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通常、プレビュー・カードについてまわる質問とは、「これは、どんなデッキになら入るだろうか?」というものだ。どこにそのカードが納まるか、どんなデッキがその効果を望むか、それはどれほどの強さか、等々の判断が必要になる。
しかし今回のプレビュー・カードは、少々違う思考過程をたどる。私のデッキ構築視点に、ちょっとした気づきを与えてくれるものだ。
「これは、どんなデッキになら入らないのか?」
もちろん、カードの色マナが払えないならば、それは使えない。それは当たり前だ。しかし、色マナが払えるのであれば、このカードは使いどころがたくさんあるんだ!
ちょっと昔の話をしようか。
2007年、『ローウィン』ブロックのころ、デザイナーは何か新たに作れる呪文サイクルがないか探していた。過去に魔除け(《ドロマーの魔除け》のような、3つのモードから1つを選べるカード)のサイクルを作ってみたこともあったが、この場合はそぐわなかった。レアのサイクルには相応しくなかったんだ。
そのため、それまでのマジックに存在しなかったような、新しいデザインのカードを考案することになった。命令サイクルだ。

3つの選択肢から1つを選ぶ「だけ」でなく、4つから2つ選べるようになった! それらのうちの1つは、おそらくよく知っているだろう。そう、《謎めいた命令》のことだ。
けれど、サイクルである命令すべてが、当時のスタンダードである程度使われていたという事実は、もうあまり知られていないだろう。《不敬の命令》は、エルフ・デッキで人々を突然死させてきた。《質素な命令》は、白系のデッキに選択的な盤面コントロール能力を与えた。《原初の命令》は、クリーチャー・デッキが必要とした方針にぴったりだった。《焼夷の命令》もまた、全体除去と土地破壊の両方を持ち合わせた呪文として少々の活躍が見受けられた!
今でも統率者戦のデッキや、キューブ、そして時々モダンよりカードプールが広いフォーマットにおいてさえも、しばしばこれらのカードが見受けられる。命令サイクルの印象が強烈に残ることになったのは、確かに《謎めいた命令》によるものだ。しかし、どの命令も環境に影響を与えていた。
『ローウィン』以降、命令デザインのための余地は取っておかれた。それはこれまで再挑戦してこなかった箇所だ。これまでのマジックの歴史の中で、5つの命令が存在したのは一度だけだ。人気があるにも関わらず、振り返ることがなかったサイクルだ。
つまり、タルキールまでは。いや、タルキールまでというのは正確じゃないな。新しいタルキールまで、だ。ドラゴンの世界が来るまでは。
命令サイクルの新たな系譜が登場することについて、心の準備をしてくれ。
紹介しよう! 〈オジュタイの命令〉だ!

理解するために、少し時間をあげよう。よくテキストを読んでくれ。このカードを唱えるときに選ぶことができる、6通りの選択肢について考え始めてみよう。
『タルキール龍紀伝』では、5体のドラゴンが『運命再編』から舞い戻ってくる。それぞれがそれぞれの立場に登りつめるまで、1000年以上の長い時が流れた。今やそれらはエルダー・ドラゴンだ。支配権を行使するための特別な呪文を用いて、配下に従えている相当な数のドラゴンに命を下す。エルダー・ドラゴンはそれぞれ、多色の命令を下すんだ。
そしてそれらの命令は……。ああ、使われているのをよく見かけることになるだろう、とだけ言っておこう。
よし、それじゃあ〈オジュタイの命令〉についてだ。ちょっと調べてみよう。

カードを1枚引く効果は、数多くのカードを強力な存在にしてきた、格別な味わいを持つ要素だ。カードを引きつつ別の何かをするために命令を用いる場合、戦況はとても良い状態にある。少なくとも手札を減らさずに呪文を唱えることができるわけで、対戦相手との応酬が有利に進むというわけだ! この呪文を唱えるときは、ほとんどの場合、このモードを含むだろう。それは素晴らしいことだ。このモードは、このカードが持つ長所の大部分を構成している。

