遡ったとき、我々はその焦点をさらに推し進め、各氏族において1色が支配的な色になるようにした。こうして楔の氏族はできあがったのだった。

〈層雲の踊り手〉 アート:Anastasia Ovchinnikova

ちょっと待った、変異がある

 もう1つの課題が、変異、あるいは裏向きのカードをストーリーをメカニズムに反映させるためにどう使うかだった。変異は現在のタルキールだった。予示はタルキールの過去にあった変異のもとである。つまり、『タルキール龍紀伝』にはまた別の裏向きのカードの使い方が必要となる。選択肢は2つあって、1つは変異が新しい時間線でどう変わったかを見せる変異の亜種、もう1つはこの時間線において予示は変異にならず違うメカニズムになったということを示す予示の亜種である。

 2つの理由から、我々は変異の亜種を選ぶことにした。まず、メカニズムは飽きられるということだ。ブロックの中で、通例我々は6つないし12個のメカニズムを使う。平均はおよそ9個。『ラヴニカへの回帰』ブロックにはギルドのメカニズムが10個と融合で合計11個あった。これは上限だ。『タルキール覇王譚』ブロックには既に12個存在する。楔の氏族のメカニズムが5つと、友好色の氏族のメカニズムが5つ、そして変異と予示だ。これはもう許容範囲一杯だ。変異の単純な亜種なら、13個目のメカニズムを追加することなく必要なことが可能である。変異を知っていればすぐに理解できるよう、変異に良く似たものにすればいいのだ。

 2つめの問題は、『タルキール龍紀伝』のデザイン中、予示がどうなるかはまだわかっていなかったということである。『タルキール龍紀伝』は大型セットであり、『運命再編』よりも何ヶ月も前に始まったということを思い出してもらいたい。デザイン・チームは予示を気に入っていたが、奇妙で複雑なことも事実だった。『運命再編』のデベロップでボツになるか、少なくとも大きく変更される可能性は充分にあったのだ。つまり、『タルキール龍紀伝』に入れるのは少しばかり危険すぎた。こうして、我々は変異の亜種を選び、様々な亜種を試してみることにした。

 最初の亜種は先行デザインによって生まれた、オーラ変異である。オーラ変異はすべてオーラである。表向きにしたとき、それはコントローラーの選んだクリーチャーに自動的につくのだ。これは全く異なる形のゲームプレイを生んだ。例えば、表向きのクリーチャー1体と裏向きのクリーチャー1体で攻撃したとする。変異の場合、裏向きのクリーチャーが突然大ダメージを叩き出すことがあり得るのでそちらをブロックすることが多くなる。オーラ変異の場合、裏向きのクリーチャーよりも表向きのクリーチャーのほうが大きなダメージを与える可能性が高いので、そちらをブロックすることになる。

予示・上敷き用カード アート:Raymond Swanland

 オーラ変異には2つの大きな問題があった。まず、その同じ先行デザイン・チームが、オーラ変異のデザイン後に『テーロス』ブロックの作業を手がけ、そして授与メカニズムを作っていた。全く同じというわけではないが、直後のブロックで出すには少しばかり似すぎている。次に、デザイン・チームが少しプレイテストした結果、オーラ変異の扱い方を学んだら通常の変異とは比べものにならないほどつまらないゲームプレイになってしまうということがわかったのだ。

 次に、我々が調べたのは熊異、「熊変異」の略である。『タルキール龍紀伝』では、変異カードは3マナではなく2マナ(名前の元になった《ルーン爪の熊》と同じだ)でプレイできるのだ。問題は、リミテッド環境に2種類の変異を入れたくなかったということである。プレイヤーが2マナを払ったか3マナを払ったかを覚えておくことはかなりの負担となり、大混乱を招くことになる。こうして、『タルキール覇王譚』ブロック全体で変異のコストを2マナにするべきかどうかという検討がおこなわれたのだが、それはまた別の話である。

 次が超異(「超変異」の略だと思う)だった。超異を裏向きでプレイするコストは4マナで、ただし+1/+1カウンターが置かれる。2/2ではなく3/3になるわけだ。超異はおもしろく、変異と似ていたので理解も簡単、戦略レベルではまったく違う。しかも+1/+1カウンターを得られるので、表向きで唱えるマナがあっても裏向きにプレイする理由付けにもなった。熊異とは違って、超異は+1/+1カウンターのおかげで変異と区別できるのだ。

 なぜ超異が採用されなかったのかというと、1つちょっとした問題があった。プレイした時に変異と区別できてしまうのだ。超異カードをプレイされたとき、それが変異ではなく超異だと判ってしまい、変異か超異かわからないことによる相互作用が存在しなくなる。変異カードは変異クリ-チャーにしかならず、超異カードは超異クリーチャーにしかならない。超異側として、私は問題ないと主張した。欠点ではあるが、それ以上の長所があるので問題ないと言ったのだが、私の主張は受け入れられなかったのだった。

 最後に試したのが、この超異の調整版だった。4マナで3/3にするのはやめたが、「裏向きで出すと+1/+1カウンターが得られる」という要素を残した。この新しい亜種のプレイテスト名は大変異(この名前はそのまま正式名になった)。大変異クリーチャーは変異クリーチャーだが、1つボーナスがあって、表向きにしたときに+1/+1カウンターが乗るのだ。

 今日のプレビュー・カードで、具体的に見てもらうとしよう。諸君、〈層雲の踊り手〉をご覧あれ。

そして龍

 『タルキール龍紀伝』のデザインについて語るべきことはまだまだあるが、残念ながら誌面が尽きてしまった。幸い、これはその1であり、来週もデザインの話を続けることができる。いつもの通り、諸君の反響を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、このセットのもう1つの新メカニズムと、ブロック全体を機能させる鍵となる全体の構造について語る日にお会いしよう。

 その日まで、あなたの変異が大変異でありますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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