ハワイにて期待されるデッキたち

更新日 on 2014年 10月 21日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 新しいスタンダードの情勢が、明らかになる時が来た。

(元記事掲載時点の)週末は、ハワイで開催されるプロツアー『タルキール覇王譚』に参戦するために、世界中から最高峰のプレイヤーが集まるだろう! それは、大舞台で披露されるスタンダードの新たな顔ぶれを見ることができる展示会であり、プロ・プレイヤーはこのフォーマットで得た成果をあらゆる場面で披露してくれるはずだ。

 プロツアーの開催後は、スタンダード環境はさらに新たな変化が訪れると信じている。だが今回は、プロツアーの観戦記事で確実に登場してくると思われる、いくつかのデッキを紹介することにしたい。過去数回でも、プロツアーで見かけそうなデッキをいくつか紹介してきた(その中でもジェスカイ・バーン・デッキは特にありえそうだ)が、今回は注目する範囲をもう少し広げてみたい。投稿されたデッキをバイキング形式で見ていこう!

 デッキはビートダウン、ミッドレンジ、そしてコントロールというカテゴリーに分けて見ていく。それらのデッキを紹介し、どのような調整が考えられるかについて少々意見を述べてから、次のデッキへと進むつもりだ。電光石火のデッキ紹介、これが「ReConstructed」の流儀さ!

 準備はいいかな? よし、行こう!

ビートダウン

 アグロ、ラッシュ、「襲撃デッキ」。これらのデッキは、序盤のもたつきを罰し――もたつかなくても相手を打破できる。現在はどのようなデッキがこのカテゴリーに分類されるだろうか? さて、今回紹介する最初のデッキを見ていこう。

Keisuke Kimura's Mono-Red Prowess Hero

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 新しいスタンダードでは、選択できるビートダウン・デッキがいくつも存在する――そしてケイスケは超軽量の赤単デッキを選んだ。彼は、対戦相手がマナ基盤を整えている序盤のうちに、強打で倒してしまう展開を目論んでいる。対戦相手が《世界を喰らう者、ポルクラノス》を唱えるころには、《槌手》で攻撃を通してゲームを決める準備ができているだろう。

 定番の1つ、《ゴブリンの熟練扇動者》はこのデッキに入るように思える。これは3マナかかるが、マナカーブの頂点に位置して強力なアタッカーを務める素晴らしいカードだ。さらに、《パーフォロスの試練》を外して少々の火力呪文を採用したい――とどめの一撃が相手に届くよう、数枚の《稲妻の一撃》を投入できるだろう。最後に検討できるのは《凱旋の間》で、果敢を誘発させつつこちらのクリーチャー全体を強化できる。おそらく2枚より多く入れたいとは思わないが、デッキにうまくはまるだろう。

 よし、それじゃ次に行こう!

Derek Rafols's Black Legion Attack

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 単色ビートダウン・デッキといえば、黒単ビートダウンは外せない! 妨害要素を持ち合わせているので、赤単ほどに早さを重視する必要はない。そしてこのデッキは、たとえ妨害が空振りに終わったとしても、1マナ・パワー2の軍団によって強烈な打撃を与えることができる。

 これらすべての軽量クリーチャーが縦横無尽な活躍を見せるにあたって、最大の脅威となるのが、《世界を喰らう者、ポルクラノス》や《クルフィックスの狩猟者》のようなクリーチャーだ。そのため、十分な数の除去を持っておくことが重要になる。《胆汁病》はそういった大型クリーチャーに対してほとんど効果を発揮しないので、2枚の《残忍な切断》を利用すると共に、燃料供給のためにフェッチランドを8枚まで増やすことを考えたい。

Lucas Lenard - Abzan Aggro

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 ああ、2色中心のビートダウン・デッキも君のために今紹介しておくよ。アブザンは屈強なクリーチャーをいくつも抱えており、序盤から強烈な打撃を与えることが可能だ。《陽刃のエルフ》か、(『タルキール覇王譚』の楔3色カード全てに対して素晴らしい)《万神殿の兵士》を1ターン目に出すところから始まり、《羊毛鬣のライオン》、《先頭に立つもの、アナフェンザ》、《包囲サイ》という、打ち崩すのが難しい凶悪な展開を見せる。

