ティムール・タイタンズ

更新日 Reconstructed on 2015年 2月 3日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 鏡よ鏡、鏡さん、最も獰猛な部族はどこかな?

 そのとおり。今回取り上げるのはティムールだ!

 今回も、素晴らしいデッキリストが数多く投稿されてきた。新たなスタンダード環境も、引き続き心躍るものになりそうだ。(そして、試してみたい新しいアイディアを探しているなら、この記事の最後にある「惜しくも選ばれなかったデッキたち」を絶対に見ておいたほうがいいよ!)今後、別の回で、他の部族も取り上げることになるだろう。

 しかし今回の記事はティムールについて扱う。そしてそれは、1つの特殊な構築が私の目を捕らえたためだ。サミュエルという、名称だけしか分からない謎の人物から送られてきたティムール・デッキを見てみよう。

サミュエルの「ティムールのマニフェスト」

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その戦術とは

 多くのティムール・デッキがそうであるように、このデッキも、素早く現れては対戦相手を追い詰める巨大クリーチャーで満ち溢れている。そこに違いはない。しかし、サミュエルのティムール・デッキのマナカーブと、その頂点に搭載されているいくつかのツールにまつわる彼の戦略に、私はまさに目を奪われたのだ。

 他のミッドレンジ・デッキに比べればもう少しアグレッシブになりがちなのがティムールだが、このデッキは――確かにアグレッシブにも動けるものの――さらにその構成内に《囁きの森の精霊》と《野生呼び》をも搭載している。もちろん、《大いなる狩りの巫師》と《龍爪のヤソヴァ》という新カードで圧力をかけることもできるが、《囁きの森の精霊》を着地させればゲームはそのまま終わりうる。

 確かに、このデッキをよりアグレッシブにすることもできる――《ゴブリンの熟練扇動者》は《大いなる狩りの巫師》といいコンビになるに決まってる――とは思うが、私としては、もう少し高いマナカーブを持ってミッドレンジ範囲に収めておく方法を模索したい。それはマナ・クリーチャー、大きな影響を与える脅威、そして妨害要素という、対戦相手を倒すためのコンビネーションだ。

 このデッキをもう少しミッドレンジ寄りにする準備はいいかな? さあいくぞ!

デッキ詳細

 どれが生き残るに十分な獰猛さを持つカードで、どれが荒野で隠れているべきカードだろうか? デッキのカードをすべてチェックし、どれがデッキに合っていてどれが外すべきものかを確認していこう。

クルフィックスの狩猟者

 今やほとんどのスタンダード・プレイヤーが、このカードのことを知っているだろう。実際のところ、より攻撃的なティムール・デッキではまず用いられないが、このデッキにとっては素晴らしい相性になりうる。こいつが戦場に残っているかぎり、ブロッカーになり、ドローを調整し、さらにライフを与えてくれるんだ。こいつを4枚投入できるなんて素敵だね。

龍爪のヤソヴァ

 《龍爪のヤソヴァ》には攻撃するための要素が詰まっている! パワー4のトランプル持ちとして、自分でダメージを通すのが得意というのも良いところだ――しかし真に彼女をそれ以上の存在にしているのは、その能力だ。対戦相手がこのデッキ相手にブロッカーを用意するためには、2体のクリーチャーを控えさせなければならないので、この能力を前にブロックでしのぐのは極めて困難になる――そしてその片方を、例えば《ティムールの魔除け》などで除去してしまえば、残りを奪い取って突破可能となる。(もしくは、《ティムールの魔除け》で同士討ちさせるために、奪ってから格闘させるのもいいかもね!)

 《クルフィックスの狩猟者》や類似のクリーチャーが攻撃を鈍らせる環境において、《龍爪のヤソヴァ》は極めて優秀だ。彼女が奪い取れるクリーチャーは大量に存在し、それが対戦相手を悩ませる。基本的に伝説のクリーチャーを4枚採用することに対して、私は少々抵抗がある。とはいえ、《龍爪のヤソヴァ》がかなり死にやすい――タフネスが2なので、スタンダード・フォーマットにおける彼女はかなり対処されやすい――という事実と、なるべく引き入れたいという点から、ここでは上限の4枚まで投入するのが良いだろう。

 加えて、このデッキが持っていなかった別の強力な3マナ域として、《凶暴な拳刃》の存在がある。クリーチャー重視のティムール・デッキがこれを4枚入れていないというのは私には想像しがたい話で、そう……《凶暴な拳刃》はいいクリーチャーなんだ。有用な能力を備えた3マナ4/4は大きな圧力をかけられるクリーチャーであり、このデッキにも4枚追加したいと思う。

