エルドラージと永遠

更新日 Reconstructed on 2014年 6月 25日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 夏という季節に対する印象は、人によって様々だ。ある人達にとっては、短い夜の贅沢を楽しむ時季だろう。別の人達にとっては、ハンバーガーなんかをほおばるのにもってこいな、バーベキュー・パーティのことかもしれない。しかしほとんどの読者にとっては、今年の夏は全く別の何かを思い出すだろう。そう、モダンの季節だ!

 まさに、つい先週から始まったプロツアー予選シーズンは、モダン構築戦で行われている。そのため、モダンという、マジックの歴史上最も面白く最も多様なフォーマットに関心が寄せられる時期である。

 私はモダン・シーズンが来るたびに、出てくるであろう新しいデッキを目撃するのが楽しみで仕方がない。そしてそれは、ReConstructedのモダン週をやるときも同じだ! 君らが最高にクールなデッキを投稿してくれるから、私はどんな斬新なデッキが届くかとわくわくしているんだ。

 事実、大量のクールなデッキが投稿されたので、今回はツー・フォー・ワン……2倍お得な記事をお届けしようと思う。(マジックについて私が知っていることといえば、プレイヤーはいつだって1対2交換や1枚が2つの役割を持つといった、ツー・フォー・ワンが好きってことだ。) 気になった2つのデッキのうち、どちらかを紹介できないってのは酷な話だ! そこで、両方のデッキについて紹介することにしよう。

 2つやってもいいかな? はじめよう!

エルドラージ・デッキ

 ……いや、多分期待しているようなエルドラージ・デッキではないよ。

 確かに、《ぬめるボーグル》はモダンで見ないわけじゃない。だがこれまでに、こんな感じのやつやその同類を見たことは無いんじゃないかな。

 見てくれ。

Mekanic's Flash Conscription

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その戦術とは

 このデッキで対戦相手がどのような目に遭うのかを、ざっと説明しよう。

 まずは、いつでも起こりうるシンプルな手順について。1ターン目に呪禁クリーチャーを出して、2ターン目に《奥義の翼》をつける。3ターン目に、皆が大好きな構築の主軸たる能力、オーラ交換を使って《エルドラージの徴兵》を叩きつけてやろう。アタックで11点――おまけにパーマネントも2つ滅殺できるぞ。

 別のお手軽な動きが《アカデミーの研究者》だ。3ターン目に《アカデミーの研究者》を唱えて、《エルドラージの徴兵》をエンチャントする。対戦相手は除去を持っておいたほうがいいだろうね。

 調整の鍵となるのは、デッキにもっと一貫性と汎用性を持たせられるかどうかだ。総合的に見て、呪禁デッキとしての側面と2枚コンボデッキとしての側面、それぞれをより強化するために、これまでマジックで練り上げられてきた知恵を参考にできる。

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残すカード

 このデッキの肝は1マナ域の呪禁クリーチャーと、コンボパーツだ。《奥義の翼》、《巨身化》、そして《エルドラージの徴兵》を利用するため、《ぬめるボーグル》と《林間隠れの斥候》はどちらも何枚か手札に欲しいカードだろう。大抵はそれらをなるべく引き入れたいはずだ。

 さらに、除去には弱いものの、《アカデミーの研究者》もデッキに残しておきたい強力な二の矢だ。

外すカード

 このデッキには、核となるコンボとあまり連携のとれていない部分が多い。その部分の枠は再構築に役立てられるだろう。

 コンボパーツを揃えるために、深く掘り進められるドロー呪文を使うのは良いだろう。しかし、《オーラの術策》や《思考掃き》よりも、もっとうまい方法がモダンにはある。《思考掃き》と《再拘束》でコンボの準備が整ってしまうのなら盤石だが、ほとんどの場合は《血清の幻視》のほうが断然使える。《オーラの術策》は可愛いカードではあるものの、実際に役立つ場面はほとんど無いだろうね。《差し戻し》は良いカードだ。しかしこのデッキはあまり多くのマナを残しておけず、《差し戻し》を2枚投入しておくだけの理由は無いだろう。

 さて、《再拘束》についてだが、これはかなり状況に左右されるカードだ。

 いくつかの状況をざっと考えてみると、《再拘束》はコンボがうまくいかなかった場合の予防と言える。《エルドラージの徴兵》をエンチャントしたクリーチャーが除去されたならば、《再拘束》してやればいい。だが、《エルドラージの徴兵》を墓地から拾ってくる状況よりも、手札で立ち往生させてしまう問題に直面することのほうが多いだろう。どうにか呪禁クリーチャーに《エルドラージの徴兵》をエンチャントできたなら、それが除去される可能性はかなり低い。《再拘束》は、《アカデミーの研究者》を利用して《エルドラージの徴兵》をエンチャントし、それが対処された場合にだけ有効ということだ。ならばこの枠はなるべく違う役割のカードのために使いたい。

 最後に、《バサーラ塔の弓兵》は2マナ必要で、このデッキにはすでに十分な数の呪禁クリーチャーがいる。これ以上の数のクリーチャーが欲しいわけでもなければ、通常では何の活躍も見込めない呪禁クリーチャーを引き過ぎても困る。呪禁クリーチャーを少々削ろう。

