まさに神秘

更新日 Reconstructed on 2015年 5月 26日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 今回紹介されるデッキはどんなものかって? そうだな、それは秘密だ。

 いや本当に――その通りなんだって!

 オーケー、オーケー。今回は変異を表向きにすることについて、新たな方法を提示できると思うよ……

 ReConstructedにようこそ! 今回は、普通に求められているようなスタンダード・デッキを見ていくのではなく、普段ここで求められているような低予算スタンダード・デッキを見ていくぞ。ということは、投稿されたデッキを調整する上で、今回は新しいレアを追加できないということさ。そして、世の中の低予算戦士にとって喜ばしいことに、これまでドラフトを通して獲得してきたであろうパーツが数多く含まれているんだ。

 何のことを言っているのか、察しの良い人は感づいているかもしれないね。変異戦略という名前から想像されるそのデッキについて、それが何かを突き止めることはそんなにかからないかもしれない。しかし、もうそれを推測している時間ではない! 代わりに、今回用意したデッキリストを調べる時間としよう。

アレックス・ウルフの「お得な痕跡」

スタンダード
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低予算のルール

 この先にある神秘的な青(と緑)へと向かう前に、私が低予算デッキを組む上で用いているルールだけは再掲載しておくよ! 前に読んだことがないなら、こういうものだと思ってくれ。

  • 新しいレアや神話レアをデッキに加えない。むしろデッキに美味なレアを添えた追加料金を設定し、そのレアを調理するか、食べないかのいずれかを選んでもらう。
  • 上記の例外としてマナの安定がある。しっかりしたマナ基盤から得られる恩恵は多く、手に入れた土地は今後のデッキに活かせる不可欠なものだ。せっかくのカードも、唱えることができなければ君たちの力になってくれないだろう!
  • 代用品は用いない。低予算が現在のデッキより悪いバージョンを意味する必要はない――低予算はより容易に入手可能なカード向きのアーキタイプを構築することをまさに意味する。《波使い》や《ジェスカイの隆盛》のようなカードを必要とするデッキにおいてそれを単純に代用できるカードは無い。
  • 低予算は弱いデッキではない。私はこの過程において最善ではないと思うデッキを作ろうとはしていない。マジックの歴史上には、大成功を収めた多くの低レアリティ・デッキがあるし、それらの跡を継ぐ方法は確かに存在する。
  • 各項目のいずれかについて詳細な説明を望むなら、最初の低予算記事の冒頭を確認してほしい。

 以上だ。飲み込めたかな? よし。さあ、このデッキがどう動くのか詳しく調べていこう!


その戦術とは

 さて、このデッキが何をするのか正しく理解できただろうか?

 結局のところ、裏向きのクリーチャーというものは元来、利点のようなものを持ち合わせてはいない。もし40枚の変異クリーチャーをデッキに搭載したとしても、デッキ構築で変異採用を「貫き通す」ことによるボーナスは一切無いだろう。じゃあこのデッキは何ができるのか?

 変異が40枚入ったデッキよりは、もう少しできることが多い。我々は裏向きのクリーチャーのためのカードをいくつか作成してきた――実は、オッホン、マジックが始まるときからね。

 《遮る霊気》や《神秘の痕跡》は、どちらも変異に対して莫大なボーナスを与える。これらは両方とも、このテンポ志向な変異デッキの根幹を形成する役に立つ。

 3マナで置く変異は少々もっさりした感じになりがちだが、(《遮る霊気》の効果で)2マナなら? 膨大な利点付き《灰色熊》軍団の出来上がりだ。その上、いったんその利点を利用し始めれば、《神秘の痕跡》はその軍団が巨漢ぞろいになるよう取り計らってくれる。

 このデッキは序盤からマナを展開して、戦場にパーマネントを継続して出していきたい。こっちにしかその正体がわからない有能な変異クリーチャーは、エンチャントによってさらに強化される。そして、それら変異クリーチャーたちは対戦相手にとって悪夢であり、情報戦でこちらは大きなアドバンテージを得ることになる。

 では、このようなデッキをさらに改良できる余地はあるだろうか? そうだな、まずは、変異採用を貫き通すという方向性を推し進めて、採用する価値のある変異ボーナスが他に何かないか確認していきたい。次に、このデッキのテンポ面をさらに加速させたいね。

 最後に――これまでReConstructedで低予算を扱った記事の中ではやったことがないのだが――レアをいくつか減らしたい。低予算デッキとしては、これは少々レアが多いかな。ほとんどのレアが手に入れやすいもので、マナベースのレアもそれほどではないけれども、いくつかのレアを取り除いて、より低予算のニーズに適したものを採用してみたいところだ。

 よし。いくつかの目標ははっきりした。始める準備はいいかな? いくぞ!