 このデッキのクリーチャー基盤は、かなり頑強であると同時に、攻撃によって多くのダメージを与えられる。本来入っているべきカードとしては、《オレスコスの王、ブリマーズ》が挙げられるだろう――こいつの打撃力はきわめて高く、この種のデッキでは素晴らしいものだ。また、そうすることで《平地》をさらに1、2枚置けるようにマナを調整することになるだろう……どのみちそれは、《陽刃のエルフ》のためにもなる。

 少しではあるが、呪文を調整することを考えたほうがよいだろう。《払拭の光》と《停止の場》を4枚ずつ入れるのは、おそらくやりすぎだ。《オレスコスの王、ブリマーズ》の枠のために、《停止の場》を抜くのがよいだろう。さらに、《嵐の息吹のドラゴン》に対処するために《残忍な切断》を2枚使えるようにしたい。それは、対戦相手のターンに唱えることができる軽い応酬用の呪文を手に入れることにもなる。

ミッドレンジ

 この新しいスタンダードでは、どのようなミッドレンジ・デッキを見ることができるだろうか? よし、最も確実に見られるであろうデッキからやり始めるとしよう。

Alessandro Pogorzhelsky's Temur Monsters

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 ティムールには、スタンダード最高峰のパワーカードが豊富に用意されている。構築の手法は多岐にわたるが、いずれにせよ早い段階から巨大な脅威を展開するために、《森の女人像》(や、しばしば《爪鳴らしの神秘家》)を活用する戦略だ。《凶暴な拳刃》のようなカードが先陣を切り、《世界を喰らう者、ポルクラノス》やプレインズウォーカーなどによる強力な後援を手厚く受けることであなたを支える。

 このデッキリストで、私が最も不適当に感じるのは《ゴブリンの熟練扇動者》だ――ティムール・デッキの戦略の中では、これが十分に活躍するとは思えない。この枠を使って、現状3枚の《クルフィックスの狩猟者》や《世界を喰らう者、ポルクラノス》などを増やせるだろう。《エルフの神秘家》の部分も、いくつか《爪鳴らしの神秘家》と入れ替えたい。そして、除去と打ち消し呪文両方の役割を果たせる――あるいは最後の攻撃を通すための役割を果たせる《ティムールの魔除け》も採用したい。このリストには5マナ域が多いので、必要性を感じないものを抜いて《ティムールの魔除け》を入れることができる。

Qoarl's Golgari Devotion

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 《破滅喚起の巨人》はここ数週間でにわかに注目を浴びはじめたカードで、確かにこいつはあらゆるビートダウン・デッキのゲームプランを阻むことが可能だ。(とりわけ、複数引けばね。)動きが遅めとされてきた星座中心のミッドレンジ・デッキだが、このところは速度が上がってきている。ほとんどの場合は素早く加速し、ゲームを決定付けられるだろう。

 私が感じる大きな不満は、このデッキには十分な加速力があるのに対して、対戦相手に素早く圧力をかけていく要素が不足している点だ。なので《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を試してみたいところだ――デッキには《》が8枚入っている。そして土地を次々にクリーチャーにすることで、対戦相手にとっては強烈な圧力になり、素早く打破することができるだろう。《宿命的介入》や《苦悶の神、ファリカ》から得られるエンチャント・トークンとの相互作用よりも、こちらを優先したい。

Jeff Tang's Mardu Aristocrats

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 サム・ブラック/Sam Blackがプロツアーのためにこのようなデッキを準備していたとしても、驚くには値しないね。

 《カルテルの貴種》のようなカードを最大限活用した後期の「アリストクラッツ」のように、このデッキは《殺人王、ティマレット》を主要なエンジンとして用いる。このデッキは、トークン、《鍛冶の神、パーフォロス》、《不気味な腸卜師》、そして《血に染まりし勇者》と共に《殺人王、ティマレット》や《軍族の解体者》を用いることで、対戦相手のライフを少しずつ削りながらアドバンテージを積み重ねるといった、うまい行動を多岐にわたって行うことができる。

 《軍族童の突発》はこの中にあっては少々弱く思える。《不気味な腸卜師》や《英雄の破滅》のようなカードを増やすためにこの枠を使えるはずだ。さらに《蔑み》の部分も《思考囲い》に入れ替えたい。全体的に見れば、このデッキはよい基盤を持っている。しかし何度かプレイテストして、各戦術に残す価値があるかどうか、1マナ域や2マナ域のカードそれぞれに利用価値があるかどうか、といった細部を詰める必要があるだろう。

