彩色マンティコア、鎖のヴェール、墓地利用!

更新日 Reconstructed on 2014年 9月 3日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 《鎖のヴェール》の一風変わった利用方法に興味はないかな? じゃあ、墓地を利用する方針はどうかな? あとは《彩色マンティコア》で攻撃してみるとか!? そんなあなたにぴったりなのが今日の記事だ。ぜひ読んでほしい。

鎖のヴェール》 アート:Volkan Baga

 スタンダードのデッキを募集したところ、それに対して君たちはクールでユニークなデッキを数多く投稿してくれた! それは、スタンダードが最終の局面を迎えている現在でさえ、革新の余地がまだまだ多いことを示している。

 興味深いデッキの波が押し寄せて溢れかえっているのに、なぜ1つ紹介して終わりにしなければならないのか? 数週間前に複数のモダン・デッキを紹介、考察した。それについての反応は、複数のデッキを紹介する記事をもっと読みたい、というものだった。

 記事を読んでくれている人の要望は極めて重要だ。そして、今回こそは、再び複数のデッキを紹介するに相応しい時だろう! スタンダード・フォーマットは現在においても刻々と変化しているのだ。そこで、かなり優れた3つの異なるデッキを最優先で見ていこう。それらが最大限の強さを発揮できるようにするために、どこをどう調整すればよいかは、既に見極めているからね。

 準備はいいかな? よし、行こう!

「ヴェールウォーカー」

 変わったカードが多く収録されている『基本セット2015』の中で、興味深いカードを1枚挙げるとすれば、《鎖のヴェール》が入ってくるはずだ。

 さて、このカードを利用して、様々な夢を実現したいところだ。単にプレインズウォーカーを並べて能力を再利用するだけでも、このカードの使い道を模索する大多数のプレイヤーにとっては十分に良いものだろう。

 プレインズウォーカーの能力を無限に使えるのに、もう一度使うだけで満足できるかい?

 確認してくれ。

RUG Veil

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クリーチャー (11)
4 Sylvan Caryatid 4 Courser of Kruphix 3 Elvish Mystic
ソーサリー (6)
4 Mizzium Mortars 2 Divination
インスタント (2)
2 Lightning Strike
アーティファクト (3)
3 The Chain Veil
60 カード

 いくつかのゲームでは、プレインズウォーカーの軍勢に追い詰められた相手を、そのまま一蹴してしまえるだろう。しかしそうでない場合には、ちょっとしたコンボを決めるチャンスだ。

 まずは《鎖のヴェール》と、《ラル・ザレック》と、そして《世界を目覚めさせる者、ニッサ》か《歓楽者ゼナゴス》のどちらかを出しておこう。それから《鎖のヴェール》の能力を起動する。そうすることで、《ラル・ザレック》が合計2つのパーマネントをアンタップできるようになる。では《鎖のヴェール》をアンタップしよう。土地も1枚アンタップしておこう。続けて、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》で土地を4つアンタップするか、《歓楽者ゼナゴス》でマナを生み出すかしよう。

 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》で土地を4つ起こすか、《歓楽者ゼナゴス》で4マナを生み出すかすれば、いくらでも《鎖のヴェール》を使い続けられる。各プレインズウォーカーに10億個の忠誠度カウンターを置き、それらを全て奥義につぎ込むのがお勧めだ。(《ラル・ザレック》もいるので、追加のターンも得られる!)4マナではなく3マナしか得られなかったとしても、3番目の能力を使えるところまで起動することができるので、十分だろう。

 ゲーム終了のお知らせだ!

 当然のことだが、多くの場合、すでに戦場にプレインズウォーカーを2枚も出しているというだけで素晴らしいアドバンテージを得てはいる。しかし、しばしば対戦相手は突然死を迎えることになるだろう。

 このデッキで引き締めたい箇所はわずかだ。《予言》や《稲妻の一撃》が何のために入っているのかは理解している。序盤の行動選択肢を与え、欲しいカードを引き当てるためにライブラリーを掘り進めるため、そして《ミジウムの迫撃砲》を温存するための追加の除去として入っているのだろう。しかし、プレインズウォーカーの展開を早めるカードのほうを多く採用したい。

 《キオーラの追随者》は、このデッキにとって素晴らしい選択だ。《クルフィックスの狩猟者》へと加速するだけの《エルフの神秘家》のことを考えれば、それよりも有用なことが多いだろう。《キオーラの追随者》は、プレインズウォーカーの能力をもう一度使うために、《鎖のヴェール》をアンタップすることもできる!