デッキ詳細

 どれがこのデッキでその神秘さを持ち続けられるカードで、どれがこのデッキからはじき出されるカードだろうか? デッキのカードを全て調べていこう!


 このデッキリストの中身は、いくつか入れ替えていくつもりだ――しかし《爪鳴らしの神秘家》を入れ替えるつもりはない。これはこのデッキのマナを加速するだけでなく、これ自身変異を持っていて、他の多くのカードと組み合わせたときによい働きをする。1ターン目に《遮る霊気》を置いて、2ターン目に《爪鳴らしの神秘家》を変異で置くと、3ターン目には5マナを出すことができるので、爆発的な動きが可能になる! 絶対に4枚のままだね。

 このデッキの動きはマナ加速を絡めると相当に強いので、《エルフの神秘家》も4枚採用したい。《エルフの神秘家》には、このデッキで相当な力を発揮できる2つの理由がある。まずは、ほとんどの土地がアンタップ状態で戦場に出るため、1ターン目に唱えるのが容易だということ。しかもその上、一足飛びで3マナに跳んですぐさま変異を出し始められるというのは、極めて大きな恩恵だ。4枚入れよう。


 大変異を持つ注目カードの1つ、《層雲の踊り手》はこのデッキのような戦術によく通じている。まず何よりも、これは裏向きにプレイすることが可能だ。次に、これは飛行持ちのパワー3アタッカーなので、このデッキのテンポ志向を抜群に強化する。そしてテンポについて言えば、これを表にした時に呪文を打ち消すことができれば、対戦相手を完全に置いてけぼりにするほどの大きな成果を得られるぞ。4枚を維持する価値はあるね。


 手堅く攻撃的なサイズでありながら、最も必要なカードを何度も何度も使いまわせる素晴らしい能力を提供してくれる《棲み家の防御者》は、スタンダードで好評を博している。実際に何かを戻すために使いたいので、序盤は温存することになるが、いったん《棲み家の防御者》を有効活用できる段階になれば、これは極めて強力だ。このまま採用しよう。


 このデッキには《クイックリング》との安定した相互作用がいくつかある。いったんクリーチャーの「表向きになったとき」能力を使ってから、《クイックリング》でそれを戻してもう一度利用することができる。例えば、《棲み家の防御者》と組み合わせてみよう。《棲み家の防御者》で墓地の《クイックリング》を回収し、《クイックリング》で戦場の《棲み家の防御者》を手札に戻す。《クイックリング》がブロックに回って死んだら、同じことをまた繰り返せるぞ。そして、もちろん、これらの過程で何かを表向きにするたび、出してある《神秘の痕跡》などの能力が全て誘発する。

 しかしながら、《クイックリング》は、デッキが動いている時には活躍するものの、デッキがもたついている時には大して役に立たない。優勢か劣勢かに影響されることなく役立つカードが欲しい――そして《クイックリング》はいつでも役に立つというわけではない。有用なカードを追加していく代わりに、《クイックリング》はクイッと抜こう。


 こいつはデカい。こいつはゴツい。こいつは対処されにくい。こいつが入っていることに気づかないと、対戦相手はこいつをどうにか戦場からどかせないかと歯ぎしりする羽目になる。それほどに、《サグのやっかいもの》は多くのデッキにとっての悪夢だ。こいつはこのデッキのほとんどの変異のように「表向きになったとき」の能力は持ち合わせていないが、「これが表向きになったとき、対戦相手は悲しげな顔になる」という隠された変異能力でそれを補う。

 デッキリストの3枚は素晴らしい数だ。通常はこれを1枚引き込みたいが、それ以上は必要ない。このままでいこう。


 変異、大変異、そして予示はすべて一緒に使えるようにデザインされたものだ。したがって、《雲変化》は今まで見てきた変異を持つカードとはちょっと違うけれど、それでも《神秘の痕跡》のようなカードとそれなりに関係するところは良いね。

 《雲変化》でクリーチャーを予示できるという点には多くの魅力がある。飛行を持った《サグのやっかいもの》のようなクリーチャーを獲得できるというのは、いつだってこれを採用する気にさせる素敵な(そして楽しみな)夢だ。とは言うものの、飛行を持つクリーチャーはすでにデッキに数多く採用されている。そして、《雲変化》は唱えるたびに何かを無作為に予示するとはいえ、どちらかといえば変異持ちではなく土地やエンチャントを予示することのほうが多いんじゃないか?