コントロール

 《スフィンクスの啓示》、《拘留の宝球》、《至高の評決》、その他強力なアゾリウスのカード群すべてが退場し、新たなコントロールを磨き上げる時となった。

 しかし、まるでなじみのないものへと一足飛びに移るまえに、白青を基盤としたコントロール・デッキの最新版を調べておこう。

Shao Middle's Sinister Puddle

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 楔3色カードは採用できないが、有効な青系コントロール・デッキが取れる妥当な方向性のひとつとして、エスパー・コントロールは(ジェスカイ・コントロールや、やもするとスゥルタイ・コントロールと同様に)いまだ警戒すべき存在だ。《奈落の総ざらい》について述べておくなら――これはコントロールした試合を完全に終わらせる。1枚のカードが飛び出て終わるコントロールの試合が、プロツアー放送で見られるはずだ。そして、その1枚こそが《奈落の総ざらい》なんだ。

 私がこの種のデッキでなるべく採用したいカードは、《時を越えた探索》だ。これはインスタント速度でカードを選別させてくれるので、適切な解答を見つけ出す助けになる――あるいは、決着をつけるときならば脅威となる呪文を見つけ出す助けになる。このデッキは実際のところ、時間を稼ぐための《ニクス毛の雄羊》や《賢いなりすまし》を必要としないだろう――除去とプレインズウォーカーを十分採用できるようにしたい。それらと《時を越えた探索》を加えるために、その枠を利用しよう。さらに《運命編み》の部分を《予言》に入れ替えることを検討できる――ソーサリーであっても1マナ少ないほうを、このデッキでは持っておきたい。

Kevin McLane's Boros Control

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 驚いたかもしれないが、白赤コントロールはかなり妥当な選択肢として間違いなく隆盛してきている。このデッキには《神々の憤怒》と《対立の終結》という2種類の優良全体除去、《岩への繋ぎ止め》などの素晴らしい除去呪文、そしてカード・アドバンテージが取れる《紅蓮の達人チャンドラ》もあるんだ。

 《ニクス毛の雄羊》はこのデッキではそれほど重要に思えない。サイドボードになら採用を検討したいが、メインには不要だろう。代わりに、《オレスコスの王、ブリマーズ》の投入を検討したい。ブロックに使えて《神々の憤怒》に耐えるところは《ニクス毛の雄羊》と同じだが、素晴らしい勝ち手段になる脅威としても役に立つ。《マグマの噴流》だが、序盤に相手とやり取りするために必要な要素はすでに十分搭載されていて、巨大な多色クリーチャーが闊歩する新たなスタンダード世界ではただの2点ダメージにすぎない。この枠も、《紅蓮の達人チャンドラ》と《太陽の勇者、エルズペス》の3枚目にそれぞれ入れ替えたい。

 さらに、占術土地を増やすと共に《軍族の解体者》や《完全なる終わり》のようなカードを用いて、マルドゥ・コントロールへと十分な変貌を遂げられる点も注目する価値がある。そのようなデッキはこうなるだろう。

Britten Santiago's Mardu Control

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 見たとおり似たようなデッキ基盤ではあるが、マルドゥのカードをいくつか活用している。新環境直後という状況なので、マナベースを変更してまでこれらのカードを採用するべきかどうか、どちらも試してみる価値があるだろう。


(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(10月21日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 Yoshikawa)

 2週間後はジェスカイ・ウィークということで(「ReConstructed」の翻訳掲載は4週間後)、ジェスカイのデッキを見ていく時間としたい! 皆さんが送ってくれるアイデアを見ていこう。

フォーマット:スタンダード
デッキの制限:過不足なく、青赤白のデッキであること。
締め切り:10月28日(火)午前10時(日本時間)
投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain
4 Satyr Firedrinker
3 Ash Zealot
4 Lighting Bolt
(以下同様)

 カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)

 また、今週についても、デッキは reconstructeddecks@gmail.com 宛に送っていただきたい。現状ではバグがあり、私のウィザーズでのアドレスへ送られたデッキリストを見ることに問題が生じているためだ。

 質問やコメントがあれば、ぜひ聞いてみたい。気軽に私へのツイートや、私のTumblrでの質問として送ってほしい。受信トレイはいつでもオープンだ。

 また来週お会いしよう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)