大いなる狩りの巫師

 この新しいシャーマンは対戦相手に大打撃を与える。クリーチャーで攻撃し続ける限りそれらが強化され続けることに加えて、戦線が膠着した場合にも手札を補充してくれるので、必然的に長期戦での安定感をも与えてくれる。ゲームが長引いた際に1枚は必ず引き込みたい類のカードだ。

 このデッキのマナ・コスト高めの枠には様々な選択肢が存在する。《大いなる狩りの巫師》は複数枚引き入れたいカードだとは思うものの、脆いクリーチャーをこれ以上多く採用したいと思っているわけでもない。特に、多少の長期戦を見込んでいる場合にはね。長期戦になった場合にそこそこお目にかかれるよう、それでいて引きすぎて負担になることも少なくなるよう、今回は2枚入れるのがいいと思う。

囁きの森の精霊

 軍隊編成者。予示する者。樹木の王者。このカードが役に立たないなんてありえない。(ターン終了ステップまで生き残るとすれば)5マナでパワー6相当として登場し、その後、対戦相手がこれを早めに除去できなければ、相手にとってゲームはコントロール不能な状態へと突入する。コントロール・デッキにとってはさらにやりにくいことに、《対立の終結》や《命運の核心》後に2/2の――あるいは2/2より良くなる可能性のある――軍勢を残してくれるため、これは全体除去への対策としても優れている。

 私が採用したい5マナ域であることは間違いない。可能な限り早く戦場に叩きつけてゲームを支配したい――よってこの4枚はそのまま採用確定だ。

爪鳴らしの神秘家

 マナ加速を素早く展開することは、こういった戦略を補助する手段の根幹であり、ビートダウンやコントロールに先んじて動くことを可能にしてくれる。当然このデッキも例外ではなく、ここでも《爪鳴らしの神秘家》は素晴らしいカードだ。もともとティムールのために作られているものでもあり、絶対に4枚使いたい。

 さらに、マナランプ(マナを伸ばす行動)はもっと必要になる。マナを素早く伸ばす方法を十分に持っているかどうかは死活問題だ。調査すべき2つの選択肢として、《森の女人像》と《エルフの神秘家》がある。

 通常、ミッドレンジ・デッキでは《森の女人像》が多く使われている。しかし、とりわけ《龍爪のヤソヴァ》の登場により、《エルフの神秘家》には多くの強みが出てきた。《龍爪のヤソヴァ》、《クルフィックスの狩猟者》、そしてうまくいけば《凶暴な拳刃》を2ターン目に展開可能だ。このデッキにとって1マナから3マナへのジャンプは、2マナから4マナへのジャンプよりもずっと意味がある。

 1ターン目に《エルフの神秘家》を唱えられるようにするため、マナベースをいくつか調整する必要は出てくるが、小さなエルフを追い出すほどの問題ではない。《エルフの神秘家》は4枚だ!

ケルゥの呪文奪い

 表向きになった時に誘発する能力を持っている予示クリーチャーは怖い存在だ。予示から4マナで《ケルゥの呪文奪い》を表にして相手の呪文を奪うというのは、こいつを残しておきたくなる夢のような動きだ。

 とは言うものの、問題なのは、まさにそれが夢以外の何ものでもないところだ。このデッキは、予示のためのライブラリー操作は持ち合わせていない。(《クルフィックスの狩猟者》がいるにはいるが、これは土地をライブラリーの上から移動するだけで、実際に一番上に置きたいカードを持ってくる助けにはならない。)そして予示できないなら、《ケルゥの呪文奪い》を単体で活躍させるのは無理だ。いいコンボではあるが、このデッキ用じゃないね。

灰雲のフェニックス

 《灰雲のフェニックス》には素晴らしい点がいくつもある。何よりもまず、これはパワー4を持つ飛行クリーチャーだ。このデッキは地上で膠着状態に陥ることがままあり、《囁きの森の精霊》がその状態を打破する助けにはなるものの、攻撃を通すための飛行クリーチャーを持てるようにしておくこともまた重要だ。それに加えて、死んだときに戻ってくる能力があり、このデッキに復帰力を加えるのにも役立つ。

 しかも、ちょっとしたおまけとして、これを予示できればたった4マナで表にできる。まあ、《ケルゥの呪文奪い》のところでめったに起こることではないとは話したが、単体で十分に良いカードであれば、覚えておきたい良いおまけだ。

 4枚にしたいとは思わないが、3枚なら何の問題もない。リストにもう1枚追加しよう。

嘲る扇動者

 《嘲る扇動者》は単体で見た場合、全然使えないだろう。予示できれば小粋なカードではあるが、手札からだと基本的には変異として出したいカードで、このデッキはすでに3マナ域が渋滞している。また今度ね、《嘲る扇動者》君。

