ワールド・ウォリアー

更新日 Reconstructed on 2014年 12月 2日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 マルドゥの諸君、準備は良いか? 今こそ戦いの時だ!

 マルドゥ週間の「ReConstructed」にようこそ! 先週は兵士デッキを取り上げた。よって今週は戦場のもうひとつの勢力、戦士を押さえておくべきだ!

マルドゥの炎起こし》 アート:Peter Mohrbacher

 『タルキール覇王譚』の発売以降、投稿されるデッキにはいつだってマルドゥ・デッキがあった。ようやく取り上げる機会を作れたことを嬉しく思うよ! ReConstructedの昔からの読者でありデッキ投稿者でもある、イトウ カズナリが送ってくれた戦士デッキを見てみよう。さあ行くぞ!

Itou Kazunari's I Am a Warrior

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その戦術とは

 戦え!

 いや、指示が正確じゃなかったな。攻撃して倒せ!

 『タルキール覇王譚』の戦士は、素早くアグレッシブなアドバンテージを得ることができる部族シナジーだ。戦場に出る《刃の隊長》と《鱗の隊長》を活用して、このデッキのクリーチャーを全て強化することもできるし、そして、《略奪者の戦利品》によって大量のカードもドローできるだろう!

 このデッキの動きは、あらゆるビートダウン・デッキと同様で、可能なかぎり多くのダメージを対戦相手に通そうとするものだ。特筆すべきマルドゥ・デッキ特有の要素は、《刃の隊長》と《鱗の隊長》がある上にアグレッシブであろうとしているため、白マナと黒マナにマナベースを最も集中しなければならないという点にある。白黒を確実に出るようにすることで、カードを使いたいときに唱えられるようになり、なおかつ少ししか採用できないタップインランドは散らしている赤のために採用することで、デッキの展開遅れを減らせるというわけだ。

 このデッキの内容を洗練するために、私は採用できる最良の戦士を選択し、可能な限り素早く攻撃できるよう、使われているカードとマナベースを調整していくつもりだ。さっそく先に進もう!

デッキ詳細

 どれがこのデッキに最適なカードで、どれが入れていても戦争に勝てないカードだろうか? デッキのカードを全てチェックして、どれが向いていてどれがそうじゃないかを調べていこう。

血に染まりし勇者

 アグレッシブ最高の1マナ域とはこいつのことだ! 1マナで2パワー? こいつだ! 戦士を探してる? こいつだ! 戦場に何度も戻る能力持ち? こいつだ! この小さな「強襲這い/Raidcrawler」(こいつのことを考えるときはいつも、この開発部でのプレイテスト時の名前を思い出す)は、まさにこのデッキに必要なカードだ。4枚投入に問題はない。

 問題ないどころか、別のカードを組み合わせたいほどに《血に染まりし勇者》は完璧だ。《殺人王、ティマレット》を組み合わせるほどにね! 私は通常《殺人王、ティマレット》を信用しないが(マジメな話、「殺人王」とか呼ばれてるヤツと誰が親しくするっていうんだ!? まあ、私がその悪の道に進むことは絶対ないよ)、このデッキでの彼は、長期戦において素晴らしく強力なエンジンとなる。この組み合わせなら《殺人王、ティマレット》を戻すために《血に染まりし勇者》を生け贄に捧げることもできるし、出した《血に染まりし勇者》を対戦相手に飛ばすこともできる。長期戦における脅威を入れておくことで、対戦相手は息つく暇もなくなるわけだ。しかも、《殺人王、ティマレット》は戦士なのさ!

 2マナ域ではあるものの、より遅いゲームで相互作用を発揮するため(加えてタッチ色である赤が入っているため)、2枚しか入れたくはない。でもこの2枚採用は納得できるね。

マルドゥの悪刃

 「悪刃」。何たる名称だ!

 《マルドゥの悪刃》を用いる大きな理由は、1ターン目に出して殴りにいけるという点だ。さらに《森の女人像》や《包囲サイ》を相手にしても、気軽に攻撃やブロックができる。さておき、接死の主な機能はダメージを通すためのものだ。

 そのように擁護しても、実際に《マルドゥの悪刃》を採用するのは相当に厳しい。こいつはただの1マナ1/1で、《刃の隊長》を引けなければどうしようもない。このデッキには戦士を使うことへのご褒美はあるが、どんな1/1からでも十分な結果を得られるというわけではない。このデッキの戦士は最低でも、アグレッシブ・デッキのカードとして単独でそこそこ使えるものでなければならない。1ターン目にこれを出すぐらいなら、マナベースのことを考えてタップインランドを置きたいところだ。悪いが、刃とは、別れなければならないようだ――悪刃よさらば!

