砂漠の狩り

更新日 Perilous Research on 2015年 1月 8日

By Jacob Van Lunen

Jacob Van Lunen began playing Magic in 1995. He has participated in organized play at every level of competition and was a member of the winning team at Pro Tour San Diego in 2007, thanks to an innovative draft strategy. As a writer, Van Lunen has had more than three hundred Magic strategy pieces published

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 ここ DailyMTG.comの『運命再編』プレビューの2週目へようこそ。今日のプレビューカードは我々に「アグロ」というものについて教えてくれる。一般的に、マジックでは各々のプレイヤーが2つの役割の一方を引き受けることになる。片方は対戦相手に速度で勝ることで勝利しようとする。他方は対戦相手の攻勢をコントロールし、カードの質か量で対戦相手を上回りロングゲームを勝利しようとする。今日は、アグロ戦略における新たな強力カードの影響と戦略について語ろう。

アート:Zoltan Boros

 歴史的に、対戦のアグロ側でプレイする際の能力を測る最も優れた指標は、《対立の終結》や《神々の憤怒》といった全体除去の効果を避ける能力だ。新人プレイヤーたちはしばしばそういった呪文で4~5体のクリーチャーを失ってしまうが、より経験を積んだプレイヤーは事態を収める際に失うカードを1~2枚に留めるものだ。実際には、対戦相手を焼き切る、あるいは速攻クリーチャーで倒すことができる範囲に追い込めるのであれば、全体除去の効果で失ったカードの枚数というのは重要ではない。そのため、カードの価値を保つためにクリーチャーを後ろに控えさせておくべきかどうかの正解は、かなり流動的なものなのだ。

 私がこのテーマへの教訓を得たのはごく初期だった。マジックを始めた当時、兄やその友人たちはみな数枚の《神の怒り》や《地震》をデッキに投入していた。彼らは私にクリーチャーを数多く展開させてくれて、そして1枚のカードでそれらをすべて殺し、楽々と勝っていた。私はそういった全体除去を避ける助けになるパターンにいくつか気づき始めた。例えば、もし彼らが複数の青マナがオープンの状態で、手札にカードがたくさんあるにもかかわらずクリーチャーを打ち消さないのなら、おそらくは盤面を一掃する計画を持っている、というものだ。

 1年ほどマジックに没頭して、『ビジョンズ』が発売された時、そのセットで開封した最初のパックで《ヴィーアシーノの砂漠の狩人》を見つけたことを覚えている。興奮したものだ。突然、それまでにはなかった方法で全体除去を避けながらプレッシャーをかけることができるようになったのだ。もちろん、対戦相手はこれに対処するためにインスタント速度で除去呪文を使うことはできた。だが、その大半がその時プレイしていたのは、大振りで、ソーサリー速度の除去ばかりだったのだ。3マナ4点というのはゲームを終わらせるのに十分なほど大きな数字であり、ほとんどの場合、カードを消費する必要すらなかったのだ。私はまた《火炎破》と、全てのカードの中で最も好きな《稲妻》を一緒にプレイできる機会を得た。私は夢中になった。それから数年の間は信心深く赤いデッキを使ったものだ。あの頃は赤い魔道士にとってよい時代だった。『テンペスト』発売時には《呪われた巻物》、《ジャッカルの仔》、そして《モグの狂信者》といったカードを共に使う機会に恵まれた。あの時代のベストカードの一部だった。

 さあ、新たなプレイヤーたちは、私が経験したのと同じ啓示を得る時が来た。長い時間見てきた中でも、アグロにとって最も優れたツールのひとつをご紹介したい。〈マルドゥの斥候〉をご覧あれ!

 これが全て、そしてそれ以上のものだ! 2マナのカーブに沿ったパワー3のカードだ。必要な時には十分に効果的だ。ソーサリースピードの除去と全体除去の影響を避けることができる。基本的にこれまでで最高のものだ。これは本質的には分割カードだ。では、この長所の半分ずつ見てみよう。

 第一に、の3/1を手に入れたということだ。そのこと自体は特に驚くべきことではないが、2マナのパワー3のカードとして、構築において多少の期待が持てるだろう。これを第2ターンにプレイしたなら、対戦相手は除去を使わなければならない。もし対戦相手がクリーチャーをプレイしたら、それを焼いて攻撃すれば、なお同じ量のプレッシャーを盤上にかけていることになる。一般的に言えば、2マナのパワー3のクリーチャーはまさに攻撃的デッキが欲しているものだ。

 それから、もうこのカードのもう半面で《ヴィーアシーノの砂漠の狩人》を手に入れたことになる。この小さいやつは戦場に出してすぐに攻撃させることができる。これは多くの異なる状況で役立ってくれる。最も明らかな恩恵は全体除去を回避してくれるというものであるが、遅いゲームになった場合はマナのよい使い先にもなる。繰り返し3/1速攻クリーチャーを送り出し、手札に戻すことの方が、戦場にターン丸ごと残るアタッカーとして使おうとするよりも良いかもしれない。このカードは無防備なプレインズウォーカーを咎め、全体除去を避け、ゲームの終盤でライブラリートップから引いてきた時もライフを狙うことができる。

 〈マルドゥの斥候〉が《クルフィックスの狩猟者》に対して当然の弱点を抱えていることは問題になるだろう。だが、〈マルドゥの斥候〉を使ったデッキは《クルフィックスの狩猟者》デッキに対して非常に強いものになりうる。《僧院の速槍》は《クルフィックスの狩猟者》に対し非常に相性が良く、赤いデッキは効率が良くかつ安価な火力があるため、ゲームを優位に進めるマナ加速を許さないはずだ。

 〈マルドゥの斥候〉は近い将来、赤のアグロ戦略にとって間違いなく素晴らしいツールとなる。最新のスタンダードの基準がプレイヤーに促しているのは大振りな、多色の戦略で、機能するまでに時間がかかる構築だ。それを赤いカードで咎めようじゃないか!

 知は力なり!

(Tr. Masashi Koyama / TSV Yusuke Yoshikawa)

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