野生呼び

 《野生呼び》は、長引いた場合にサイズの大きなクリーチャーを多少は持てるようにしてくれる。大事な問題は、大型クリーチャーが必要か? という点だ。

 ほとんどの場合、ゲームの序盤に《野生呼び》を唱えたいとは思わないだろう。基本的には2/2を生み出すもので、それがもし表になれるなら嬉しいおまけだね、という基準で予示カードを推し量る。これが予示カードの扱いに関する個人的な指針だ。そして2~3ターン目にこれを唱えられることもありうるが、このデッキではその状況はほとんど生まれないだろう。

 この時点では、後々のターンを意識しはじめなければならない。そして、出てくる疑問はこうだ。このデッキが望んでいるのは、単に大きいクリーチャーか、それとも何か能力を持ったクリーチャーか? (野生呼び/Wildcall(FRF)》を最も唱えたいマナ域であるにもかかわらず、4~5マナ域の能力持ちクリーチャーをプレイできるのであれば、それを押しのけてこれを唱えたくはない。

 結局、《野生呼び》は私が要求する水準にはほど遠い。悪いカードだと言うわけではない。そうではなく、デッキに入れることはできてもデッキに適してはいない、というだけだ。

火口の爪

 《火口の爪》は突然ゲームを終わらせる手段として私が好きなものの1つで、このデッキに入れて使える強力なカードだ。そして、対戦相手が持っていてこちらのライフを0にできると分かった時はがっかりするカードでもある。このデッキにはパワー4のクリーチャーが勢揃いしているので、必要であれば《ショック》として使うのも簡単なことだ――しかしほとんどの場合は、対戦相手に止めを刺すために突きつけることになるだろう。これを2枚引くのは「運よく」勝つにはいい方法だ。脅威を展開したい序盤にこれを何枚も引きたくはないので、4枚目を入れたいとは思わないが、3枚使えるのは確かに良いことだね。

現実変容

 《現実変容》は、普段除去を持てない青いデッキにおける良い選択肢だ。青単が、効果的かつ永続的に戦場からクリーチャーを除去できることはめったにない。しかしながら、そもそも今扱っているようなデッキで除去呪文が欲しいなら、効果的な赤の除去呪文をいくつも利用できる。《現実変容》が本当に必要なカードだとは言えないだろう。

ティムールの魔除け

 この魔除けはティムール・デッキにうってつけだ。除去したい? できるよ。ブロッカーを回避したい? いいとも。厄介な呪文を打ち消したい? まかせろ! これはこういうデッキに必要なことをいくつも実行してくれる!

 《火口の爪》同様、序盤の手を詰まらせたくはないので4枚にはしない。しかしいったん盤面を確立したなら、間違いなく手札に欲しいカードだ。3枚目を追加したい。

 デッキのために行いたい最後の調整は、《龍語りのサルカン》を1枚追加することだ。これはデッキの一番重いカードの1つになるが、除去にも脅威にもなれる柔軟性がある。私はデッキに丸さが欲しい。これらの変更を取り入れ、最終的なデッキリストは次のようになった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「囁きの森のティムール」

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 これでこのデッキはあなたのものだ! 最新のティムール・デッキをお届けした。自らティムール・デッキに取り組んでいる皆の役に立つ、いいお手本になるんじゃないかな。

 ちょっとした変更の余地は確かにある。もちろん、より「通常の」ティムールのような、アグレッシブさを持つ構築にも調整可能だ。もしそうしたいなら、(このデッキだと3マナ域に負担がかかるけれども)《ゴブリンの熟練扇動者》と、追加の《大いなる狩りの巫師》を検討できる。またはファッティにシフトして6マナ域まで手を伸ばし、《サグのやっかいもの》を考慮することもできるだろう。選ぶのはあなただ!

 デッキをどの方向に伸ばすにせよ、楽しもう。存分にね!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 『運命再編』後の面白いデッキを探してる? 今回投稿されたほかの素晴らしいデッキをいくつか紹介しておくから、見てみるといいよ!

ジョン・ウェットミラーの「青黒 激浪・雲変化の曲線」

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ジャック・アドコックの「魂剥ぎの鞭」

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タロン・ストラドレイの「無駄省き・闇取引 手札破壊」

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アディソン・フォックスの「謎を解いてみろ」

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ブライアン・ゲッデスの「包囲をすり抜け疾駆せよ」

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ティボルト・アドソンの「ウォーゲーム」

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カサハラ ダイの「黒単信心」

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ルンディズの「溶ける世界」

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トラヴィス・コンステッドの「戦士よ出撃せよ」

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ヤコブ・ミリチッチの「ジェスカイ・マスターズ」

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イトウ カズナリの「ゾンビの包囲」

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マーク・イアン・アローソの「赤単信心」

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