刃の隊長》《鱗の隊長

 これら2枚は戦士デッキを使う主な理由となるカードだ。タフネスが上がる《鱗の隊長》よりも、単体でパワー3を持ち自軍全てのパワーを強化できる《刃の隊長》のほうが、このようなアグレッシブ・デッキにとっては良い。そのため優先して引きたいカードが《刃の隊長》であることに間違いはないが、どちらも素晴らしいので8枚全て残すつもりだ。行け! 戦士たちよ!

マルドゥの頭蓋狩り

 「隊長」は素晴らしい2マナ域だが、使いたいクリーチャーはそれだけではない。このようなアグレッシブ・デッキでは、低マナ域の大量採用を目指したい。そして、《マルドゥの頭蓋狩り》はその目的にぴったりだ。2/1の《貪欲なるネズミ》はほぼ全てのデッキに対して有効で、常に2ターン目に強襲できるとは限らないものの、それでも良い追加要素となる。4枚そのままで大丈夫だ!

戦名を望む者

 《戦名を望む者》を採用する主な理由としては2つある。まず、アグレッシブ・デッキでは常に欲しいと思われる2マナパワー3の可能性があることだ。もう一つは、例えば《森の女人像》などを相手に攻撃を通したい場合、こいつの能力はとりわけ効果的なことだ。

 《戦名を望む者》(と、さらに言えば《国境地帯の匪賊》)は、どちらもこのデッキにとって素晴らしいカードではある――しかし私が考えるに、2ターンで白黒を揃えることに主眼を置いたデッキで、採用したいこれらのカードが赤の2マナ域なのは大きな問題となる。ああ、1ターン目にタップインランドを置くときには出せるだろうね……だがその場合、《戦名を望む者》は強襲できない。

 私はむしろ、白か黒で、初手に《血に染まりし勇者》が無くて強襲できなくても役に立つものを採用したい。(特に、すでに《マルドゥの頭蓋狩り》での強襲を見込んでいるからね。)ジェスカイからちょっと《道の探求者》君を誘おう。呪文を唱えるたびにパンプアップしてライフを回復できる2マナ2/2の戦士は、十分に魅力的だ。《戦名を望む者》と《道の探求者》4枚の交換には納得できる。

 さて、赤いクリーチャーを外す話をしておいて何だが、デッキに入れたい別のアグレッシブな赤いカードがある。スタンダードで話題を聞いたことがあるであろう小さなゴブリン、《ゴブリンの熟練扇動者》……こいつは都合の良いことに戦士だ!

 《ゴブリンの熟練扇動者》は単体で強く、(赤いカードのために利用したいマナ域である)3マナのクリーチャーでもある、というだけでなく、さらに戦士でもあり、このデッキに用意したすべての戦士ボーナスも獲得できる。(出てくるトークンは戦士ではないけどね。)デッキに4枚入れよう。

兜砕きのズルゴ

 ズルゴの攻撃力に疑問はない。しかしながら、こいつをブロックするのは極めて簡単な話だし、このデッキで5マナの支払いは少々重いというのが、ミスター兜砕きに対する最終判断だ。このデッキが5マナを支払えないというわけではないが、《血に染まりし勇者》や《殺人王、ティマレット》、《略奪者の戦利品》による大量ドローからの追加展開などを考慮すると、ズルゴのために5マナを支払う暇はない。ズルゴよさらば!

マルドゥの魔除け

 3つのモードが氏族の趣向に合っているのもある意味当然だが、《マルドゥの魔除け》はまさにこのデッキが望むものだ。不意をついて追加の戦士を呼び出したい? ああ、モードの1つにあるよ。クリーチャーを除去したい? うん、別のモードにある。手札を浪費せずに《対立の終結》に対処する必要がある? それもできるさ! 《マルドゥの魔除け》を4枚採用したくなるのは当然で、タッチ赤状態のマナベースにも良く合うカードだ。

 《マルドゥの魔除け》に加えて、同等の除去がもう少し欲しい。したがって《払拭の光》を2枚採用したいと思う。より手軽で応用力のある《稲妻の一撃》にするほうが好みなのだが、厄介な《包囲サイ》を追放できる《払拭の光》の効果は、このデッキでは極めて重要だ。

略奪者の戦利品

 さて、ここで新たな戦士優遇カードの登場だ!

