解体業者始めました

更新日 Reconstructed on 2014年 9月 23日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 我々が多色の次元に訪れるとき、いつも期待していることがある。それは、強さを極限まで追求したカード群だ。

 たしかに、数多くのシナジーも存在する。そして、タルキールの各クランのメカニズムと共に、その真価を大いに発揮するだろう。スゥルタイ群は墓地にカードを送り込むのが好きだ。アブザン家は+1/+1カウンターを置くことを好む。ティムール境では、パワー4以上のクリーチャーを展開したくなるいくつかのごほうびが用意されている。そういったシナジーの重要性に疑問の余地は無い。しかし、それでもカードパワーを前にしてあっさり死んでしまう時というのはある。対戦相手が《議事会の招集》、《ロクソドンの強打者》、《ワームの到来》と展開してきて、4ターン目に合計12点を並べられる状況に対応できず、そのまま相手の餌食になるといった具合だ。

 だがそれらのカードはスタンダードから消えた。尋常ではない強さを持つ、新たなカードが注目を集める時だ。

アート:Karl Kopinski

 マルドゥ族はとにかく殺戮を望む。出来れば、対戦相手に向かってそうしてもらいたいものだ。そしてまた、敏速でもある。今回紹介するカードは、その力を得る助けになるだろう。

 あなたがこのカードのマナ・コストとパワー/タフネスを見たとき、どんな欠点があるのか、とテキストボックスを見始めるだろう。そうだな、耳寄りな話があるんだが……そのルールテキストにはメリットしか書いてないんだよ。

 それじゃあ見てみようか?

 《軍族の解体者》にとりたてて扱いにくいところはない――それでいて仕事は確実にこなしてくれるやつだ。

 今見たものをもう一度確認してみよう。

 そう、こいつは4マナ5/4飛行だ――欠点無しのね。それ以外の能力を使わない場合でさえ、5ターン目に5点ダメージを与えるために対戦相手を食いちぎり始める――そして、もし《軍族の解体者》に続けて、例えば《龍語りのサルカン》を出すとどんなことが起こるか、なんてことは考えるまでもない。

 こいつはそれだけでも十分に強い。それだけでは構築レベルたり得ないかもしれないが、少なくともこいつを採用するかどうかの検討はするだろう。

 だが、こいつはそれらの性能に加えて別の能力も持っているんだ。

 クロックを刻むスピードを速めて、4ターン目に5点ダメージを与えたい? 《軍族の解体者》が何とかしてくれるさ。ビートダウン同士の接戦? 毎ターン5ライフを回復すれば、間違いなく形勢は一変するだろうね。同様に、警戒を持てるということは、攻防を兼ねた完璧な戦闘マシンになれるということだ! 必要となるのは僅かな犠牲だけだ――しかも、この色の組み合わせなら、トークンや小型クリーチャーを大量に用意できる。

 このカードは戦況を変化させる能力の集合体だ。対戦相手の頭上から殴りかかることができて、すぐに手を休めたりもしない。対戦相手が倒れるのに、細かいことを気にする必要があるかい?

 《軍族の解体者》を使ったデッキを2つ紹介しよう。

対戦相手のライフを全て解体する

 対戦相手を解体するのに、何か他に必要だろうか? 突如姿を現し、そしてとどめを刺す役割として、このデーモンが速攻デッキのマナ・カーブの頂点に最適なのは間違いない。そういうデッキをちょっと見てみよう。

Gavin Verhey's Demon's Run

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 黒赤に白をタッチしたこのデッキは俊敏かつ残忍で、目的を見誤ることもない。その目的とは、対戦相手を倒すことだ……しかも素早くね。

 1マナ域に続けて《戦名を望む者》や《マルドゥの頭蓋狩り》を展開することで、与えられるダメージはさらに加速する。たとえ対戦相手が《クルフィックスの狩猟者》を出してきたとしても、それに対処する方法をいくつか用意してある。《激情のゴブリン》はブロックをすり抜ける助けになるし、《マルドゥの魔除け》はそれを即座に除去することが可能だ。

 ああ、それからもちろん、《軍族の解体者》もいる。

 序盤の数ターンである程度のダメージを与えられるはずだが、ブロッカーどもに阻まれることもあるだろう。そこで《軍族の解体者》を使って対戦相手に対応を迫ろう――即座の対応をだ。毎ターン空から襲来する5点クロックに対処するのは難題だろう!