 《雲変化》はこのデッキに必要な要素ではなさそうだ。外そう。


 《氷羽のエイヴン》には、デッキの戦術を推し進める優秀な要素が詰め込まれている。これは変異持ちで、3マナだけで表向きになり、しかも相当なテンポの逆転を起こすんだ。それに、満載されている誘発型能力持ちクリーチャーを使いまわすために、自分で自分のクリーチャーを戻すこともできる。さらに、状況に応じていつでも2マナ2/2飛行クリーチャーとしても利用可能だ。4枚に増やしたいね。


 この選択の背後にある意図には、一考の余地がある。つまり、後から引いたマナ生成クリーチャーや、「表向きになったとき」の能力をすでに利用し終わったクリーチャーを放棄することで、テンポをさらに取りにいける打ち消しが利用できるようになる。加えて、変異や大変異のコスト支払いなどのためにマナを残すようにしたいので、3マナを残しておく動きは自然だ。

 とはいえ結局のところ、《シルムガルの魔術師》はこのデッキに充分適しているわけではない。構築のテーマには関わらないし、単体で見たカードパワーも要望する基準には達していない。《シルムガルの魔術師》は除けておこう。


 時々これは《サグのやっかいもの》より使えるだろう。時々これは《サグのやっかいもの》より使えないだろう。確かにこれは状況に依存する。しかしながら、基本的には《サグのやっかいもの》のほうがいいと思う。加えて、この役割のカードに使える枠は多くない。さらに、記事の最初のほうで述べた目的の1つには、このデッキを組みやすくするためにレアをいくつか削るというものもあった。そして、神話レアである《頭巾被りのハイドラ》は、低予算デッキでは看過しにくい。ハイドラにはそのまま頭巾を被っていてもらおう。


 この戦術のための決定的な鍵となるカードだ。クリーチャー除去で破壊されず、同ターンに複数の変異を唱える場合にコスト軽減が「倍加」されるなど、様々な理由で《エルフの神秘家》より優秀だ。そして複数置けばまともじゃなくなる。1マナや0マナで変異を置くことすら可能だ!

 さらに2番目の能力も忘れちゃいけない。意外と強力かもしれないぞ。覚えておきたいのは、ターンの最初からコントロールし続けてさえいれば、いつでも《遮る霊気》を裏向きにしてすぐに攻撃できるという点だ。序盤の加速だけでなく、ゲームを対戦相手の「喉首を狙う」フェイズへと進めたくなったとき(《喉首狙い》フェイズじゃないよ)、そこでもまた《遮る霊気》が活躍するかもしれない。絶対4枚残したいね。


 長期戦で変異にマナをつぎ込むため、充分なマナを確保したいか? いいとも。変異を表向きにしたとき、攻撃力を高めたいか? できるぞ。《神秘の痕跡》はゲーム中にカード・アドバンテージとダメージの両方を稼いでくれるが、このデッキならその両方をありがたく享受できる。実際には2枚目を引きたくないし、手札がエンチャントで溢れるとデッキが動かなくなるので、3枚に減らしてみたい。

 減らさなきゃならないほどエンチャントを入れるのか気になるって? そうだな、けっこう多いんだ――なぜなら《秘密の計画》も入れたいからね。このカードは、こういったデッキに必要でありながら欠けていた根幹の1つだ。《秘密の計画》は変異戦術にとって絶対に重要で、このデッキの安定作動を助ける。これで手札を大量に獲得すれば、その圧倒的カード量で有利に展開することができるし、全体除去されてもすぐに立ち直ることができる。これは4枚入れたいので、デッキのエンチャントは11枚になる。かなり多いが、そのせいでクリーチャーが引けないということはそこまで多くないだろう。


 変異クリーチャーから最大限の恩恵を受けるために、《生命の遺産》で《棲み家の防御者》などを生け贄に捧げたいという考えはかなり丸い。とは言うものの、基本的には、《生命の遺産》によるカードの流れより、《秘密の計画》によるカードの流れのほうが有効だろう。そして、《集中》もどきに過ぎない上にレアでもある《生命の遺産》よりは、デッキの穴を埋めてくれる足りなかった要素のほうを採用したい。