「打ち消しつつカードを引く。」
《放逐》の誕生以後、この単純な文句はいつだって青魔道士たちの心を躍らせてきた。《放逐》のときも。《除外》のときも。《謎めいた命令》のときも。そしてこの文句は、ここでも素晴らしいものだ。〈オジュタイの命令〉は、クリーチャー呪文を相手取る時にこの文句が使える。それが有効な対戦ではこの文句を唱え、そうでなければ別のことができるということだ。対戦相手があまりクリーチャー呪文を唱えてこなかったり、すでに大量のクリーチャーを展開された後だったりする場合、《骨を灰に》のような呪文だと手札で腐ってしまう。しかし〈オジュタイの命令〉には、このモードが素晴らしい状況なら打ち消しを選び、そうでない状況なら別の何かを選べる、という柔軟性がある。

そして、クリーチャーを打ち消せなかったとすれば、それに殴られることになる。様々な白青デッキがそうであるように、状況を安定させようと必死になるだろう。手札の《骨を灰に》を、4ライフを得てカードを1枚引く効果に変更したくはないかな? それ単体ではデッキに入れたいと思わせるほどの利点はないが、手札にあると嬉しいカードなのは確かだ。
バーン・デッキと対戦している状態を想像してくれ。通常、メインデッキにライフを得るカードが十分に搭載されていることは、ほとんどない。だが今や、あなたのメインデッキには、追加でライフを得るためのカードがいくつもあるんだ! あるとないでは大違いだ。