 《略奪者の戦利品》は自軍全体を強化してくれるものではあるが、本当に嬉しいのは継続的な追加ドローの能力だ。新たに引いたカードでクリーチャーを再補充できるため、何体かが返り討ちにあう状況でも全軍突撃が可能になる。

 実際に問題となるのは、唱えるためのコストが少々重く、序盤の展開の邪魔になるので初手に複数枚は来て欲しくないことをふまえた上で、3枚と4枚のどちらにしたいかという点だ。とは言うものの、複数枚展開する意味もあるし、通常なら最低でも1枚は引きたい超強力なカードでもあるので、危険性を受け入れつつ4枚全て残すことを選ぼう。

戦場での猛進

 この別の戦士関連カードは少々違う働きを見せる。うまく使えば小型《踏み荒らし》となる。

 しかしながら、《戦場での猛進》はすでに勝っている状況でしか役に立たないという場合が多い。戦場に出してすぐに発揮する効果だけでは終わらない《略奪者の戦利品》をすでに4枚採用しており、同種のカードをあまり多く採用することはできない。《戦場での猛進》は問題なく外せる。

 挙げてきた変更を加え、それに対応するためにマナベースを調整し、デッキはこうなった。

Gavin Verhey's A Good Mardu Goes to War

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 このデッキはNBAのバスケットボール・チーム、ゴールデンステート・ウォリアーズばりの素早く強力な攻撃を見せる。たとえそれがうまく行かなくても、《殺人王、ティマレット》と、さらなる戦士を展開するための《略奪者の戦利品》が遅いゲームでの戦いをサポートするだろう!

 もしこのデッキの赤要素を増やしたいなら、《戦名を望む者》や《国境地帯の匪賊》を試せるだろう――しかしマナベースは不安定になる。逆に、白黒2色だけにしてより安定したマナベースにすることもできる……少々使えなくなるカードがあるけれどもね。(《ウルドのオベリスク》のための枠ができるかもしれないので、それはそれで良いかもしれない。)あと考えられるのはもう少し大きなクリーチャーを用いる方向性で、戦士ではないが《軍族の解体者》を一番重いカードとして新たに採用するデッキも組めそうだ。

 あらゆる場所に戦士がいる。彼らを並べて楽しんでくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今回送られてきた他のマルドゥ・デッキにはどんな面白いものがあったかって? この先にどうぞ!

Travis Comstedt's Constellation of Slaughter

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Taiyo Sakai's Mardu Ascendancy

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Planeswalker (1)
1 Sorin, Solemn Visitor
ソーサリー (4)
4 Hordeling Outburst
アーティファクト (1)
1 Hall of Triumph
エンチャント (4)
4 Mardu Ascendancy
60 カード

George Wolfe's Butcher the Rabble

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Kento Hatao's Goblin Ascendancy

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ソーサリー (4)
4 Hordeling Outburst
インスタント (2)
2 Shrapnel Blast
アーティファクト (4)
4 Obelisk of Urd
エンチャント (4)
4 Mardu Ascendancy
他 (8)
4 Battlefeild Forge 4 Mana Confluence
60 カード

Mark Ian Alloso's Mardu Tymaret's Tokens

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Yuusuke Miwa's Mardu Reanimate

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Nabil Stendardo's Mardu Aristocrats

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Walter McManigal's The Oracle of Mardu

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クリーチャー (6)
4 Oracle of Bones 2 Stormbreath Dragon
インスタント (8)
4 Magma Jet 4 Murderous Cut
アーティファクト (2)
2 Whip of Erebos
他 (8)
2 Chandra Pyromancer 1 Sarkhan the Dragonmaster 1 Elspeth Suns Champion 4 Tormenting Voices
60 カード

Noda Teppei's Mardu Style Table Manners

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Dai Kasahara's Zurgo GO!

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Frogue's Bloodsucker Combo

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 今週はワールド・ウィークが開催される。それぞれのチームがどんな戦略を選ぶにせよ、今週は素晴らしいマジックを大量に見られることになるだろう。すべてが始まる今週をお見逃しなく!

 世界選手権とワールド・マジック・カップが開幕する一方、今年の「ReConstructed」は間もなく終了を迎える(原文掲載:12月16日分から休載となります)。もうすぐ冬休みをいただくので、今回のデッキ募集はなしとさせていただく。

 しかし、休みに備えるにはまだ早い。記事の掲載は続くので、来週の記事でお会いしよう!

 今週のイベントカバレージを満喫してほしい。暖かくして、楽しんでくれ!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)

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