足すカード

 まず、このデッキの一貫性を底上げしたい。最初に行うことは、1マナ域のカード操作呪文を加えることだ。《血清の幻視》と《手練》は、カードを探すためにデッキを掘り進めてくれる。

 これらのカードはそれに加えて、ある重要な役割を果たす。鍵となるのは、これらが青1マナだけのコストを持つ呪文という点だ。さて、まずこれらをデッキに入れるとする。ところで、このデッキの一番の弱点は、《アカデミーの研究者》を除去されることだ。プレイヤーに使われている多くの除去呪文は1マナで、それは対戦相手が容易に唱えられることを意味しているが……

 ……だがそれこそが、《撹乱する群れ》をほぼ完璧な打ち消し呪文にするのだ。

 《撹乱する群れ》はデッキのコンボを守る重大な要素として機能する。《稲妻》、《流刑への道》、あるいは似たようなカードを代替コストで打ち消すために、(《ぬめるボーグル》を含む)青の1マナのカードを用いることが可能な《撹乱する群れ》は、《Force of Will》に極めて近い存在と言えよう。(《奥義の翼》に《呪文貫き》を使われるのも邪魔だが、それにも対処できる。)さらには、《やっかい児》や《詐欺師の総督》を打ち消すことで、極めて効果的に《欠片の双子》のようなコンボ・デッキの展開速度を遅らせることも可能だ。

 あと1枚分の枠があるので、よさそうな《神々との融和》を1枚入れておく。不利な状況でも有効なエンチャントかクリーチャーを探し当てられるだろう。

 変更後のリストはこれだ。

Gavin Verhey's Aura Swap

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 ちょっと違った方向性にしてみたいなら、AJ・サッチャー/AJ Sacher達が使って成功した実績がある、《脂火玉》と《聖トラフトの霊》を採用したバージョンを試してみるといい。コンボに全力のこのバージョンが好みではないなら、やってみる価値はある。

 このデッキはド派手な動きができる初手がいくつかある。楽しんでくれ!

エターニティ・デッキ

 いや、エターニティ(延々と同じ行動を繰り返すデッキ)と言っても心配は無用だ――ターボフォグではない……

 ……とはいうものの、対戦相手がうんざりする目に遭う、という点では同様かもしれない。今回2つ目のデッキに行こう!

Champy-kun's Savor the Friendship

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ソーサリー (9)
2 Primal Command 4 Savor the Moment 3 Time Warp
インスタント (6)
2 Echoing Truth 4 Noxious Revival
アーティファクト (6)
4 Howling Mine 1 Isochron Scepter 1 Panoptic Mirror
エンチャント (9)
2 Awakening Zone 3 Fertile Ground 4 Utopia Sprawl
60 カード

その戦術とは

 全てのターンを得る。

 ああ、本当だ。このデッキの最終的な目標は、対戦相手を追いやって、残りのゲームの間、全てのターンを得ることだ。通常の引きなら5ターン目に、引きが強ければ3ターン目には早くもそれを実行できる。

 それで、具体的にはどういうことなのか?

 ああ、このデッキには追加のターンを得る効果が満載されているのが特徴だ。《時間のねじれ》はもちろん、《瞬間の味わい》なんてカードも採用されている。そして、《死儀礼のシャーマン》がモダンから姿を消したことで、《有毒の蘇生》によって極めて効果的にそれらの効果を繋いでいけるというわけだ。《瞬間の味わい》はアンタップ・ステップにアンタップしないという欠点もあるが、《吠えたける鉱山》のような追加のドロー効果は代わらず効果的だし、プレインズウォーカーの能力もまた使える――そして《野生語りのガラク》で土地をアンタップできれば、その欠点を補うのはかなり楽だろう。

 マナ加速を使うことで、全ターン獲得条件に素早く到達できる――そして採用されているマナ加速は、すべて土地から出るマナを増やすオーラなので、《野生語りのガラク》の効果はより大きくなる! いったん追加ターンの連鎖が始まれば、《月の賢者タミヨウ》の奥義、《等時の王笏》、あるいは《一望の鏡》によって全てのターンを得続けて、対戦相手をゲームから締め出してしまえるだろう。

 このデッキの方針はかっちり決まっている。だが、その周りを固め、目的を達成するためにより集中しなくてはいけない。詳しくやっていこう!