 《ゴブリンの熟練扇動者》や《マルドゥの魔除け》のような、トークン生成カードがいくつかあることに気づいただろう。単体で有用なカードであるということに加え、それらが生成できるトークンは、《軍族の解体者》の傍らにあることで素晴らしい働きを見せる。《軍族の解体者》の胃袋に投じられる食料を途切れることなく供給できるのだから、3ターン目に《ゴブリンの熟練扇動者》、4ターン目に《軍族の解体者》という動きはかなり良い展開だ。もし白が濃ければ、なお一層のトークン生成を後押しする助けとして、《オレスコスの王、ブリマーズ》のようなカードも間違いなく採用するだろう。

 また、《オレスコスの王、ブリマーズ》について言えば、可能な限りの速攻を目指す場合に《軍族の解体者》が欲しがるクリーチャーの候補だ――しかしこの2体がタッグを組む機会は速攻のみではない。このカードでアドバンテージを得るための別の切り口を見てみよう。

 可能な限りの速攻を目指す場合においても、《オレスコスの王、ブリマーズ》は《軍族の解体者》デッキに欲しいクリーチャーの候補だ。しかし、この2体がタッグを組むのは速攻のみにあらず。このカードでアドバンテージを得るような、別の切り口を見てみよう。

中盤で相手を解体する

 スタンダードでは、敵陣に乗り込んで相手を噛み砕く回避能力持ち5マナ域として、《龍語りのサルカン》と《嵐の息吹のドラゴン》という2種の鉄板カードを採用できる――そして《軍族の解体者》はそれらに先行して戦場に出せるので、続けざまにドラゴンが登場するのをお出迎えできるのはいい流れだと言えよう。

 《軍族の解体者》を用いる構築の手法として、純粋な速攻戦略を選択できるのも間違いないが、《軍族の解体者》を採用した中速デッキを試す価値があるのも確かだ。

Gavin Verhey's Eager Cleaver

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 相手を妨害しつつ、単体で機能する強力な脅威を展開するというのがこのデッキの全容だ。このデッキは極めて多角的な攻撃方法を揃えている!

 《軍族の解体者》から《龍語りのサルカン》へと繋げて、空から9点ダメージを叩き込みたい? 存分に。

 《神々の憤怒》でクリーチャーを一掃しつつ、《オレスコスの王、ブリマーズ》で攻撃して、《紅蓮の達人チャンドラ》でカード・アドバンテージを確保する動きをしてみたい? そいつは名案だ。

 こちらの最後の攻め手を確実に残すため、《思考囲い》と《マルドゥの魔除け》で対戦相手の手札を妨害することもできる。

 どういった動きをするにしても、単体で強力なカードを大量に擁することで、対戦相手は矢継ぎ早に登場する脅威への対処を強いられることになる。おそらくは、何かしら行動しさえすれば、対戦相手は劣勢になるだろう。

自己を解体する

 カードの役割はシンプルなものだが、《軍族の解体者》を活用する方法はいくつもある。今回紹介したデッキではトークンをサブテーマとして採用してみたが、もっとトークンを重視したデッキも試せるだろう。研究してみてくれ――新しいスタンダード・フォーマットには試したくなるものが山ほどある。

 どんな手法を取るにしても、はっきり言えることがある。《軍族の解体者》とご対面して喜ぶような対戦相手はいないってことだ。今後のスタンダード・シーズンで、多くのゲームに決着をつけるカードになるだろう。解体される側よりも、解体する側でありたいね。


(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(9月23日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 吉川)

 新しいセットといえば、新しいプロツアー。わずか2週間と少し後は、プロツアー『タルキール覇王譚』の時間だ!

 競技的な視点でスタンダードを見ていく機会を持ってみたい。最高峰の競技に向けたデッキを送ってほしい!

フォーマット:『タルキール覇王譚』入りのスタンダード
デッキの制限:プロツアー・レベルのスタンダードデッキで、ひとひねりが加わっているようにすること。
締め切り:9月30日(火)午前10時(日本時間)
投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain
4 Satyr Firedrinker
3 Ash Zealot
4 Lighting Bolt
(以下同様)

 カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)

 また、今週についても、デッキは reconstructeddecks@gmail.com 宛に送っていただきたい。現状ではバグがあり、私のウィザーズでのアドレスへ送られたデッキリストを見ることに問題が生じているためだ。

 この記事について考えたことやフィードバックがあれば、ぜひ聞いてみたい。気後れすることなく、私へのツイートや、私のTumblrでの質問として送ってほしい。必ず拝見することを保証する!

 また次回お会いしよう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)

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