このモードがここで他のモードと併記されているのは、少々意外に思えるかもしれない。これは一般的に、まさにコントロール、というデッキではちょっと使われないだろう。
クリーチャーを、インスタント速度で墓地から戦場に無料で戻すだって?
興味深いね。
アグレッシブ・デッキやミッドレンジ・デッキでは、序盤に死んだクリーチャーを復活させるためにこのモードを用いながら、同時にカードを引いたり危険なクリーチャーを打ち消したりできる。コントロール・デッキでは、このモードを使えるようにデッキを組むとすれば、例えば《魂火の大導師》を戻すために使えるだろう。(あるいはもしかしたら、〈オジュタイの語り部〉を戻すためにね。語り部については、すぐにあなたもよく知ることになるだろう……)
そしてこれは、自分のターンだけではなく、いつでも使える。相手のターン終了ステップに、脅威を出現させられるか? もちろん。戦闘中にクリーチャーを復活させて、戦況をひっくり返そうか? いいとも。
相手が白マナと青マナを両方残している場合に、何が起こるかを予想するのは難しい。ほとんどの場合は、見た目で分かる変化は無いだろう。
しかし、哲学の授業はもうこれで十分だ。実際のデッキ構築にどう関わってくるか、調べてみたくはないかな? この新命令を特徴としたデッキを見てみよう!
命令と征服
おそらく、〈オジュタイの命令〉の採用が最も明白なのはコントロール・デッキだ。
コントロール・デッキが望むものといえば?
- 呪文を打ち消せるか? 打ち消せる。
- カードを引けるか? 引ける。
- 全体的に見て柔軟性は十分か? 十二分だ。
さて、〈オジュタイの命令〉を投入したコントロール・デッキを組むための方法は様々だ。ここでは正統派の白青バージョンを紹介しよう。
ガヴィン・ヴァーヘイの「オジュタイ・コントロール」
スタンダード
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このデッキの使い方は、まさしく往年のカウンター偏重デッキの流れに沿ったものになる。カウンターを構えつつマナを伸ばし、その後カウンターをすり抜けた何かを処理するために、《対立の終結》や《払拭の光》などを用いる。そして〈オジュタイの命令〉があることで、序盤に失われたライフを取り戻したり、ドローでデッキの動きを維持し続けたりできるし、もちろん、クリーチャーを打ち消すことも可能だ。
さて、この白青デッキはまさに白青でやれることの基本だ。白青にはゲーム序盤にクリーチャーを除去する手段がやや少ないため、この類の白青デッキが最良の働きをするのは、ミッドレンジやコントロールが多い環境だろう。もしゲーム序盤で使える優良除去を得たいなら、ジェスカイで組むことも簡単にできる。例えば、こういう感じだ。
ガヴィン・ヴァーヘイの「ジェスカイ・コントロール」
スタンダード
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ああ、これが3色の力だ。除去呪文が満載され、その後の長期戦を支配する力を持つこの構成は、クリーチャー・デッキに対して圧倒的優位にある。
私は普段、多くの除去を搭載したデッキで、〈オジュタイの命令〉のような使う状況が限られる打ち消し呪文を採用したいとは思わない。しかし、ここは〈オジュタイの命令〉が輝く場所だ。もし対戦相手のクリーチャーに対する準備があり、別の要素に対処したいのであれば、対抗策を見つけ出すために、いつでもこれをドローとして使うことができる。あるいは何かクリーチャー呪文を打ち消す必要があるとすれば、これを適切に使うことができるだろう。
コントロールでの居場所を2つ紹介したが、〈オジュタイの命令〉の居場所は他にもまだまだある。例えば、《英雄の破滅》と、オジュタイと相性のいい《命運の核心》、この2種類のカードを使ったエスパー・カラーも構築できるデッキの1つだ。もし望むなら、さらに多くの命令を搭載した5色コントロール・デッキすら検討できるだろう!
戦闘命令
しかし先ほど述べたように、この命令が有効なのはコントロール・デッキだけではない。これは他の戦略でもばっちり役に立つ!
この命令が、柔軟性を持ち合わせた《放逐》の変種だ、というのは初見でも分かることだが、これのクリーチャーを復活させるモードも信じられないほどに強力だ! インスタント速度で使えるキャントリップ・クリーチャー(カードを1枚引く効果持ちのクリーチャー)にもなり、打ち消しによってテンポを得ることも可能、という柔軟性を持ち合わせている。極めて強力な呪文だ。
例えばこういう構築ができる。
ガヴィン・ヴァーヘイの「命ずるジェスカイ」
スタンダード
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4マナ立たせたままの状態を思い浮かべてくれ。手札には《かき立てる炎》があるとしよう。《稲妻の一撃》でもいい。そこで対戦相手はライフを増やすために《包囲サイ》を唱える……
そして目論みはご破算! 〈オジュタイの命令〉ならね。
あるいは、マナを立たせたままターンを渡し、火力呪文を構えているように見せるのはどうだろうか? 対戦相手は、戦場を一掃する好機と判断して《命運の核心》を唱える……すかさずターン終了時に〈オジュタイの命令〉を唱えて、《道の探求者》や《魂火の大導師》を戦場に戻し、一方的な再攻撃を開始しよう!
我が命令に従え
〈オジュタイの命令〉の使い道はこれで全てではない。多くのジョニー・プレイヤーからしてみれば、《時の賢者》エンジンで無限ターンを得るバント・デッキで、《時の賢者》が除去された場合にそれを戦場に戻すためのカードに見えるかもしれない。そしてモダンでは、例えば《タルモゴイフ》、《闇の腹心》、そして《瞬唱の魔道士》といった最も強力なクリーチャー群を〈オジュタイの命令〉で戦場に戻せる。(そう、その通り。《瞬唱の魔道士》を〈オジュタイの命令〉で戦場に戻せることの意味を考えてくれ!)
この命令サイクルがスタンダードの様相を変化させるのは間違いないだろう――もちろん、〈オジュタイの命令〉はサイクルの1つにすぎない。ドロモカ、シルムガル、コラガン、そしてアタルカの全員が命令をくだす。何を命じられるのか、プレビューに注意を払うことだ……
それまでは、数の増えたドラゴンで何が組めるのか考える時間だ! 何か素敵で新しいアイデアはあるかな? それで最高のデッキを組むのが今回の使命だ!
フォーマット:『タルキール龍紀伝』後のスタンダード
デッキの制限:なし!
締め切り:3月11日(水) 午前10時(日本時間)
投稿方法・投稿先:reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。
デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。
12 Mountain
4 Satyr Firedrinker
3 Ash Zealot
4 Lighting Bolt
(以下同様)
カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)
水曜日まで猶予を設けたことに注目してほしい。つまり数日のゆとりがあり、デッキ投稿の前に公開されるカードを確認できるということだ。このセットのまだ公開されていない部分にも、すごいカードはまだまだある――目が離せない!
〈オジュタイの命令〉の考察を楽しんでほしい! 何か感想や意見があれば、いつでも私にツイートを送るかTumblrで尋ねるかしてくれてかまわないよ。
次回は、このセットで私が一番好きなカードの1つについて話そう――スタンダードで4ターンキルを可能にする、まったく予想だにしないカードについてね。見逃すんじゃない!
『タルキール龍紀伝』の情報を楽しんでくれ。また次回お会いしよう!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)