 それ以外のデッキの構成はいい感じだ。プレインズウォーカーの扱いについては正しいと思う。もしもっとコンボ寄りにしたいなら、《歓楽者ゼナゴス》は4枚にするところだが、今は3枚で大丈夫だ。本当にわずかな変更として、《荒ぶる波濤、キオーラ》を追加したい。《思考を築く者、ジェイス》を2枚引いてしまうより、《荒ぶる波濤、キオーラ》1枚と《思考を築く者、ジェイス》1枚を引けるほうが、たいていの場合は良いだろう。よって、この部分は《思考を築く者、ジェイス》2枚と《荒ぶる波濤、キオーラ》1枚に分割したい。

 最後の変更は、マナベースを少々調整することだ。《》をもう1枚追加することで、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》がアンタップできる土地を確保する助けとなる。

 《不動のアジャニ》のプレインズウォーカー支援能力が、このデッキに合うのではないかと興味に駆られるかもしれない。しかし、ここでは必要無いと私は考えている、ということは伝えておこう。マナベースがすでに不安定というのもある。そして私は、《不動のアジャニ》を引いてしまい、羊のように(猫のように?)びくびくとこれを唱えるよりは、単体で有能な他のプレインズウォーカーを確実に素早く展開できるようにしておきたい。

 このデッキを試してみてくれ!

Gavin Verhey's Temur (GUR) Planeswalkers

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墓地利用とエンチャント

 我々はこれまでに様々な墓地利用デッキを見てきた。しかしジョナサン・バーグ/Jonathan Bergは、我々がこれまでに見たことのない墓地利用デッキを投稿してきた。《倒れた者からの力》デッキだ!

 もちろん、全てがまとまってうまく動くように、エンチャントと墓地利用の相互作用が十分に含まれている。それにより、《倒れた者からの力》が機能するという仕掛けだ。そうすることで、どちらか一方だけ引き込んで何もできないという問題に陥らずに済む。

 見てみよう。

Jonathan Berg's Strength From the Fallen

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 確かに、《神々との融和》を唱えて《夜の咆哮獣》を使う、典型的なスタンダードの墓地利用デッキとしても動ける――だがさらに、《倒れた者からの力》によって+10/+10修整を受けた《エルフの神秘家》で、対戦相手が予想していなかった一撃を与えて倒してしまうことも可能だ!

 このデッキは、他の墓地利用デッキには入っていないような別種のカード群を必要としている。《エレボスの鞭》と《イニストラードの魂》は、一般的な墓地利用デッキにとっては素晴らしいものだ。しかし、このデッキではそこまで必要としていない。《倒れた者からの力》による一撃死を狙っているんだ。

 それぞれの要素の重要性から言って、墓地利用と《倒れた者からの力》に関わる部分のカードを大量に変更することはできないが、端々に整えられる部分が多少見受けられる。

 対戦相手がこちらの計画に干渉できないという状況は決定的なチャンスとなるので、《脳蛆》は(クリーチャー・エンチャントでもあるという点も含めて)このデッキの最強カードの1つだ。絶対に4枚に増やしたい。

 《死儀礼のシャーマン》と《旅するサテュロス》のどちらが良いかという議論は興味深い。《死儀礼のシャーマン》のマナ能力は常に利用可能というわけではないが、その他の能力は間違いなく強力だ。また、コストが《旅するサテュロス》より1マナ少ないので、2ターン目に別の行動を取る余地が生まれる。私は《死儀礼のシャーマン》のほうを支持したい。

 《クルフィックスの狩猟者》は上のリストには入っていなかったが、とても優秀なクリーチャーであり、テーマにも合う。このデッキにはライブラリーの一番上を操作する方法が大量に入っているということを考えれば、とりわけ相性がいいだろう。こういったデッキで用いる《ニクスの織り手》は好みだが、その枠に《クルフィックスの狩猟者》を推したい。