残すカード

 確実に残すカードがいくつかある。追加ターン効果の呪文は全て欲しいし、《時間のねじれ》は間違いなく4枚に増やしたい。いったん追加ターン効果の呪文を唱えれば、「無料」でそれを引き直せると言える《有毒の蘇生》も極めて重要だ。

 マナ加速を助け、《瞬間の味わい》で得たターンにも動けるようにしてくれる一方で、ビーストを生み出して攻撃し、勝ち手段としても役立つ。以上の理由により、《野生語りのガラク》はデッキで重要なカードの1つだ。これも同じく4枚目を入れようと思う。

 そして最後に、このデッキの重要なパーツとして《楽園の拡散》と《肥沃な大地》の2枚が挙げられる。《野生語りのガラク》との相互作用があり、《瞬間の味わい》のデメリットを和らげる、手軽なマナ加速だ。どちらも4枚を維持するつもりだ。

外すカード

 《目覚めの領域》の採用は小洒落てるね。追加ターンを得続ける間はマナを生み出すようなものだし、戦場にさえ出してしまえばあとは手が掛からない、というところも素晴らしい。しかしながら、それだけでは、私が使いたいと考えている多数のカードを押しのけて採用し、3マナを投資する価値はまるで無い。これは外そう。

 加えて、《残響する真実》はサイドボードに用意しておく分には良い選択肢だと思うが、1ゲーム目から対策を講じることに力を入れすぎる必要は無いだろう。まずは素早く連続ターンを決めることに専念し、その結果、必要と感じるならサイドボードで対応すればいい。これも外せる。

 《原初の命令》は、デッキがライブラリーアウトしそうな場合にデッキを回復し、《野生語りのガラク》で3/3のビーストを致死量になるまでゆっくり並べていける、という意図で採用されているのだろう。それは面白い考えだが、《原初の命令》でデッキの枠を埋めていくのは効率が悪い。ライブラリーアウト対策なら、《研究室の偏執狂》を用いることでこの枠を簡単に1枚に減らせる。そして実際のところは、《ケッシグの狼の地》を使って早期に決着をつけることでこの枠を使わずに済む。すでに《有毒の蘇生》を循環させるだけでライブラリーアウトは防げるようになっているわけだしね。

 そして最後。《等時の王笏》、《一望の鏡》、そして《月の賢者タミヨウ》の多様性には良い面もあるが、メインでは《一望の鏡》3枚のみに絞りたい。なぜか? ああ、《一望の鏡》があるだけで、そのまま勝てたりするからだ。3、4ターン目に《一望の鏡》を戦場に叩きつけて、アンタップが回ってくれば勝ち、という試合がある程度見込めるだろう。

 こちらのアップキープ開始時に、(何も刻印していない状態でも)《一望の鏡》の能力は誘発する。そして誘発型能力がスタックに置かれている間に、対応して《一望の鏡》の能力を起動できる、というのは知っておきたいプレイングだ。こうすれば、その誘発型能力の解決時に、今起動した能力で追放したカードのコピーを唱えることができる。簡単に言えば、《一望の鏡》を置いて、対戦相手がどうにも出来なければ、《時間のねじれ》か《瞬間の味わい》を刻印することで勝ったも同然ということだ。

足すカード

 すぐにでも加えたいのは《栄華の儀式》だ。これはこのデッキにとって素晴らしい! 《ジェイス・ベレレン》と同じく、直接敵を打ち倒すカードではないのだが、《栄華の儀式》は戦場に複数枚置くことができるので、《ジェイス・ベレレン》の枠と入れ替えよう。単にドローが増えるというだけでなく、追加ターン中の展開も早める。4枚採用したい。

 ここまでで4枚に増やしたい、と言っていたカードの分を考慮に入れても、あと2枚の枠が残っている。《ジェイス・ベレレン》よりもう少し優先してこの枠に採用できるカードとしては、《クルフィックスの指図》もある。だがそれをもう少し上回るのが《探検》だ。《楽園の拡散》や《肥沃な大地》のほうが優先度は高いが、私が欲しいのは次善のマナ加速だ。これは手札を消費せずに土地の展開を早めることができるので、手札を多めに維持しておきたいデッキでは、その点が非常に重要となる。

 これらの変更を踏まえると、デッキリストはこうなる。

Gavin Verhey's Turbomirror

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 このデッキは絶対に面白い! 投稿されたこのデッキを見た時、真っ先にMagic Onlineでデッキを組み上げて回したぐらいだからね。これは面白くて、驚くほど強いデッキだ。すごく早く相手に勝利することができるだろう。

 こいつで楽しんでくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 見てきたとおり、モダンには極めて素敵な素材がある――まだまだ他にも大量にね。今回投稿された他の素晴らしいデッキも見ていこう!

Alex Baxter's Mirror, Mirror

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Yuki A.'s WU KikiPod

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Wesley's MartyrProc

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Matt's Shrieker of Minds

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Derek Rafols's Infections and Vitamins

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Itou Kazunari's Saints' Crusade

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Hiroaki Ikeda's Springjack Trades

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Naoto Horiguchi's Old Maid

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Toyoharu Sonohara's Gate Mono-Green

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Planeswalker (2)
2 Garruk Wildspeaker
ソーサリー (4)
4 Reap and Sow
インスタント (3)
3 Realms Uncharted
アーティファクト (6)
2 Crucible of Worlds 4 Howling Mine
エンチャント (4)
4 Rites of Flourishing
他 (1)
1 Format; Modern
61 カード

Shenny Lam's Universal Carnage

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Steve's Bant Combo Walkers

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Lane Engelberg's Land Ho!

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ソーサリー (4)
4 Time of Need
エンチャント (10)
3 Abundance 4 Intruder Alarm 3 Quest for Renewal
土地 (26)
15 Forest 11 Island
60 カード