 今のこのデッキに全く見当たらないのは除去だ。分かっている、実際のところ青と緑はパーマネントを破壊するのが苦手な色だからね。それをどうにかするための良い道が2つある。《解消》のような手堅い打ち消し呪文を入れるか、戦場からクリーチャーを除去する呪文を入れるかだ。

 どちらもありうる選択肢だとは思うが、このデッキはクリーチャーを充分に展開するためにタップアウトすることもあるので、打ち消し呪文のためにマナを残すよりは、邪魔になった段階で除去呪文を唱えるほうがいいだろう。それが、結局《シルムガルの魔術師》を採用しなかった理由でもある。そして、入れてみたい楽しみなカードは《現実変容》だ。

 2マナを払えばインスタント速度で利用できるこの呪文は、《囁きの森の精霊》、《龍王アタルカ》、あるいは《クルフィックスの狩猟者》といったよくある脅威ならどれでも除去できる。そして状況によっては、除去されそうな自分のクリーチャーに対応してプレイし、戦場のクリーチャー数を維持することもできるぞ。これを2枚使おう。


 これらの更新により、最終的なデッキリストはこうなった。

ガヴィン・ヴァーヘイの「秘密」

スタンダード
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 これがヴェールを脱いだ神秘デッキだ! 完璧だね。

 このデッキは目いっぱい楽しめるし、使ってみる価値は十二分にあるぞ。動き始めたときの《秘密の計画》なんか最高だね!

 もし予算を気にしないなら、絶対に入るのが《死霧の猛禽》だ。もし持っているなら必ず入れよう。他には《囁きの森の精霊》が検討できる。でもそのあたりが無くてもこのデッキは充分良いし、強烈な威力があるんじゃないかな。

 皆がこれを楽しんでくれると嬉しいよ! 裏向きのクリーチャー軍団を楽しんでくれ!


今週のマカトール選

 今週のマカトール選では、今回投稿されたほかの素晴らしいデッキをいくつか紹介していく。見てみよう。

ニック・ピコーネの「ウギンの技師」

スタンダード
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タンザナイトの「緑単剣歯虎コンボ」

スタンダード
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ネコマタ師範の「白ウイニー」

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ショーン・レンの「ナヤ英雄的」

スタンダード
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トーマス・ウェイヒルの「黒赤疾駆」

スタンダード
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マーク・イアン・アローソの「白緑”カウンター”」

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ニシザワ ショウの「衝撃の震え」

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EDの「ペザントブルー・アーティファクト」

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サカモト ダイスケの「ターボ・ウィンド」

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アンソニー・ピチェリーの「低予算白緑星座」

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コジマ コウジの「快速ウォーカイト」

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マツナガ トモアキの「大鹿ランプ」

スタンダード
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(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(5月26日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 吉川)

 今週のデッキ構築ミッションは以下のとおりだ。

フォーマット:指定なし。ただし以下の制限に従うこと。

デッキの制限:5月26日掲載分のコラムに含まれるデッキのうち1つに基づく、あるいは着想を得たもの。どのデッキに対するものであるかをメールに記載してほしい。

(編訳注:本記事の末尾に、5月26日掲載分のコラムに含まれるデッキの一覧を掲載します。)

締め切り:6月2日(火) 午前10時(日本時間)

投稿方法・投稿先reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。

 デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。

12 Mountain

4 Satyr Firedrinker

3 Ash Zealot

4 Lighting Bolt

(以下同様)

 あなたのお気に入りはどのデッキだろう? 私に話をしてみたいものは? それはあなた次第だ! 以下のデッキを見て、取り組んでみたいデッキを探してほしい。

 それまで、この記事についての感想や質問があれば、フィードバックをぜひ聞いてみたい。私へツイートや、Tumblrで質問を送っていただければ、必ず拝見しよう。

 そして、グローバルなイベントといえば……今週末は「モダンマスターズ・ウィークエンド」として歴史が刻まれる様子を目にするべく、グランプリ・ラスベガスに赴く予定だ! 見逃せない光景になることは間違いない。絶対に注目してくれ。そして同地にいるなら、ぜひ声をかけてほしい!

 また次回お会いしよう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight


参考:5月26日掲載分のデッキ一覧

Marcos Sanchez - Narset's Transcendance

統率者
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COMMANDER: 悟った達人、ナーセット
他 (5)
1 アシュノッドの供犠台 1 悟りの教示者 1 黄金の願い 1 次元の門 1 偵察
99 カード