 《苦悶の神、ファリカ》は、墓地利用デッキでは通常なら興味深い動きをするが、このデッキでは墓地を十分に肥やしたいので、喜ばしいものではない。

 可能な限りの「倒れた者からの力」を得られるようにするため、できうるなら非クリーチャーの部分も整えたい。ほぼ全てが強力であるか重要であるため、大量に入れ替える余地はない。だが私の判断では、《クルフィックスの洞察力》は外せる。通常は3枚のカードを引けると思われるので、この提案は、最初は奇妙に聞こえるとは思う。しかし目的は墓地をいっぱいにすることだ――この呪文を手札いっぱいに抱えたくはないだろう。

 これらの変更を全て取り入れると、デッキはこうなる。

Gavin Verhey's Deadchantments

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彩色マンティコア!

 《彩色マンティコア》は、使い道を夢想したくなる素晴らしいカードだ。

 5色は扱いにくい――だが《彩色マンティコア》は脅威としては十二分だ。また、スタンダード・フォーマットの最終局面にあって、こいつのコストの支払いがおぼつかないということはないだろう。現行利用可能な2色土地には、優秀なものが大量にある!

 フィリップ・ブーランジェ/Philippe Boulangerが投稿してくれた、実に興味深く、エンチャントを中心としたバージョンのデッキを調査してみよう。

Philippe Boulanger's Chromenchantress

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 最後に紹介するこのデッキは、いくつかのエンチャントの相互作用に注目して、それを活用するデッキの一種だ……しかし既存のデッキの手法とは全く異なっている! このデッキは重いマナ域までの道中を、エンチャントを用いることで加速するんだ。そしてそうだな、たまたま《彩色マンティコア》を出してカードを引くことができる状態になれば、それは大したものさ!

 《マナの花》は、(好きな色のマナを与える)マナ加速でもあり、のちのち星座を誘発させることもできる、隠れた逸品だ! 《破滅喚起の巨人》は《彩色マンティコア》足り得ないが、2枚の《マナの花》で対戦相手のクリーチャーすべてに毎ターン-2/-2を(他に何か持っていればさらに!)与えられるのはひどい話さ。《マナの花》は4枚にしたいところだろう。このデッキなら、《エルフの神秘家》よりもさらに優先したいほどだ。

 このデッキでも同様に、《脳蛆》を満載しようと思う。方針はきっちりしておかないとね。(満載するとは書いたものの、それに引っ張られて《脳蛆》を満載した情景は思い浮かべないようにね。オエッ。)

 私は、この種のデッキでは常に土地を多めにするのが好みだ。5色を全て生み出せるようにしたいし、《クルフィックスの狩猟者》や多くの占術土地の助けもある。土地はもう1枚多くするつもりだ。

 これら全ての調整を施して、デッキはこうなった。

Gavin Verhey's Five-Color Enchantments

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最後にもう一度、ラヴニカ万歳!

 それは3つの異なるスタンダード・デッキを扱ったこの記事のために。少なくともどれか1つを面白そうだと感じて、実際に組んで使ってみてもらえれば嬉しいよ! スタンダードのローテーションが近いことを気にしているなら、『タルキール覇王譚』リリース後でもほとんどのカードが使える《倒れた者からの力》デッキは注目に値するだろう。つまり、実に安定した候補ってことだね。

 思いがけなく早いかもしれないが、『タルキール覇王譚』について言えば、もうプレビューが始まる!(そして、ああ、きっとあなたを興奮させるカードが公開されるだろう。)だがそれはまた、いくばくかの哀しみをも意味する。スタンダードで『ラヴニカへの回帰』ブロックが使えなくなるということだ。次回は、このブロックがモダンへと移行してしまう前に、スタンダードを舞台としてラヴニカへの回帰ブロックに注目する最後の機会になるだろう。

 これから少しの間は、そのローテーションを引き起こすセットのプレビュー・ウィークなので、今回はデッキ構築の募集は無い。だが、質問やコメントしたいことが何かあるなら、気軽にツイッターやTumblrでコメントしてほしい。必ず見るよ!

 ではまた次回――それまで、後わずかとなった夏のスタンダードを楽しんでくれ!

Gavin / @Gavinverhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)


(編集からお知らせ:次回は『タルキール覇王譚』プレビュー特別版として、9月2日掲載分を、明日9月3日12時に掲載いたします。)

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